記者会見

岸田外務大臣会見記録

(平成28年10月14日(金曜日)8時50分 於:官邸エントランスホール)

ユネスコ分担金

【記者】ユネスコの分担金についてお伺いいたします。例年は予算成立後,速やかに支払っているものだと思いますけども,今年はまだ保留しているということですけれど,その事実確認をお願いいたします。

【岸田外務大臣】昨日,自民党の会合において,分担金の支払いを現時点で行っていない状況について説明を行いました。今後については,総合的に判断していきたいと考えます。

【記者】今年度保留している最大の要因として考えられるのが,昨年度の南京大虐殺の事案についてですね,記憶遺産に登録されたことで日本政府が反発されたかと思うんですけれども,それが大きな要因の一つとなっているのでしょうか。

【岸田外務大臣】特段,申し上げる理由はありません。総合的な判断です。

日韓合意関連

【記者】日韓合意,慰安婦問題についてですけれども,尹炳世(ユン・ビョンセ)外相がですね,先日,安倍総理がお詫びの手紙を毛頭考えていないと発言したことを受けてですね,韓国国民が失望していると,新たなる追加措置のようなものを考えてほしいというような趣旨の発言をされていますけれども,先日,日韓合意を岸田大臣とともに署名した当事者ですが,署名をした当事者であられる尹炳世外相が,このような発言をされているということは,この前とはちょっとレベルが違うかと思いますが,受け止めをお願いします。

【岸田外務大臣】日韓合意については,昨年12月発表したとおりであります。それ以上でもそれ以下でもありません。そして,その合意を両国政府が誠実に履行することが,重要であるということについては,再三,両国政府の間で確認をしています。

【記者】今後,新たに何か尹炳世外相の発言に対してご発言されることは…。

【岸田外務大臣】いずれにしましても,日韓合意,誠実に履行することは重要であります。

日露戦略対話

【記者】昨日行われた日露戦略対話ですけれども,杉山次官がですね,実りある議論ができたというふうに総括されていますけれども,この件についてはどう受け止め…。

【岸田外務大臣】13日,12回目になりますが,日露戦略対話を行いました。ただ,前回から3年8か月ぶりということで,先般行われました日露外相会談のやり取りの結果,開催されることになりました。率直な意見交換ができたと報告を受けています。
そして毎年1回,こうした機会を設けようということで一致をしたとも報告を受けています。両国の外交当局間での意思疎通,これは重要であり,これからも続けていきたいと考えます。

【記者】岸田大臣の訪露については,何らかの調整状況というのは変わったのでしょうか。

【岸田外務大臣】これは率直な意見交換ですから,具体的な内容については控えなければなりませんが,プーチン大統領の訪日に向けてしっかり準備をしていこうということについては,二国間関係の文脈の中で触れたという報告を受けております。
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