記者会見
岸田外務大臣会見記録
(平成25年8月8日(木曜日)10時32分 於:本省会見室)
冒頭発言-日・ASEAN特別首脳会議の開催について
【岸田外務大臣】先ほどの閣議で、本年の日・ASEAN友好協力40周年を記念して、日・ASEAN特別首脳会議を、12月13日から15日まで迎賓館で開催することが了解されました。
この特別首脳会議では、日・ASEAN関係の強化のための中長期的ビジョンについて首脳間で議論する予定であり、日・ASEANの関係を一層強化拡大させる契機とする考えであります。
この特別首脳会議では、日・ASEAN関係の強化のための中長期的ビジョンについて首脳間で議論する予定であり、日・ASEANの関係を一層強化拡大させる契機とする考えであります。
尖閣諸島
【共同通信 斎藤記者】尖閣関係でお伺いします。中国海警局の船4隻が、昨日朝、日本領海に侵入したわけで、この件で外務省は中国側に抗議したと聞いていますが、その後の中国側の動向と日本の対応について説明してください。
【岸田外務大臣】中国公船による我が国領海への侵入事案が頻発している中、今般の領海侵入は過去最長のものとなっており、極めて遺憾であります。外務省においては、外交ルートを通じて、中国側に対し厳重な抗議と退去の要求を繰り返し実施してまいりました。
さらに、本日午前9時、私(大臣)の指示に基づいて、伊原アジア大洋州局長が韓志強在京中国大使館公使、臨時代理大使でありますが、を外務省に召致し、我が国としての強い憤りを伝え厳重に抗議するとともに、中国公船全船の即時退去を再度強く求めさせていただきました。そのように対応しております。
【共同通信 斎藤記者】日本政府はこれまで繰り返し抗議をしてきているわけですが、これに対して中国側が聞き入れている様子がないことは周知の事実だと思います。今後、領海侵入を防ぐために、内閣として何らかの措置を講じる必要があると大臣は考えているかどうか、この点を一点お伺いしたいと思います。
もう一点は、中国側では自分たちの公船が連日しっかりと釣魚島のパトロールを実施できていると、徐々に釣魚島に対するコントロールが効いてきているという受け止めがメディアを通じて広がってきております。
このような中国の受け止めが事実なのかどうか、大臣の認識をお伺いしたいと思います。
【岸田外務大臣】尖閣諸島につきましては、我が国固有の領土であり、中国公船による領海侵入が相次いでいること、極めて遺憾なことであります。このような力を背景とした現状変更の試みは、今日の国際社会において決して許されるものではないと考えております。我が国としましては、引き続き毅然かつ冷静に対応していきたいと考えております。是非、しっかりと我が国の考え方を伝えていかなければいけないと思っていますし、こうした我が国の抗議を中国側にしっかりと受け止めてもらわなければなりません。
そして、こうした現状を中国側がどう受け止めているのか、あるいは中国側の意図等については申し上げる立場にないわけでありますが、我が国としては、領海侵入自体が問題であるということをしっかりと抗議し主張していく努力は続けていきたいと考えております。
【NHK 坂本記者】本日午前9時に伊原局長が韓志強公使を外務省に呼び抗議をしたということですが、今まで繰り返し電話で抗議をしてきたと思いますが、本日、なぜ直接呼ぼうという判断になったのか、それはどなたの判断なのか。また、この内容について、詳しくは言えないとは思いますが、大臣が把握していらっしゃる中で言える範囲で内容を教えていただけますでしょうか。
【岸田外務大臣】今回は、従来までも領海侵入事案が頻発している中、今般の領海侵入が過去最長のものになっているという点、極めて遺憾なことだと考えております。そういった点もあり、私(大臣)の指示に基づいて、伊原局長が中国の臨時代理大使を外務省に召致したということであります。
内容としましては、我が国としての強い憤りを伝え厳重に抗議いたしました。さらには中国公船全船の即時退去を再度強く求めた、こういった内容です。
【共同通信 斎藤記者】中国側はどのような反応を示したのか、それと先ほどの私の二つ目の質問にからむのですが、要は日本の実効支配が中国によって突き崩されているのではないかという懸念がメディアなどでも紹介されております。大臣はそうした懸念をお持ちかどうか、その点を確認させてください。
【岸田外務大臣】中国側の反応につきましては、詳細は控えさせていただきますが、中国側は尖閣諸島に関する中国独自の立場を述べた上で、日本側の抗議は受け入れられない旨述べてきております。伊原局長の本日のやり取りについては、まだ報告を受けておりませんので、後ほど確認をしたいと存じます。
