記者会見

岸田外務大臣会見記録

(平成25年6月28日(金曜日)9時56分 於:本省会見室)

冒頭発言

(1)ASEAN関連外相会議出席について

【岸田外務大臣】私(大臣)は、既に発表いたしましたとおり、明日から7月3日(水)にかけブルネイを訪問し、ASEAN関連外相会議に出席をいたします。この機会を利用して、7月1日(月)、日米韓外相会合を開催する予定であります。また、各国との二国間外相会談もあわせ実施するべく、今、検討中です。

(2)ユース非核特使について

【岸田外務大臣】4月にハーグで開催された軍縮・不拡散イニシアティブ(NPDI)第6回外相会合において、私(大臣)が立ち上げを表明いたしました「ユース非核特使」について、本日より応募受付を開始することといたしました。核兵器のない世界の実現に向けて、被爆の実相を世界に伝えていくことは、唯一の戦争被爆国である我が国の使命です。「ユース非核特使」制度は、その活動を将来世代に継承していく重要な事業だと考えております。是非、積極的に応募していただけるよう、期待いたします。できれば、第1号は8月6日の広島平和祈念式典までに決定したいと考えております。

日米韓外相会合

【NHK 大谷記者】今、大臣の冒頭の御発言であった日米韓の外相会合ですけれども、今回行われるねらいについてと、あと、ほかの二国間の実施ということですが、日韓、日中のその後の検討状況というのはいかがかお聞かせいただけますか。

【岸田外務大臣】まず地域の戦略環境を考えますときに、日米韓、三国の連携が重要であるということ、これは言うまでもありません。是非、この三国間の外相会談が行われることによってしっかりと意思疎通を図り、そして今後の緊密な連携にもしっかりつなげていきたいと考えております。
 そして、それ以外、二国間外相会談につきましては、まずはこれまで二国間外相会談を行っていないASEANの国を中心にアレンジしようとしておりますが、それ以外の国についてもまた随時決定いたしましたら発表していきたいと考えています。

中韓首脳会談

【フリーランス 上出氏】先般、中国と韓国が首脳会談をいたしました。言うまでもなく、本来、韓国の新しい首脳が2番目に対談するのは日本であるということが言われております。これが破られてこういう形になったことの意味をどう捉えているかということと、この内容では、そんなに厳しい日本批判的なものというのは聞かれてはいないのですけれども、全体としての日本への発信とかそういうことをどう読み取っておられるか、この辺についてお聞かせいただきたいと思います。

【岸田外務大臣】まず、外国の首脳がどこの国を訪問するかということについては、それぞれの状況の中で考えることだと考えます。ですから、我が国として、どの国を先に訪問する等々についてコメントする立場にはないと考えます。いずれにしましても、我が国政府は基本的な価値、あるいは利益を共有する韓国政府との間において、北朝鮮問題を含めて様々なレベルで意思疎通を行ってきております。今後とも緊密な関係を構築するために、しっかり努力をしていきたいと考えております。
 そして、中韓の首脳会談に対する見方・考え方ですが、27日午後、中国・北京において朴槿惠大統領と習近平国家主席の間で韓中首脳会談が行われ、そして、韓中未来ビジョンの共同声明が発出されたと承知しております。この評価ということについては、第三国間の首脳会談にかかわる評価、これを我が国政府としてつまびらかにするということは控えさせていただきたいと存じます。
 こうした様々な国際的な動きについて、引き続き関心を持って注視をしていきたいと考えています。

ユース非核特使

【NHK 坂本記者】冒頭発言にありましたユース非核特使についてですが、将来世代に継承していく重要な事業だというようにおっしゃっていたのですけれども、被爆者が高齢化していく中で、若者をこのように任命して被爆体験を継承していくことの重要性について、広島出身の大臣としては、どのように感じてらっしゃいますでしょうか。

【岸田外務大臣】御指摘のように被爆者の高齢化については多くの方々が指摘をし、そして、こうした高齢化によって、我が国の戦争被爆国としての様々な経験、そして、被爆の実相についての伝承、こういったものが将来世代に向けて途絶えてしまうのではないか、そうした心配の声が高まっています。
 そうした中にあって、世代を超えて、こうした戦争被爆国として知る被爆の実相について、しっかりと伝えていかなければならない。これは我が国の責務だと考えております。
 是非、多くの若い世代の方々にこのユース非核特使に応募していただき、こうした取組に具体的に積極的に参加していただきたいと考えております。こうした取組は、必ずやこの国際社会においても理解をされ、そして、核兵器のない世界を目指すという我が国の大きな目標に向けて前進することにつながると確信をしております。是非、こうした取組は積極的に進めていきたいと強く考えています。

