記者会見

事務次官会見記録(平成17年8月)


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事務次官会見記録(平成17年8月8日(月曜日)17時58分~ 於:本省会見室)

六者会合休会

(問)昨日北京で六者会合が休会となったわけですが、どのように受け止めていらっしゃいますか。

(事務次官)六者会合では、実質進展があることを全ての参加国が望んでいたわけですが、結果的には、共同文書作成までに至らずに休会ということになりました。ぎりぎりの努力をした結果ではありますが、そういう意味では、今一歩であったなと思っています。あまり無理をしてもいけないことなので、それぞれ各国に持ち帰り、更に上部と相談をして、なるべく早くやろうということで、そういう意味ではこの休会というのは、こういう厳しい状況の下での現実的な当面の解決策であったかなと思っています。

(問)休会中、日本政府としてはどのような対応をおとりになるのでしょうか。

(事務次官)日本政府としては、共同文書の作成作業においてももちろん積極的にいろいろな形で関与して、できるだけの努力をすると同時に、現実的に物事も考えるというラインでやりましたので、非常に大きな決断を、あるいは政策の変更をしなくてはいけないということはない理解しています。基本は、やはり北朝鮮がどのように判断するかというところがポイントであろうと思っています。

(問)核の廃棄の対象にはやはり平和利用を含めるという線は譲れないのでしょうか。

(事務次官)我々としては、核兵器あるいは核関連計画、そういったものをまず廃棄するということが前提です。核の平和利用等の問題は、廃棄した後での問題だろうと言っているわけです。まずそれをやるべきであるという立場には変わりありません。

(問)日朝首席代表の会談が行われましたが、本国に伝えるというとであったようですが、今後の取り組みというか、日朝協議の取り組みというのはどのように進めていくのでしょうか。

(事務次官)佐々江局長から聞いたところでは、基本的に核、ミサイル、拉致問題等の諸懸案を包括的に解決したうえで国交正常化を図るという、我が方の従来からの立場を伝えると同時に、途絶えている日朝間の事務レベルの協議を、あるいは話し合いを早急に再開したいということも言って、これについては正確に本国の上層部に伝えるというのが返事であったとのことであり、北朝鮮側の前向きの反応を期待するというのが現時点での立場です。

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衆議院解散の外交への影響

(問)今日、衆議院が解散となる見通しであり、かなり外交問題が山積しているわけですが、外交への影響というのはどうなのでしょうか。

(事務次官)政治の動きそのものについてはコメントすることは差し控えますが、政治の展開がどうであろうとも、外交の継続性・一貫性というものは維持する必要があると思っていますので、大臣あるいは、必要ならば官邸とも随時連絡を取りつつ、今申し上げたことを事務当局として心がけていきたい、すなわち継続性・一貫性を保つようにやっていきたいと思っています。

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事務次官会見記録(平成17年8月1日(月曜日)17時05分~ 於:本省会見室)

6者協議

(問)北京での6者協議に伴って、日朝間の会談の見通しはどうなっているのでしょうか。

(事務次官)今までのところ、きちんとした形での話し合いというのはできておらず、またこれからそういうきちっとした形での協議が設定されているかというと、そこはまだできていないということです。

(問)北京で行われている6者協議ではいろいろな草案を巡っていろいろと議論が続いているわけですが、だいたいの日程的な目処というのはどういう具合になっていますか。

(事務次官)今まさに議論をしているところです。議長役たる中国の方からも、いついつまでにというような時間を切ったアプローチはとっておらず、しかも実質事項については、また相当差がある部分があるので、客観的にも、いつ頃という見通しはついていない状況です。しかし皆様それぞれ大変公務が忙しい方々なので、延々と議論を続けるわけにもいかないという状況であろうと思います。ともかく、実質的な進展を共同文書の形で盛り込んでまとめようというところでは各国とも一致して考えているようであり、断続的に協議をしながら、且つまた本国ともいろいろ連絡しながらやっているというところであろうと思います。

(問)協議が始まって以降、二国間ですとか、全体協議以外に様々な個々の会合が行われているようですが、日米韓で改めて共通のポジションを確認する場というのはこれまでに開催されたり、これ以降行われることはあるのでしょうか。

(事務次官)すべての会合について聞いているわけではありませんが、また日米韓でまとまって体勢を立て直すとか、あるいは整えるとか、そういう意味での話し合いがあったとは聞いていません。

(問)それは今回韓国側が電力支援とかこれまでなかった新しい提案を持っているということで、多少これまでとポジションが変わっているということがあるのでしょうか。

(事務次官)そのこと自体はもうすでに承知していましたので、確か7月14日であったと思いますが、既に日米韓というのはきちんとした議論をして体制を整えてきているので、それを変えるとかそういうことはないのだろうと思います。

(問)日朝協議の関係ですが、実質的な話し合いはまだできていないということで、また6者協議についてもまだいつの段階までにという目処も立っていないという状況で、平行してやるのもなかなか難しいかと思うのですが、改めて、日本政府としては最後まで実現に向けて呼びかけるという方針に変わりはないということでよろしいのでしょうか。

(事務次官)拉致の問題を中心として、日朝間の協議というのはずっと開催されていないということでもありますので、今回の機会に、拉致問題担当者はいないのかもしれませんが、日朝間できちっと話をするということは、最低限実現したいと思い、これからも努力したいと思っています。ただこれは相手があることですから、是非我々のそういう努力あるいは真剣さといいますか、そういったものに応えてもらいたいと思っています。

(問)これまでのところ、アプローチして、どのような反応がきているのでしょうか。

(事務次官)個々のやりとりといいますか、毎日のように顔を合わせているわけで、そこでどういう感じで話し合いが行われたかというのは、終わった段階でまとめてお話をするということです。ただ、最小限、きちっとした協議と言えるようなものがあったかというと、それはないと聞いています。

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国連安全保障理事会議長国就任

(問)8月から1カ月、日本が国連安保理の議長国になりますが、どのような方針で臨まれるのか、それから常任理事国入りへの関係等ではどうでしょうか。

(事務次官)常任理事国といいますか、安保理改革の問題ができるだけ進展できるように、日本が今までやってきた努力が実る日が来るように努力するという、姿勢はそういうことであろうと思います。ただ非常に厳しい状況であり、夏休みのシーズンに入ってしまうということもあるので、その条件の下で、一所懸命やるということであろうと思います。

(問)そうしますと、その日本の努力が実る日は少なくとも来月以降ということなのでしょうか。

(事務次官)なるべく早く適切なタイミングでと、今思って努力しているところです。

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ファハド・サウジアラビア国王の逝去

(問)サウジアラビアのファハド国王が亡くなりましたが、葬儀などについて、以前中東の方で国王が亡くなられたときにそれなりの方が行かれたと思いますが、外務省として今後どういった対応をされるのでしょうか。

(事務次官)私どもはその報に接して、関係方面に連絡し、至急どのように対応するのか、今検討を始めたところです。具体的な人選その他、あるいはどういう形式の葬儀があって、またその後どういう形でこちらの弔意をお伝えするのか、いろいろ有り得ると思うので、人選も含めて今考えているところです。

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