記者会見

事務次官会見記録(平成18年11月)


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事務次官会見記録(平成18年11月27日(月曜日)17時05分~ 於:本省会見室)

ガザ地区におけるイスラエル・パレスチナ間の停戦発効

(事務次官)まず最初に、ガザ地区におけるイスラエル・パレスチナ間の停戦発効について申し上げます。我が国は、ガザ地区におけるイスラエル・パレスチナ自治政府間での停戦発効を歓迎するとともに、今回の停戦が和平プロセス前進の契機となることを期待します。また、本停戦成立へのアッバース・パレスチナ自治政府大統領及びオルメルト・イスラエル首相の指導力を高く評価します。我が国は、イスラエル・パレスチナ双方に対し、引き続き最大限の自制をもって対応し、本停戦を遵守することを求めます。また、交渉の早期再開に向けてイスラエル・パレスチナ間の首脳会談が早期に開催されることを期待します。我が国としては、二国家解決(ツー・ステイツ・ソリューション)すなわち双方が国家として認め合う形でのイスラエルとパレスチナの共存・共栄に向け、引き続き積極的に取り組んでいきたいと思っています。

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佐々江アジア大洋州局長の北京訪問

(問)今、佐々江アジア大洋州局長が北京に行かれていますが、現時点で次官が把握されている限りで、どなたとどのような会談をして、どういった成果が得られているのか、現時点でわかっていることを教えてください。

(事務次官)まだどのような会談が行われたとか、内容はもちろんですが聞いていません。具体的に、これから行われると思いますが、途中であると思います。

(問)佐々江局長と中国なり米国なりの代表との会談で期待されている成果というとどういうことになるでしょうか。

(事務次官)六者協議を開催して、そして六者協議の中で少しでも建設的な効果が達成できるように、準備を行うということと思います。五者協議というような形はないと思いますが、二者とか三者とかいう形でそのような議論が加速化されれば望ましいと思っています。

(問)それに関連してですが、韓国の千英宇(チョン・ヨンウ)外交政策室長が韓国側の首席代表ですが、北京入りした際に記者団に対して語ったことなのですが、この間のハノイでの日米韓の三カ国首席代表協議で議論したことは、北朝鮮に対して、核を廃棄していくにあたってこちらがどういう措置を取ることができるのかということを深く議論したとおっしゃっているのですが、つまり、見返り部分ということだと思われるのですが、どういう風に理解していますか。

(事務次官)それが深くか浅くかはそれぞれ判断することだろうと思いますが、そのような点を議論したということだと思います。いずれにしても、それはまだ交渉準備の段階の話し合いですから、内容的に今申し上げるということではないと思います。

(問)ただ、言われていることでも、米朝正常化ですとか、そういったことを指しているのかとか、日本としても、正常化の話とかそういうことも議論の中では意義が深いというか。

(事務次官)ご承知のように、日本の場合は拉致、核ミサイルの問題を包括的に解決して国交正常化を行うことが大きな目標としてあるわけです。その大きな目標はありますが、今まさに六者協議を行ったとして残念ながらそれがどうなるのだというところまで話が拡大するような状況にはありません。まず六者協議を開く、それからその六者協議においていわゆる早期の成果なるものをどのような形で達成できるかということに焦点があるのであり、その大目標までどうやってたどり着けるかというところまでは議論が及んでいないということであろうと思います。

(問)一部報道で、安倍総理が年明け1月にヨーロッパを訪問して英国等を歴訪するという話があり、官房長官も「欧州訪問は検討している」という趣旨くらいのことは発言されていますが、現時点で外務省としてコンクリートできる部分というのはどういうレベルまで。言える範囲ということで。

(事務次官)ヨーロッパのいくつかの国を訪問するということで調整していることは事実ですが、まだ相手国との関係でも調整しきれていない国もありますし、また、お互いに公表しようというところまで至っていないという状況です。まだ、国名まで挙げて、いわんやまだ時期もいつどこの国にというところまで調整しきれていませんので、今申し上げる段階にはないということです。ただ、複数の国と調整していることは事実です。

(問)1月前半というのはよろしいのでしょうか。

(事務次官)前半というと15日までですか。だいたいそんな感じではないかと思います。後で16日も入っているじゃないかと言われると困るのですが。多分、そのような感じです。

