記者会見

岸田外務大臣会見記録

(平成25年6月25日(火曜日)10時13分 於:本省会見室)

冒頭発言

(1)ASEAN関連外相会議出席について

【岸田外務大臣】私(大臣)は諸般の事情が許せば、6月29日(土)から7月3日(水)にかけてブルネイを訪問し、ASEAN関連外相会議に出席をいたします。
 今回の外相会議では40周年を迎える日本・ASEAN協力の強化を始め、ASEANを中心とした地域協力のあり方、地域・国際情勢について議論をする予定であり、日本の考え方を積極的に発信するとともに、参加国と連携を確認いたします。
 また、この機会を利用して、現地で二国間外相会談もあわせ実施する予定であります。

(2)ASEAN諸国へのビザ緩和措置について

【岸田外務大臣】先般、私(大臣)から発表いたしましたタイ及びマレーシア向けのビザ免除、ベトナム及びフィリピン向けの数次ビザの導入、並びにインドネシア向け数次ビザの滞在期間の延長について、7月1日から開始することを決定いたしました。
 今回の措置により、これら各国から日本への観光客の増加、ビジネス面での利便性の向上など、日本と各国との交流が一層発展することを期待いたします。

日中関係

【共同通信 斎藤記者】ASEAN関連会合の関係でお伺いをします。ASEAN関連会合では中国の王毅外相の出席も見込まれていますが、岸田大臣としては、この機会に日中外相会談を開くべく、王毅外相サイドに呼びかけるお考えはあるのかどうか、この点についてお伺いしたいと思います。

【岸田外務大臣】我が国は、従来から申し上げているように対話のドアはたえずオープンにしてあります。ただ、日中外相会談について、現時点では何も決まっていない状況にあります。

【共同通信 斎藤記者】今、大臣の方から対話のドアは開かれているというお話がありました。そこからもう一歩踏み越えて、対話を先方に呼びかけると、この機会に二国間会談をやりましょうとこちらの方から呼びかけたいという意思はお持ちかどうか、この点についてお伺いしたいと思います。

【岸田外務大臣】外相会談を開くことも含めて、様々な日中間での意思疎通、いろいろなレベルでのやり取りは存在をいたします。ただ、現状ではまだ日中外相会談は何も決まっていない、こういった現状であります。

【共同通信 斎藤記者】今、大臣の方から何も決まっていない状況だというお話がありましたが、なぜ何も決まっていないのか、この点について説明いただきたいと思います。

【岸田外務大臣】日中外相会談を開催するには、様々な環境整備が重要だと考えております。まだ、開催するという結論には至っていない、現状はそういった状況です。

秘密保全法

【フリーランス 上出氏】ちょっと先の話になりますが、安倍首相が秋の臨時国会に、いわゆる秘密保全法の法案提出を先般、意向を示されておりました。これは国家安全保障会議の設置が決まったことを受けてやったものですが、これに対しては、民主党の時代も秘密保全法案がありまして、中身はわかりません。今回も中身がよくわかりません。そういう中で、ご存じだと思うのですが、日本弁護士連合とか、それから日本新聞協会が取材や報道の自由を大きく脅かすということで強く反対しております。
 これも踏まえまして、一方で米国からは強い法制化の要請があると思うのですけれども、外務大臣として、この問題について、中身がもし分かっていたら、それも含めてですが、こういう強い反対があることを受け止めて、どういうように考えておられるか、お話しいただけますでしょうか。

【岸田外務大臣】御指摘の件につきましては、様々な指摘や議論を踏まえて政府一体として取り組むべき課題だと存じます。今後、政府として、しっかりと具体的に方針を固めていくことになると存じます。現状では、そこまでです。

【フリーランス 上出氏】個人的なお考えでも結構ですが、報道とか取材の自由が脅かされるということについては、やはり多くの関係者、それから国民も言論の自由の問題で関心を持っていると思いますが、この点については十分な配慮をするというようなお考えがあるのかどうか、そういうご希望としても結構ですが。普段の岸田外相の考え方からいうと、そういうことについても歯止めをかけてくださる面もあるのではないかと思っているのですが。

【岸田外務大臣】まず、一般論として報道の自由と、こうした考え方は大変重要なことであります。 そして、具体的には政府一体として適切に対応していきたいと存じます。私(大臣)も政府の一員として努力したいと考えています。

日朝交渉

【朝日新聞 山岸記者】安倍総理のフェイスブックに関してお尋ねをいたします。しばらく前になりますけれども、安倍総理がフェイスブックの中で、外務省の田中元外務審議官が担当された日朝交渉に関して批判をされまして、その中で田中氏には外交を語る資格ということで厳しく批判をされました。それに関連して、安倍総理は同じフェイスブックの中で、田中氏が当時の外交記録を残していなかったという形で批判をされました。この点に関して、外務省として事実関係をどう把握していらっしゃるのか、田中氏が外交記録を残していなかった事実があるのかないのか、この点をまずお伺いいたします。

