(問)昨日閉幕したワシントンでの金融サミットに関してですが、次官の評価を頂きたいのと、次回、来年4月にロンドン開催説が出ているのですが、見通しと、開催までの今後の調整方法をお聞かせ下さい。
(事務次官)今回のサミットは、総理のお話にもありましたように、歴史的な意義を持つサミットであったと思っています。国際金融、世界経済の行方を、これだけ大きな波が襲っている時に、世界の主要各国の首脳が一同に集まってこれからの短期、中長期の対策について話し合ったということです。そのこと自体が大変画期的なことであったと思います。二つ目に日本の麻生総理は非常にリーダーシップを発揮されました。日本の経験、また、アジアの国々の進む方向、国際的な金融体制における考えるべき様々な課題について、日本の考え方が明確に打ち出されたということです。日本の存在が非常に大きかったサミットではなかったかと思います。2回目の開催につきましては、来年4月末までに開こうと申し合わせがあったと承知していますが、どこで行うのかということについては今後関係国間での調整がこれから行われていくのだろうと承知しております。
(問)六者会合の関係ですが、齋木アジア大洋州局長が北京を訪れたり、再開に向けた調整が進んでいるのですが、その中で米朝の合意が、米国が発表したファクトシートに盛り込まれているものがしっかりとした合意として、米国と北朝鮮の間で共通認識として得られていたのかという点について色々疑問の声が出ている状態だと思います。例えば、ラヴロフ・ロシア外相もそういった疑念があるのではないかという認識を示されていたと思います。テロ支援国家指定の解除の際に日本政府としては、日本政府の言い分を米国は聞き、その上で米朝合意に盛り込んだという主張だった訳ですが、その点がまさにぐらついているように見える訳ですが、如何でしょうか。
(事務次官)日本として米国と色々と話をしました。あれは米朝の折衝の結果を受けて日本としてはこういう検証というのはきちんとしたものでなくてはいけないと、つまり、明確に出来るだけ文書の形で、曖昧さが残らないようにしなければならないと。逆に言えば日本が一番そういう意味での注文をあの時期に付けた訳です。今その他の国ももう一度見てみて、やはりそれは大事な点だという日本の考え方にむしろ共鳴しているのではないかと思っています。そうした中で出来るだけ今後の作業というのは、六者会合の場で、出来るだけ明確なものにしていくという努力を続けていくという考えです。齋木局長は先ず米国に行きまして、また議長国である中国との話し合いをして、我々の考え方を明確に伝えたという一連の作業をしました。そういう意味では我々が初めから主張してきたことの必要性が皆に良く理解されているだろうと思います。
(問)サンプリングとか米国が発表した米朝合意と称するものに対して本当に北朝鮮が共通の認識を持っているのかという点については如何でしょうか。
(事務次官)当然了解があったという説明を受けています。実際に六者会合の場でそれがどういう形で明確にされていくのかはこれからの重要な課題であると思っています。
(問)一部の報道で、北朝鮮の方から、拉致被害者の松本京子さんを日本の家族に会わせてもいいと言っているとあったのですが、松本京子さんを巡って新たな情報があるのかどうか、その事実関係は如何でしょうか。
(事務次官)これは拉致問題対策本部にそのような情報が寄せられたということであると承知しています。現在その情報の内容について拉致問題対策本部の事務局として精査中であるということです。色々な情報が寄せられる訳ですが、各々そのたびに相当の精査を行ってきておりますし、そういう視点から現在精査がなされてきていると承知しております。
(問)米国の原潜が事前通報なしに沖縄に寄港したようですが、受け止めと今後の対応をお願いします。
(事務次官)今朝、プロビデンスが午前10時頃から昼前までホワイトビーチに寄港していて、事前通報がなかったということです。我々としては、これは極めて問題であるということで、米側にもその旨抗議しました。米側からは遺憾の意の表明があり、再発防止ということについて適切な対応をこれから強化していくということを言っていますが、我々としては引き続きこの点については、米側には、こうしたことが二度とないようにするための対応を求めていきたいと思っています。モニタリングポストは24時間ずっと設置されていますから、そこで異常がないということを我々としても確認をしていますが、こうしたことが再びないようにということ、これは非常に大事な問題だと思っていまして、米側にもその点は強く指摘していきたいと思います。
(問)過去に同様の例はあったのでしょうか。
(事務次官)過去にもありました。記憶が定かではありませんが、7、8年前だったと思います。その際、こういうことのないように、再発の防止を申し入れ、それ以来、今まで同様のケースはなかったのですが、残念ながら今回こういうことがまた起きてしまいました。米国側も連絡が不徹底だったということを聞いていますが、そのようなことがないような手立てをよく考えるようにということで、強く申し入れてあります。
(問)沖縄の地元にはもう伝えたのでしょうか。
(事務次官)すぐに伝えました。
(問)ロシアの原子力潜水艦の日本海での事故に関して、これについてロシア側からどの程度の事実関係についての確認を政府として受けているのでしょうか。また、政府としてどのような見解を先方に伝えているのでしょうか。
(事務次官)日本海でこういう事故が起きたということで、直ちに我々の方からは総領事館また大使館からロシアの外務省・国防省にも照会致しました。先方からの説明というのは、潜水艦の原子力設備に影響はなく、日本への放射能汚染の心配は全くなく、放射能漏れはないということの説明は受けています。それ以上について、位置関係等々は通常、国防上発表しないということですが、我々としては更なる情報を求めていきたいと思っています。
(問)日本政府が把握したというのは昨日の報道によってなのでしょうか。それで申し入れをしたのか、ロシア政府側から報告があったのでしょうか。
(事務次官)報道を受けてです。