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事務次官会見記録(平成18年11月20日(月曜日)17時11分~ 於:本省会見室)

沖縄県知事選

(問)沖縄県知事選の結果が出ましたが、当選した仲井真さんは、どちらかというと政府案に反対を表明していて、今後、協議の中で、やはり修正する必要性が出てきた場合、米国側と交渉をすることになると思うのですが、次官はどうお考えですか。

(事務次官)元々この問題というのは、地元負担の軽減、抑止力の維持という観点から話をしてきて、これまでも県知事を含め地元と話し合いをしながら色々な切実な要求なりを踏まえて話し合っていこうという姿勢で来たのだと思いますし、今度の選挙の結果はもちろん尊重して話し合いをこれから続けていくということです。今ご質問されたような、将来変えるのかとか、そういうことを考えるという話ではないのだろうと思います。これからも話をしていきたいということだろうと思います。

(問)反対を表明しているけれども、修正を伴うような事態にはならないと。

(事務次官)なるかならないかは、今この時点で申し上げるのはいかがなものかと思います。

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北朝鮮問題

(問)APECの一連の会談の中で、北朝鮮に対する六者協議の対応などが話し合われましたが、現時点での六者協議再開の時期や中身の見通しについて、次官の今のお考えをお願いします。

(事務次官)中身の見通しは、まだちょっと何とも言えないということだと思います。時期については、12月前半にというのが日米韓が考えているところであり、これを中国側にも伝えて、中国は中国で、議長役の立場があり、そのように北朝鮮との関係で話し合いをしているところだと思います。まだそれが固まったということにはなっていないという状況なのだと思います。色々な意味で、まだ見通しが立てにくいという状況です。

(問)12月前半というのは、現時点で、ASEAN前という理解の仕方でよろしいでしょうか。

(事務次官)ASEAN関係の諸会合の前にということだろうと思います。時期的に考えてそうなります。

(問)APECで、最後に口頭声明という形で、北朝鮮に対してああいう声明が出されたということについてどのように評価していらっしゃいますか。

(事務次官)APECのそもそもの会合の趣旨というのは、主として経済問題をやるということです。特に北の核の問題は、今、緊急性を要する問題だということで、結果的には口頭声明という形になったのだと思うのです。我々としては、拉致問題もはっきり書いてもらいたいという気持ちはありましたが、そこは必ずしも各国が皆それに賛成するということではなかったということです。他方、口頭声明の中で、安保理決議案1718、これは、ご存知のように、前文の中に人道問題に関する懸念というのが明確に書いてありますので、その決議案が言及されたことは、それなりに良かったのではないかと思っています。また、ベトナムの議長から、口頭声明の後、議長の総括という形で、安倍総理から拉致問題について言及があったということを特に述べて頂いており、その点も、今の状況の下で出来る限りの成果があったと評価しています。

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日露戦略対話

(問)日露の話ですが、戦略対話、一応合意ということですが、当然、領土問題の話が出ることになると思うのですが、過去に日露間では、相当色々な経緯があって、今なかなか難しい状況にあると思うのですが、次官としては、まずどういうところからお話をされていきたいとお考えでしょうか。

(事務次官)戦略対話ですので、領土問題も含めて話をしますが、核の問題とか不拡散の問題、あるいは中東の問題、その他、もちろんアジアの問題とか、色々なことを戦略的な観点から意見交換し、そういう中で、二国間の問題も話し合い、その中核にある領土問題も話し合っていこうと思っているのです。領土問題について、どこからスタートするのかというのは、相手もあることですし、そういった議論の中でやっていく、考えていくということだろうと思います。いずれにしても、別に秘策があるわけではないし、秘策があればあったでそれは申し上げられませんので。

(問)過去の、二島返還論だとか、昔日本側が提案したものだとか、そういうものには囚われずに、新政権として、新たなスタートラインを持っているとか、そういうことはどうでしょうか。

(事務次官)色々なアイディアが出てきましたが、双方が満足できる形での案ではなかったわけであり、他方、それは死んだものとも思っていませんので、そういうものも考慮に入れながら、今の状況の下で満足し得る案とは何なのかということで、率直に話し合っていくということだろうと思います。ここのところ、十分そういった話し合いが出来ていませんので、そういった意味では、新しい観点からの議論を含めて、対話を始めていくということだろうと思います。

