(報道官)外務大臣談話を読み上げます。我が国は、米・イラク間の合意に基づき、6月30日の期限までに、駐留米軍戦闘部隊のイラク都市部からの撤収が完了したことを歓迎します。イラクは、自立して自国の治安を担うための大きな一歩を踏み出したと考えています。イラクの治安状況は全般的に改善傾向にありますが、引き続き、散発的にテロ事件が発生しており、更なる安定が実現することを強く希望します。我が国は、今後とも円借款や技術協力を通じたイラクの復興に取り組むとともに、経済・ビジネス関係の強化を含む幅広い二国間関係強化に努めて参ります。
(報道官)既に発表されておりますが、潘基文国連事務総長は、日本政府の招待により、本30日から7月2日までの間訪日します。中曽根大臣は、今夕飯倉公館に於いて潘事務総長と会談を行い、北朝鮮問題やテロ・海賊対策、軍縮・不拡散といった国際的な課題について、意見交換を行う予定です。また、明7月1日には、麻生総理とも会談を行う予定となっております。何れにしましても、今回の潘事務総長の訪日により、日本と国連との協力関係が一層深まることを期待しております。
なお、潘事務総長ご自身は7月3日及び4日ミャンマーを訪問される予定であるということが、国連側より正式に発表があったと承知しております。
(報道官)29日、イランの憲法擁護評議会は、今次大統領選挙の結果を承認し、これにより、イランの制度の下で、アフマディネジャード大統領の再選が確定したと承知しております。日本政府としては今後、イラン政府が国内の各般の意見や言論を尊重し、また国際社会と建設的な関係を構築していくことを強く希望します。
(報道官)既に先日報道発表でご案内をしておりますNGO・外務省定期協議会平成21年度全体会議の開催についてです。この会議を29日午後3時から三田共用会議所で開催致します。今回の会議では通常の議題に加えて、来月開催されるG8首脳会議に関して外務省の関係部局から説明が行われて、NGO関係者の方との意見交換を行います。G8首脳会議は今回はイタリアで開催される訳ですが、昨年は日本が開催したこともあって、開発、アフリカ或いは教育、更にその他に色々なイシューについて政府とNGOとの対話というのは非常に大事だということで、今回もこういう場を設けるということです。なお、カメラは冒頭のみの取材ですが、ペン記者の方は終日閉会まで取材は可能ですので、もしご関心があれば申し込んで頂ければと思います。
(問)NGOとの対話ですが、去年洞爺湖で行ったのが初めてでしょうか。
(報道官)特に去年は日本がサミットをホストしましたので、相当精力的にホスト国として日本のNGOのみならずグローバルに活動をしている国際的なNGOとも色々な場を設定して対話を行ってきたと思います。最近は、直接ここでは取り上げませんが、例えば軍縮・不拡散ということについては、既に関係者と外務省の軍縮不拡散・科学部との対話というのは頻繁に行っていますし、その他経済局の関係の分野でもそれぞれの所で連絡は密にして行っているということです。
(問)サミットの前に、全般的なことでNGOと外務省が協議するということは初めてなのでしょうか。
(報道官)今回既に設定されている対話の場を利用して日本政府の取り組みをPRも兼ねてお伝えして、またNGO関係者の要望があればそれを吸収するということです。サミットに向けてこういう場をいつから行っているのかというのは手元に材料がないので、ご関心があれば別途調べてお答えしたいと思います。
(問)G8の外相会合ですが、米国のクリントン国務長官が出席されなくなったという発表があり、当然日米外相会談が中止ということになるかと思いますが、それについて米国側から何か連絡、説明、或いはそれに代わるような協議とか予定されているのでしょうか。
(報道官)大変残念なことに、米国務省の発表がございまして、クリントン国務長官は怪我の関係で今回の欧州行きは取り止めざるを得ないということでございます。私共は出来るだけ早く回復されることを希望しております。現地(イタリア)でどうするかということにつきましては、国務省の発表によれば、バーンズ次官が国務長官代理としてG8外相会合に臨むということです。何れにしてもG8外相会談の機会を利用した日米のやりとりは重要だと思いますので、これから調整をしていくことになろうかと思います。
(問)バーンズ次官との会談は、当然行われるということでしょうか。
(報道官)ランクとしては、先方は次官でございますから、会談があるとすればプロトコール上は表敬訪問をお受けするというような形になると思います。大臣も日程が錯綜しておりますので、その中で時間の調整がつけばお会いするとお考え頂いて結構です。
(問)北朝鮮の貨物船「カンナム1号」の話ですが、今現在で何か明らかにできるような事実関係はありますでしょうか。
(報道官)当方より申し上げることはありません。
