(事務次官)IT広報室の設置及び外務省日本語版ホームページ・トップページの改訂について申し上げます。本日、インターネットによる広報・情報発信を強化するため、外務報道官組織内にIT広報室を設置しました。室長には民間からのIT専門家が就任します。これにより、担当局が異なっていた日本語版ホームページ、英語版ホームページ、在外公館ホームページを専門的な知識に裏打ちされた統一的な編集方式に基づいて運用することが可能になり、IT情報発信力が高まることを期待しています。これに併せて、外務省日本語版ホームページのトップページを全面的に改訂しました。メニューを簡素化し、使いやすさ、見やすさを重視して、親しみやすいデザインとしました。よろしくお願いします。以上です。
(問)六者協議が始まりますが、改めて日朝協議がこの期間内に行われるのかどうか、見通しを教えてください。
(事務次官)これについては、我々としては、今までもそうですし、北京でも日朝間で話し合いをしようということは呼びかけるつもりでいます。実際に応じてくるかどうかは北朝鮮次第なので、見通しがあるとかないとかということは客観的には申し上げられない状況です。
(問)事前の日米韓の協議ですが、これは既に開催されたのか、もしくは開催の見通しについていかがでしょうか。
(事務次官)これからという話は聞いていませんが、既に話し合い自体は、北京でやったのかどうかは報告を受けていませんが、その前にはもう既にやったようです。
(問)内容についてはどういったことをすり合わせたのですか。
(事務次官)これは話し合いの内容の具体的なことは申し上げられませんが、基本的には日米韓で歩調をそろえて、これまでの連携を維持しつつ、今協議において実質的進展が具体的に図られるように努力していこうという基本的なこと、足並みをそろえたといいますか、そういったことを固めたということです。
(問)国連改革ですが、今日G4とAUの外相会合がありますが、NYでは水曜までに一本化に至らなかったわけですが、今後どうなっていくのでしょうか。
(事務次官)これから、あと小1時間で始まる予定ですが、G4の話し合いとAU諸国との話し合いをやっていくということで、それ次第でどのように展開していくか、我々としてはあくまでも一本化を目指して努力するということで、いよいよ大詰めの段階に入っていると認識しています。
(問)サマーワ情勢ですが、日本友好協会の会長だった人が店に爆弾を仕掛けられ爆発されたという報道がサマーワから入っていますが、政府として事実関係を確認されているのかということと、自衛隊駐留延長問題にどういう影響を与えるのかお聞かせ下さい。
(事務次官)私どももそういう情報があることは承知していますが、自衛隊等を通じて事実の確認に努めるということで、もし、事実であれば極めて遺憾なことであると思います。サマーワにおいてそういうことがもし起きたとすれば、残念なことですが、基本的には他の地域に比べれば比較的安全な地域であるという全体的な認識については変わりはないところです。
(問)自衛隊に対する地元の不満が強まっているという認識をお持ちですか。
(事務次官)いえ、そのようには思っていません。7月に行われた世論調査でも、90%以上の住民が、自衛隊の更なる滞在とその人道復興支援活動に期待をしているということです。中にはいろいろな配慮から反対する人もいると思いますが、圧倒的多数は、自衛隊のこれまでの活動を評価していると認識しています。
(問)これまでの六者協議では特に大きな進展が見られなかったのですが、今回の協議でどこまで行ったら成功といえるのかその辺の認識を教えて下さい。
(事務次官)今回1年1カ月ぶりにようやく開催されることになりましたので、我々としては開催されること自体を歓迎しています。他方、こういう長いブランクがあっての上での開催ですから、当然実質的な進展がなくてはいけないと思っていますが、画期的なあるいは大きな進展があるかというと、その点は期待はしていますが慎重に見ていくべきではないかと思います。何を持って成功と言えるかについてですが、我々としては、北朝鮮が進めている核計画、いわゆる核関連計画は、国際的検証の下で完全に廃棄されなくてはいけない、しかもそれは変更不可能なものでなければいけないと思いますので、その基準に照らしてどういう進展が見られるかということだと思います。それが直ちに今回実現するかと言えば、そう楽観視はできないだろうと思います。ただ、6者が集まってこの問題の解決に全力を尽くすべきだと考えています。
