記者会見

岸田外務大臣会見記録

(平成25年12月6日(金曜日)8時45分 於:官邸エントランスホール)

冒頭発言

(1)マンデラ元南アフリカ大統領の逝去

【岸田外務大臣】世界の歴史にその名を刻まれた偉大な指導者である,ネルソン・マンデラ南アフリカ共和国元大統領のご逝去の報に接し,ご遺族並びに南アフリカ共和国政府,及び国民に対し,謹んで哀悼の意を表します。
 マンデラ元大統領は,南アにおけるアパルトヘイトへの反対運動を展開し,27年間投獄された反アパルトヘイトの闘士でおられます。アパルトヘイト撤廃後の1994年に初の同国大統領となり,人種差別を撤廃し,異なる人種間の融和を推進されました。 我が国は,マンデラ元大統領のご冥福をお祈りし,同元大統領の功績に対し,心より敬意を表明するとともに南アフリカ共和国政府及び同国国民が,この悲しみを乗り越え,同国の一層の発展に引き続き邁進されることを希望いたします。

(2)国連総会本会議における核軍縮決議の採択

【岸田外務大臣】本6日未明,NY時間5日ですが,第68回国連総会本会議において,過去最多となる102か国の共同提案国を代表して,我が国が提出した核軍縮決議案が,169か国という圧倒的多数の賛成を得て採択されました。
 この決議には,2010年5月のNPT運用検討会議における合意事項の着実な実施,そして,核兵器使用による人道上の壊滅的な結末への言及,そして,本年2月の北朝鮮による核実験に対する強い非難等の内容が含まれており,この決議は,「核兵器のない世界」の実現に向けた国際的機運をさらに高めることに貢献するものです。
 このような取組等を引き続き積極的に行っていくことを通じて,「核兵器のない世界」の実現に向け,国際社会の取組を主導していく考えであります。

(3)「日本企業支援推進本部」及び「日本企業支援室」の設置

【岸田外務大臣】昨日5日決定された「新たな経済対策」に盛り込まれている日本企業の海外展開支援を一層強力に推進するため,外務省内に,本日,私(大臣)を本部長とし,三ツ矢副大臣と木原政務官を本部長代理とする「日本企業支援推進本部」を設置いたしました。また,同本部の設置に伴い,企業等との窓口業務や一元的広報等,企業支援に関する横断的業務を行う「日本企業支援室」を経済局に新設いたました。こうした体制強化により,一層強力に日本企業の海外展開支援を進めていく考えです。

マンデラ元南アフリカ大統領の逝去

【TBS 井本記者】マンデラ元大統領が死去されました。国葬となると思われますが,各国首脳級が派遣されると思いますが,今後,日本政府として,どのような対応をされるおつもりでしょうか。

【岸田外務大臣】まず,国葬が執り行われる旨発表されておりますが,日程等は,現時点では不明な状況です。それに対しまして,我が国の対応,国葬への参列者等については,現時点では決まっておりません。至急,政府内で検討を行いたいと考えております。

【TBS 井本記者】大臣か総理が適当とお考えでしょうか。

【岸田外務大臣】その辺も含めて,今,至急,政府内で検討をしております。

特定秘密保護法案

【TBS 井本記者】特定秘密保護法案ですが,会期末を迎えて緊迫の度を増しています。第三者機関の設置を巡って議論のやり取りがあったりとか,それについて大臣の所感と,また与党の国会の運びについて,元国対委員長としてどのような所感をお持ちでしょうか。

【岸田外務大臣】まず,特定秘密保護法案については,我が国を取り巻く厳しい安全保障環境の中,我が国の情報保全体制に対する信頼を確立し,そして,各国同盟国をはじめ関係国と情報共有を強化し,そして,質の高い情報を得るということ,これは大変重要な課題です。そのために同法案は大変重要な法案であると認識をしております。
 この法案が成立したとしたならば,我が国の外交安全保障の体制がより強化されることになると認識をしております。
 そして,国会運営についてご質問をいただきましたが,私(大臣)は今,政府の一員でありますし,政府としては,国会に法律の審議をお願いしている立場ですので,この国会での取り扱いですとか,日程については,議運,国対,あるいは現場の理事をはじめ委員の皆様方の判断にお任せするしかないと考えています。

【朝日新聞 菊地記者】特定秘密保護法案,法案の内容はもとより,やはり審議の進め方があまりにも乱暴ではないかと,国民の理解を得られるのかと,これについて大臣はどう思われますか。

【岸田外務大臣】この法案につきましては,今日まで政府としましても丁寧に説明を続けてきました。国民の皆様方のご理解は大変重要だという認識で説明を続けてきました。具体的な国会での取り扱い,日程等につきましては,先ほども申し上げましたが,政府の立場からは法案の審議をお願いしているわけですので,私(大臣)から何か申し上げるのは控えたいと思います。

張成澤元国防副委員長の失脚

【TBS 井本記者】張成澤氏が失脚されたという情報がありますけれども,外務省として,現状をどのように把握されて,どのように対応されていくおつもりでしょうか。

【岸田外務大臣】ご指摘の点につきましては,大きな関心を持ち情報収集に努めております。 引き続き,情報収集に努力し情報分析を行っていきたいと考えています。ただ,現状,詳細については,具体的な中身は申し上げるのは控えたいと存じます。

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