(問)総理の訪中ですが、一部報道で27日から30日ということで総理が決断されたということですが、調整状況は如何でしょうか。
(事務次官)年末または年初の出来るだけ早い時期に訪中出来るようにということで、先日の外相会談でも話し合われ、今調整を行っているということで、日取りが決まった訳ではありません。調整中です。
(問)中国側と調整中ということでしょうか。
(事務次官)日本の中でも調整しなくてはなりませんし、中国側のご都合もありますから、その点も含めての調整です。
(問)総理の訪中までにガス田問題を協議することについて、どのようにお考えかでしょうか。また、次官同士の会談等も予定されているのかお聞かせ下さい。
(事務次官)これは大臣も仰っているように、色々なレベルで、色々な形で議論していくということで、現に始めていることもありますが、何れにしても、色々なレベル、色々な形で話をしていくということです。
私個人について、何か特別のアレンジメントを今考えている訳ではありません。
(問)ロシアに拿捕された漁船ですが、その後どのような状況でしょうか。
(事務次官)最新の情報は聞いておりませんが、我々は乗組員の方、船そのものを早期に解放して日本に戻すように強く働きかけています。
(問)COP13のロードマップですが、来年のG8を睨んでのご感想をお聞かせ下さい。
(事務次官)具体的なことはお聞きになっていると思いますが、基本的に日本の提案、考え方がかなり反映されたものになっていると思っております。
「美しい星50」で我々が言及した、主要排出国が参加すること、多様性を反映すること、経済発展と環境保全を両立させること等、そういった基本的な考え方は活かされたと思っておりますが、他方、ご承知のように相当激しいやり取りが色々な形で行われましたので、なかなかG8サミットに向けて具体的な形でまとめあげていく作業は難しいと思っています。これは、各国それぞれの経済発展の段階の違いもありますし、また環境問題について色々抱えている問題も違うので、そういった国々の問題を全て反映しながら、且つ各国の要望も入れながらまとめていくというのは、とても大変なことだろうと思っております。
日本は何れにしてもG8の議長国ですから、基本的にはそういった国々の要望を出来るだけ調整しつつ、バリのロードマップに従って、一定の方向にまとめていくように努力していく必要があると思っております。
(問)北京で行われた日中ハイレベル経済対話で纏められた共同文書から、中国側がプレスに発表した中で一部、特に為替レートの上昇に中国側が努力するといった部分が削除され、それについて外務省として抗議をされているという話ですが、その辺りの話と、実際、どうしてそのようなことが起きたのかについて、お考えをお聞かせ下さい。
(事務次官)中国の内部でどう行われたかについて説明がある訳ではないので承知しませんけれども、合意してプレス発表的なものを出す時には、自分の方で勝手に一部を削除するというのは、普通は考えられないことなので、正直言って驚いています。いずれにしても、合意していた、或いは我々が納得していた内容とは違いますので、今、訂正を申し入れています。
(問)抗議はどういう形で行われたのですか。
(事務次官)抗議は、北京でも東京でも、然るべきルートで行ったということです。
(問)それに対し、中国側から何かしらの反応はあったのでしょうか。
(事務次官)何かしらの反応はありましたが、それをもって中国政府の正式の態度とは言えませんので、ご紹介するのは控えます。
(問)この問題が、福田首相の訪中や日中関係に与える影響はどのようにお考えですか。
(事務次官)総理の訪中については、我々がずっと前から予定し、調整していたところですので、今回の文書について若干驚くべきことが起こりましたけれども、だからといって訪中計画を見直すという類の話ではないと思っております。
(問)日本政府の抗議に対して、中国側から反応があるということですが、それに対して再度、外務省として抗議をしたということはあるのでしょうか。
(事務次官)今申し上げた、とりあえずのコメントは聞いておりますが、いずれにしても我々が合意した内容と違う訳ですから、訂正を申し入れており、その状態が続いています。
(問)今のところ中国側は、訂正に応じる姿勢は見せていないということですか。
(事務次官)そうです。
(問)思いやり予算の関係で、労務費などの削除が求められていますが、どういう情勢なのでしょうか。
(事務次官)今、最後の段階に入っていると思っています。我々としては先月中に纏めたかったのですが、なかなか折り合いがつかなくて更に議論を続けているところです。予算編成との関係もありますので、近く纏める必要があると、両方とも思っていると思います。最後の詰めを行っているということです。
(問)テロ特措法の関係で、インド洋上での給油がストップしていますが、日本の貢献といったところで、交渉への影響はどの程度あるのでしょうか。
(事務次官)その交渉している人の心理構造から言うと、そういうことが全く関係ないかどうか分かりませんが、話自体は日本に駐留する米軍へのサポートの問題ですから、直接の関係はないと思っております。
(問)六者会合についてですが、当初、今週にも開くという方向で調整が進められていたと思うのですが、現状で今週中の開催の見通しについて次官の認識は如何でしょうか。
(事務次官)未だ調整中ということですが、米朝での話し合いも今行われている状況で、報道されているように、6日から開催するという状況が実現する感じには今のところなっていないと思います。いずれにせよ、未だ調整中ということだと思います。
(問)6日に実現する感じになっていない背景等、その辺はどのように見ているのでしょうか。
(事務次官)6日に行っても、直ちに議論を行えるような状況になっていないということなのでしょう。
(問)申告の案が出て来る状況にないということでしょうか。
(事務次官)出て来ているという話は聞いておりません。
(問)高村外務大臣ですが、先程、胡錦濤国家主席との会談も終わり、一連の日程が終了した訳ですが、日中ハイレベル経済協議も含め、今回の中国との一連の会合をどのように評価していますか。
(事務次官)今回の一連の会合については現地でそれぞれブリーフがあると思いますが、一般的に聞いている範囲内では、今の日中関係が戦略的互恵関係を深めていこうということで、今回は多数の閣僚の方も行かれて、中国も非常に力を入れて話し合いをされたようでして、そのような点では、色々な分野がそれぞれありますが、我々が期待していたような成果もあがって、全体として大変良かったのではないかと思います。これが、これから福田総理の訪中、更には胡錦濤主席の訪日ということに繋がっていく、そういう良い基盤整備が出来たのではないかと思っております。
(問)ガス田の問題ですが、総理の訪中までに解決出来るように努力するということで一致したということなのですが、具体的な足がかりや妙案等、そのようなものはあるのでしょうか。
(事務次官)これは大臣御一行が帰って来られて、その上でお話を聞きたいと思っておりますが、具体的にこういうことがあったから、よって非常に物事が進捗するという格好での報告は受けておりません。ただ、日中両国とも政治的決断と言いますか、そのようなものも含めて、この問題の解決のために行わなくてはならないという気持ちはお互いに示されたようですから、そのこと自体は心強いことだと思っております。