記者会見

小林外務報道官会見記録

(令和5年9月27日(水曜日)15時45分 於:本省会見室)

冒頭発言-就任にあたっての抱負

【小林外務報道官】外務報道官となりました小林でございます。よろしくお願いいたします。

上川大臣から、最初の訓示の際に、三点、日本の国益をしっかり守ること、それから日本の存在感を高めること、そして国民の皆様に理解されて、支持される外交を進めていくこと、この三つを重視していくということでご指示をいただきました。
 全省員、これを胸に、外交活動をそれぞれの所掌で全力を尽くしてまいりますけれども、こうした政策・取組につきまして、正確かつ迅速にお伝えしていくこと、それが私どもの、私(小林外務報道官)の役目であると思っています。
 特に、メディアの皆様を通じまして、こうした外交における様々な取組について、日本国内の理解を、そして支持を得られるようにすること、そして、海外の方々の共感と理解を得ること、これが大事だと思っています。
 そして、そのようなコミュニケーションを高めることは、最初の二つである「国益を守り存在感を高めていく」ということにもつながっていくと思っています。そのため、できる限り、皆様の質問、それから御関心にお答えしていけるようにしたいと思っています。
 私(小林外務報道官)自身も、会見、非常に不慣れでございますので、すぐにお答えできないこともあるかと思いますけれども、その場合には、きちんと確認してお返ししていけるようにしたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いいたします。

野村ホールディングス香港幹部の出国禁止

【毎日新聞 村尾記者】野村ホールディングスの香港法人の幹部の方が、中国からの出国を禁じられているとの報道が出ています。日系企業の幹部の方の取扱いということですが、外務省として、何か把握している事実があれば、また、何か対応をとっていることがあれば教えてください。また、中国の反スパイ法などを踏まえて、中国でのビジネス環境に対しての懸念も強まっていると思いますけれども、この点を踏まえて、外務省として、ビジネスを支援していく点で、どういうふうにやっていくかというお考えがあればお願いします。

【小林外務報道官】まず、事実関係ですが、ご指摘の報道は承知しておりまして、状況を注視しています。ただ、ご指摘の人物が拘束されたという情報自体には接していないという状況です。
 それから2点目にご質問になりました、日本企業支援、ビジネス環境という点ですが、一般論として、日本企業の中国における活動を含め、日中の経済交流、そして、人的交流を進めていく上で、中国において、法執行、司法プロセスの透明性、それから透明で予見可能で、かつ公平なビジネス環境の確保は不可欠であると思っています。こうしたことにつきましては、様々な機会を通じ、様々なレベルで、これまでも働きかけを行ってきているところです。
 中国との経済関係については、中国は日本にとって最大の貿易相手ですし、中国に進出する日系企業や駐在する日本人社員は非常に多いところですので、政府としても、関連の情報収集に努めるとともに、引き続き、日系企業の活動支援に万全を期していきたいと思っています。

日中韓高級事務レベル協議

【共同通信 林記者】昨日、日中韓の高官協議がありまして、首脳会談をできるだけ早い時期に開催するとの方針で一致したと報じられています。首脳会談が実現すれば2019年以来となりますし、今後それに向けた外相会談等も想定されると思いますけれども、改めて意義と期待をお願いいたします。

【小林外務報道官】ご指摘のありました26日、ソウルにて行われました日中韓高級事務レベル協議ですが、その中で、今のご発言がありましたとおり、まず高級事務レベル協議自体が4年ぶりに開催されたと、これを歓迎しました。そして、3か国で日中韓プロセスを再活性化するために、今後議論を加速していくことについても一致したところです。
 今後の日程につきましては、なるべく早期で適切な時期のサミット開催に向けて取り組むと、そのためにも、その数か月のうちに外相会議を行うことでも一致しています。
 地域の平和と繁栄に大きな責任を有する日中韓、この3か国の首脳が一堂に会するということは非常に重要でございますし、その中で日中韓の協力の方向性、そして具体的な協力の在り方、地域の課題等々について議論するということは大変有意義なことだと考えています。
 今回の高級事務レベル協議を契機として、日中韓プロセスの再建に向けた具体的な一歩ということで引き続きしっかりと議論していきたいと思っているところです。

 

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