記者会見
茂木外務大臣臨時会見記録
(令和2年1月26日(日曜日)21時44分 於:本省中央玄関ホール)
冒頭発言
先程,(午後)9時から中国の王毅(おう・き)国務委員と,中国で発生している新型コロナウイルス感染症への対応について,電話会談を行いました。王毅国務委員からは本件に関して電話会談を行う最初の外務大臣が私(大臣)だと,こういう話がありました。また中国政府として今,全力でこの感染症対策にあたっている,また国際社会に対してもできる限りの情報提供に努めていると,こういう話があったところであります。王毅国務委員に対しては,感染症の拡大防止について日本として協力できることがあれば全面的に支援したい旨,また,邦人の安全確保及び帰国を希望する邦人全員の帰国に対する支援をお願いしたい旨,述べたところであります。これに対して王毅国務委員からは日本の協力の申し入れに感謝するとの発言がありました。また,邦人の安全確保および早期の帰国に向けた日本の考え方について理解を得ました。引き続き中国政府とは様々なレベルで調整を行うことで一致しました。事務的にもこれからも調整をしたい,こんなふうに思っておるところであります。新型コロナウイルス感染症については,本日26日現在,中国,台湾,韓国,米国,豪州,タイ,シンガポール,フランス,我が国等において,2000例を超える症例が確認され,感染が拡大しているところであります。現在,湖北省において登録された在留届提出者及び「たびレジ」登録者の安否確認を鋭意行っているところでありまして,26日現在,湖北省に約430名の滞在を把握しております。引き続き在留邦人に対して情報提供や注意喚起を行うとともに,未だ連絡のとれていない登録者の安否を鋭意確認中であります。なお,武漢市において,邦人1名が重度の肺炎を発症し入院中であります。現在,中国大使館を通じて,現地保健当局や当該邦人のご家族と連絡を取っているところでありまして,引き続き必要な支援を行っていきたいと考えております。在留邦人の帰国については,チャーター機の派遣等あらゆる手段を追求しておりまして,その一環として領事メール等を通じて,在留邦人に対して,退避の際に必要となる情報を求めたところであります。帰国を希望される方,邦人全員が早急に帰国できるように,現在進めている各方面との調整・準備を更に加速したいと思っております。
質疑応答
【記者】チャーター機等の手配の関係ですけれども,時期というのはいかがでしょうか。早ければ明日とか,そこら辺は。
【大臣】準備が整い次第と思っています。できるだけ早く,ということです。
【記者】先週来,武漢市で日本人の60代男性一人が重い肺炎,と。新型コロナウィルスに感染しているかどうかとの情報については,いかがでしょうか。
【大臣】今のところ,確認できておりませんが,先ほど申し上げたとおりですね,現地の保健当局であったりとか,ご家族の方とも連絡を取っております。引き続き,必要な支援を行っていきたいと思います。
【記者】感染していない,という連絡があったわけでもないわけですね。
【大臣】違います。
【記者】何点か確認させていただきたいんですけども,王毅外相との会談で,邦人の帰国に向けた協力を求めたのに対して,王毅さんは「理解する」という形で。
【大臣】はい,日本の考え方を理解しますという形でありました。
【記者】それで,協力を得られそうだという。
【大臣】今後具体的な細かいことについては詰めていきたいと思っています。そのようにしましょうということです。
【記者】湖北省で430名の滞在を把握されているという話でしたけれども,先日だと710名・・・。
【大臣】登録されている形で湖北省にいると,武漢市にいる方が把握しているのが710名ということでありまして,その中で実際に何というか,実際に電話連絡等で確認が取れた滞在を把握した,この方が約430名という形になります。大半が,武漢市の方です。
【記者】中国からの観光客に対して日本が現時点では自己申告という形をとっていると思いますが,例えば武漢市からの観光客に対して入国を拒否したりとか,そういったことは今後ありうるんでしょうか。
【大臣】今ですね,政府の中で様々な水際対策を取っているところでありまして,厚労省であったり,国交省ともしっかり連携をしながらどういう対策が有効であるかよく検討していきたいと思います。
【記者】現時点では入国規制はしていないと思うんですが,これからは・・・。
【大臣】すみません,厚労省に,たぶんですね,入国規制の話を外務省に言われても。
【記者】今,再入国のビザを持っている中国人,現在中国の中にいてこれから日本に戻ってくる人たちに対して,入国規制はありますか。
【大臣】それも含めて,厚労省,関係省庁とよく調整したいと思います。
【記者】チャーター機による退避等についてなんですけれども,武漢市だけでなく湖北省全体の邦人が対象かということと,チャーター機を飛ばす先は武漢空港なのでしょうか。
【大臣】細かいことはこれから詰めていきたいと思いますが,武漢市を中心として道路等,また鉄道等が遮断されている地域もあるわけでありまして,そういった地域において帰国を希望されている方全員が帰国できるように全力で取り組みたいと思います。
【記者】あと退避については日本単独の事業なのか,同じようなことを検討しているアメリカや韓国と空きスペースを融通するとか,そういったこともありうるのでしょうか。
【大臣】まだチャーター機等,準備の段階でありますので,他国とのどういった形の連携が可能かということについて,具体的にまだそこまで,アメリカであったりほかの国と話をしているわけではありません。
【記者】大臣すみません,しつこくて申し訳ないのですが,再入国ビザに関しては外務省の所管だと思うのですけれども,そういった規制は今後どのような予定でしょうか。
【大臣】ビザそのものはそうなりますけれど,そういう入国をこういった感染症に関してどうするかという場合は,水際対策なり,この感染を防止する観点から当然行うことになるわけでありますから,関連する省庁とよく相談する必要があるということはご理解ください。
【記者】事実上27日から渡航が禁止されることになると思うのですが,チャーター機は27日を目途に出発するということでしょうか。
【大臣】先ほど申し上げたようにできるだけ早く,準備・調整が整い次第と思っております。
【記者】武漢市からの渡航が事実上禁止されても,ずれ込む可能性はあるということでしょうか。
【大臣】ごめんなさい,質問の趣旨がわかりません。
【記者】武漢市から日本への渡航が禁止された,その後,しばらくおいてからチャーター機を派遣される可能性がありますか。
【大臣】チャーター機ですから,当然日本からもっていくことになります。
【記者】先ほど430名の方の滞在を把握されているとのことでしたけれども,このうち武漢市の方が大半と仰いましたが,武漢市についての内訳はわかりますでしょうか。
【大臣】細かい数字はあれですけれど,ほぼ全員に近い数だと思います。ほぼほぼ。
【記者】今回迎えに行く飛行機,政府専用機という選択肢はなかったのでしょうか。
【大臣】先ほど申し上げたように,チャーター機を含めてあらゆる手段を追求したい,このように思っております。