記者会見

岸田外務大臣会見記録

(平成25年5月28日(火曜日)9時14分 於:官邸エントランスホール)

冒頭発言-日米宇宙状況監視協力取極の署名について

【岸田外務大臣】閣議で、「日米宇宙状況監視協力取極」の署名について決定をいたしました。本日、私(大臣)とルース駐日米国大使との間で書簡の交換を行う予定にしております。
 この取極により、米国から我が国に宇宙ゴミなどに関する情報が、これまで以上に広範かつ迅速に共有が可能となり、我が国の衛星等の安全な運用に資することが期待されます。
 この取極は、本年4月の日米外相会談でその早期締結について一致したものです。安全保障分野における日米宇宙協力の具体的な進展の一つとして意義が深いと考えます。引き続き、この分野で日米協力を推進していく考えです。

歴史認識問題

【TBS 井本記者】橋下さんが昨日会見を開きまして波紋を呼んでいるわけですけれども、野党の代表の立場で政府の立場とは違うということで、引き続き各国に説明はしていくと思うのですけれども、とはいえ外国は、韓国の外務大臣のように一緒くたにして日本の政治家はというくくりで批判したりとかしています。そういった状況に対して、外務省としてどのように対応されていく予定でしょうか。
 
【岸田外務大臣】まず、昨日の橋下代表の発言につきましては、報道等で承知をしております。そして、野党の共同代表の御発言に対して政府がコメントすることは控えさせていただきたいとは思いますが、いずれにせよ安倍内閣、政府の立場、考え方は従来から説明してきたとおりであります。我が国、我が政府の考え方、立場については、改めてしっかりと説明をしていかなければならないと思います。是非、これからもこうした説明努力は続けていきたいと考えています。

【TBS 井本記者】韓国の大臣から、会見で異例の言及があったことについてはどのように受け止めていらっしゃいますでしょうか。

【岸田外務大臣】我が国の立場は従来から説明してきたとおりであり、それがしっかりと伝わっていないとしたならば、引き続き理解を求めるべく努力をしていかなければならないと思っています。

北朝鮮情勢

【TBS 井本記者】先週の話ですけれども、北朝鮮の特使が中国を訪問しました。そこで、六者協議の再開に前向きというようなことも報道されているわけですけれども、この事実関係が中国側から外務省に対して説明があったのか。今後、外務省としてはどのように取り組んでいかれるおつもりか、お願いいたします。

【岸田外務大臣】説明等については確認をしたいと思いますが、いずれにせよ対話ということについては、我が国のスタンスは対話と圧力の方針の下に拉致、核、ミサイル、こうした諸懸案を包括的に解決していくという方針であります。そして、対話の窓を決して閉ざしているわけではありませんが、いずれにせよ、北朝鮮側が非核化を含むこうした諸懸案の包括的な解決に向けて真摯な態度を具体的に示すことが、まず第一だと考えています。我が国としては、引き続き日米韓の連携、更にはロシア、中国といった関係国との連携を大事にしながら、北朝鮮に対して、これ以上挑発行為を行わないということ、あるいは国連の安保理決議等のコミットメントをしっかりと実行するように強いメッセージを送り続けることが大事だと思っています。

【共同通信 渡辺記者】一部報道で、脱北した北朝鮮人民軍の幹部が80年代に日本海で漁船の日本人乗組員を拉致したと、政府の拉致問題対策本部で証言したという報道がありますけれども、事実関係の把握と受け止めについてお伺いします。

【岸田外務大臣】その報道は、もちろん承知をしております。ただこれは、捜査に関わる問題ですので、私(大臣)の立場から、今、コメントすることは控えさせていただきたいと存じます。我が国の北朝鮮問題に対する基本的な方針は変わりません。

ネパールにおける日本人登山者遭難事案

【日本テレビ 菊池記者】ネパールで日本人の登山家が遭難という話があるのですが、何か新しい情報が大臣のところに入っていますでしょうか。

【岸田外務大臣】その情報は得ております。現在、在ネパール大使館を通じまして、現地当局に対しまして、情報収集等、働きかけているところです。現在はまだ、その段階です。

日印原子力協定

【中国新聞 藤村記者】インドとの交渉再開をする原子力協定ですけれども、被爆地広島市から、核不拡散体制の空洞化につながりかねないとういうことで、交渉再開をやめて欲しいという要請が大臣のお手元に届いていると思うのですけれども、これに対してどう受け止めていらっしゃいますか。

【岸田外務大臣】いろいろな意見があることは承知しております。そして、今、その協定について調整中であります。引き続き、調整作業を続けていきたいと思っています。

ネパールにおける日本人登山者遭難事案

【HNK 大谷記者】ネパールの件ですが、お一人亡くなっているという情報もありますが、それは確認されているのでしょうか。

【岸田外務大臣】今のところ、在ネパール大使館を通じて情報を収集中だと聞いております。
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