そして、現場におきましては、我が国は我が国の立場を冷静かつ毅然と示すために全力で取り組んでおります。我が国はしっかりと我が国の立場を守るべき努力をし、そして、最善を尽くしていると考えています。
【岸田外務大臣】中国公船による我が国領海への侵入事案が頻発している中、今般の領海侵入は過去最長のものとなっており、極めて遺憾であります。外務省においては、外交ルートを通じて、中国側に対し厳重な抗議と退去の要求を繰り返し実施してまいりました。
さらに、本日午前9時、私(大臣)の指示に基づいて、伊原アジア大洋州局長が韓志強在京中国大使館公使、臨時代理大使でありますが、を外務省に召致し、我が国としての強い憤りを伝え厳重に抗議するとともに、中国公船全船の即時退去を再度強く求めさせていただきました。そのように対応しております。
【共同通信 斎藤記者】日本政府はこれまで繰り返し抗議をしてきているわけですが、これに対して中国側が聞き入れている様子がないことは周知の事実だと思います。今後、領海侵入を防ぐために、内閣として何らかの措置を講じる必要があると大臣は考えているかどうか、この点を一点お伺いしたいと思います。
もう一点は、中国側では自分たちの公船が連日しっかりと釣魚島のパトロールを実施できていると、徐々に釣魚島に対するコントロールが効いてきているという受け止めがメディアを通じて広がってきております。
このような中国の受け止めが事実なのかどうか、大臣の認識をお伺いしたいと思います。
【岸田外務大臣】尖閣諸島につきましては、我が国固有の領土であり、中国公船による領海侵入が相次いでいること、極めて遺憾なことであります。このような力を背景とした現状変更の試みは、今日の国際社会において決して許されるものではないと考えております。我が国としましては、引き続き毅然かつ冷静に対応していきたいと考えております。是非、しっかりと我が国の考え方を伝えていかなければいけないと思っていますし、こうした我が国の抗議を中国側にしっかりと受け止めてもらわなければなりません。
そして、こうした現状を中国側がどう受け止めているのか、あるいは中国側の意図等については申し上げる立場にないわけでありますが、我が国としては、領海侵入自体が問題であるということをしっかりと抗議し主張していく努力は続けていきたいと考えております。
【NHK 坂本記者】本日午前9時に伊原局長が韓志強公使を外務省に呼び抗議をしたということですが、今まで繰り返し電話で抗議をしてきたと思いますが、本日、なぜ直接呼ぼうという判断になったのか、それはどなたの判断なのか。また、この内容について、詳しくは言えないとは思いますが、大臣が把握していらっしゃる中で言える範囲で内容を教えていただけますでしょうか。
【岸田外務大臣】今回は、従来までも領海侵入事案が頻発している中、今般の領海侵入が過去最長のものになっているという点、極めて遺憾なことだと考えております。そういった点もあり、私(大臣)の指示に基づいて、伊原局長が中国の臨時代理大使を外務省に召致したということであります。
内容としましては、我が国としての強い憤りを伝え厳重に抗議いたしました。さらには中国公船全船の即時退去を再度強く求めた、こういった内容です。
【共同通信 斎藤記者】中国側はどのような反応を示したのか、それと先ほどの私の二つ目の質問にからむのですが、要は日本の実効支配が中国によって突き崩されているのではないかという懸念がメディアなどでも紹介されております。大臣はそうした懸念をお持ちかどうか、その点を確認させてください。
【岸田外務大臣】中国側の反応につきましては、詳細は控えさせていただきますが、中国側は尖閣諸島に関する中国独自の立場を述べた上で、日本側の抗議は受け入れられない旨述べてきております。伊原局長の本日のやり取りについては、まだ報告を受けておりませんので、後ほど確認をしたいと存じます。
そして、現場におきましては、我が国は我が国の立場を冷静かつ毅然と示すために全力で取り組んでおります。我が国はしっかりと我が国の立場を守るべき努力をし、そして、最善を尽くしていると考えています。
靖国神社参拝
【共同通信 渡辺記者】靖国神社参拝について改めてお尋ねします。大臣御自身、15日の終戦の日に靖国神社を参拝するお考えがあるかどうか、改めてお聞かせください。
【岸田外務大臣】私(大臣)自身の靖国神社参拝につきましては、従来も度々申し上げておりますように、安倍内閣の一員として、そして外務大臣として適切に対応したいと考えております。
【朝日新聞 守記者】参拝するかしないか、もしくは8月15日にするか、別の日にするかという答えは大臣の中でもう決めてはいらっしゃるということですよね。
