記者会見

河野外務大臣会見記録

(平成29年8月3日(木曜日)21時04分 於:本省会見室)

冒頭発言―河野外務大臣就任の辞

【河野外務大臣】外務大臣を拝命いたしました河野太郎でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。1996年の10月に初当選をして,すぐ外務委員会に配属になりまして,そのあとかなり長く外務委員会に座らせていただいておりました。外務委員長もやらせていただいたわけでございますが,政務官,副大臣は外務省ではやったことがありませんので,外務省という組織の中で仕事をするのはこれが初めてということになります。先ほど会見でも申し上げましたが,戦後総理を兼任した吉田茂外務大臣を除けば,たぶん岸田外務大臣は戦後外務大臣として最長ではなかったかと思いますが,その岸田大臣のあとを引き継ぐことになりまして,しっかりやらねばならないと気合いを入れて頑張るつもりでおります。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 特に,北朝鮮のミサイル,あるいは核開発という状況の中で,日本の安全保障をめぐる環境はかなり厳しくなっていると思います。1989年に冷戦が終結をして,30年弱でこのような状況になるとは思っておりませんでしたが,かなり当時考えられなかったような状況になってきているというふうに思います。そういう中で,国民の平和,安全,あるいは繁栄というものをしっかりと守っていくための外交をやり遂げたいと思っております。
 こういう安全保障の状況でございますから,まず日米同盟を確固たるものにしていく,強いものにしていくというのが,何よりも大切なことだと思っております。日米同盟の強化ということをしっかり取り組んでいきたいと思っておりますし,オーストラリアですとか,インド,あるいは韓国,ASEANといった国々とのネットワークというものもしっかりと作り上げ,同盟国,友好国のネットワークというのがきちんとアジア太平洋に張りめぐらすことができるようにしてまいりたいというふうに思っております。
 何と言っても,外交,隣の国であります韓国とは,様々な分野で協力をしていく必要がありますし,それが両国国民のためにもなると思っております。安全保障だけでなく,経済面,その他日韓関係を深めていくということは極めて大事だと思っておりますし,中国も今年は人事の年でありますけれども,国交正常化45周年,そういう節目の年でもありますし,お互い,数億年単位で引っ越しはできないという関係ですから,とにかく大局的に日中関係を大事にしていかなければいけないと思っております。
 また,ロシアに関して言えば,四島の帰属問題を解決して平和条約を締結するというのが,両国政府の一致した認識だと思っております。特に,私(大臣)からしてみれば,私(大臣)が2歳の時に,私(大臣)の祖父は亡くなっておりますので,ほとんど祖父の記憶はございませんが,河野一郎がフルシチョフからもらったというのか,巻き上げたというのか,持って帰ってきたペーパーナイフなんていうのがあったりして,日露関係というのは,私(大臣)の親父も外務大臣の時に日露関係やってまいりましたので,これについてはいろんな意味で思い入れがございますので,日露関係についてもしっかり前に進めてまいりたいというふうに思っております。
 3番目に,私(大臣)も地元で,随分昔からTPPは大事なんだという説明をしてまいりました。いろいろご批判もいただきましたが,最後,随分いろんな方にTPPについてご理解をいただけたというふうに思っておりますが,そんな中でアメリカがTPPから抜けるというような話にもなってきている,一部,保護主義がいろんなところで見え始めている中で,自由貿易というのが大事だということを,日本が旗を振っていかなければいけないという時代なのかなというふうに思っております。私(大臣)がアメリカに留学していた頃は,日本の輸出がアメリカの仕事を奪っている,そんなことも言われましたし,ちょっとあとにはアメリカの議員さんが,東芝のラジカセをハンマーでぶん殴るみたいなことがあったりという時代でもありましたが,自由貿易というのが経済の発展に寄与するんだということを改めて訴えていきたいというふうに思っております。
 それから,数日前,私(大臣)の地元の神奈川県も海老名でしたか,1時間あたり100ミリを超えるような大雨になりました。気候変動の影響は,もう着実に出ているわけで,この地球温暖化というのは将来の課題ではなくて,もう私たちが直面をしている現実でございます。防災の担当大臣をやっていたときにも,異常気象ではなくて,もうこれが新しい,新しい気象というのはこういうものなのだというふうに頭を切り換えなければならないというふうに申し上げてまいりましたが,気候変動をいかに食い止めるか,これはもう世界各国が協調して当たらなければならない大きな問題でございます。
 そのほかにも貧困の撲滅,あるいは軍縮・核不拡散といった地球規模の大きな問題に日本が積極的に貢献をしている,日本がそういう問題でリーダーシップを取っていると言われるような外交を,やはりしっかりやっていかなければならないと思っております。
 もう一つ,5番目に,中東の問題に日本はやはりしっかりとコミットしていく必要があるだろうと思っております。日本は宗教的にも非常に中立的な立場と言ってもいいんだろうと思いますし,植民地の歴史というのも中東では日本は無縁でございます。杉原千畝さんのような,ユダヤ人の人たちを助けたという外務省の誇りある歴史もございますし,中東の平和と安定がエネルギーの供給を通じて,日本の経済,あるいは日本の社会の安定に直結をしているというのは,まさにそのとおりだと思っております。日本がもっともっとこの中東問題にコミットしていくということをやらなければならないのかなというふうに思っております。
 前回,行革担当大臣を拝命をしたときにも,政府内の議論は遠慮なくやらさせていただきますということを申し上げて,随分いろんなことをやらせていただきました。ただ,その政府としての方針を決めたあとは,内閣の一員として,その政府の方針を遂行するために全力で当たるというのが,この議院内閣制の原則でございますから,そこは官邸としっかり連携をして,積極的な平和主義で,きちんとした成果を上げていくことができるように努力をしてまいりたいというふうに思っております。どうぞよろしくお願いを申し上げたいと思います。