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事務次官会見記録(平成18年11月13日(月曜日)17時35分~ 於:本省会見室)

六者協議

(問)今日、日本記者クラブでロシュコフ・ロシア大使が会見をされて、その中で六者協議の再開時期について、12月初めという線は消えたという話をされていたのですが、当局同士の調整はどのような状況なのでしょうか。

(事務次官)色々と調整はしているのですが、12月初めの線はもうないだろうというのも、確かにロシア側からあったようですが、色々な感触が出ているようです。まだ、具体的にこの辺りという方向性が見えてきたという印象は持っていません。

(問)ロシア側からの今のお話は最近ですか。

(事務次官)先週後半に報道で出ていましたよね。12月上旬はないだろうと。モスクワからだったでしょうか。

(問)アレクセイエフ次官からです。

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APEC閣僚会議

(問)明日、外相がAPECでハノイに出発されますが、APECそのものは勿論ですが、その一方で、北朝鮮問題によって、二国間会談だとかマルチだとか、この一週間くらいの間に、どの程度の議論ができればいいというお考えですか。

(事務次官)どの程度と言われましても、具体的には難しいのですが、少なくとも、日米韓の六者協議に出る首席代表はハノイに出張するようですから、日米韓の三者の間での話し合いというのはあるのだろうと思います。そこで、日米韓で歩調を合わせるといいますか、足並みをそろえるための話し合いは大いにやったらいいと思います。他の国、例えば中国との関係、中国には議長としてやって頂かなくてはいけませんから、これも日中とか米中とか色々な形で話し合いはあるのではないかと思います。いずれにしても、12月の中でいつ行われるかというのがまだ決まってこないのは、各国の六者協議に臨む姿勢がまだ必ずしも固まっていないということを体現している面もありますので、できるだけ早くそうした各国の立場が固まっていくことが期待されます。我々としては、もちろん、皆と歩調を合わせることがその時々に大事だと思いますが。

(問)先日、バーンズ米国務次官が来られて、六者協議に向けた話し合いをして、今度APECでの首席代表会議。北朝鮮包囲網の形で五カ国が連携を取る5対1の構図というのは、APECの協議によって、六者協議までにできあがるのかどうか、見通しはどうでしょうか。

(事務次官)六者協議は六カ国で参加しますので、5対1という形が明確になった格好でやることが生産的なのかどうかとも思います。五カ国協議的なものはないのだろうと思いますし、必ずしもそういうものをやるのが適当だとは思いません。いずれにしても、核あるいは核計画の廃絶という究極的な目標に向かって、それぞれどういうアプローチを取っていくか、そのために歩調が整っているということが大事だと思っています。

(問)APECに関してですが、米国が水面下で提案しているとされるAPEC 全体のFTA構想なのですが、日本としての立場をお聞かせ頂けますか。

(事務次官)基本的な立場は、以前にも申し上げましたが、FTAとかEPAというのは基本的にはWTOを補足するもの、補うものとして、我々はその意義を認めているわけです。日本はこれまで二国間でやってきましたし、ASEANとの共通のものというのは考えていましたが、APEC諸国の大部分の国が参加するようなFTAというのは相当スケールの大きい話で、国の事情も色々と違うわけですから、経済状態あるいは水準、経済構造も違うという状況の中でそれを実現するというのは、大変野心的な試みだろうと思います。しかしそれを目指して大いに議論をしていくということ自体は意義のあることではないかと思っています。すぐにそれを実現するとは米国も思っていないと思いますが、そういった共通の目標を持って議論に各国が参加していくということ自体が、この地域におけるダイナミズムを作る上でも、非常に意義のあることではないかと思っています。

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事務次官会見記録(平成18年11月6日(月曜日)17時05分~ 於:本省会見室)

核保有論議

(問)自民党の中川昭一政調会長が引き続き核保有発言を繰り返していますが、政府としての立場を改めて確認したいのですが。

(事務次官)政府の立場というのは、非核三原則を堅持するということであり、このことについては、中川政調会長もそのことを前提とした上で色々とご発言をなされていると存じております。中川政調会長がおっしゃっていることについて、政府として政治的な理解として何らかのコメントするという類の話ではないと思います。

