記者会見
岸田外務大臣臨時会見記録
(平成27年1月27日(火曜日)21時30分 於:本省中央玄関ホール)
シリアにおける邦人拘束事案
【岸田外務大臣】今日の動きですが,今日はまず午前中に緊急対策本部を開催し,これまでの動きを確認し,分析し,意見交換を行いました。そして,総理,官房長官に対して,現状報告を行いました。また午後,米国ケリー国務長官,それからトルコ,チャヴシュオール外相,そして韓国,ユン・ビョンセ外交部長官と電話会談を行いました。そしてその際に,先方からはそれぞれ,日本に対するお悔やみの言葉が示され,そして日本に対する連帯の気持ちが表されました。私の方からは,感謝を申し上げるとともに,日本としてテロに屈することなく,全力で取り組んでいる,こうした取り組み状況について説明を致しました。一日の主な動きとしては以上ですが,内容として新たに報告すべきことは現状ありません。引き続き全力で取り組んでいきたいと思っています。以上です。
【記者】現地対策本部の中山副大臣の方からは何か新しい情報とかはもたらされましたか。
【岸田外務大臣】今日も何度か現地対策本部とは連絡を取りました。もちろん現地ヨルダンにおいて様々な働きかけ,活動は続けていますが,新たに報告すべきことは今のところはありません。引き続き現地対策本部も努力を続けていきます。
【記者】「イスラム国」との交渉ですが,日本政府としては後藤さんとヨルダン人の空軍パイロット,この二人の一括での人質交換交渉というのを計っているのでしょうか。
【岸田外務大臣】政府としましては,今まで申し上げているとおり,テロに屈することなく後藤健二さんの解放に全力で取り組んでいます。この具体的なやりとりについては,事柄の性格上控えなければならないと思っております。今はそこまでです。
【記者】後藤さんの早期解放の一方で,テロリストの釈放,一義的にはヨルダン政府の判断というのもあるかと思うのですが,またテロリストが解放された時にどういった行動を起こすのかというとこの部分の懸念,日本政府としてはどのようなスタンスなのでしょうか。
【岸田外務大臣】その辺を含めて具体的なやりとりは控えます。
【記者】ヨルダン政府とは現地対策本部を通じてかなり緊密に連携は出来ているとの認識でよろしいでしょうか。
【岸田外務大臣】当然のことながら現地対策本部はヨルダンにありますし,そのヨルダン政府とは緊密に連絡を取り合っています。
【記者】先ほど,日本時間の今夜ですけど,リビアのトリポリで銃撃事件がありまして,「イスラム国」が関連しているのではという見方もありますけど,この事件に対する外務省としての邦人保護の観点での取り組み,あるいは「イスラム国」関連のこうした事件が続くことについてですね,大臣としてどのようなご見解をお持ちでしょうか。
【岸田外務大臣】リビアにおいては,「イスラム国」に忠誠を誓う現地過激集団が犯行声明を発出されたと承知をしております。状況については,引き続き注視して情報収集に努めたいとは思います。リビアに限らず,全在外公館には邦人の安全確保に向けて改めて指示を出したところですので,引き続き様々な在外公館においては,それぞれの在留邦人との連絡さらには日本人学校を含む様々な施設の安全,万全を期するように努力を求めたいと思います。