記者会見

茂木外務大臣会見記録

(令和3年5月28日(金曜日)13時48分 於:本省会見室)

茂木外務大臣会見の様子

冒頭発言

【茂木外務大臣】今日の午前中、参議院の本会議の方の審議が早まりまして、外務省の条約、それから投資協定の採決が早まって、会見の時間が急に午後になりまして、お詫び申し上げます。

(1)インドに対する緊急無償資金協力

【茂木外務大臣】私(大臣)の方から、緊急無償の関係で2件、報告がまずあります。
 一件目、インドでありますが、本日インドに対する支援として、1,480万ドルの緊急無償資金協力を行うことが決定をいたしました。
 この支援は、先日ロンドンで私(大臣)から、ジャイシャンカル外相に表明した最大5,000万ドルの追加支援の一部をなすものでありまして、具体的には、インド政府からの追加的な支援要請を踏まえて、人工呼吸器1,000台と酸素濃縮器2,000台をそれぞれ供与いたします。これによりまして、既に発表済みのものと合わせて、人工呼吸器は1,800台、酸素濃縮器は2,800台をインドに供与をすることになります。

(2)イスラエル・パレスチナ情勢(対ガザ支援)

【茂木外務大臣】そしてもう一件、パレスチナ支援でありますが、イスラエル・パレスチナ情勢を受けまして、私(大臣)も一昨日、昨日と、イスラエル、パレスチナ、ヨルダンの外相とそれぞれ集中的に電話会談を行いました。私(大臣)からは、持続的な停戦を通じた緊張緩和を働きかけるとともに、ガザ地区への緊急支援等についても意見交換を行ったところであります。
 今般の衝突によりまして、ガザ地区におきましては大きな被害が出ております。新型コロナ対策を含みます医療・保健や食料といった様々な支援ニーズが生じておりまして、これに応えるべく、日本からの人道復興支援を迅速に実施するよう、私(大臣)から指示をしたところであります。まずその第一弾として、国際機関経由で最大1,000万ドルの緊急無償資金協力を実施すべく、調整を進めているところであります。
 日本としては、中東和平問題の「二国家解決」に向けた当事者間の信頼醸成を継続するとともに、ガザ地区の緊急支援やその後の復興支援を含めて、引き続き積極的な役割を果たしていく考えであります。私(大臣)から以上です。

台湾へのワクチン提供

【時事通信 越後記者】台湾へのワクチン供与についてお伺いします。一部報道などで、ワクチンの調達が難航しております台湾に対しまして、日本からアストラゼネカ製のワクチンを供与するという報道がございます。事実関係と政府内の検討状況をお聞かせください。

【茂木外務大臣】我が国としては、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの達成に向けて、あらゆる国・地域において、安全で有効なワクチンへの公平なアクセス、確保されることが重要であると考えておりまして、来週にはCOVAXワクチン・サミットを共催いたしまして、菅総理と私(大臣)が出席をし、その実現に向けた協力を国際社会に呼びかける予定であります。
 こうした観点も踏まえて、国内の接種対象者の数量を上回る分のワクチンの、現在不足している他の国・地域への供給の在り方についても、早急に検討し、具体的な方針を決定したいと考えております。
 10年前の東日本大震災のとき、台湾は一早く義援金を募り、様々な支援をしていただいた、これは国民の皆さんもよくご存じのことであると思っております。一方、台湾は昨年来、この新型コロナ、かなり効果的に抑えてきたのですが、ここにきて感染が拡大していると、おそらく7月ぐらいになりますと、生産体制、かなり整ってくると思うのですが、その以前の段階においては、ワクチンが不足している状況、このような状況にあると思っております。そういった、それぞれの地域における状況であったりとか、我が国との関係等々も考えながら、しっかり検討していきたいと思っています。

袁克勤・北海道教育大学教授の中国当局による拘束

【北海道新聞 古田記者】北海道教育大札幌校の袁克勤(えん・こくきん)元教授が中国当局に拘束されて、明日で2年になります。中国の弁護士が、今月上旬に接見したというふうに伝わっているんですけれども、日本政府としては、安否確認できているのかという点と、家族・知人が解放を強く求めているんですけれども、日本政府として解放に向けて動いているんでしょうか、この2点についてお聞かせください。

【茂木外務大臣】袁克勤教授、長年に亘って、我が国の大学において教職に就かれている方でありまして、本件については関心を持って注視をしていることでありますが、事柄の性格上、これ以上のコメントは差し控えたいと思います。

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