(問)引き続き発言する狙いというのはどうなのでしょうか。

(事務次官)それは私が解説したり解釈する話ではないと思います。

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六者協議

(問)六者協議を控えて、米国務省の次官が来日していますが、六者協議に臨む日本の基本的な立場を改めてお願いします。

(事務次官)この問題については、北朝鮮の核及び核計画をすべて廃棄するということが基本的な狙いであり、そのことはまた、六者協議の基本的な問題であると思います。他方、去年の11月以来、六者協議は行われていないわけで、その間、最近でも、ミサイルとか、あるいは核実験とかいうことがあったわけです。ようやく参加するということになったわけで、それでは、この今の大きな目的に向かって、どのように六者協議を進めていってそういった目標を達成するかということに知恵を絞り、かつまた、それを前提として協議をしていかなくてはいけないということだと思います。米国も、国務省の高官の方々が来日され、まさに、日米において、今後の段取りといいますか、どのようなアプローチでいくのかということを話し合うということで、今まさにそれを議論しているということです。日本が考えている大きな目標は、もちろん米国ともシェアしているわけです。ただ、北朝鮮はなかなか難しい相手でもありますので、そう簡単に物事が進まないというところで、色々と知恵を絞っていかなくてはいけないということだと思います。

(問)北朝鮮は、日本が六者に参加することは望ましくないというような趣旨の発言をしたりとか、今回、合意する過程でも、どちらかというと日本は主導権を握っていないような印象があるのですが、中国と米国が今回のメインプレイヤーだという印象があり、その中で改めて、日本が北朝鮮の核問題について果たせる役割というのはどのようなところにあるとお考えですか。

(事務次官)六者で協議をするという枠組みができて、今まで議論してきているわけです。北朝鮮が日本に入ってくれと頼んだ覚えはないと言っていますが、この問題は、日本にとっては大変重要な関係がありますし、ミサイルの射程の問題、あるいは核の問題も、センシティブといいますか、日本の敏感な感情からしても、この問題は日本として、当然、他の五カ国の中でも最も鋭くかつ厳しい問題意識を持っているはずです。その日本が参加しないということはあり得ないことだと思います。日本がどのような役割を果たせるかといえば、大きな目標に向かって、こういう段取り、あるいはアプローチが有り得るのではないか、これについては、北朝鮮は直ちに耳を傾けないかもしれませんが、他の四カ国との関係では、十分そういった話し合いも出来ます。かつ、これまでもアジア大洋州局長は積極的な役割を果たしてきていますし、また、大変信頼を受けていると理解していますので、これからも同じような役割を果たしていくことになると思っています。

(問)今日の一連の会談の中で、国連決議で定められた貨物検査の中身については、何か具体的な点はあったのでしょうか。

(事務次官)これについても、まだ、米国自身も考えを固めているわけではないと思います。今、事務的に色々な話し合いを行っているところだと思っています。私との会談ではそういう話は出ていませんが、外務審議官あるいは局長等が話し合っていますので、今そういう状況だろうと思います。結果はまだ聞いていません。

(問)先程、大臣が六者の関連で、APECの会議の場で想定されるといいますか、北朝鮮以外の五者での外相会談とか、五カ国による連携というようなことをおっしゃったのですが、今まで、五者ということについては、北朝鮮に対する刺激とかそういった意味でなかなか実現が難しかった部分もあると思うのですが、北朝鮮が六者に復帰すると言ってきたこのタイミングで、敢えて五者でということを強調する意味、考え方というのは。

(事務次官)麻生大臣は、六者協議の前に五者協議をやって、体制を固めて北朝鮮とあたるべきだということを言われたわけではなく、五者の間で議論あるいは意思が十分通じ合っていて、五者がまさに北朝鮮の核計画を止めさせることについて歩調を合わせておくことが必要だということを言われたのだと思います。大事なことは、六者協議で成果を上げていくということは、一度に全部成果が出るわけではないと思いますが、やはり段取りを追ってということだと思いますが、そういった六者協議で成果を出すことが大事なので、その為には、まさに、現在やっている日米協力が大事でしょうし、日米韓も大事でしょうし、あるいはまた日中というものも大事でしょうし、米中はもちろん大事でしょうが、そういったものを色々と組み合わせて、五者の間でできるだけ歩調を合わせようというご趣旨を言われたのだと思います。従って、五者協議をやらなくてはいけないという趣旨でおっしゃったのではないのだと理解しています。

