記者会見

岸田外務大臣臨時会見記録

(平成28年1月6日(水曜日)21時20分 於:外務省中央玄関)

冒頭発言

【岸田外務大臣】本日の北朝鮮による水爆実験実施の発表を受けまして,本日午後,私(大臣)は,関係各国間のカウンターパート等と電話会談を行いました。まず,米国のケネディ駐日大使と会談を行い,共に北朝鮮の挑発行為を強く非難し,日米で緊密に連携していくことで一致をいたしました。
 また,先ほどドイツのシュタインマイヤー外相,そしてEUのモゲリーニ上級代表,韓国の尹炳世(ユン・ビョンセ)外相と相次いで電話会談を行いました。各国の外相との間においては,北朝鮮の行為を厳しく非難するとともに,情報の共有や国連安保理における対応を含め,緊密に連携していくことで一致をいたしました。
 今後,国連安保理において,できるだけ速やかに,強い内容の安保理決議が,採択できるよう各国と連携していく考えです。 外務省としましては,引き続き情報収集に努めるとともに,G7議長国,安保理非常任理事国として,各国とも連携しつつ,国際社会の平和と安定に対する責任をしっかり果たしていく考えです。

質疑応答

【記者】国連安保理の制裁については日本政府としてどのような内容を望まれておられますか。

【岸田外務大臣】具体的な内容については,米国をはじめ関係国としっかり連携していきたいと考えます。やはり強い内容の決議を目指すことが北朝鮮に対する強いメッセージにもつながると思いますし,更なる挑発行為を防ぐ,こういったことにもつながると思います。

【記者】日本独自の制裁を検討せざるを得ないとおっしゃっていましたが,検討状況は如何でしょうか。

【岸田外務大臣】これは,北朝鮮側の反応ですとか,国連の場等における関係国の動き等も勘案しながら,具体的には考えていくべき課題であると考えます。

【記者】韓国やアメリカでは,実験そのものがそもそも水爆実験だったかどうかについても懐疑的な見方も広がっているんですが,日本政府としての分析状況いかがでしょうか。

【岸田外務大臣】事実関係につきましては,各国と連携しながら引き続きしっかりと確認していかなければならないと考えています。ご指摘の点につきましても引き続き情報収集し,確認していきたいと思います。

【記者】今回,水爆実験というように発表していますが,仮に水爆であったということであれば北朝鮮による核の脅威はよりいっそう高まるという認識でしょうか。

【岸田外務大臣】まだ今事実関係につき確認している段階ですので,仮定に基づく発言は控えたいと思います。先ずはしっかり事実を確認した上で状況を判断していきたいと考えます。

【記者】一方で北朝鮮との間にはですね,日本にとって最大の懸案事項の一つでもある拉致問題というものがございますけれども,今回のこうした核実験を行った北朝鮮との間で,拉致問題をこれから交渉していく中で,影響というのはどう見てらっしゃいますでしょうか。

【岸田外務大臣】拉致問題は,安倍内閣にとりまして,最重要課題の一つであります。この問題にしっかり取り組んで行かなければならない,これは今後も変わらないと思います。ただ今回は,北朝鮮が水爆実験を行ったという発表を行ったわけです。これは,この国際社会にとって,大きな脅威であると考えます。しっかり対応していくということ,これは,当然のことであると考えます。

【記者】韓国の尹炳世長官と電話で話した際に,アメリカと日本と韓国の同盟での防衛という具体的な話は,話題にあがったのでしょうか。

【岸田外務大臣】日韓米の協力は大変重要であるということについては,尹炳世長官からも発言があり,私(大臣)も一致しております。こうした関係国との連携をしっかりと大事にしながら,この問題に対して対応していく,こうした姿勢は重要であると考えます。

【記者】今後の対応についてですね,北朝鮮側の反応を見ながら,ということをおっしゃっておられたかと思うんですけれども,官房長官の会見でもそういう言い方がありましたけれども,これはどういうことを意味しているのでしょうか。

【岸田外務大臣】今回の北朝鮮の発表を受けて,各国がそれぞれ声明を発表する等,考え方を表明しています。こうした動きに対して,北朝鮮がどう反応するか。さらには,国連において,安保理等における動きがこれから予想されるわけですが,こうした動きに対して北朝鮮がどう反応するか,こういったものをしっかり見ていくべきだということを,官房長官も言っておられるのではないかと思います。

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