(報道官)昨日は衆議院、本日は参議院において、核兵器廃絶に向けた取り組みの強化を求める決議案が全会一致で可決されました。政府の立場については、既に総理の方から国会の場で申し述べられておりますが、外務省としましても、我が国の置かれた現実を重く受け止め、採択された決議の趣旨を呈して日本の安全を確保すべく国際的な核軍縮、不拡散体制強化のため、決意を新たに取り組んでいく所存ということでございます。
(問)石原都知事が10月2日に行われるIOC総会に皇太子ご夫妻にご出席頂くよう政府にお願いをしているという趣旨を会見で述べたようですが、外務省もその方向で準備を進めているのでしょうか。
(報道官)本件について、外務省として、詳細を承知しておりませんので、確認したいと思います。
(報道官)本日外務省で、第3回日韓外務報道官協議を行いました。我が方は私(兒玉外務報道官)がヘッドで、先方は文太暎(ムン・テヨン)・韓国外交通商部代弁人、いわゆる日本で申しますところの外務報道官ということだと思いますが、第3回の協議を行いました。この協議では日韓両国の成熟したパートナーシップ関係の更なる強化に向けて、具体的には本年9月にソウルと東京双方で「日韓交流おまつり」という行事を予定していますが、例えばそうした交流行事を積極的に広報面でもその成功に向けて支援していくということで合意を得ることが出来ましたし、これは一つの一例ですが、双方の広報・報道の部局が協力をしながら日韓両国の国民の間の相互理解、信頼の増進に努めていくことでも一致したということです。また、パブリック・ディプロマシーということについて、双方がどういう取り組みをしているかということについても意見、情報交換を行いました。パブリック・ディプロマシーの日本語訳は、我々としては「広報外交・対市民外交」という言葉を使っていますけれども、そうした面での相互の取り組みを紹介し合いながら、お互いが参考にできるところは参考として、更に強化していこうという話をしましたし、また韓国外務省においても大変ブログを使ったりするということで、IT広報への取り組みも熱心に行われていると伺いましたし、私の方からも外務省におけるITを通じた情報発信についてご説明をさせて頂いたということです。今回で3回目ということですが、こういう協議が開かれること自体、文太暎代弁人との間で全く意見が一致したのですけれども、日韓関係が昨今、成熟したパートナーシップ関係を更に深めようという時にあって、かつ首脳間のシャトル外交を推進しようという合意の中で、こういうことが恐らく可能なのだろうということで、こういう機会を今後とも活用していこうということで意見の一致を見たところです。今日この場に、文太暎代弁人もオブザーバーで私の会見を御覧になりたいということで同席をしておられます。
(問)今回の報道官協議の中で、今の北朝鮮の現状についての報道のあり方としてどうあるべきとか、そのようなテーマでの話はあったのでしょうか。
(報道官)基本的に私どもが話したことは、今後あり得べき、シャトル外交の一貫としての李明博大統領の訪日を念頭に置いて、その訪日が日韓両国においてメディアの皆さん方の報道が中心になると思いますけれども、それらを通じて双方の国民により広く伝わるようにお互いに努力しましょうというお話をしました。また、日韓両国の共通の課題と言えば、二国間ということを除けば北朝鮮の問題に日韓、或いは日米韓が一緒になって核やミサイルといった懸案に取り組み、また、拉致問題の解決に協力頂いている訳ですが、そのような取り組みをしていくことが大事であるということで一致すると共に、報道対応における日韓の連携を通じて正確に日韓両国の国民に伝えていくことが、大事であろうというような意見交換をしたということです。
(問)韓国ということで、首脳会談の日程的な調整については話したのでしょうか。
(報道官)まだ、調整中ということで、発表できる段階にはありません。
(問)北朝鮮関係ですが、今日の午後の持ち回り閣議で閣議決定された独自の追加制裁について、その受け止めをお願いします。
(報道官)先ほど官房長官が会見の場で発表されたと承知しております。外務省も政府も一体でございますが、ご存じの通り広範な分野に亘って相当な措置が取られていると思いますが、今回の北朝鮮による核実験を契機として、北朝鮮を巡る色々な事情を勘案して対北朝鮮措置の全体の中に組み込むことにしたものでございます。それが、官房長官が先ほど申された措置だと理解しています。効果云々ということも皆さんご関心があろうかと思いますけれども、現時点でこうした措置の効果について云々することは適当ではないと思いますが、北朝鮮による核開発の脅威に最もさらされている、いつも一番厳しい脅威認識というものを持っている訳ですけれども、そうした日本として先般採択をされた安保理決議1874号に基づく措置に加えてこれらの日本独自の措置をとるということは、核問題を始めとする北朝鮮を巡る問題の解決に向けた我が国の強い意思を示すものとして意味があると考えております。
