記者会見
林外務大臣臨時会見記録
(令和4年4月2日(土曜日)17時57分 於:ワルシャワ)
冒頭発言
【林外務大臣】ポーランド訪問の初日の今日は、午前中に、「無名戦士の墓」への献花とワルシャワ蜂起博物館への訪問を行った後、同じ時期にワルシャワを偶然訪問中でありましたウクライナのクレーバ外務大臣との間で約1時間でございますが会談を行いました。クレーバ大臣からは日本の多くの迅速な措置、特にですね、強力な対露制裁措置と寛大なウクライナ支援について高く評価をするご発言がありました。また、現下のウクライナ情勢について相当詳しいご説明をいただきまして、非常にタイムリーな有益な会談となりました。概要はすでに貼り出しでお知らせしてあるとおりでございます。
その引き続きまして避難民の方々が置かれた状況を我々の目で確認すべく、ワルシャワ市内の避難民施設を訪問いたしました。大型の展示施設の中に約2500人が避難しておりまして、その多くが女性と子供ということでありました。食料、医療、他国や地方への移動、そして就労支援、教育などですねここの照会に応じて様々な支援が講じられているほか、心理カウンセリングの実施、これは証明を落とした部屋行っているということも見させていただきましたが、こういった細やかな対応が非常に印象的でした。この視察の間に幼稚園児くらいの女の子とですね、言葉を交わす機会がありまして、大変ささやかですがお土産として折り紙を渡して、日本の随行団の中で達人がいまして、あっという間に鶴を折っていただいてですね、大変向こうの方も喜んでおられることが印象に残っております。こうした方々が、そこではなくて元の生活といいますか、一日でも早く元の生活が取り戻せるように最大限の支援を行っていければと思っております。日本に来られた避難民の方々に対する国内の支援の施策を考えていくにあたって、大変有益なこの機会となりました。
その後、国際機関の皆様、具体的には今日はIOM、UNHCR、WHP、WHO、そして「ポーランド人道行動」とそれから「カリタス・ポルスカ」というポーランドの2つのNGOの代表の方々と意見交換を行いまして、避難民支援のニーズや課題についてお話を伺いました。私からは、各機関が、それぞれの強みを活かす形で、日本政府からのですね人道支援を有効に活用していくことへの期待をお伝えをいたしました。代表の方々からは、日本政府の支援の寛大さ、迅速さ、また、柔軟性への謝意とともに、日本政府からの支援が女性・児童・家族支援そして医療分野で早速活用されているということにつきまして、具体的な説明をいただきました。日本政府の支援が有効に活用されていることを確認でき、また今後の課題も聞くことができまして、大変有意義であったという風に思っております。
最後に、先ほどですが、在ポーランド大使館に設置されました「ウクライナ避難民支援チーム」の激励を行いました。私からは、最前線で働くチーム員を激励するとともに、引き続き避難民の方々の声にですね、丁寧に耳を傾け、今後の避難民支援にあたるよう指示をしたところでございます。
明日は、ウクライナとの国境地域を視察するとともに、ジェシュフ連絡事務所を訪問し、同地のウクライナ避難民支援チームを激励する予定です。また、ジェシュフで活動する国際機関の代表者の皆さんとも意見交換を行う予定にしております。引き続き、多くの現場の声に耳を傾けて、今後の日本政府のウクライナ避難民支援の取組に活かしていきたい、こういうふうに思います。
質疑応答
【記者】先ほど避難民のほうの視察のお話ありましたけれども、お子さんとのそのやり取り以外で今回現場のニーズですとか、そういうのを聞きとるという目的があるかと思うのですが、他に印象に残っているやりとり、また実際にご視察してみての感想を改めてお聞かせいただければと思います。
【林外務大臣】我々が視察をさせていただいた施設というのは比較的大規模かつですね、他の施設はご説明を間接的に聞いただけですが、そういうところと比べても非常にスムーズにシステムがうまく機能しているところだというふうに聞いておりました。そういった中で応急医療をするところを、後半最後に近いところで視察をしてそこのドクターと少しお話をしましたけれどもですね、大変多くの方を看ていらっしゃるとのことで、責任者の方には最後にですね、お医者さんの数などは足りているんだろうかということをお聞きしましたが、現時点ではいろんなボランティアを含めてですね、まあローテーションでまわっているということで、すぐに深刻な不足があるということではないというようなお話でございました。また、そのあと、登録の現場にもですね、行かせていただきましたけれども、いろんな職員が派遣をいただきながらもですね、最初の避難民センターも一緒でしたけれども、そもそもの日本で県にあたるところ、そして登録センターでは市にあたるところの職員の皆様がですね、やっていらっしゃるということで普段の仕事とは違ったことをやっておられるということと、通常業務に対してそれだけ負担がかかっているというようなことを思料しましたので、そういうことを参考にこれからも支援を考えるうえで参考にさせていただいたらというふうに思いました。