日米原子力協定

【朝日新聞 松井記者】先ほど,官邸での記者会見の中で日米原子力協定についてやり取りがあったと思うんですが,その中で大臣が,原子力協定が今の我が国の原子力利用の一つの基盤であることを考えると,協定のあり方を含め考えていかなければならないということをおっしゃっていましたが,ここでいう協定のあり方というのは,具体的に大臣としてどのように考えていらっしゃるんでしょうか。

【河野外務大臣】協定のあり方,そのものをどうするかということを含め,別に,協定のあり方をすぐ変えるぞというわけではありませんが,いろんなことを考えていかなければいけないだろうと思いますので,そこは政府内でもいろいろ連携をさせていただこうと思いますし,最終的には日米の問題でございますから,日米で,同盟国の中でいろんな連携を取っていかなければいけないのかなと,そう思っております。特に,プルトニウムというのは核兵器の材料にもなる,使用目的のないプルトニウムは持たないというのは,これはもう世界共通のことだと思いますので,政府内,日米,緊密に連携をしてこれからいろんなことを考えていきたいと思っております。

ODA

【共同通信 斉藤記者】ODAについてお伺いしたいのですが,河野さんは議員活動を通じて非常に積極的にですね,このODAの削減ということを訴えられてきたというふうに記憶しております。以前はODAについては,金に頼らない外交という基本理念に基づいて,半分以上削減するべきではないかと,こういう主張もされたように記憶しております。そうした基本理念を現在大臣になられて,なお現在もお持ちなのかどうか,今後どういうふうにこの問題に取り組んでいくのかという点についてお伺いしたいと思います。

【河野外務大臣】ODAの予算編成,もうじき概算要求もありますので,省内でしっかりと議論をしていきたいと思っております。ODAについては,やはり我が国の納税者の皆さんの理解をきちんと得るということが大事だと思います。日本国民がODAを通じて世界の様々なことに貢献をしているということをしっかりと認識をしていただくということが大事だと思いますので,ODAの使い方についてはですね,きちんと成果が出て,それが地球規模の問題,あるいは貧困の撲滅,世界の様々な平和,こういったものを構築することによって,最終的には日本にもそれが還元されている,そういうことを認識をしていただける,そういうODAをやってまいりたいと思っております。

