記者会見

岸田外務大臣会見記録

(平成27年2月17日(火曜日)9時40分 於:官邸エントランスホール)

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冒頭発言 邦人殺害テロ事件を受けた今後の日本外交(3本柱)

【岸田外務大臣】今般の邦人殺害テロ事件を受けて,今後,3つの柱に沿って外交面での取り組みを進めていきたいと考えています。
第一に,テロ対策の強化に取り組みます。先月,ブリュッセルで中東・アフリカでのテロ対処能力の向上を支援するという表明を行いましたが,その際,約750万ドルの新規支援を打ち出しておりました。今般,これを倍増させまして,約1,550万ドル(18.3億円相当)を供与いたします。
第二に,中東の安定と繁栄に向けた外交を強化してまいります。首脳・外相レベルで積極的な外交を展開しつつ,総額2億ドル程度の人道支援をさらに拡充してまいります。
第三に,過激主義を生み出さない社会の構築を支援してまいります。総理が打ち出した「中庸が最善」を実践するための支援を行うとともに,人的交流を拡充してまいります。
また,6月に東京でハイレベル・セミナーを開催し,今般の事件を踏まえ,穏健主義の促進も重要なテーマとしてアジアの平和構築の経験と教訓を世界で共有する機会を設けたいと考えます。
そして,2月19日に米国ワシントンで開催される暴力的過激主義に関する閣僚級会合には,諸般の事情が許せば中山外務副大臣が出席し,より詳細にこうした政府の考え方を説明する予定にしております。

邦人殺害テロ事件を受けた今後の日本外交(3本柱)

【テレビ朝日 藤川記者】今,大臣からお話のありました1,500万ドルなんですけれども,こちらは人道支援では無くてテロ対処能力の方に焦点を当てたものと理解してよろいしでしょうか。
 
【岸田外務大臣】はい。
 
【テレビ朝日 藤川記者】その理由についてお願いします。
 
【岸田外務大臣】こちらは,ご指摘のように国境管理ですとか,あるいは捜査・訴追能力の向上ですとか,さらにはテロ対策の関連の装備の支援,こうしたものに充てる資金です。ですから,第二に挙げた支援につきましては,人道支援,医療・食糧が中心でありますが,第一に挙げたテロ対策はそれとは異なり今申し上げましたような内容になっています。
 
【テレビ朝日 藤川記者】また,6月のハイレベル・セミナーなんですけれども,どういったレベルをお考えなんでしょうか。
 
【岸田外務大臣】これは今後各国と調整していきたいと考えています。セミナーの内容等も,これからより具体化する中で必要なレベルを考えていきたいと思っています。

ウクライナ東部情勢

【テレビ朝日 藤川記者】テーマ変わりますけれども,ウクライナなんですが停戦合意の後も攻撃が続いていて,なかなか停戦合意の速やかな履行という状況に繋がっていないように見えるのですが,どのように受け止めていらっしゃいますか。
 
【岸田外務大臣】まず,停戦合意の一致後,一部攻撃が継続しているという情報に接しております。引き続き,注視をしています。我が国としましては,実際に停戦が実行されて事態が改善することを期待したいと思っています。引き続き,事態を注視すると共にG7の連携を重視しながら我が国としましても努力を続けていきたいと考えております。

日朝関係

【テレビ朝日 藤川記者】日朝協議なんですけれども,去年10月に平壌で協議をされてから日本としては大使館ルート等を通じて色々働きかけをしているかと思うのですが,そういった働きかけに対して北朝鮮側からは反応がないということなのでしょうか。
 
【岸田外務大臣】我が国としましては引き続き北朝鮮側に対して速やかに,そして正直に通報を行うよう働きかけを続けています。そして,大使館ルート等を通じまして先方と意思疎通を図っているところです。是非この速やかな通報を期待したいと考えています。
 
【テレビ朝日 藤川記者】意思疎通を図っているということは,速やかな通報という事実はなくても,向こうからも何かしらの調査の状況であるとか現状についての回答はきていると考えてよろしいですか。
 
【岸田外務大臣】現状においては,まだ通報はきておりません。それ以外の詳細のやり取りについては,現状では控えたいと思います。
 
【テレビ朝日 藤川記者】正式な協議の再開の見通しというのは,大臣はどのようにお考えでしょうか。
 
【岸田外務大臣】引き続き,努力を続けています。是非,北朝鮮側から速やかに前向きな対応を期待したいと思ってます。
 
【テレビ朝日 藤川記者】それは,具体的な最初の通報でなくても,会って協議をするということに意味があるとお考えになりますか。
 
【岸田外務大臣】我々はあくまでも速やかに,そして正直な通報を求めています。しっかりと北朝鮮に応じてもらいたいと思っています。

邦人殺害テロ事件を受けた今後の日本外交(3本柱)

【時事通信 松本記者】テロ対策のことについてなんですけれども,三本目の過激主義を生み出さない社会を作っていくとおっしゃいましたが,具体的に過激主義を生み出さない社会作り,どういう具体的な対策をお考えなんでしょうか。
 
【岸田外務大臣】やはり基本的には人的交流が中心になると思います。こうしたイスラム・アラブ社会との交流を通じて,お互いの理解を深める。そのために人的交流を深めていく,こういった取り組みが中心になると考えています。そうした取り組みを通じて,相互理解を進めていくということ,これは大変重要なのではないかと考えます。
 
【ロイター通信 梅川記者】一つ目の点で,中東アフリカでのテロ対策の能力の向上ということがあったんですけれども,今回,倍増させた原因というのを改めてお願いします。
 
【岸田外務大臣】先日,発表した時はブリュッセルでこうした取り組みを公にしました。ブリュッセルで今回の邦人人質殺害事件がこうした残念な結果に終わる以前の段階でありましたし,そしてその後も世界各地で様々なテロ事件が発生をしています。こうした事態を受けて,我が国としてどうあるべきなのか,これを検討した結果として今回,先ほど申し上げましたような対策を発表させて頂いた。こういった次第です。
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