【岸田外務大臣】はい。私(大臣)自身はこの問題についてしっかり考えを持っております。
【朝日新聞 守記者】外務大臣として適切な対応というのは近隣諸国に対して刺激を与えないような答えということでしょうか。
【岸田外務大臣】今、申し上げたように安倍内閣の一員として、そして外務大臣として適切に対応する、それに尽きております。
【朝日新聞 守記者】一部報道で、外務大臣、総理、そして内閣の4閣僚が靖国参拝しないということを中国側に伝えたという報道がありましたけれども、それに関して事実関係、もしくは中国側に伝えるお考えがあるのか教えていただきたいのですけれども。
【岸田外務大臣】まずその報道は承知しておりますが、そういった事実は私(大臣)は承知しておりません。
【岸田外務大臣】私(大臣)自身の靖国神社参拝につきましては、従来も度々申し上げておりますように、安倍内閣の一員として、そして外務大臣として適切に対応したいと考えております。
【朝日新聞 守記者】参拝するかしないか、もしくは8月15日にするか、別の日にするかという答えは大臣の中でもう決めてはいらっしゃるということですよね。
【岸田外務大臣】はい。私(大臣)自身はこの問題についてしっかり考えを持っております。
【朝日新聞 守記者】外務大臣として適切な対応というのは近隣諸国に対して刺激を与えないような答えということでしょうか。
【岸田外務大臣】今、申し上げたように安倍内閣の一員として、そして外務大臣として適切に対応する、それに尽きております。
【朝日新聞 守記者】一部報道で、外務大臣、総理、そして内閣の4閣僚が靖国参拝しないということを中国側に伝えたという報道がありましたけれども、それに関して事実関係、もしくは中国側に伝えるお考えがあるのか教えていただきたいのですけれども。
【岸田外務大臣】まずその報道は承知しておりますが、そういった事実は私(大臣)は承知しておりません。
ソチ冬季オリンピックへの米国参加
【フリーランス 上出記者】全然関係のない話で恐縮です。米国の有力メディアで少し気になる情報が流れておりまして、来年、ロシアのソチで開かれる冬季オリンピックを米国がボイコットするのではないかというような記事が載っておりまして、これは8月6日に私が見たのですけれども、ブルームバーグの電子版です。これはタイトルが、もし米国がボイコットすることになったら大変よくないことだということで、その根拠としまして、今、問題になっている元CIA職員のスノーデン氏に滞在ビザをロシアが出した、それからシリアへの支援、こんなことがどうも原因になっているようなのですが、米国の五輪関係者は一応、これを否定するようなニュアンスの発言、それも一緒に載せているんですが、そういう記事が載ったということは何かそういう動きがあるとかそういうことかもしれないのですが、これについて大臣は御承知か、あるいは、まだそういうのはないと思いますが、外交ルートでそういうような動きが伝えられたりしているのかどうか、その辺をお聞きしたいと思うのですが。
【岸田外務大臣】まず、その報道、情報についても私(大臣)はちょっと今、承知しておりませんでした。ですから、一度報道は見てみたいとは思いますが、報道も承知しておりませんし、そうした事実についても承知をしておりません。
いずれにしましても、これは米国、他国の考え方、あるいは意図の話ですので、私(大臣)から申し上げる、私(大臣)はそれについてコメントする立場にはないと考えます。
【岸田外務大臣】まず、その報道、情報についても私(大臣)はちょっと今、承知しておりませんでした。ですから、一度報道は見てみたいとは思いますが、報道も承知しておりませんし、そうした事実についても承知をしておりません。
いずれにしましても、これは米国、他国の考え方、あるいは意図の話ですので、私(大臣)から申し上げる、私(大臣)はそれについてコメントする立場にはないと考えます。
沖縄における米軍ヘリ墜落事故
【産経新聞 水内記者】米国のヘリの墜落事故、沖縄の件についてお尋ねします。本日、都内で日米の局長級会議も開かれるという話もありますけれども、運用面などそういったことについて具体的にどのようなことを米国と話されるのか、これからの対応についてお尋ねします。
【岸田外務大臣】まず、あれは5日ですが、キャンプ・ハンセンにおいて発生した米空軍ヘリコプターHH-60の墜落事故に関しましては、亡くなられた乗務員とその家族に対し心から哀悼の意を表したいと存じます。