(問)北朝鮮は日本だけが今回協議再開に寄与していないとしていますが、そういった中で日本がどういう風に問題解決に向けて貢献していくのか、どういった役割を果たしていくのですか。
(事務次官)日本としては六者協議ができるだけ早く開催されるようにと、その中で諸懸案の解決が図られるようにということで、今までも努力して参りましたし、会合においても積極的に平和的な解決に向けて建設的な役割を果たしていきたいという基本的な姿勢で臨むつもりです。
(問)日本側としては六者協議を機に拉致問題について進展を図りたいところだと思いますが、一方北朝鮮側は六者協議で拉致問題を取り上げるべきではないという主張をしています。そこで六者協議では日本側としてどのように取り上げるのか。もしくは日朝間の協議をどのようにそのような機会にもっていくのか。その辺の取り組みについてはどのようにお考えですか。
(事務次官)我々としては北朝鮮との関係では、諸懸案を包括的に解決するべきであると思っており、その諸懸案の最大の項目は拉致問題であり、核・ミサイル問題であるわけです。六者協議は基本的には核・ミサイルの問題であると思っていますが、これまでも繰り返し説明しているように、日朝間の協議は去年の暮れ以降行われていないわけですから、我々としてはあらゆる機会を捉えて、この大きな問題の解決のために役立ち得ることは何でもしたいと思っています。具体的に今度の六者協議の場でどのように対応するかはよく我々として考えながら会議に臨みたいと思っています。今この場でどのようにしますということを述べることは適当ではなかろうと思っています。
(問)会議を実質的に前進させるために日米韓の間で今後どういうすり合わせをしていくお考えでしょうか。
(事務次官)この日米韓の考え方のすり合わせというのは、去年の6月に第3回協議の前にも行いましたし、その後も行っているわけで、基本的にはそこは変わっていないわけです。日米韓がきちんと考え方をすり合わせて、且つ連携を強めつつ協議に臨むべきだと思っているわけで、そこのところは従来から変更はないところです。
(問)前回の六者協議では、実効性をより高めるために作業部会を設置したわけですが、今回作業部会の見通しはいかがでしょうか。
(事務次官)その辺りは今回やってみないと、その各論部分はどうなるというのは今予測しがたいところです。そういった点も含めて議論が具体化に進んでいけば大変いいことだと思います。
(問)日程はまだ決まっていないのでょうか。
(事務次官)25日の週にということで、恐らく中国が議長役としてその辺りを調整しているところだと思います。決まってはいません。
(問)大体何日間くらいするのでしょうか。
(事務次官)そういうことも含めて調整中です。
(問)明日、ライス国務長官と日米外相会談がありますが、この六者協議の問題についてどういう話をするのでしょうか。
(事務次官)基本的な目的は先ほど述べたとおりです。米国側は何回かの米朝接触というのを続けて来ており、そういう意味では北朝鮮の考え方を一番よく今知る立場に立っていますから、米国側がどういう話し合いをし、どのように北朝鮮の出方というのを読んでいるのかを聞いた上で、日本と米国の立場は基本的に同じ立場ですから、共通のアプローチというものは外相会談で打ち合わせることはできるのではないかと思っています。
(問)安保理改革ですが、当初の予定通り現地時間の11日、日本時間で言うと明日の未明になると思うのですが、審議は開始される見通しなのかどうか、その後、今般のG4の外相会談では20日頃を目処に採決をということになったと思うのですが、それまでの取り進め方はどのようなイメージを描いておられるのかお聞かせください。