近隣諸国との関係

【香港フェニックステレビ 李記者】先ほど大臣がお話の中で,中国と大局的に日中関係を大事にしなければいけないといった話がありました。近年,日本と中国は,釣魚島,日本による尖閣も含めてですね,あまりうまくいっていない,摩擦が続いている現状だと思うんですが,大臣としては日中の間でどのような課題があるというふうに認識されて,そして中国や韓国では,河野大臣が過去のことも含めて,どのようなご見解をお持ちなのかということには関心があるのですが,可能であれば聞かせてください。

【河野外務大臣】近隣諸国と友好関係を築いていこうというときに,どんな問題があるかということを最初に考えるのではなくて,どんな未来を作っていくのかということを最初に考えるのが大事なんだろうと思っております。様々,今,日中関係,懸案になっていることもありますが,日中関係が開いていく未来というのもあるんだと思いますので,そういうものをきちんとお互い認識をしながら,日本列島が動いていると言ったって,別に,5年,10年で日本列島の場所が変わるわけではありませんから,ここしばらくは東アジアの地図は変わらないわけで,そこに10億人を超える日本人,中国人,あるいは韓国人,みんながここに住んでいるわけですから,この東アジアで平和を築き,繁栄を築くためにどうしたらいいかということをそれぞれ考えていきたいと思います。

慰安婦問題

【フリーランス 安積氏】慰安婦問題について,お伺いしたいんですけれども,まず先ほど,どんな未来を作っていくのかが大事とおっしゃいましたけれども,日韓関係,この問題について,一旦は最終的,且つ,不可逆的な合意をしたのに係らず,韓国がこれについて破棄しようとしている状態です。また,お父様の河野洋平氏が河野談話というのを作られまして,これがかなり,双国の理解について,かなり,なんて言いますか,釘を刺すというか,邪魔になっているような感じがするんですけれども,この談話についてはどういうふうにお取り扱いになるご予定でしょうか。

【河野外務大臣】慰安婦問題に関する我が国の立場は,総理が戦後70年の談話で,おっしゃられたこと,それと,両国政府が確認をした日韓合意にあるわけでございます。それ以上,私が付け加えることはございません。日韓の合意が着実に,実行されるということが望ましいと思っております。

【産経新聞 杉本記者】私も慰安婦合意について,お伺いしたいんですけれども,大臣,戦後70年談話と日韓合意に尽きるという話でしたけれども,二つ聞きたいです。一つは,お父様の河野洋平官房長官の談話の果たした役割,影響,歴史的な評価について,お伺いしたいのと,あと,河野談話を発表した記者会見の中で,河野洋平官房長官が強制連行があったのかというふうに問われて,それについて,そうだと,それで結構だという発言をしていらっしゃいます。この発言について,菅官房長官が,大きな問題があるというふうに発言しておりますが,大臣ご自身の評価をお伺いしてもよろしいでしょうか。

【河野外務大臣】我が国政府の立場は,戦後,様々な積み上げの上に出された安倍内閣での70年談話,そして,日韓合意に尽きるというのが政府の立場でございまして,これに付け加えることはございません。

憲法改正・外務省の印象

【テレビ朝日 小池記者】2点あるんですけれども,これまでの大臣のご発言といいますかブログでの発言なんですが,まず先ほど官邸との連携とおっしゃいましたけれども,憲法問題について6月のご自身のブログの中で,憲法改正が喫緊の課題ではなく,経済の潜在的な成長率を上げていくための改革や社会保障制度の改革のほうが重要な政治課題だと述べていらっしゃいますが,安倍総理が進める憲法改憲の内容やまた,改憲のスケジュールについて,どのようにお考えになるかということがまず一つ。もう一つ,また同じくブログなんですけれども,過去に外務省は人権やプライバシーに鈍感だというふうに外務省を批判されていたことも多くありますけれども,外務省にどのような印象を持っていらっしゃるのかということと,今後どのような付き合い方をしていこうというふうにお考えになられているのかをお聞かせください。

【河野外務大臣】憲法改正に関しては,これは立法府が発議することでございますので,行政府の一員として特にこれに対して申し上げることは差し控えなければならないと思っております。外務省についていろいろこれまでも意見を言ってまいりましたが,今や外務省の大臣でございますから,外務省がいい,頑張っているという印象を持っていただけるようにするのが私の責任だと思いますので,外務省頑張ってるねと言われるようにしていきたい,そうならなければそれは私の責任でございますので,しっかり責任を果たしてまいりたいと思います。

