記者会見

岸田外務大臣会見記録

(平成27年8月7日(金曜日)8時40分 於:官邸エントランスホール)

リ・スヨン北朝鮮外相との会談について

【NHK 立町記者】昨日,日朝会談を終えて,大臣は引き続き働きかけを行っていくといく考えを示されましたが,どのような形で具体的に北朝鮮に対して働きかけを行っていくのか,お考えを教えてください。

【岸田外務大臣】昨日の会談につきしては,拉致問題の解決に向けて,北朝鮮から具体的な動きを早急に引き出すため,早急に働きかけを行えという総理の指示を受けて,会談を行った次第です。
今後につきましては,まさに北朝鮮から具体的にどのような行動が出てくるのか,そして,そうした状況も見ながら具体的な行動を引き出すべく,引き続き働きかけをしていく,これが取り組みの方針です。
 これは今の段階で具体的なものについて,なにか申し上げるべきではないと思いますが,引き続き,今申し上げた努力は続けて行きたいと考えます。

【NHK 立町記者】ご家族の会の方からは,期限を設けるべきだとか,あとは月に一度,国どうしの働きかけをしていくべきだという声も上がっておりますが,そういった声に対してはどのように対応されていきますか。

【岸田外務大臣】様々な関係者の声については,丁寧に耳を傾けさせていただきたいと思います。ただ政府の方針は今申し上げた通りです。

ラブロフ露外相との立ち話について

【共同通信 中久木記者】昨日,ロシアのラブロフ外相と立ち話をされていましてけれど,メドヴェージェフ首相がですね,北方領土を訪問する方針を示している中で,こうしたことについて自制を求めたりとかですね,そういった話をされたのでしょうか。

【岸田外務大臣】まったく,会場で出会ったことですから,挨拶をしただけでですね,具体的なやり取りはありません。

【共同通信 中久木記者】この問題に関してハイレベルで対処するとかですね,政府としての考えはいかがでしょうか。

【岸田外務大臣】メドヴェージェフ首相の北方領土訪問については,報道等で承知しておりますし,また,もしそうしたことが起これば,これは我が国政府の立場とは相容れるものではありません。
こうした我が国の立場,考え方は既にロシア側に伝えてあります。今後とも様々なレベルを通じて,しっかりと申し入れを続けていきたいと考えております。その影響については,我が国としては日露の首脳間でプーチン大統領の訪日を目指すということで一致をしているわけですし,またその準備として外相の訪露も検討しているところではありますが,そうした訪日も訪露も,今のところ何も決まっておりません。

リ・スヨン北朝鮮外相との会談について

【テレビ東京 鵜飼記者】昨日,リ・スヨン外相との会談後のぶら下がりでは,リ・スヨン外相が合意に基づいて,適切に履行しているというような発言があったというようにご紹介頂きましたけれども,大臣としては今回の会談によって問題解決に向けて,どれくらい前進があったと,そもそも前進があったかというようにとらえていらっしゃいますか。

【岸田外務大臣】先ほど,申し上げましたように,総理の指示を受けて,働きかけを行いました。我が国の考え方,そして我が国の今の状況,立場,こういったものについてはしっかりと伝えられたと思っています。しかし,これがどのような反応につながっていくのか,これからしっかりと注視していきたいと思っています。

【テレビ東京 鵜飼記者】働きかけを続けるということなのですけれども,働きかけの強さを強めるのか,違う手段も考えていくのか,どういう意味でしょうか。

【岸田外務大臣】これは具体的な,そして前向きな行動を引き出すためにどうあるべきなのか,今までも我が国として検討を続けてきたわけですが,今後とも相手の対応を注視しながら,今申し上げた方針で取り組んでいきたいと思っています。

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