【記者】続きまして今回、ウクライナから日本への帰国を希望する避難民の方の受け入れにつきまして、帰国に合わせた政府専用機に乗せての受け入れ、この調整状況についての現状どのような状況でしょうか。
【林外務大臣】いろんな報道が出ております。そのことは承知しておりますが、この現在調整中で、ございまして、我々、この帰国を予定しております時までにですね、調整を了することができれば、そういう可能性をですね追求できればというふうには思っております。
【記者】入国を所管されている津島副大臣、この希望するウクライナの方の、日本に入国を希望される方の現状というのはどんな状況なんでしょうか。
【津島法務副大臣】入国を希望される方のバックボーン、家庭の状況は様々あると思っております、具体的のそれらを把握して適切な支援に繋げていくことが大事ではないかと考えてございます。明日以降のスケジュールにもございますので、古川大臣からは、現地の生の声を聴いて生かすようにというご下命がありましたので、しっかりそのことも含めて明日から意見をきいて、今後の支援策に生かしていきたいと考えてございます。
【記者】今日は避難民の方々が待機されている施設の視察ですとか、国際機関の方々との意見交換があったと思うんですが、具体的にいうと大臣として今一番課題になっているもしくはこういうところにニーズがあると感じてらっしゃるところはどういうったところになるのでしょうか。
【林外務大臣】それぞれの所でかなり詳細にいろいろなことを聞いて参りましたので、明日聞くことと併せてまとめて整理をしなければいけないというふうに思っておりますが、今日の印象的なことを申し上げると、これまでも色んな支援を他の国・他の地域等でやってこられた方が、特に国際機関ではいらっしゃるわけですが、これまでのものと比べてもですね、規模が非常に大きい、数がですね、大きいと、で、実際に侵略がまだ続いてるということで、私どもは自分の経験で、11年前東日本大震災の例を出して議論をしましたけれども、津波と比べますと、津波は一度引けばですね、その次の日から復興が始まるわけでございますが、いつまでこういった状況が続くのか、どのくらいのマグニチュードが続いていくのかというのが読めない中でですね、しかしもう避難民の方は大きなマグニチュードが発生しているということで、その辺が色んな今までの例と比べても大変難しいところがあるということは実感をさせていただきました。そういうことも踏まえて、明日の視察も踏まえてですね、しっかりとして整理をして我々として取り組んでいくことがですね、さらに検討を深めていきたいと思っております。
【記者】津島副大臣にお伺いします。冒頭の林大臣の部分と重なる部分があると思いますけれど、実際にその日本に入ってきた避難民の支援というのは入管理庁の方でメインでされると思いますが、今日の視察でどういった部分をその受け入れに関して活かしたいか、伺います。
【津島法務副大臣】受け入れに関してですね、こちら現地を視察して思ったことは、女性と子供が多いというところでですね、それぞれ教育はどうするのか、医療はどうするのか、そういった課題があって、これは医療に関していうと、本当に個別、個別に色々な、例えばワクチン、コロナだけじゃない、さまざまな子供に必要なワクチンをどうする、そういった課題までもあるんですね。こうしたことを関係省庁にしっかり繋ぎながら、必要な支援を迅速にやっていくというのが大きな課題になるというふうに、これは現場を見て実感いたしました。
【記者】林大臣にお伺いします。先ほど調整中ということだったのですが日本を希望している避難民の方の人数の規模間をお伺いしたいのですけども、一人でも大きく希望される方を日本にきていただきたいということであるのか、それともニーズとか細かい背景に方を、是非日本に来ていただきたいということなのか、目指しているところはどういうところなのか、お伺いします。
【林外務大臣】先ほど申し上げたように色んな報道があることは承知をしております。今まさに整理をしておりまして、先ほど申し上げましたようにですね、この可能性を追求していければというふうに思っています。