記者会見

岸田外務大臣会見記録

(平成25年12月17日(火曜日)11時28分 於:官邸エントランスホール)

冒頭発言-「国家安全保障戦略」の策定について

【岸田外務大臣】先ほどの閣議で、我が国として初めての「国家安全保障戦略」が策定されました。
 この戦略は、国際協調主義に基づく積極的平和主義という我が国の安全保障の基本理念を明らかにするものです。
 外務省としましては、本戦略に基づき、安定し、かつ見通しがつきやすい国際環境を創出し脅威の出現を未然に防ぐために、力強い外交を推進して参ります。
 その一環として、日米同盟の強化やアジア太平洋地域内外のパートナーとの信頼協力関係の強化を図って参ります。
 また、国連外交の強化、軍縮不拡散や国際平和協力の推進、人間の安全保障の実現といった国家安全保障上の戦略的アプローチを着実に実施して参ります。更に、この戦略に記された我が国の国家安全保障の基本方針について、近隣国をはじめとする関係国に対して引き続き説明をして参ります。
 

国家安全保障戦略

【TBS 井本記者】この閣議決定された戦略ですけれども、中国に対する厳しい言及もありましたけれども、防空識別圏の設定を念頭に中国に対して毅然とした態度を取るとか、そういったこともありますが、中国からの反発が予想されますが、これに対して、どういうように対応していくおつもりでしょうか。

【岸田外務大臣】今回の戦略ですが、我が国の国際協調主義に基づく積極的平和主義という政策方針を具現化したものです。関係国に対しては、引き続きしっかりと説明を続けていきたいと考えております。こうした戦略を明らかにするということは、我が国の方針の透明性を示すものでもありますし、是非、我が国の方針について、理解を得るべく努力をしていきたいと考えております。

フィリピンにおける邦人誘拐事案

【TBS 井本記者】フィリピンでスミ・ハヤト氏が解放されたというニュースがありましたが、今回のこの事件は、どういう事件だというように、大臣のところに報告があがっているのでしょうか。

【岸田外務大臣】報道は承知しております。ただ、誘拐事件という事件の性質上、具体的なことについては発言を控えさせていただいてまいりました。そして、今の報道につきましても、今確認中でありますので、まずは事実の確認に努めたいと考えています。

【TBS 井本記者】無事は確認されているのでしょうか。

【岸田外務大臣】今、確認中です。

李京秀韓国外交部次官補の訪日

TBS 井本記者】韓国の李京秀さんが日本にやってきて、日中韓の首脳会談に向けた準備をしたいという話しをしたという報道がなされておりますけれども、これに事実関係と、今後どのようにしていきたいかと言う大臣の希望があれば教えてください。
 
【岸田外務大臣】本17日、杉山外務審議官は先方の希望により、訪日中の李京秀韓国外交部次官補と二国間、及び関連する諸課題について意見交換を行う予定にしております。また、斎木次官は、明18日、李京秀次官補の表敬を受ける予定になっております。その中で、様々な意見交換が行われるものと承知しております。
 
【TBS 井本記者】大臣として、何を期待されますか。
 
【岸田外務大臣】まずは、二国間、あるいは地域における様々な課題が存在します。それについて、しっかりとした意思疎通を図り意見交換を行うこと、これは大変重要なことだと思っています。そうしたやり取りを受けて、更に次につなげるものがあるかどうか、そういったものについても確認をしていただければと思います。

普天間飛行場移設

【TBS 井本記者】先ほど、沖縄政策協議会が開かれたと思うのですけれども、沖縄の年内の埋め立て申請の動き、予算など、いろいろ動きがあると思うのですけれども、内示に向けて沖縄の埋め立て申請について、どのように大臣としては進むといいなというようにお思いでしょうか。また、地位協定改定という特別条項の設置について一部報道がなされていますが、改めて、それについてもお願いします。
 
【岸田外務大臣】沖縄につきましては、沖縄振興に対して様々な予算の獲得、あるいは負担軽減について、今日までも努力を続けてきました。そして、本日行われました沖縄政策委員会におきまして、仲井真知事から直接要望をいただきました。安倍総理は、その要望をしっかり受け止めるというお答えを返させていただきました。その総理の意向を受けて、引き続きしっかり努力をしていきたいと考えています。
 具体的には、それぞれの立場で、それぞれの課題に対応しなければならないと思っています。

国家安全保障戦略

【朝日新聞 菊地記者】NSSですけれども、近隣国との外交関係というのは大臣が掲げる外交政策の三つのうちの一つかと思うのですけれども、今回、NSSが中国に対して懸念事項であるという表現もありますが、大臣は自身の思いを、どのようにNSSに込められたのでしょうか。
 
【岸田外務大臣】NSSについては、我が国の国際協調主義に基づいた積極的平和主義という考え方、方針、これを具体化した、具現化したものであると認識をしています。是非、我が国のこうした方針について、周辺国、関係国にしっかり理解をしてもらうべく、我々も努力をしていかなければいけないと考えています。
 中国はじめ、周辺国に対しましても、直接、人を派遣するなど説明努力を続けています。これからも理解を得るべく努力をしたいと考えています。
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