日中関係

【中国青年報 張記者】2点質問させていただきます。第一は7月G20サミット中日両国首脳会談の共識(ママ)に基づいて今後は一帯一路構想をめぐって具体的などんな協力をしていきますか。2点目は,両国関係は今,改善途中なんですが,今後,国交回復45周年,来年の友好条約締結40周年,どういうきっかけでどのように両国民の理解の増進,そして感情の改善していきますか。教えてください。

【河野外務大臣】45周年あるいは40年という節目の年が続きますので,両国の間でこの関係をしっかり友好的なものにしていこう,そういう機運が高まるように私としても努力をしてまいりたいと思っております。中国が今年は人事の年だというふうに認識をしておりますので,すぐにいろんなことができないのかもしれませんけれども,こういう節目節目というものを利用して,日中関係しっかり前に進めてまいりたいと思っております。もう一つの質問については,国際的に,何て言うんでしょうか,国際的な様々な取り決めに則ったオープンな形でいろんなことが進んでいくというのはいいことではないかと思いますので,中国側にもどうぞ国際的にしっかり受け入れられるような形で進めていっていただきたいなというふうに思います。

軍縮不拡散

【中国新聞 田中記者】大臣,かねてから軍縮不拡散については議連の活動など通じて非常に熱心に取り組まれておられたと理解しておりますが,改めまして,どういった姿勢で今後大臣として,この分野に取り組まれるのか,基本的な考え方をうかがいたいのと,関連しまして,先般核兵器禁止条約が採択されまして,核抑止政策についても否定をするような内容になっておりますけれども,この採択、どう受け止められたか,また政府として署名解放が秋にも始まりますけれども,何らか関与したり署名をしたりという可能性があるかどうか,お聞かせください。

【河野外務大臣】この核軍縮の問題は軍縮議連,あるいはPNNDといった議連の活動を通じて私も色々とコミットしてきたつもりでございます。やはりこの核兵器の,何て言うんでしょうか,非人道性と言うんでしょうか,これは多くの方が,世界中多くの方が認識をされている,そうした兵器が使われないのはもちろんでございますが,脅しにも使われるべきではないというふうに私は思っております。そういう中でこれを現実的に,人類に対する核の脅威を減らしていく為にどういうことをやっていったらいいのかというのを現実的に考えていく必要があるのではないかなと思っております。核禁止条約について申し上げますと,現実的なところというところで少し核保有国とそうでない国との間で溝ができてしまったような気がいたします。かつてエバンス・川口といった様々な取り組みを日本も応援をしてきたわけですから,一つ一つ,核保有国もそうでない国も巻き込んで着実にこの脅威を減らす方向へ歩んでいく為にどうしたらいいのかということを,やはりしっかり考えていかなければならないと思いますし,唯一の被爆国であるわけでございますから,やはり日本としてそういう体験の中から言うべきことはきちんと言っていかなければならないというふうに思いますが,現実的に,実戦的に物事を進めていく必要が一方ではあるだろうというふうに思っておりますので,そこのところは私もずっと関わって参りましたので色んなことをこれから考えていきたいと思っております。

日露関係

【イタルータス通信 キリル・アガフォノフ記者】安倍政権は日露関係発展を重視していますが,河野大臣は日露関係についてその方針を続けるのでしょうか。また,ロシアのカウンターパート,ラヴロフ外務大臣と会談する予定はございますか。河野大臣はマニラでのASEAN会合の際にラヴロフ大臣と会談する予定はありますか。

【河野外務大臣】四島の帰属問題を解決して平和条約を締結しようというのは日本もロシアも同じ認識だろうと私は思っておりますし,これはやらなければいけないというふうに思っております。チャンスがあればラヴロフさんともお目にかかって色んな話しをしっかりとさせていただきたいというふうに思っております。日露関係,前に進めるというのは非常に大事なことだと思っておりますので,この四島の帰属問題を解決して平和条約を締結する,そこに向けて努力をして参りたいと思います。

