記者会見
岸田外務大臣会見記録
(平成26年2月7日(金曜日)8時40分 於:官邸エントランスホール)
冒頭発言-岸田大臣の訪米
【岸田外務大臣】本日から米国を訪問いたします。ケリー国務長官,ヘーゲル国防長官,ライス大統領補佐官他と会談し,日米間の課題,あるいはアジア太平洋地域情勢等について意見交換を予定しています。
特に,「積極的平和主義」について説明し,国家安全保障戦略を踏まえ,日米の具体的協力につなげたいと考えています。また,米韓軍事演習に際し北朝鮮が緊張を高める可能性があることを念頭に,北朝鮮情勢について米国とすり合わせを行い,非核化に向けた連携を確認したいと考えています。
岸田大臣の訪米
【テレビ朝日 藤川記者】今,大臣から北朝鮮の件について協議したいというお話がありましたけれども,今,国会日程,予算審議等で非常にタイトな中,今回,チャーター機を使って,このタイミングで敢えて米国に行かれるという,このタイミングというのはどうしてでしょうか。
【岸田外務大臣】まず,一つは,今回訪米させていただきますと,我が国において国家安全保障会議が設置をされ,そして,国家安全保障戦略が公表されて初めての日米外相会談となります。是非,我が国の積極的平和主義について説明をしながら,国家安全保障戦略に沿って日米同盟,そして,日米の協力,こういったものをしっかり確認をしたいと考えています。あわせて,北朝鮮動向については,2月末から3月頭にかけて米韓合同演習が予定をされています。その際に北朝鮮が緊張を高める可能性は排除できないと考えています。その前に日米間でしっかりすりあわせを行っていくことは重要だと考えています。そういった様々な点を勘案して,このタイミングで日米外相会談をやることは重要だ認識をしています。
【テレビ朝日 藤川記者】ケリー長官は,今月中国,韓国を訪問するご予定のようですが,それを意識してこの時期ということもあるのでしょうか。
【岸田外務大臣】米国ケリー長官がどの国を訪問するかは正式にまだ発表はないと承知をしています。いずれにしましても,そういった訪問が行われるとしても,日米間では,それに先だって,しっかり意思疎通を図り連携を確認することは重要なことだと思います。
安倍総理のソチ・オリンピック開会式出席(日露首脳会談)
【テレビ朝日 藤川記者】本日,総理が国会日程の後,ソチの方に出発されます。大臣のミュンヘンでの外相会談に続いて日露の首脳会談が行われるわけですけれども,特に,平和条約締結交渉,領土の問題について,どういった首脳間の会話を期待されるでしょうか。
【岸田外務大臣】日露間については,昨年来,テンポよく首脳会談,政治対話が進んでいます。首脳会談も4回行われましたし,歴史上初めての2+2も開催されました。そして,今ご指摘のように,先日のミュンヘン安全保障会議の際にも,日露外相会談をさせていただきました。そして,今回,総理がソチを訪問し5回目の首脳会談を行うということですが,こういったことによって,首脳間においても信頼関係が醸成され,政治対話が進展していくこととなります。是非,この信頼関係を背景に安全保障,経済を始め,日露間あらゆる分野において,連携,協力のレベルを上げ,あわせて,北方領土問題,平和条約締結問題についても前進を図っていきたいと考えています。
中国漁船拿捕事案
【テレビ朝日 藤川記者】昨日,中国の漁船が長崎県の五島列島沖で拿捕されたという報道がありますけれども,事実関係と日本政府としての対応についてお聞かせください。
【岸田外務大臣】そういった事案が発生したということは,承知をしています。ただ,これは関連省庁において然るべき対応をされていると思います。詳細は,担当省庁にお伺いいただきたいと思います。
岸田大臣の訪米
【NHK 渡辺記者】先ほどの米国訪問の意義についてなのですけれども,米韓軍事演習の際に北朝鮮がどう対応するかというところがあるので,すり合わせということですけれども,具体的なすり合わせというのは,かなり朝鮮半島情勢が緊張するということを前提にしているということでしょうか。
【岸田外務大臣】緊張する可能性は排除できないと思います。そして,何よりも北朝鮮については非核化に向けた具体的な動きが,行動が示されることが重要だと思っています。そういった北朝鮮問題全体についても,しっかり意思疎通を図りたいと思います。
安倍総理のソチ・オリンピック出席(日露首脳会談)
【共同通信 鳥成記者】改めてお聞きしたいのですが,日露首脳会談に関して,プーチン大統領が北方領土問題について「引き分け」という表現を使ったこともあります。こうしたプーチン大統領の姿勢を,今改めてどのように評価されていて,どういう期待をされているか聞かせてください。
【岸田外務大臣】昨年の4度の首脳会談を通じまして日露関係全体の底上げが図られ,そして,北方領土問題につきましても,今後の方向性を首脳間で確認できたと考えています。こうして首脳がこの問題について,北方領土問題,平和条約締結問題についても,しっかりと取り組んでいくという意思を確認できたことは,外相間,あるいは事務レベル間での協議にも勢いを与えることになるのではないかと思います。是非,様々なレベルにおいてしっかりと協議を続けていきたいと考えています。
岸田大臣の訪米
【産経新聞 水内記者】今度の日米外相会談の時には,オバマ大統領の訪日の日程なども議題になるかと思うのですが,大臣はどういう姿勢で臨まれるおつもりでしょうか。
【岸田外務大臣】オバマ大統領の訪日については,安倍総理からオバマ大統領の訪日を招聘させていただいているのは事実です。ただ,現状では,まだ具体的な日程は何も決まっていないと承知をしています。外相会談の中で話題になることはあるかもしれませんが,現状何も決まっていない中ですので,今の段階では,それ以上申し上げるのは控えます。
ソチオリンピック
【フジテレビ 山崎記者】ソチオリンピックが,間もなく開会式で,一部の競技も始まっていますけれども,日本選手への期待をお願いします。
【岸田外務大臣】日本の国も,昨年来経済等を中心に元気になってきたという指摘があります。是非,国民の心を元気にするためにも,スポーツの祭典での日本選手の活躍,大変重要であり意義あることだと思います。是非,活躍を心から期待したいと思います。