記者会見
林外務大臣臨時会見記録
(令和4年3月27日(日曜日)22時32分 於:本省大臣接見室)
冒頭発言
【林外務大臣】2日間にわたりまして、アフリカ開発会議(TICAD)閣僚会合、アフリカ50か国の外務大臣等の参加を得て開催いたしまして、私(大臣)が議長を務めさせていただきました。今次会合では、今年の8月に予定され下りますTICAD8に向けて、アフリカ開発における優先課題につきまして、経済、社会、平和と安定、その3つの柱に基づき充実した議論を行いました。また、この機会に、既にご案内のとおり7か国と二国間会談を行い、日本外交の優先課題についての連携に向けて、率直な意見交換を行ったところであります。
この会合の詳細に入る前に申し上げることとして、私(大臣)から、今般のロシアによるウクライナ侵略、これは力による一方的な力による現状変更であり、国際秩序の根幹を揺るがす国際法違反行為として断じて認めることはできない旨をお伝えをいたしまして、国際社会として一致して対処する必要性、これを強調いたしました。これに対し、アフリカ各国からは、ウクライナ情勢とその影響について懸念が述べられ、国際社会が協力することの必要性について認識が共有されたところであります。
次に、アフリカ開発についてであります。TICAD7以降、アフリカを襲った最大の変化の一つが新型コロナであります。今次の閣僚会合における日本からのメッセージとして、私から、今こそ、日本とアフリカが持続可能な社会を共に創るときであり、「人」や「成長の質」に重点を置きながら、アフリカの開発や持続可能な開発目標(SDGs)の実現を引き続き後押ししていくこと、そしてまた、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて、アフリカと協力していくとの意思を伝えたところであります。
その上で、会合では、開発金融問題への対処や民間投資の促進による強靱な経済の構築、また新型コロナ対策を含む持続可能な社会の実現、民主主義の定着や法の支配の推進を含む平和と安定の実現についてアフリカ諸国の皆様と議論をいたしました。その中で、私からは、安保理改革を早急に実現することの重要性を指摘させていただき、アフリカとの連携をこの面でも強化していきたい旨を発言をいたしました。
また、会合の最後にチュニジアから、ホストを務めるTICAD8のロゴの発表がありましたので、これは後日共有させて頂きたいと思います。今次の閣僚会合の結果を踏まえて、日本とアフリカ諸国が連携してTICAD8を成功に導いていく所存でございます。私からは以上です。
質疑応答
【林外務大臣】そうですね、まず、ロシアによるウクライナ侵略の事態を受けた累次の国連決議が約140の賛成によって採択されて、国際社会の意見として表明されています。個々のアフリカの諸国が如何なる立場をとっているかというのは、日本が説明する立場にはないと思っておりますが、今回の会合においても、自分(大臣)から今般のロシアによるウクライナ侵略は力による現状変更であり、国際秩序の根幹を揺るがす行為として決して認められない旨発言し、アフリカ各国からは、このウクライナ情勢とその影響について懸念が述べられたところでございまして、国際社会が協力していくことの必要性について認識が共有できたと思っております。中国についての特段のやりとりはございませんでした。
【記者】冒頭触れられた開発金融に関するやりとりについて、日本側からどういう説明をして、アフリカ側からどういう反応があったのか教えていただけませんでしょうか。
【林外務大臣】私(大臣)から、アフリカ諸国の持続可能な開発には、やはり公正で透明な開発金融を含む自由で開かれたルールに基づく国際経済システムの強化、これが重要であるということを強調させていただきました。これについて問題意識を共有した上で、今後とも協力をしていくということを確認したところでございます。
【記者】大臣の方から安保理改革を早急に実現することの重要性について言及されたとのことですが、これはウクライナ情勢を受けた御発言かと思いますが、これについてアフリカ各国からですね、どういった反応があったかということを教えていただけると。
【林外務大臣】先程も別の件で申し上げましたように、それぞれの国からどういうようなこの発言、どういう立場があったということは、こちらからはお話しする立場にございませんけれども、先程申し上げましたように、このウクライナに対するロシアの侵略によってですね、この情勢について、その影響について懸念が述べられてですね、国際社会が協力することの必要性について認識を共有した、ということでございます。
【記者】先程中国については特段のやり取りはなかったと仰っいましたが、今回のこの2日間の日程で議論した全てのテーマにおいて中国についてのやり取りはなかったということでしょうか。
【林外務大臣】特に先程の御質問の開発金融というようなお話だったと思いますので、そこについて、特にやり取りはなかったということでございます。全体としてもアフリカについてのテーマでございましたので、中国についてのやり取りはなかったということでございます。