記者会見
岸田外務大臣会見記録
(平成26年1月31日(金曜日)8時40分 於:官邸エントランスホール)
冒頭発言-「ミュンヘン安全保障会議」出席について
【岸田外務大臣】諸般の事情が許せば,今晩よりドイツに出張し,50周年を記念する「ミュンヘン安全保障会議」に出席する予定です。
安全保障における「ダボス会議」と言われる会議で,米,露,欧州などの閣僚が多数参加する会議におきまして,私からは,「積極的平和主義」の内容を具体的に説明し,理解と支持を広げたいと考えています。
この機会に,ラヴロフ露外相,シュタインマイヤー独外相とバイ会談を予定しています。
日露次官級協議
【テレビ東京 山口記者】本日,日露の次官級協議が都内で行われますけれども,領土問題打開に向けて,どのような姿勢で臨むのか,それについてお願いします。
【岸田外務大臣】予定されている次官級協議におきましては,領土問題,平和条約問題を含む二国間関係,更には国際場裏での協力など,幅広い議論が行われるものと考えています。そして,北方領土問題,平和条約問題につきましては,双方受け入れ可能な解決策を検討すること,加速化させようという両国首脳の合意を受けて,是非,建設的な議論が行われることを期待したいと思っています。
そして,本日の次官級協議の結果を受けて,ミュンヘンにおきまして日露外相会談に臨みたいと思っております。
【テレビ東京 山口記者】ミュンヘンもそうですし,ソチに総理も行かれると思うのですが,今年,ロシアとの外交日程がかなり盛り沢山な年だと思うのですが,政治対話の積み重ねをどう具体的な成果につなげて行きたいか,外務大臣として具体的な成果につなげるためには何が大切だと考えているか,その辺についてお願いします。
【岸田外務大臣】日露の間においては,昨年4回首脳会談を行う等,今後の日露関係の方向性,あるいは弾み,こういったものが確認をされたと受け止めています。
今年も様々な外交日程の中で,意思疎通が図られていきますが,そうした意思疎通の中で是非日露関係全体をしっかりと底上げしていき,そして,北方領土問題,平和条約締結の問題につきましても,前進を図っていきたいと考えています。
中国の防空識別圏
【テレビ東京 山口記者】一部報道で,中国が南シナ海に防空識別圏を新たに設定することについて本格検討に入ったというような報道がありますけれども,中国側から何らかの説明があったかを含めて,事実関係と,こうした中国の動きに対して大臣としてどのように受け止めているかお願いします。
【岸田外務大臣】報道は承知をしています。そして,防空識別圏につきましては,東シナ海の防空識別圏につきまして,公海上の飛行の自由等,国際法の原則に反するものであるとして懸念を表明しているところですが,南シナ海の防空識別圏につきましては,今後,この動きをしっかり注視していきたいと考えております。今後の,動向につきまして情報収集をしながら,しっかりと注視していく考えです。
アングレーム国際漫画フェスティバル
【フジテレビ 山崎記者】フランスで行われた国際漫画祭で,慰安婦問題を巡る日本と韓国の作品がそれぞれ出展されたのですけれども,韓国側の作品は展示を許可されル一方で日本は拒否されたと,主催者側については,政治的な宣伝だということを日本側に言っているという話しがありますけれども,これについて大臣の見解を伺っていいでしょうか。
【岸田外務大臣】ご指摘の行事につきましては,漫画を通じまして友好親善,あるいは国際的な理解を深めていく,こうした趣旨であると承知をしております。そうした趣旨に反する,趣旨に添わない動きがあることについては,残念に思っています。
我が国としましては,そのフェスティバルの会場内,我が国の立場,そして,今日までの経緯を説明する資料を置き,そして,マスコミにも説明を行い,またフランスの鈴木大使も記者会見を行うなど,我が国の立場や,今日までの取り組みにつきまして説明をすることを行っております。
今後とも,我が国のこうした立場や取り組みについては,丁寧に説明を続けていきたいと考えています。
日露次官級協議
【共同通信 小野記者】日露次官級協議ですが,これまで日本政府は,北方四島の日本への帰属確認を求める立場を堅持していると思うのですけれども,今後の協議でも,この原則的立場を維持しながら交渉に臨む考えでしょうか。
【岸田外務大臣】我が国の原則的な立場,考え方,これは変わっておりません。その立場に基づいてしっかりと協議に臨んでいきたいと考えています。