(問)与党自民党の部会などでも、本当に効果があるのかという話もありましたし、もっと強い措置をするということ、例えば在日朝鮮人の往来、一部は制限されておりますけれども全面的に止める、そうといった強い措置がなぜ取れないのかという意見に対しては、どのようにお考えでしょうか。
(報道官)在日朝鮮人の北朝鮮を渡航先とする再入国の規制については、在日朝鮮人の方の多くが特別永住者であって、特別永住者の再入国許可については、入管特例法第10条2項というものがありまして、そこで、「特別永住者の本邦に於ける生活の安定に資するとの法律の趣旨を尊重する」と記載されています。この規定は平成3年4月12日の制定当時の衆議員の法務委員会で全会派一致で提出された修正案に基づいて設けられている経緯もあると承知しております。そういうことで在日朝鮮人全体を規制対象とすることは困難であると考えています。それが今の判断です。日本がとっている輸出入全面禁止ということは恐らく諸外国ある中で日本が最も厳しい措置としてとっているということは、間違いなく指摘できると思いますし、そこに日本の強い意思というものが込められているし、そういうメッセージはしっかりと北朝鮮に受け止めて貰いたいと思っています。
(報道官)16日(火曜日)東京で、第3回日韓外務報道官協議を開催致します。この協議は、近年の日韓両国の「成熟したパートナーシップ関係」の拡大を背景とした日韓協力の推進に向けた広報フロントの役割について意見交換を行う予定です。私自身2度目の協議ということになるのですが、日韓関係のパートナーシップを更に強化していく上で、とりわけ国民レベルの交流が重要であると思いますし、そういう観点から今回は、今年9月にソウルと東京で、日韓交流おまつりという文化行事を予定をしていますが、行事の成功に向けた広報分野での協力についても話し合う予定です。
(報道官)安保理の動きですが、現地時間9日、引き続き決議の中身について協議が行われ、P5+2の協議が開催された訳です。現状、その結果として、高須大使の現地でのコメントですが、今ギリギリの話し合いを行っているということです。いずれにしても、出来る限り早く決着させようということで、関係国の間で意見を収斂する懸命の努力が続けられているというところです。
(問)安保理の今後の見通しは如何でしょうか。
(報道官)懸命の努力、ギリギリの話し合いが行われているということと、昨日の大臣会見でも大臣が大詰めにきている、大詰めに近いのではないかと仰っていますし、そのような段階にあるということだと思います。この場で私が余計なことを申し上げるのは不適当ですが、私もニューヨークに於ける昨日の高須大使の会見の中身を改めて読みましたが、現状は主要国が昨日の協議の結果を首都の了解を得る為に散会している訳です。現地時間の10日(今日)再度集まってその結果がどうであったかということを協議することになると思いますが、その結果を今は待つ、その結果次第だということだと思います。
(問)現地10日の予定は。
(報道官)現在、何か決まったということは、聞いておりません。
(報道官)6月8日のボンゴ・ガボン共和国大統領の御逝去に際し、同大統領の御冥福を心よりお祈りするとともに、御遺族、ガボン共和国政府及び同国国民に対し心から哀悼の意を表します。ボンゴ大統領は1967年11月から41年6か月の間大統領職にあり、アフリカの長老の一人として尊敬を集め、アフリカ諸国の安定に大きく貢献されました。昨年は、横浜でのアフリカの開発に関する国際会議(TICAD IV)(5月)に大統領自ら出席されるとともに、それに先立つ閣僚級準備会合のガボン開催(3月)に協力頂くなど、TICAD IVの成功に多大な御協力を頂きました。ボンゴ大統領の長年にわたる日本・ガボン関係強化への御尽力に改めて深く感謝致します。ガボン共和国政府と国民がこの悲しみを乗り越え、ガボン共和国の一層の発展に引き続き邁進されることを希望します。
(報道官)昨日8日の安保理の動きですが、引き続き追加制裁に関する決議案について関係国間で協議が行われました。現地では、高須国連大使のコメントとして「先週末から、追加制裁に関しどのような内容にするかギリギリの作業を行っているが、まだ決着しておらず協議を続けている。」このような状況です。関係国間で具体的な措置について、意見収斂の努力が現在も続けられているとご理解頂ければと思います。日本政府としては、主要国間でなるべく早く合意を得るべく、現在も努力をしており、着実に前進していると考えています。関係国と緊密に連携を取りながら、出来る限り強い決議を目指していきたいということでございます。決議案の具体的な中身については、今、正に交渉中ですので言及は控えますが、現在最も大切なことは、国際社会が一致団結して、追加制裁を含む決議を迅速に出すこと、それが北朝鮮に対し極めて大事なメッセージになるということで、その目的に向かって努力しているということです。
(問)安保理の今後の予定、見通しは如何でしょうか。