(問)ぶら下がり会見のニュアンスでは、ハノイでのAPECで五者の外相会談を行う提案をしたいとおっしゃったのですが。

(事務次官)「五者協議」という言葉を使われたのでそういう印象を与えたかもしれませんが、大臣のご趣旨は、五者の連携というか、そういったものを話すことが大事だということであり、五者の、あるいは五カ国の外相会談を、APECの直前なり、その際に行う必要があるということを言われたのではないと思います。

(問)具体的に、日米が連携してそういう協議をしようと働きかけていくことは現段階ではないと。

(事務次官)ありません。

(問)今回の一連の会談の中で、米国側から、これから北朝鮮に対して核廃棄を働きかけていくことになると思うのですが、例えば、核査察とか、具体的にどのポイントから提案していくとか、その辺のロードマップ的なものというのは何か米国側から言及はあったのでしょうか。

(事務次官)米国側からはありません。ただ、日本も「3トラック」という考え方を元々持っており、そういう考え方は既に米国あるいは他の国にも示しているわけです。そういった、今言われたような、査察をどこの段階でどうしていくかというのは、まず考え方としてあるのですが、今うまく一年ぶりで六者協議を行いますので、これをまずぶつけて、これでまず北朝鮮を説得してというのは、なかなか難しい、現実的ではない部分もあると思います。その辺りを念頭に置きながら、どうやって、まず抱き起こして、どうやって動いていくかということを考えなくてはいけない状況です。その辺りを詰めて考えることはないのではないかと思っています。

(問)大臣も次官も、今回六者協議を再開すること自体が目的ではないと常々おっしゃっていますが、どうも会談の中身を見ていますと、あまり具体的ではなく、まず再開ありきで、ここから具体的に詰めていくという印象があるのですが、実際、日程もまだ決まっていない段階で、見通しとしてはどれ程前向きに見ておられるのか。

(事務次官)実際に我々は当事者ですから、客観的に見てどうせうまくいかないだろうとかいうアプローチというのはあり得ないので、どうすればうまくいくのか、物事を動かせるのかという発想でやっていかなくてはいけないのです。ただ、今の時点で、これでいけばいけるという妙案があるわけではないので、例えば今、日米間でもそのように話をしているという段階なわけです。従って、六者協議の現実の日程も確定しないでいるということだろうと思います。これから韓国と、あるいは中国と米国が更に議論をするようですから、その辺りも踏まえて、現実的なアプローチの在り方を考える、その上でまた日程の調整も有り得るということだと思います。ですから、少し時間は掛かるかもしれませんので、見通しを申し上げられるような段階にはありません。

(問)年内開催の実現性というのは。

(事務次官)それは年内には当然、開催するでしょう。

(問)今日の協議の中で、日本及び米国の金融制裁に関する話というのは、何か、今後の見通しあるいは今後についての意見交換はありましたか。

(事務次官)米国が行っている金融制裁は継続するということですし、制裁全般として、六者協議をやるから制裁はストップするとかそういう話ではないだろうと。基本は対話と圧力という方向でやっていこうと。こういうことは米国とも話し合いました。

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ロシアによる日本漁船の検査

(問)ロシアに漁船が拿捕されているのですが、外務省として現状を把握している状況と、今後の対応についてお聞かせください。

(事務次官)一隻については、検査を終えてもう帰国されたのだと理解していますが、残りの三隻については、その一隻について行われたのと同様の検査が今行われており、我々としては、出来るだけ早くその検査を終え、無事に漁船員の方々及び漁船が帰国するように、これからも働きかけていきたいと思っているところです。

(問)実際にはどのような働きかけを行っているのでしょうか。

(事務次官)ウラジオストク総領事館を通じ、関係当局にそういった働きかけを行っているということです。

(問)漁船が日本に戻れる見通しというのは。

(事務次官)それは当然、戻れると思っていますが、それを出来るだけ早くしろということを言っているのです。

(問)時期についてはいかがでしょうか。

(事務次官)時期は、そんなに時間がかかるという話ではないと思います。

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