記者会見

佐藤外務報道官会見記録

(平成26年1月29日(水曜日)16時33分 於:本省会見室)

冒頭発言-木原外務大臣政務官主催「復興支援意見交換会(レセプション)」の開催について

【外務報道官】お手元に報道発表の資料があるかと思いますけれども,木原外務大臣政務官の主催で「復興支援意見交換会」,これをレセプションの形で開催いたします。
 2月4日,外務大臣政務官は,グランドプリンスホテル新高輪におきまして,全国の都道府県の国際交流活動を支援するためにレセプションを開催します。
 このレセプションでは,被災3県を含む都道府県,それから,駐日の外交団,駐日の各国の商工会議所,こういったところの出席を得まして,東日本大震災から3年を迎えるにあたって,復興,あるいは風評被害払拭に向けた地方自治体の取組に対する支援の一環として意見交換を行う,それとともに,希望する地方自治体による食品の安全性ですとか,観光の魅力,あるいは投資促進等を紹介するコーナーを会場内に設ける,という試みです。
 外務省としては,地方自治体による様々な国際的な取組,あるいは日本企業の支援の一環として,地方産業の海外展開を支援しております。このレセプションも,そうした取組のひとつとして開催するということです。
 レセプションを通じて,自治体の方々と外交団,あるいは商工会議所の方々が意見交換を行って,先ほど申し上げましたような目的に資する機会になればと思っております。

日露関係

【共同通信 斎藤記者】明後日,31日に日露次官級協議が予定されています。この件でお伺いしたいのですが,日本政府は基本的立場として,北方四島の日本帰属を確認すると,ただ,返還の時期とか方法については柔軟に対応するということを基本的立場にしているというように認識しております。今後,協議の中で,今申し上げた四島の日本帰属の確認という部分,これは引き続き堅持していくのか,この部分も含めて交渉対象と協議対象としていくのか,現時点での外務省の基本的見解をお伺いしたいと思います。

【外務報道官】今のご質問に対しては,冒頭斎藤記者がおっしゃったように,基本的なスタンスを維持しつつ交渉に臨むのではないかと承知しております。
 これから,何回か日露で次官級を含めまして機会があるかと思いますけれども,日本政府としては,引き続き基本的な立場を維持しつつ,返還に向けまして,交渉をしっかりとやっていくということだと思っております。

復興支援意見交換会(レセプション)

【フリーランス 安積氏】先ほどのレセプションの件でお伺いします。2月4日という日程は,どうやってお決めになったのかということと,あと,2月4日と言えば暦の上では立春で,今年2月4日は大安も重なって良い時らしいのですが,こういうような迷信的なところですけれども,験を担がれたと言うことはあるのでしょうか。

【外務報道官】私自身は,験を担いだかどうかについては存じ上げておりません。決めるにあたって,それを考慮した方がいらっしゃるかもわかりませんが,私自身は,そこは存じ上げておりません。

日露関係

【共同通信 斎藤記者】今回の次官級協議は2回目になるのですが,どういうことに期待しているのか,この点についてお伺いしたいと思います。

【外務報道官】これは,一部先ほどの私の発言とも関係しますけれども,これから協議を重ねていく,いろいろなレベルで,次官級も含めまして。それらを見渡しつつ,今後の展開が容易になるように準備をしていくということだと理解をしております。

日韓関係

【フリーランス 安積氏】竹島問題についてお伺いいたします。日本政府の,外務省のほうで竹島の,英語を初め外国語で動画をつくって,これで竹島は日本の領土であるというPRをされていますが,韓国で2月に竹島の英語版のホームページと動画をつくるという報道がありました。巻き返しを図っているということだと思うのですが,これに対してさらに日本の領土であるということを主張する戦略などがありましたら教えてください。

【外務報道官】竹島につきましては,昨年,ビデオクリップをつくりまして,これは全部で11言語になっております。あれは一つの試みだったのですが,あれ以外にも,多分,外務省のホームページを見ていただいているのだと思いますけれども,竹島に関係する10の問題,これも英語にもなっておりまして,韓国語にもなっておりますが,いろいろな歴史的な文献についての疑問にも答えられるように,これまでも準備してきた結果が,そこに反映されております。
現在,引き続き,これは竹島も含めまして,日本として国際社会に広く理解してもらいたいというものについては,ビデオは一つの形態ですけれども,わかりやすい,ユーザーフレンドリーな資料をつくるということを心がけていきたいと思っております。

オバマ大統領の一般教書演説

【時事通信 佐々木記者】本日行われました米国大統領の一般教書演説なのですけれども,今年もアジア太平洋地域重視という姿勢は継続するということを打ち出した一方で,これもまた例年と同じ,4年,5年,連続して同じようなのですが,日本の国の名前を例示したところはない。オバマ政権はアジア太平洋重視と言っておきながら去年のAPECに参加しなかったり,これから中間選挙を迎えて内向きになっていくのではないかという指摘もある中で,本日の一般教書演説を外務省はどのように見られていたか。何かあればお願いします。

【外務報道官】佐々木記者がおっしゃるとおり,日本あるいは日米関係についての特段の言及はなかったということでございますが,もともと今回の一般教書演説は3分の2ぐらいが内政でございまして,残る部分について,アジア太平洋重視ということはもちろん言っておりますが,個々の国についての言及は実は余りなく,そういう意味では日本について言及がないことが特別ということでもないのかなと理解しております。 おっしゃるとおり,過去も特に日本について言及があったということでもなく,そういう意味では特に何か注目すべきとも実は思っておりません。もちろん,政府としては引き続き米国と緊密にいろいろな問題について連携していきたいと思っておりますし,米国側からも日米関係重視ということは累次の機会,アジアとの関係の重視とあわせて明らかにされてきていると認識しております。

日中関係

【共同通信 斎藤記者】話が変わって日中ですけれども,これまで中国政府,あるいは国営メディア,あるいは各国にいる中国人の駐在大使の対日批判の中身をどのように分析され,どのように特徴があると認識し,そして,今,どういう形で対応しているのか。簡単にご説明願いたいと思います。

【外務報道官】おっしゃるとおり,最近,そのような中国の活動がありますことについては,これは注意深く観察して,そして,私のほうからも累次申し上げておりますけれども,内容について世の中の人たちに,例えばある特定の任国の大使の発言であれば,そこのそういう内容を読んだ方々が誤解を持ったりすることがないように然るべく対応するということを旨としております。然るべくというのは,誤解があったときに,その誤解が解けるように動く必要がありますし,それから,個々の誤解というよりも,より大きな絵を描く必要がある場合もあろうかと思います。
 その大きな一つの絵というのは,例えば日本の国際社会における戦後の一貫した平和国家としての歩み,あるいは途上国支援,こういう多くの国際社会のメンバーが賛同してくれるような,そういう日本の姿についても伝わるように,改めて思い出してもらえるようにということを心がけて,適切な対応に心がけております。

【共同通信 斎藤記者】今の点ですが,中国側の発言や論評の中には,見るからに受け入れがたい表現も散見されると私は思うのですが,そうしたことに,例えば安倍総理を呼び捨てにしたとか等々あると思うのです。こういうことに対して,先方に対して抗議する考えはありますでしょうか。

【外務報道官】確かに,国際的な世論との関係での対応,それから,場合により,時宜により,これは中国に限らずなのですけれども,相手国政府に必要な申し入れ,ないし抗議を行うことはありますし,そこも含めて適切な対応が必要だと思っております。

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