記者会見
岸田外務大臣会見記録
(平成25年9月17日(火曜日)10時42分 於:本省会見室)
冒頭発言ーシリア情勢
【岸田外務大臣】おはようございます。冒頭,私(大臣)のほうからシリア情勢につきまして一言申し上げます。この週末,シリアにおける化学兵器使用の問題で,重要な進展が幾つかありました。まず14日に米露間でシリアにおける化学兵器の完全な廃棄に向けた枠組みが合意されました。我が国はこれを歓迎するとともに,シリア政府に対してこの合意に基づく真摯な対応を求め,その行動を注視したいと思います。また,日本時間の本日未明にはシリアにおいて化学兵器の使用があったとする国連調査団の報告書が公表されました。以上の動きを踏まえて,現在,国連や化学兵器禁止機関OPCWにおいて今後の具体的な作業等について議論を行っていますが,我が国としては,引き続き化学兵器が二度と使用されないようにするための関係国,機関の努力を支持し,必要な貢献を行っていく考えです。我が国は今後ともシリアにおける暴力の停止と,政治対話の開始,そして劣悪な人道状況の改善のための国際社会の努力に貢献し,難民支援や周辺国支援にも積極的に取り組んでまいります。
以上です。
シリア情勢
【朝日新聞 菊地記者】今の冒頭のお話ですが,国連の調査団がミサイル使用を確認したということで,米,英,仏では軍事介入を示唆するような拘束力のある安保理決議を求めていますが,日本政府としてのお考え,見解をお願いします。
【岸田外務大臣】このシリア問題につきまして,米露合意をはじめ関係各国が努力を行っている,二度と化学兵器の使用がされないように努力を行っているということ,これにつきましては我が国は支持をしておりますし,今後とも必要な貢献を行っていく考えであります。今後ともシリアがこうした動きに対して真摯な対応をとるということについてしっかり注視をしていかなければいけないと考えております。そして,米露両国はシリア政府による不履行が発生した場合等についてもいろいろと協議を行っているようでありますが,これから先の問題については,情勢については予断を持って今の段階でお答えをすることは差し控えたいと思っております。いずれにしましても暴力の停止,そして政治対話の促進,劣悪な人道状況の改善のための国際社会の努力に我が国としてもしっかりと貢献していきたいと考えています。
【NHK 渡辺記者】関連なんですけれども,国連の報告書が出たことについての受け止めといいましょうか,その辺をもう少し聞かせてもらえますでしょうか。
【岸田外務大臣】まず国連の報告書につきましては,8月21日ダマスカス郊外で化学兵器が使用されたと結論づけています。日本政府として改めて化学兵器の使用を強く非難いたします。そして,シリアの化学兵器廃棄に向けた14日の米露間の合意を受けて我が国は現在,国連,或いは化学兵器禁止機関OPCWで行われている今後の具体的な作業等に関する議論,或いは,シリア政府の真摯な対応云々を注視していきたいと考えています。また報告書の中身につきましても,今一度しっかりと日本政府として確認をしていきたいと思っております。
【産経新聞 水内記者】今のに追加して,報告書を受けて米,英,仏はアサド政権側が化学兵器を使用したと,自分たちの主張をより強固なものにする証拠の1つだという形でより断定する方向に行っておりますけれども,化学兵器をアサド政権が使用したかどうかという点についてはこの報告書を受けて大臣の受け止めはどのようでしょうか。
【岸田外務大臣】まず調査団の報告書につきましては,だれが使用したかについては判断をしていないと承知をしています。ただ,この報告書の中でロケットの使用について事実関係解明のための有益な分析を行っています。この点については,我が国としても検討する必要があると考えております。報告書につきましては以上です。
【朝日新聞 菊地記者】今の冒頭のお話ですが,国連の調査団がミサイル使用を確認したということで,米,英,仏では軍事介入を示唆するような拘束力のある安保理決議を求めていますが,日本政府としてのお考え,見解をお願いします。
【岸田外務大臣】このシリア問題につきまして,米露合意をはじめ関係各国が努力を行っている,二度と化学兵器の使用がされないように努力を行っているということ,これにつきましては我が国は支持をしておりますし,今後とも必要な貢献を行っていく考えであります。今後ともシリアがこうした動きに対して真摯な対応をとるということについてしっかり注視をしていかなければいけないと考えております。そして,米露両国はシリア政府による不履行が発生した場合等についてもいろいろと協議を行っているようでありますが,これから先の問題については,情勢については予断を持って今の段階でお答えをすることは差し控えたいと思っております。いずれにしましても暴力の停止,そして政治対話の促進,劣悪な人道状況の改善のための国際社会の努力に我が国としてもしっかりと貢献していきたいと考えています。
【NHK 渡辺記者】関連なんですけれども,国連の報告書が出たことについての受け止めといいましょうか,その辺をもう少し聞かせてもらえますでしょうか。
【岸田外務大臣】まず国連の報告書につきましては,8月21日ダマスカス郊外で化学兵器が使用されたと結論づけています。日本政府として改めて化学兵器の使用を強く非難いたします。そして,シリアの化学兵器廃棄に向けた14日の米露間の合意を受けて我が国は現在,国連,或いは化学兵器禁止機関OPCWで行われている今後の具体的な作業等に関する議論,或いは,シリア政府の真摯な対応云々を注視していきたいと考えています。また報告書の中身につきましても,今一度しっかりと日本政府として確認をしていきたいと思っております。
【産経新聞 水内記者】今のに追加して,報告書を受けて米,英,仏はアサド政権側が化学兵器を使用したと,自分たちの主張をより強固なものにする証拠の1つだという形でより断定する方向に行っておりますけれども,化学兵器をアサド政権が使用したかどうかという点についてはこの報告書を受けて大臣の受け止めはどのようでしょうか。
