記者会見
岸田外務大臣臨時会見記録
(平成27年2月2日(月曜日)22時39分 於:本省中央玄関ホール)
【岸田外務大臣】私の方から2点申し上げます。第1に今般のシリアにおける邦人人質殺害事件を受け,省議を開催し,私から以下の3点を指示いたしました。まず一つ目が,海外に在留・渡航する邦人の安全確保に万全を期すため,中根大臣政務官を座長とした検討チームを立ち上げ,考え得る具体的な措置の内容につき,早急に提言をまとめること。二つ目として,日本政府としては,テロに屈することなく,テロと闘う国際社会において,日本としての責任を果たしていくこと。この点を含め,日本政府の立場を積極的に対外発信すること。三つ目として,テロ関連情報の収集を一層強化すること。この三点を指示しました。そして第2に,午後6時20分から約15分間,ケネディ駐日米国大使の表敬を受け,またその後,午後10時05分から15分間,ケリー米国国務長官との間で電話会談を行いました。先方からは,今次事件に関し,米国政府としての深い哀悼の意が示され,日本の中東地域への貢献に賞賛の念が示されました。私からは,これまでの米国の協力に感謝をし,日本はテロに屈せず,テロと戦う国際社会において責任を果たしていく旨述べました。また,今後も日米で緊密に連携にしていくことで一致をいたしました。私から以上です。
【記者】今回の邦人拘束事件は,邦人が殺害されるという最悪の事態で終結したのですけれども,今回の事案を検証するというそういうチームは立ち上げて検証作業はするのでしょうか。
【岸田外務大臣】検証については,既に官房長官が表明していますが,政府として検証するということで,検証チームが立ち上がるものだと思っています。先ほど,外務省の中にも邦人の安全確保のために,検討チームを立ち上げるということを申し上げましたが,政府の検証チームと外務省の検討チームは連動していく部分もあるのではないかと考えております。
【記者】検証において現地対策本部というのはどういう関わりをしてくるのでしょうか。現地は現地で検証チームというのを作るのでしょうか。
【岸田外務大臣】これは外務省全体でやるものだと思っています。
【記者】現地対策本部は引き続き継続して現地で作業を進めるということでしょうか。
【岸田外務大臣】今現在,引き続き現地において様々な対応に追われているという状況を先ほど電話で確認いたしました。今のところ引き続き現地で対応を行う,現地対策本部は存続するという方針は変わりはありません。
【記者】具体的にどういう作業に追われているのでしょうか。
【岸田外務大臣】様々な関係者が弔意を示すために訪れるなど,人の出入りもあるようです。様々こうした動きに対応しているという話でありました。
【記者】中根政務官の邦人保護の検討チームですれども,結論,取りまとめの時期は例えば2月中とかあるいは3月中とかになるのでしょうか。
【岸田外務大臣】最終的にはいつの時点かで取りまとめをしなければいけない,これは当然のことですが,まず一つは先ほど申し上げましたように,政府の検証チームとも連動する部分も邦人の安全確保という点においてあるのではと想像いたしますし,何よりも今,世の中動いておりますので,外務省の検討チームにおいては,検討し出来ることからですね,どんどん実施に移していくという形で対応しなければならないのではないか,そんなスピード感を持って対応するべきではないかと思います。もちろんその内容においては,中長期的な課題も含まれるかもしれません。そういったところはしっかりと内容を詰めて,提言をまとめるということになるのではないかとも想像いたします。中根大臣政務官を中心に具体的にこれから取りかかっていただく訳ですが,今のイメージとしては,今申し上げたようなことを考えています。
【記者】今回の事件を踏まえて政府の対応を検証するというイメージなのか,それとも一般的な全般的な邦人保護の具体的なことを考えているのでしょうか。
【岸田外務大臣】全体的な検証は政府としてやることになると官房長官は会見で発言されたと承知をしています。我々は邦人の安全確保という点において,この検討を行い,出来るところから具体的に行動に移していくという視点で作業を進めていきたいと思っています。
【記者】邦人保護にも関係ある部分なんですが,後藤さんがシリアに渡航するに当たって,外務省から3回にわたって見合わせるよう本人に要請していたという話がありますけれど,このあたりの件については,いかがでしょうか。
【岸田外務大臣】後藤さんにそうした働きかけを行ったということは,報告を受けております。詳細については,控えます。