記者会見

河野外務大臣臨時会見記録

(平成30年3月30日(金曜日)20時49分 於:外務省中央玄関ホール)

冒頭発言

 昨日から今日にかけまして,ジョンソン・イギリス外務・英連邦大臣,マース・ドイツ外務大臣,ル・ドリアン・フランス欧州・外務大臣,康京和韓国外交部長官,それと先ほど,米国国務長官の職責を代行しているサリバン国務副長官と電話会談を行いました。
 一連の電話会談では,北朝鮮問題に関し,過去の教訓を踏まえ,北朝鮮による完全な,検証可能な,かつ,不可逆的な核・ミサイルの廃棄を実現させるため,国際社会が最大限の圧力をこれからも維持しなければいけないとの方針を改めて国際社会で確認いたしました。
 また,康長官及びサリバン副長官との間では,4月27日の南北首脳会談及び5月末までの米朝首脳会談に向けて,北朝鮮から具体的な行動を引き出すべく緊密に連携していくことで一致いたしました。また,拉致問題の解決に向けて,日米韓で引き続き協力していくことで一致をいたしました。
 また,韓国を除く各国外務大臣との間で,北朝鮮以外にもイギリスにおける元ロシア情報機関員襲撃事件及びイラン核合意に関しても議論いたしました。

質疑応答

【記者】韓国の康京和さんとサリバンさんからはですね,中国と北朝鮮,この間首脳会談ありましたけれども,それに関する情報は何か寄せられましたでしょうか。

【河野大臣】中国からは中朝の話をかなり丁寧にブリーフをいただいておりますし,中朝の話あるいは南北の準備会合についての話,それぞれ情報交換等を分析をいたしました。

【記者】康京和さん南北の首脳会談についてはどういった話がありましたか。

【河野大臣】南北の首脳会談に向けて今準備会合が行われているという状況でございます。

【記者】ロシアのスパイの事件に関連してヨーロッパ各国から日本も外交官を追放すべしというような要請といったものはあったのでしょうか。

【河野大臣】日本の対応について特に各国からはありませんでした。この問題については化学兵器の使用に関する敷居が下がるということに対する懸念は各国共通でございますので,恐らくこういう国々とはG7の外相会合でもこうした議論をすることになるのではないかと思います。

【記者】昨日今日と相次いで集中的に電話会談をしたタイミングと狙い,相手国の共通項,なぜこのような国々と会談をしたのかという狙いをお聞かせください。

【河野大臣】一つには北朝鮮問題に関して動きがありますので国際社会の中で,様々情報交換をして,国際社会として圧力を維持していく,更にこうした国々から他の国々にも確認をしていく必要があるということであります。それと少し前ですけれども,スウェーデンの外務大臣からやはり電話をいただいて,北朝鮮の外務大臣の訪問に関して様々意見交換をさせていただきましたので諸外国の中で北朝鮮と対話をする中で,話に来たからといって,対価が得られる訳ではないという共通認識をシェアいたしました。

【記者】中国から中朝首脳会談について,丁寧にブリーフを受けたということですが,もう少し具体的にどういった形で説明を受けたのでしょうか。また,康長官との間で,竹島の話や慰安婦問題の話はあったのでしょうか。

【河野大臣】中国からブリーフを受けていますが,中身その他については差し控えたいと思います。康長官との間では文科省の指導要領の件で韓国側の立場の説明がございましたが,日本側の立場をしっかり申し上げました。

【記者】慰安婦問題については話はありましたか。

【河野大臣】ありませんでした。

【記者】中国からブリーフがあったとのことですが,やはり北朝鮮と密接な関係にあるということで,直接王毅外相などハイレベルでの対話もお考えかと思いますが,中国,ロシア,ロシアは先日外相会談があったばかりですが,改めて話す必要があるとお考えですか。

【河野大臣】王毅外務大臣とは近々お会いすることになろうかと思います。中国とは様々なレベルでやりとりをしておりますので,そういうことになろうかと思います。

【記者】北朝鮮の非核化の意思に関する話で,本日の外務委員会でもそれが示されていないとのことでしたが,そこについて韓国,アメリカとはどのようなやりとりをされたのでしょうか。

【河野大臣】様々な国々と,この北朝鮮の非核化の意思が極めて不明確なものだというやりとりはございました。対外的に北朝鮮の非核化に言及はないということと核関連施設での動きが継続していることもありますので,本当にコミットメントが言葉だけなのか,行動が伴うのか,これは見ていかなくてはならないと思います。対話に来たからといって,対価が得られる訳ではないということは全ての国際社会の国々が北朝鮮に対して明確にしていかなければならないという共通認識がございました。

【記者】北朝鮮の非核化の意思の話なんですけれど,今日も外務委員会でも話しされていました。示されていないだけですね。特にアメリカと韓国とどういうやりとりをされていたのでしょうか。

【河野大臣】様々な国とこの北朝鮮の意思について現時点で極めて不明確であるというやりとりはございました。対外的に北朝鮮の非核化についての言及がないということと,核関連施設での動きが継続しているという話もございますので,北朝鮮の非核化に向けてのコミットメントが言葉だけなのか,行動を伴うのかそこはやはりしっかり見ていかなくてはいけないと。対話に来たからといって対価が得られるものではないということは全ての国際社会が,全ての国が,北朝鮮に対して明確にしていかなくてはいけないというような共通認識がございました。

【記者】アメリカと韓国との電話協議で,首脳会談でも拉致問題を取り上げるということについて向こうから反応があったのでしょうか。

【河野大臣】拉致問題については,先方からもいろいろ話をいただきました。それぞれの首脳会談でどういう議題になるあるいはどういうやり方をするか,これはまだ固まっておりませんから中身について申し上げるのは差し控えたいと思います。

【記者】向こうから言及があったということですか。

【河野大臣】拉致問題について,向こうからいろいろありましたが,中身については差し控えたいと思います。

【記者】冒頭でおっしゃった,お話になったお相手のドイツ,フランス,イギリス,韓国,それからアメリカの代行これ全てに対して,非核化に向けて3つの条件ですね,完全で不可逆的で検証可能,これは全ての方と合意したということですか。

【河野大臣】これは既に国際社会が合意しております。

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