【岸田外務大臣】まず調査団の報告書につきましては,だれが使用したかについては判断をしていないと承知をしています。ただ,この報告書の中でロケットの使用について事実関係解明のための有益な分析を行っています。この点については,我が国としても検討する必要があると考えております。報告書につきましては以上です。
核兵器に関する共同ステートメント
【中国新聞 藤村記者】来週から国連総会が開会して,また核兵器に関する共同ステートメントについてまとめるような動きが出てくると思うんですけど,日本は4月のジュネーブでの共同ステートメントは賛同しませんでしたが,その際には同趣旨の声明が出た場合にはなるべく賛同できるように努力したいというふうに大臣もおっしゃられていました。これまで大臣や省がどういう外交努力をしてきて,次回に向けてどういう感触を持っていらっしゃるのか教えていただきたいと思いますが。
【岸田外務大臣】ご指摘の共同ステートメントについては,以前もお話ししましたように基本的な考え方については我が国も賛同いたしますし,今後,共同ステートメント参加に向けてしっかりと努力をしていきたい,こうした考え方については変わっておりません。引き続き努力をしていきたいと考えております。そのために私(大臣)も各国を訪問させていただき,共同ステートメントにおいて中心的な役割を果たしたニュージーランドですとか,マレーシアですとか,こうした関係国の外相との会談におきましては我が国のこういった考え方をしっかりと説明させていただき,今後とも協力を要請させていただいてきております。事務レベルでの関係各国との意思疎通を図ってきているところであります。そして共同ステートメント,国連総会の場で動きがあるのではないかというご指摘でしたが,私(大臣)が聞いているところによりますと,共同ステートメントの動きは10月に入ってからになるのではないかという情報も聞いております。いずれにしましても今,申し上げましたような考え方で努力をしていきたいと考えています。
NPDI外相会合
【共同通信 斎藤記者】今の核軍縮不拡散の関連でお伺いします。大臣は今度,ニューヨークに行かれる際,NPDI外相会合にも出席されると聞いておりますが,今度のNPDI外相会合でどのような成果を期待されているのか,日本としてどのようなメッセージを出すのかその点について大臣の見解をお伺いしたいと思います。
【岸田外務大臣】我が国は唯一の戦争被爆国として,今までもそしてこれからもこうした核兵器のない世界も目指すこうした大きな目標に向けて国際世論をしっかりリードしていかなければいけない,こうした立場にあると考えております。そして我が国が現実的な,具体的な対応をするに当たってこのNPT体制,そしてNPDIの枠組みは大変重要な枠組みだと考えております。ぜひこのNPDIの枠組みを大事にしながら,しっかりと国際世論をリードしていきたいと考えております。そして国連総会の一連の国際会合の中においてもNPDIの会合を開催し活用していきたいと考えております。まずはNPDIの拡大ということで従来から努力をしてきましたそうした諸課題等について具体的な成果を確認していきたいと考えています。
【共同通信 斎藤記者】今の私の質問と中国新聞さんの質問の関連ですけれども,改めて日本は米の核の抑止力というものが安全保障上の極めて重要なファクターになっているということは政府も,或いは多くの人はそう感じているところだと思います。この核の抑止力と,それから今,おっしゃられた核兵器のない世界を目指すという方針とどういうふうに整合性をとっていくのかという観点からもう一度,わかりやすく説明していただけますでしょうか。
【岸田外務大臣】まず我が国の置かれている厳しいアジア太平洋地域の戦略環境,これに対しまして冷静な認識を持ち対応していかなければいけない,これは大変重要な点だと思っております。一方で,唯一の戦争被爆国として核兵器のない世界を目指すこうした大きな目標について我が国はしっかりと貢献していかなければいけない,これも大きな大切な課題であります。この2つの課題は決して二律背反ではないと思っております。我が国としては,この2つの大きな考え方,認識を現実的にそして具体的に対応していく,努力を積み重ねていく,こういったことによって具体的な結果を出していくべく努力をしなければならないと思っています。こうした2つの課題に対して,我が国はより現実的に具体的に対応することによって核兵器のない世界という大きな目標についてもしっかりと着実に前進をさせていくことができると思いますし,そうしなければならないと私(大臣)は思っております。
【中国新聞 藤村記者】先ほどの質問の関連ですけれども,共同ステートメントのことですけれども,大臣,省の外交努力の中で書面に賛同する環境とかが整ってきていると思うか,どういう感触を持っていらっしゃるのかということを教えてください。
【岸田外務大臣】先ほど申し上げましたような形で努力は積み重ねてきておりますし,これからもしっかりと努力をしていきたいと存じます。関係国,相手がある話ですのでこれは引き続き努力した結果ということになるわけですが,是非,結果に結びつけるよう最善の努力を続けていきたいと考えています。
集団的自衛権
【日本テレビ 中村記者】集団的自衛権なんですけれども,行使ができるようにするということであれば,きっちり憲法を改正して国民に問うべきだというのが与党の中で主に公明党だと思うんですけれども,意見が出てきていますがこの意見について大臣はどうお考えになられますか。
【岸田外務大臣】集団的自衛権あるいは憲法の議論につきましては,様々な意見があり,そして様々な場で引き続き業務が行われております。ただ政府の対応としましては,集団的自衛権につきましては現在,安保法制懇という有識者会議で議論が行われておりますし,これからも行われることになっております。この安保法制懇の結論,報告書等しっかり踏まえた上で政府としても対応するという方針でありますので,現在においては安保法制懇の議論を見守っていくというのが政府の対応です。