記者会見
岸田外務大臣臨時会見記録
(平成27年1月30日(金曜日)1時30分 於:本省中央玄関ホール)
シリアにおける邦人拘束事案
【岸田外務大臣】本日は朝,総理,官房長官を往訪し,最新の状況について報告をいたしました。その後,予算委員会に出席いたしましたが,許可をいただき冒頭で退席をさせていただきました。その後外務省に戻り,緊急対策本部会合を開催いたしました。午後には,緊急閣僚会議に出席し,昨日の朝,確認された後藤さんと思われる音声メッセージについて議論を行いました。そして,ヨルダンの中山副大臣とは随時連絡を取り,報告を受け,また指示を出しました。メッセージで言及された現地時間の日没時間は常識的に言えば経過したものと思われますが,現時点で新たに申し上げられるような情報はありません。外務省として,引き続き緊張感を持って,全力で取り組んで参ります。以上です。
【記者】「イスラム国」が提示している期限がまた今回も次々と過ぎていくわけですが,現時点でいわゆる人質の解放に向けた何か動きというのはないのでしょうか。
【岸田外務大臣】動きというか,様々な働きかけ,情報収集は行っております。しかし,解放等の具体的な情報には何も接しておりません。
【記者】リーシャーウィー死刑囚との人質の交換の件ですが,ヨルダン政府はパイロットの生存の確認を示す証拠が示されないため次に進めないというふうに言っているのですが,これはつまり難航しているということなのでしょうか。
【岸田外務大臣】ヨルダン側とは緊密に連絡を取り合っています。ヨルダンの方針について,メディア等で明らかにされていますが,その一つ一つの言葉,あるいは具体的な中身について,私の方から言及するのは控えたいと思います。
【記者】先程ロイター通信が,後藤さんの奥さんの音声メッセージということで報じたのですが,そこに,この20時間,拘束者がメールを送ってきて,このメッセージを公開しなければ健二は殺すと,サジダが人質交換のためにトルコ国境に29日の日没までにいなければ,ヨルダンのパイロットの命はないとの内容なのですが,政府としても奥様の方とは連絡を取り合っていると思うのですが,大臣としてこのメッセージについて受け止めは。
【岸田外務大臣】後藤夫人とは緊密に連絡を取り合っております。しかし,その発言について言及するのは控えます。
【記者】「イスラム国」は次々と交渉の期限を変えてきたり,要求を変えてきたりということになっているのですが,これはつまりその,いわゆるヨルダン政府などといわゆる交渉に応じる余地があると判断されていますか。
【岸田外務大臣】ISIL側の意図については,私は何か申し上げる立場にはないと思っています。あらゆる状況,情報を把握しながら,我が国として適切な対応を考えていきたいと思っています。