記者会見

岸田外務大臣会見記録

(平成26年12月24日(水曜日)9時22分 於:官邸エントランスホール)

安保理における人権状況を含む「北朝鮮の状況」に関する議論

【NHK 栗原記者】北朝鮮の人権状況をめぐって,国連の安全保障理事会で中国が反対したものの,今後議題になっていくことが決まりました。これについて受け止めと今後日本政府としてどのようにこの問題に取り組んでいくのか,どのような発信をしていくのかについてお伺いできますでしょうか。
 
【岸田外務大臣】日本時間の23日未明ですが,安保理において人権状況含む北朝鮮の状況が包括的に議論されたということですが,このことにつきましては,まずは先般,国連総会の本会議で採択された北朝鮮人権状況決議,このフォローアップという意味において意義があると考えます。
 また今回,人権状況を含む北朝鮮の状況に関する議論が行われたということですので,北朝鮮の核・ミサイル問題への対応,こういった点からも有意義であったと受け止めております。こういった点から歓迎したいと考えます。引き続きまして我が国としましては,関係国とも連携しながら核・ミサイル,そして拉致等,諸懸案を包括的に解決するべく努力をしていきたいと考えています。

北朝鮮によるサイバー攻撃

【NHK 栗原記者】北朝鮮をめぐっては,アメリカのソニーピクチャーズが北朝鮮の金正恩さんを題材にした映画の公開を決めました。この決定の評価と影響についてどのようにお考えでしょうか。
 
【大臣】公開したということについては,引き続き動きを注視していきたいとは思います。いずれにしましても我が国としましては,このサイバー攻撃への対応,これは国家の安全保障,あるいは危機管理上,重要な課題だと認識をしています。国際社会とも連携しながら,引き続き緊張感を持って取り組んでいきたいと考えます。
 
【NHK 栗原記者】日本は拉致問題が最優先の課題としてあるわけですけれども,こうした拉致問題への日朝協議に与える影響はどのようにお考えになりますか。
 
【大臣】日朝協議,そして調査等については,今回直接は影響を及ぼさないものであると考えております。我が国としましては,特に調査委員会の調査につきましては引き続き迅速に,そして正直に通報が行われるようしっかり求めていきたいと考えます。
 
【共同通信 蒔田記者】今,中身ではお答えになっていたかと思うのですが,映画の公開に関して会社の方がサイバー攻撃を受けて,逆に北朝鮮の方もネットがダウンするという事象がありましたけれども,このことについてはどう思われるでしょうか。
 
【大臣】そういった動きがあること,報道では承知をしています。そして,映画の公開については米国政府としては歓迎するというコメントを発している,こういったことも聞いてはおります。我が国としましては,そういった動きを引き続き注視していきたい,というのが立場です。
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