歴史認識問題

【共同通信 斎藤記者】先ほど大臣は、中韓首脳会談のくだりで、これは第三国会談であって、その評価についてはつまびらかにすることは避けたいという御趣旨だったと思います。
 そこで、中韓首脳会談と切り離して一般論としてお伺いしたいのですが、この東アジア地域において、歴史認識問題というものが地域の平和と安定を阻害する要因になっているかどうか。この点についての大臣の御認識をお伺いしたいと思います。

【岸田外務大臣】我が国政府の歴史認識につきましては、これまでも様々な機会を捉えて、国際社会に対し説明をし、発信をし続けてきました。その我が国の考え方、歴史認識というものが十二分に理解されていないとしたならば、引き続き、我が国はしっかりと努力をし、説明をしていかなければいけないと思っております。
 こうした努力を続けることによって、各国の理解を得、そして意思疎通が図られていくことを目指して、努力をしていきたいと考えています。

【共同通信 斎藤記者】今の点で1つ確認をしたいのは、歴史認識問題というものが地域の平和と安定に何らかの影響を与えている。それは別に日本側に問題があるとか、韓国側に問題があるとか、そこは私は申し上げませんが、いずれにしても、この問題が平和と安定に影響を与える要因になっているという認識はお持ちでしょうか。

【岸田外務大臣】我が国としては、しっかりとした歴史認識を説明することによって、国際社会の連携、あるいは平和と繁栄について、ともに努力をしていく。こうした体制をつくっていくべく、努力をしていきたいと考えております。
 どんな現状がどうであれ、我が国はそうした姿勢で平和外交を進めていかなければいけないと考えています。

ユース非核特使

【中国新聞 藤村記者】ユース非核特使についてお尋ねします。非核特使の若者版というように受け止めていますけれども、一部の非核特使には、国際会議に出席する際等に渡航費などを一部支援したりというようなこともされていますけれども、ユース非核特使に関してもこのような資金的な援助みたいなことも考えていらっしゃるのでしょうか。

【岸田外務大臣】まず、このユース非核特使の制度ですが、国際会議、あるいは原爆展等のイベント、こうしたものに参加予定の若い世代の方々に、核兵器使用の惨禍の実相を広く国際社会に伝達していただく。こうした観点から、ユース非核特使という名称を付与するというのが、この制度のポイントです。
 御指摘の経済支援等については、その経済支援を含む協力のあり方等については案件ごとにいろいろなケース、場面があると存じますので、その案件ごとに検討していく、こうした方針で臨みたいと思っています。

外務省人事

【朝日新聞 山岸記者】外務省の人事に関してお尋ねをいたします。先ほどの閣議で、次官以下幹部の人事が承認されたかと思いますけれども、河相次官が異例の短さで退任をされて、今度、齋木外審、安倍首相に非常に近いと言われる方が次官になられると。こういった背景を踏まえて、お二人に対してどういった大臣から指示があったか、あるいはこれから指示をされる予定か、期待するところをお伺いいたします。
 
【岸田外務大臣】河相次官につきましては、昨年9月から北朝鮮のミサイルや核問題、更には尖閣諸島を巡って度重なる領海侵犯の発生ですとかアルジェリアのテロ事件、更にはTICADVをはじめとする大きな数多くの国際会議への対応等、こうした課題につきまして、事務方のトップとしてリーダーシップを発揮し大きな成果を上げてこられたと存じます。こうした今日までの御努力、そして、成果に心から感謝を申し上げたいと思っています。
 そして、引き続き我が国は数多くの難しい外交課題を抱えています。齋木新次官の下、新しい体制でしっかりと、こうした我が国を取り巻く外交課題に立ち向かっていただきたいと考えております。
 これから、参議院選挙が予定されていますが、参議院選挙後、年末にかけても様々な外交日程が予想されます、是非、齋木新次官、新しい体制の下でしっかりと努力をしていきたいと願っております。

尖閣諸島

【産経新聞 杉本記者】鳩山元総理についてお伺いしたいのですけれども、今、中国を訪問されておられますが、先般国内で発言したと同様な尖閣諸島問題について、日本が盗んだというように中国が理解してもそれは仕方がない、当然のことだという発言をされました。この発言に関する受け止めと、こういった発言が今後も続くことが容認できるかどうか。容認できないのであれば、本人に対して抗議等どういった措置をとる考えがあるか、この点についてお聞かせください。

【岸田外務大臣】まず、発言につきましては報道等で承知をしております。そして、この御指摘の発言が事実であるとしたならば、我が国として断じて受け入れることはできない、認めることはできないと考えております。
 我が国の総理大臣をお務めになられた方がこうした発言をするということ、このことは国益を著しく損なうものであると考えております。
 こうした我が国の基本的な考え方については、しっかりと今後も説明し訴えていかなければいけないと思っておりますが、今のところ具体的に鳩山氏に対し個人的に何か働きかける等の予定はしておりません。
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