【岸田外務大臣】御指摘の田中氏の発言につきましては、報道等を通じて承知しておりますが、安倍総理は当時官房副長官として、当時の経緯を知っている立場であり、総理のフェイスブックのコメントはそうした総理の当時の立場に基づいて、責任を持って書かれたものと考えます。
 ただ、拉致問題につきましては、我が国の主権と国民の生命に関わる重大な問題であり、現在も未解決の案件であります。そして、従来から述べておりますように、総理は自らの内閣でこの問題を解決したいという強い決意を持って取り組んでおります。この拉致問題はまだ未解決の懸案であり、政府として、今、取り組んでいる最中の懸案でありますので、これ以上公の場で本件について云々することは国益の観点から適当ではないと考えます。

【朝日新聞 山岸記者】まず、私の聞き方があれだったのかもしれませんけれども、田中さんが外交記録を残していなかったという事実関係はあるのかないのか、その点はいかがなのでしょうか。

【岸田外務大臣】その点も含めて、この問題につきまして、今の時点で公の場で云々することは適当ではないと考えます。

拉致問題

【NHK 大谷記者】6年前に韓国と北朝鮮の首脳会談が行われた際に、当時の盧武鉉元大統領が、日本人の拉致事件について、生存する被害者がいるという日本の主張は理解できないと、日本に対する批判的な発言をしていたことが明らかになりました。6年前の話ですけれども、こういう発言についてどう受けとめているのか。日本政府として何らか対応を考えていらっしゃるのでしょうか。

【岸田外務大臣】まず、報道は承知しております。ただ、御指摘のやり取りについて、政府としてお答えする立場にはないと考えます。
 その上で申し上げるならば、拉致問題については韓国を含め関係国に対しまして、これまでも累次の機会を捉えて我が国の立場を説明し、理解と支持を求めてきております。我が国の立場については、韓国も十分に理解してくださっていると承知をしております。
 いずれにしろ、我が国としては、我が国の主権と国民の生命にかかわる重大な問題です。総理の自らの内閣でこの問題を解決したいという強い決意の下、しっかり取り組んでいきたいと考えています。

調査捕鯨裁判

【AP通信 戸田記者】日本の捕鯨調査についてですが、明日から国際司法裁判でヒアリングが始まりますが、先週もお話しされたと思うのですが、改めまして日本の立場をお聞きしたいのと、あと、判決はまだ先ですが、調査捕鯨が中止される可能性も出てくると思うのです。そうならないように、オーストラリアに対して今後何らかの働きかけとかは考えていらっしゃいますでしょうか。

【岸田外務大臣】まず、6月26日から7月16日にかけまして、オランダ・ハーグでICJにおいて本件裁判の口頭手続が開催されるものと承知していますが、その手続におきましては、我が国の調査捕鯨が国際捕鯨取締条約第8条に基づいて、こうした条約に基づいて合法的に実施している科学調査であるという点につきまして、しっかりと主張していく考えであります。是非、我が国の立場・考え方が理解されるべく、全力で取り組んでいきたいと考えております。
 こうした裁判につきましては、国際ルールに従って対応するものであります。その結果について、今の段階で予断することは難しいと思っていますし、その後のことについて言及するのは適切ではないと思っています。

日朝関係

【共同通信 斎藤記者】ASEAN関連会合の後段で行われるARF閣僚会議、ここは北朝鮮もメンバーになっていまして、今回も北朝鮮の外相が来る公算というのはあるというように予測できると思うのですが、拉致問題の解決のために全力を尽くすとしている日本として、この会合の場を利用して北朝鮮サイドと何らかの形で対話の席を設けるという意思をお持ちかどうか、この点について確認させてください。

【岸田外務大臣】まず、北朝鮮の外相が出席するという報道は承知しておりますが、実際、どなたが出席されるのかといったことについては、まだ確認はできておりません。ARFにおきましては、地域情勢等につきまして、しっかりと意見交換をしたいと思っております。
 現状は北朝鮮の出席等はまだ確認できておりませんので、この会議の場において、しっかりと地域情勢については説明をしたいとは思っておりますが、それ以上のことは何も決まっておりません。

【共同通信 斎藤記者】もちろん、まだ確認はできていないと思うのですが、基本的な構えとして、北朝鮮のデレゲーションと日本がバイの関係の中で拉致問題について語っていくという構えがあるかどうか、その確認だけさせてください。

【岸田外務大臣】現状、まだ北朝鮮の対応も出席等のことも確認できておりませんので、現状は何も決まっていない。今後のARFをめぐる情勢につきましては、しっかり関心を持って見ていきたいと考えています。

調査捕鯨裁判

【AFP通信 小沢記者】捕鯨の関係にもう一度戻りたいのですけれども、オーストラリアのほうは日本の調査捕鯨というのが純粋に科学的な調査ではないと、これは商業捕鯨の隠れ蓑ではないかというような主張をしてくると思われます。合法的な、純粋に科学的な調査だという日本の主張がどこまで通用するものなのかというのをもう一度教えてください。

【岸田外務大臣】我が国の立場は、先ほどご説明させていただいたとおりであります。我が国としては、我が国の考え方をしっかり主張していきたいと思っておりますし、全力でこの裁判に取り組んでいきたいと考えております。
 そして、具体的にそれをどう説明していくかにつきましては、まさに現地におきまして日本の代表団のほうからしっかりと主張をさせていただきたいと考えています。
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