(事務次官)審議が11日から予定通り始まるのではないかと期待していますし、そうではないという情報は今のところ無いわけです。AUも提案をするでしょうし、おそらくはコンセンサスグループも、まだ提出するということは言っていませんが、するのではないかと思います。更には、それらに対する修正案というものも出てくる可能性があり、今はそれがどのような姿になって20日までに展開していくのかというのはちょっと予測しがたいところですので、我が方としても、いろいろな専門家も応援出張させて、どんな事態にも対応しうるように、機敏に対応しうるようにやっていく態勢を今とっているところです。1日、1 時間たりとも目が離せない状況がこれから続いていくのだと覚悟しています。
(問)そういう状況の中で、明日、ライス長官とどのような態度でお話をするのでしょうか。
(事務次官)日本としては、このG4の案を推進するという立場にありますし、またG4の連携を保っていくということです。他方、できれば米国にもこの案を支持してもらいたいと思っているわけで、そのあたりのこと、及び、AU案というのもG4の案とはかなり近い内容のものですから、そういったものも含めて、米国の協力を求める、その接点があるのかどうか、そう容易な話ではありませんが、そういったことを話し合うということであろうと思っています。
(問)G4の外相会合で、20日前後の採決を目指すということになったわけですが、その段階で3分の2の賛成票がとれるかどうか見通しがついていない場合はどうするのでしょうか。
(事務次官)見通しをつけるように努力するということであろうと思います。
(問)まだ今の段階では3分の2の賛成はないと読んでいらっしゃるのでしょうか。
(事務次官)これは人によって読み方が違うので、日本は、選挙の場合も同じであろうと思いますが、慎重に読んで、更に努力をしなくてはいけないと思っています。
(問)国連改革に関してですが、AU(アフリカ連合)の外相会合が独自の新しい決議案を出すという合意をしたそうですが、これについてG4はこれをプラスと捉えているのかマイナスと捉えているのか、いかがでしょうか。
(事務次官)アフリカ諸国は意見が分かれているのではないかというような推測もいろいろとありましたが、外相会合において一つの立場ということで収斂させたこと自体は、いよいよこういう段階に来たのだということをアフリカ諸国も認識して、そのような形で意見をとりまとめたのだと思います。我々G4の案に近いものも含まれていますので、違いももちろんありますが、我々としてはG4の案と接点がかなりあるように思えますので、更に歩み寄れるものがあるのかないのか、その辺りは議論していきたいと思っています。
(問)仮にAUがこのまま首脳会議でこの合意を確認して実際に決議を出した場合は、G4の決議案とAUの決議案を一本化する見通しというのはかなりあるのでしょうか。
(事務次官)先のことはよくわかりませんが、そもそも外相会合の内容が首脳会議でそのまま採択されるかどうかです。例えば拒否権の問題などもありますが、どう考えても拒否権ということで合意されても、それが実現の方向に向かっていくとはあまり思われないのですが。そういう点も含めて首脳会議の結果も見て、その上でどのようにやっていくかということだろうと思っています。当然、G4諸国なりあるいはその案についても当然考慮に入れながら、首脳会合でも議論はされるのだと思いますので、その辺りがどのようになっていくのかということであろうと思います。
(問)G4案の提出の時期について影響をかなり与えるであろうとお考えですか。
(事務次官)G4案については近く提出したいと元々思っていますので、AUの結論が最終的にどうなるかによってそのタイミングが変わってくるということはあまり想定されないのではないかと思います。
(問)提出した場合、採決まであまり間をおかずにということになりますか。
(事務次官)国連でそこをどう取り扱うのかは議長の采配という問題もあるでしょうし、修正案もいろいろ出てくる可能性もあるでしょうから、見通しとしてどういう形になるか、我々としてはいずれにしても目標としては7月中には少なくとも採択されることを希望しています。
(問)沖縄で米兵が女児にわいせつ行為を与えたという事件がありましたが、それの対応等受け止めを聞かせてください。
(事務次官)これは極めて遺憾な事件であると思っています。米国側とも話し合っているところだと思いますが、こういったことは遺憾であると同時に二度と起こってはいけないことであり、どのようにやるかを関係当局が今対応しているところだと承知しています。