記者会見

川村外務報道官会見記録

(平成27年5月20日(水曜日)16時51分 於:本省会見室)

冒頭発言 ネパールでの大地震に対する政府の取組

【川村外務報道官】最初にネパールにおける地震関係で1件申し上げます。
 4月25日のネパールでの大地震発生後,3週間余りが経ちました。昨19日,日本の国際緊急援助隊は現地での活動を終えました。医療チームは本20日早朝に帰国をしています。また,自衛隊医療部隊はまもなく帰国する運びとなっています。
 日本の国際緊急援助隊の活動につきましては,ネパール政府及び被災された方々から感謝をされております。一方,雨期が近づいているということがあり,被災者の方々への支援が引き続き課題となっています。
 これらの点に関しまして,我が国としては,5月12日に決定した1,400万ドルの緊急無償資金協力を用いて,被災者の方々にシェルターや食料等を引き続き提供していきたいと考えています。
 具体的には,国際緊急援助隊・医療チームが活動したシンドゥパルチョーク郡をはじめネパール各地において,国際移住機関(IOM)等を通じて計2万3千世帯分のシェルターを供与します。また,国連世界食糧計画(WFP)を通じて,米等の食料支援を行う他,国連児童基金(UNICEF)を通じて,水・衛生分野の支援を行います。
 さらに,ネパールの中長期的な復興を支援すべく,JICAは緊急ニーズ調査団を5月1日以降,複数回派遣をしています。今後も累次の派遣を予定していると承知しています。
 こうした取り組みの一環として,昨19日,国土交通省から発表がありましたとおり同省から3名の専門家も,本日から現地に派遣されて,本年3月の仙台での国連防災会議の成果,いわゆる「より良い復興」も踏まえつつ,ネパール側に復興に関わる我が国の知見を提供すると共に同国の復興方針等について助言・指導を行うことが期待されています。
 我が国としましては,これからもネパールに対して,緊急人道支援から復旧・復興まで切れ目のない支援を行うことが重要という認識の下で,引き続き適切な支援の検討・実施に努めていく考えであります。

NPT運用検討会議

【NHK 栗原記者】今,ニューヨークの国連本部でNPTの再検討会議が行われています。外務省の方で把握されている今の交渉状況の概要と,あるいは日本政府の今後の交渉,22日の閉幕といいますか,会期末に向けた,どのような姿勢で臨んでいくかということについてお伺いできますでしょうか。

【外務報道官】今次のNPT運用検討会議におきまして,我が国はさまざまな提案を行って,同会議の最終成果文書にその提案が盛り込まれるように精力的に交渉に臨んでいるという状況であります。具体的には核戦力の透明性の確保,あらゆる種類の核兵器の更なる削減や核兵器削減交渉の将来的な多国間化,核兵器の非人道的影響の認識の共有,世界の政治指導者や若者たちの広島・長崎への訪問,そして,地域の核拡散問題の解決。こういった5項目を特に重視しておりまして,岸田外務大臣はこれらについて締約国の支持を先の演説の中で呼びかけているわけです。こういった項目を中心に,日本の方から提案を行って,会議の最終成果文書に盛り込むべく交渉に臨んでいるところです。
 我が国としましては,「核兵器のない世界」に向けて,核軍縮の進展や核不拡散体制の強化に資する有益な成果を得るためには,核兵器国と非核兵器国の協力関係が不可欠という認識を持っています。こういった観点から,いわゆるNPDI,すなわち軍縮・不拡散イニシアチブのメンバー国を初めとする関係国と連携をしつつ,我が国が重視するこれらの事項について支持が得られるように,引き続き懸命に外交努力を継続してまいる考えです。

ロシア外相の発言

【時事通信 石垣記者】ロシアのラブロフ外相が日本に対して,大戦の結果を疑う唯一の国だという言葉で批判をしたという報道が出ていますけれども,この受けとめと,今後のロシアとの対話への影響についてお願いします。

【外務報道官】報道等で,今のご指摘の内容は承知しております。日本とソ連との間におきましては,1956年の日ソ共同宣言において,戦争状態の終結が確認されていますし,それから,賠償及び請求権の処理も終了しています。しかし,領土問題の全面的解決が困難であったということで,平和条約の締結交渉を継続することとして,日ソ共同宣言という形で国際約束が締結されたという経緯があります。
 その意味で,日露間では第二次世界大戦の結果は確定しておらず,ロシア側の主張には根拠がないと思っております。また,米国も日本の立場を支持しておりまして,北方領土に対する日本の主権を認めているというように認識しています。日本は第二次大戦の結果に疑問符をつけている唯一の国であるという指摘は全く当たらないというように思っております。
 いずれにしましても,政府として北方四島の帰属の問題を解決して,平和条約を締結すべく粘り強く交渉に取り組んでいくという方針に変わりはありません。

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