一方で、このような事故の発生は誠に遺憾なことであり、私(大臣)からも同日、ルース駐日米大使に対しまして、原因究明、迅速な情報共有、そして再発防止を強く申し入れております。また、墜落したヘリと同型機の当面の飛行運用の停止も申し入れさせていただきました。これに対しましてルース大使からは、日本側の要請を真剣に受け止め、米側として徹底的な原因究明を行い、情報を提供したい旨の応答がありました。
また、6日には、仲井眞沖縄県知事が私(大臣)のところにも来られまして、今回の事故に関し、原因究明がなされるまでの間の同機種の飛行中止とともに、原因究明と早急な公表、再発防止、安全管理の徹底等に万全を期すよう申し入れがありました。
政府としましては、こうした知事の要請等もしっかりと受け止めさせていただき、引き続き米側に対しまして安全面への最大限の配慮を求めるとともに、沖縄の負担軽減に全力で取り組んでいきたいと考えております。
【岸田外務大臣】まず、あれは5日ですが、キャンプ・ハンセンにおいて発生した米空軍ヘリコプターHH-60の墜落事故に関しましては、亡くなられた乗務員とその家族に対し心から哀悼の意を表したいと存じます。
一方で、このような事故の発生は誠に遺憾なことであり、私(大臣)からも同日、ルース駐日米大使に対しまして、原因究明、迅速な情報共有、そして再発防止を強く申し入れております。また、墜落したヘリと同型機の当面の飛行運用の停止も申し入れさせていただきました。これに対しましてルース大使からは、日本側の要請を真剣に受け止め、米側として徹底的な原因究明を行い、情報を提供したい旨の応答がありました。
また、6日には、仲井眞沖縄県知事が私(大臣)のところにも来られまして、今回の事故に関し、原因究明がなされるまでの間の同機種の飛行中止とともに、原因究明と早急な公表、再発防止、安全管理の徹底等に万全を期すよう申し入れがありました。
政府としましては、こうした知事の要請等もしっかりと受け止めさせていただき、引き続き米側に対しまして安全面への最大限の配慮を求めるとともに、沖縄の負担軽減に全力で取り組んでいきたいと考えております。
日韓関係
【朝日新聞 広島記者】日韓関係についてですけれども、間もなく韓国の李明博前大統領が竹島を訪問してから1年になります。それが1つの節目にはなるわけですけれども、大臣御自身のお考えをお聞かせください。
【岸田外務大臣】日韓関係について。
【朝日新聞 広島記者】はい。竹島訪問から1年という節目になるわけですけれども。それとあと2点ございまして、その竹島訪問以来、日韓関係は冷え込みが指摘されていますけれども、関係修復をどのように図っていくとお考えなのかということ、それからもう一つは、日韓で先月外相会談がありましたけれども、次のステップとして首脳会談を急がれるお考えがあるのかどうかお聞かせください。
【岸田外務大臣】まず日韓関係につきましては、基本的な価値、あるいは利益を共有する大切な隣国同士であり、我が国にとりまして大切な二国間関係だと考えております。個別の問題はありますが、是非、大局的な見地から未来志向で両国間の関係を進展させていかなければいけない、このように思っています。
そして、日韓の間では先日ブルネイで日米韓三国の外相会談を開催いたしました。それに続きまして、日韓外相会談も開催いたしました。そして、私(大臣)も韓国の外務次官にお会いをさせていただく。また、日韓間においても次官級会合、これも2回に渡って開催をさせていただいております。
是非、ぜひこうした努力を積み重ねながら、より高い政治レベルでの対話を行う、こういったことにつなげていきたいと考えております。
【岸田外務大臣】日韓関係について。
【朝日新聞 広島記者】はい。竹島訪問から1年という節目になるわけですけれども。それとあと2点ございまして、その竹島訪問以来、日韓関係は冷え込みが指摘されていますけれども、関係修復をどのように図っていくとお考えなのかということ、それからもう一つは、日韓で先月外相会談がありましたけれども、次のステップとして首脳会談を急がれるお考えがあるのかどうかお聞かせください。
【岸田外務大臣】まず日韓関係につきましては、基本的な価値、あるいは利益を共有する大切な隣国同士であり、我が国にとりまして大切な二国間関係だと考えております。個別の問題はありますが、是非、大局的な見地から未来志向で両国間の関係を進展させていかなければいけない、このように思っています。
そして、日韓の間では先日ブルネイで日米韓三国の外相会談を開催いたしました。それに続きまして、日韓外相会談も開催いたしました。そして、私(大臣)も韓国の外務次官にお会いをさせていただく。また、日韓間においても次官級会合、これも2回に渡って開催をさせていただいております。
是非、ぜひこうした努力を積み重ねながら、より高い政治レベルでの対話を行う、こういったことにつなげていきたいと考えております。