記者会見

岸田外務大臣会見記録

(平成26年6月6日(金曜日)8時42分 於:官邸エントランスホール)

冒頭発言

(1)ウクライナにおける国内避難民等に対する支援のための緊急無償資金協力

【岸田外務大臣】本日の閣議におきまして,今般,クリミア及びウクライナ東部から流出したウクライナ国内避難民等に対し,国連児童基金,国際赤十字・新月社連盟を通じ,約2600万円の緊急無償を実施することを決定しました。
 ウクライナにおいては,ロシアによる「クリミア併合」宣言以降,クリミアからの避難民数は増加の一途をたどっております。また,ウクライナ東部における情勢の混迷により,同地域からの避難民の増加も懸念されています。
 今回の協力を通じ,ウクライナの国内の安定化に寄与することを期待します。

(2)牧野外務大臣政務官のウクライナ大統領就任式出席について

【岸田外務大臣】本日の閣議におきまして,牧野たかお外務大臣政務官を特派大使として,ウクライナのポロシェンコ新大統領就任式に派遣することを決定いたしました。
 牧野政務官は,6月6日から7日までウクライナを訪問する予定にしております。

G7ブリュッセル・サミット

【テレビ東京 山口記者】G7ですけれども,エネルギー安全保障等の観点から,ロシアに対する非難,首脳宣言が採択されましたけれども,一方でプーチン大統領は,直後にパリで英国やフランスと首脳会談をするなどしていますが,日本政府として,大臣は4月を目処に訪露する予定だったわけですけれども,それを延期されましたが,今後,首脳会談,外相会談の対話の見通しについて,日本政府としてどう考えているかお願いします。

【岸田外務大臣】今回のG7サミットにおきまして,ウクライナ情勢,地域情勢についても大きな議論になりましたが,その中にありまして,安倍総理の方からは今回の大統領選挙の結果を歓迎しつつ,ロシアに対し今回の大統領選挙の結果を正当なものとして受け入れ,ウクライナ新政権と建設的に対話を進めるようG7各国が働きかけていくことが重要である,こういった指摘をまず,いたしました。
 ロシアとの関係ですが,我が国としましては今後ともG7諸国,あるいは関係国と連携しながら,力による現状変更,これは認められない,こういったメッセージをしっかり発していかなければならないと考えます。
 こうしたメッセージを発しながらも,G7の中でも安倍総理の方から指摘をさせていただきましたが,ロシアが国際的な諸問題に責任ある立場で関与していく,こういったことが重要であると指摘させていただきました。
 今後とも,我が国としましては,ウクライナの問題において,G7諸国との連携は大事にしながらも,ロシアとの対話,政治的な対話,これは大切にしていきたいと考えます。

【テレビ東京 山口記者】具体的に例えば日露間の会談の時期的な目処等,スケジュール感を教えていただければと思います。

【岸田外務大臣】ウクライナの情勢についても,今後とも注視していかなければなりませんし,政治的な対話は大切にしたいと思いますが,具体的な日程について何か申し上げることは難しいと思います。決まったことは何もありません。

【テレビ東京 山口記者】G7の宣言の中には,中国を念頭に非難するような部分があったと思うのですけれど,中国が強く反発をしていますが,こうした中国の反発について大臣の受け止め,見解をお願いします。

【岸田外務大臣】G7の今回の首脳宣言におきましては,航行の自由ですとか,あるいは飛行に関する記述がされていますが,いずれにしましても特定の国を名指したものではありません。あくまでも普遍的なルールの重要性を強調したものであると承知をしております。
 これはG7総意の反映ですので,中国を含む国際社会がしっかりと受け止めてくれることを期待したいと思っています。

伊原アジア大洋州局長の米国出張

【テレビ朝日 藤川記者】伊原局長が6月10日から訪米されますけれども,米国とどのような意見交換を期待されますか。

【岸田外務大臣】伊原局長は,6月10日から12日まで米国のワシントンに出張し,デイヴィーズ北朝鮮政策特別代表はじめ,米国政府関係者との間で,北朝鮮問題を含む地域情勢について意見交換を行う予定にしています。

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