記者会見

岸田外務大臣臨時会見記録

(平成29年7月23日(日曜日)15時11分 於:兵庫県神戸大学)

冒頭発言

【岸田外務大臣】「地方を世界へ」プロジェクトの第6弾であります今回の訪問は,昨日の香川県に続き,兵庫県を訪れさせていただきました。まず,「慰霊と復興のモニュメント」に献花を行い,阪神淡路大震災で犠牲となった方々に哀悼の意を表させていただきました。次に,関西領事団の皆様と懇談を行い,関西そして兵庫の魅力の更なる向上に関するご提案等を伺い,意見交換を行いました。その後,兵庫県の名産品を味わいつつ,地元経済界の方々などとの懇談をさせていただきました。
さらに,神戸大学において,「兵庫県の魅力を世界に発信」というテーマでシンポジウムを開催し,兵庫県の魅力の海外発信について,地元の方々と議論をさせていただき,そして自由貿易の旗振り役としての日本の役割の重要性について話をさせていただきました。また,現下の核軍縮をめぐる核兵器国と非核兵器国の対立の克服に向けた,我が国の取組として,核兵器国及び非核兵器国の有識者からなる「賢人会議」のメンバーを今日,発表させていただきました。
今後とも,我が国の開国の先駆けとなった神戸港を擁する,日本の伝統と魅力が凝縮された関西・兵庫の魅力を,力強く世界に発信していきたいと思っています。以上です。

質疑応答

【記者】日程を終えられて,世界に発信する際に,他県に比べても強みになるような兵庫,神戸の魅力はどこにあるとお感じになられましたか。
 
【岸田外務大臣】今日もいろいろ議論の中に出ておりましたが,神戸港開港150周年という歴史があります。また,歴史のある有馬温泉など,様々な観光においても魅力を持っておられます。酒造り,これもこの地域の歴史や伝統を感じさせるものだと思います。「ものづくり」の伝統,こういったことについて聞いています。そもそもこういった素晴らしい歴史や伝統を持っておられますが,今日,話しを聞いていて感じたのは,そうした歴史と伝統,もちろん素晴らしいわけですが,それに耐える時代の変化の中で,工夫を加えてさらに付加価値を高めておられる。こうした努力が加わって,これがこの,現在の神戸の魅力につながっているのではないか,こんなことも感じました。さらに言うと,やはり,阪神淡路大震災,大変辛いご経験をされた方々が,その苦難を乗り越えて,さらに逞しく力強く魅力を発信されている。こうしたことについては感銘を受ける場面もたくさんあった気がいたします。こうした,私が今日,感じさせていただいた魅力,これは間違いなく多くの世界の方々にも魅力として感じていただけるのではないかと確信をしています。そういった思いで,外務省としましては,持っている様々な,在外公館を 始めとする外務省の能力を一層活用しながら,この,兵庫県そして神戸市の魅力発信につなげていかなければということを感じた次第です。
 
【記者】賢人会議のメンバーに広島や長崎の関係者の方も含まれています。被爆地の声をどのように考え,提示していくお考えでしょうか。また核兵器国と非核兵器国の橋渡し役を目指すというお考えをこれまでも示してこられましたが,賢人会議の宣言をどのように提言していくお考えでしょうか。
 
【岸田外務大臣】おっしゃるように,問題意識として今現在,核兵器国と非核兵器国の対立が,より深刻になっているという現状があります。この状況をなんとか打開しなければ核兵器のない世界に向けて,現実的な前進は望めないという危機感に基づいて,唯一の戦争被爆国日本が何ができるのか,こういったことを考えました。核兵器国と非核兵器国の対立が深刻になっている現状の中で,それでは核兵器国と非核兵器国,双方の有識者に参加してもらい,そしておっしゃるように被爆地の広島,長崎からも参加していただいて,この核兵器国と非核兵器国の協力を具体的に実現するためにはどうあるべきなのか,こうしたテーマで議論をしてもらおうということを考えているわけです。この賢人会議においては,今年5月の2020年のNPT運用検討会議の準備委員会の初日に私はスピーチさせていただいて,その際にこれを作ることを表明しました。そして今日その具体的なメンバーを発表させていただいたということです。是非,このメンバーでしっかり議論をしていただき,来年の4月に予定されています第2回の準備委員会においてこの成果を発表させていただき,国際社会に提言,提案をさせていただきたいと思います。そうしたことで,是非,具体的に核兵器国と非核兵器国の協力に向けて何をするべきなのか,これを国際社会と共に考えていきたいと思います。
 
【記者】5月にウィーンで開催されたNPT準備委員会の際に広島・長崎の外国人1,000人招聘計画を表明されていましたが,招請状況は現在,どうなっていますか。
 
【岸田外務大臣】若い方々を中心として,外国の方々を被爆地に招聘するという取組は去年の3月に発表して,2016年度から既にスタートしています。2016年度は1,000名以上をという目標をスタートし,結果として,2016年には1,700以上の外国の方を被爆地に招聘しています。足を運んでもらっています。こうした成果が2016年に既にあがっていますので,2017年も,是非,おっしゃるようにNPT運用検討会議の準備委員会をやると言ったわけですから,2017年も同じく,この取組を続けたいと思います。去年は1,000名が目標で1,700人,足を運んでいただきました。今年も是非,努力を続けてできるだけ多くの方々に被爆地を網問してもらう,こういったことを結果につなげていきたいと,このように思います。
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