中東問題・移民受け入れ

【共同通信 竹本記者】大臣,冒頭,中東へのコミットメントということをおっしゃいました。今は中東ではサウジに近い勢力とイランに近い勢力と対立が深まっている中で日本がコミットメントを深めるというのは中々知恵が必要な状況かと思います。現時点でどのような絵を描いていらっしゃるか,それとシリアで国内避難民も含めると大量の難民,移民,避難民が発生しています。世界的な問題になっているわけですが,大臣,2年前に移民の受け入れに関して積極的に考えるべきではないかという趣旨の発言をされていたと報道されておるんですが,現時点での移民受け入れに関するお考えをお聞かせ下さい。

【河野外務大臣】日本は中東でアラブ・イスラエルの問題,あるいは中東のシーア派・スンニ派の問題,様々な断層がありますけれども,その断層のどれにも関わらない,そういうまれな立場にいるのが日本だと思います。もう一つ,日本はそのアメリカとの同盟関係を通じてアメリカともしっかりと話しができる,そういう立場にある日本が中東問題に関わらないということはできないだろうと,それは自分の国のエネルギーの問題を脇に置いても日本という立場にある国がこの複雑な中東問題で一肌脱ぎましょうと言ってコミットするというのはやるべきことだと思います。そこをどう,それじゃあこのほつれた糸を解きほぐすのに日本が役に立つのかというところをしっかりと知恵を出して,これは外務省だけではなくて中東の専門家の方もいらっしゃいますし,日本の企業,中東に進出している企業もあります。これはオールジャパンで色んなことを考えていかなければいけない,国際機関で働いている日本の方,そういう方の力もお借りをしてやっていく必要があると思います。安倍政権でシリアから留学生をまず受け入れましょうということをスタートいたしました。内戦後を見据えたシリアの復興に役に立つ人材をきちっと受け入れていこうということでやっております。色々その過程で問題があるというふうにも認識をしておりますので,シリアの復興に役に立つ人材を日本でしっかりとトレーニングをして輩出をするということはまず大事なことだと思いますので,それをきっちりとやり遂げていきたいというふうに思います。

気候変動とTPPに関する日米関係

【毎日新聞 秋山記者】先ほど言及がありました中で,気候変動とTPPに関しては,アメリカがトランプ政権になってから,マルチの協定から離脱の方針に移転したという問題だと思います。今後,日米間で,こういった問題を話しあう時に,まずは日米間で新たなアプローチを模索していくのか,あるいは従来のマルチの場に引き戻す努力をするのか,そのあたりの方向について,ちょっと,お考えをお聞かせ願えますか。

【河野外務大臣】パリがありますし,各国,そこを目指しているわけですし,アメリカの中でも州や自治体がパリ協定に向けて頑張るんだという意思表示をしているところがかなりの数あるわけですから,ここは国際社会の中でアメリカに気候変動の問題の重要性に気づいてもらって,一緒にやろうよということは大事だと思います。これは日米関係でもしっかり話をして,理解をしてもらう必要があると思います。TPPについては,今TPP11の話もございますが,それはアメリカが戻ってきてくれれば,TPPに戻るわけですから,そこは今のトランプ政権でどうなるか,いろんな問題が正直,あるんだろうと思います。そこは諦めずにしっかり根気よく続けていきたいと思います。

日韓合意

【TBS 久保記者】大臣,韓国との関係について,非常に前向きなメッセージを冒頭されてますけれども,一方で,最終的かつ不可逆的な合意を結んだ日韓合意があるにも関わらず,しかも,未来志向で行こうという両首脳が一致しているにも関わらず,韓国側から出て来るメッセージは現在のところ,過去の歴史をもう一度取り上げるような動きが目立っています。ASEANでの韓国での外交部長間との会談というにも検討されていると思います。その場で大臣としてどのようなメッセージを発信していきたいか,また基本的に履行を求めることはつねづね変わってないと思うんですけれども,それを言っているだけで状況は変わらないとも考えられますが,どのように韓国側に具体的に,肯定的な動きを引き出せるとお考えでしょうか。

【河野外務大臣】日韓合意は両国政府で確認してますから,これが着実に実行されるというのが望ましいというのはお互い,わかっていることでございますので,そこはきちっと,着実に進めていただくということに尽きるんだろうと思います。

【TBS 久保記者】外相との会談での話は。

【河野外務大臣】そういうことだと思います。

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