(報道官)私も関係先に問い合わせをしていますが、見通しは先ほど申し上げた通りです。出来るだけ早く決議案の中身について収斂をさせる、そしてその強い中身のメッセージ、その強い実効的な決議を採択をしたい、それに尽きると思います。
(問)最も大事なことということで、迅速に決議を出すことというお話がありましたが、既に2週間以上経過している訳ですが、依然としてまだ迅速であると言えるのでしょうか。
(報道官)迅速の定義を議論することの実益がどの程度あるかと私は思いますが、国際社会がある事案に対して一致した声を上げ、それに対する批難を含めて、その上で制裁措置を講じるというアクションを取る以上、常に一方で、制裁の中身がどれほど実効的であるか、どれほどインパクトがあるのかという判断と、他方で、そのスピード感、迅速性も大事だと思います。ですから迅速性ということと、中身がしっかりしたものになるということ、2つを考えながら作業をしてきているということだと思います。高須大使の昨日の現地でのコメントにもありますが、政治的、技術的及び法的に難しい問題があるということなので、最後まできちんと詰めなければいけないということで、正にそういう作業をこの事案が起こってから、鋭意努力してきているということだと思います。時間がひたすら過ぎて良いとは全く考えてはいませんので、できるだけ早く決議案を採択に持っていきたいと思います。東京、ニューヨーク、更に恐らくワシントン、北京、モスクワ、ソウルと連絡を取りながら努力しているということだと思います。
(報道官)明石政府代表のスリランカ・インドへの派遣についてです。ご案内の通りスリランカにおいては25年以上に及ぶ政府軍と反政府武装組織LTTE(タミル・イーラム解放の虎)との戦闘が終結したことを受けまして、日本政府は今月8日から12日にかけて、明石康政府代表をスリランカに、併せてインドに派遣することを決定しました。スリランカ滞在中、明石政府代表は、政府・与野党関係者その中にはラージャパクサ大統領をはじめとするスリランカ政府首脳を含めた関係者と会談を行い、第一に国内避難民への支援、第二に避難民の再定住に向けた取組、第三に国民和解のための政治プロセスの早期進展を働きかけるという予定です。またインドでは、政府関係者とスリランカ情勢について意見交換を行う予定です。なお、5月後半戦闘終結を受けた後、国際社会のスリランカに対するその後の支援及び働きかけということで申し上げれば、戦闘終結後スリランカを訪れた要人としては、潘基文国連事務総長、インドのメノン外務次官及びインドのナラヤナン安全保障補佐官だけでありまして、明石代表が今回4共同議長の中では最初にスリランカを訪れるということになります。
また、本日別途、ピーリス・スリランカ輸出開発・国際貿易大臣が訪日中で、今日の午後本省で中曽根大臣を表敬訪問されました。ピーリス大臣からは、スリランカは発展の可能性をこれまで妨げられてきたけれども、今後経済開発を促進していきたい、スリランカ政府は人道支援、生活の再構築、民主プロセスの復活を進めている、この点、国内避難民支援や地雷除去の分野での日本からの寛大な支援に改めて感謝したい、日本は開発の貴重なパートナーであり、友好国日本との関係を更に深化・拡大していきたいという発言がありました。中曽根大臣からは、今後は国内避難民への支援、再定住が重要である、日本として先月、人道支援のため国内避難民に対する最大400万ドルの緊急無償資金協力あるいは約4,700万円相当の追加的な物資協力、また、地雷除去を実施する2つのNGOに対して草の根・人間安全保障無償資金協力として総額約1億4,000万円の支援を行った等述べられて、併せて、今後はスリランカとして、和平が戻ってきた訳ですので、是非投資を促進する、日本からの投資促進を含めて、投資環境整備が重要である旨述べられました。
(報道官)国連安保理の動静ですが、2日は、基本的にはバイの協議が行われたということで、P5+2は開催されなかったと承知しています。引き続き決議の要素案について関係国間で協議が行われたと承知しています。日本政府としては出来る限り強い決議を迅速に採択することを目指して、引き続き関係国と緊密に連携をしていく方針です。
(問)国連安保理ですが、明日はP5+2の会合は行われる予定なのでしょうか。
(報道官)どういう予定かは決まってないときいておりますが、何れにしても、総理、大臣も含めて、迅速に制裁の決議案をまとめることが大事だというご指示を頂いておりますので、それを踏まえて努力していく所存です。
(問)北朝鮮の後継者問題についての動きが内外で次々と報道されていますが、外務省として何らかの情報として真偽のほどはともかくとして、把握している情報があるのかどうかと今こういうものが出てきているなど、本件についてどのような分析をされているのでしょうか。
(報道官)報道で色々な形で今、後継者に関する情報が流れているということは、承知しておりますが、北朝鮮の内部情勢といったことを含めて、日本政府として得ている情報の詳細について、具体的に述べるということは事柄の性質上、差し控えさせて頂きます。ただ非常に強い関心を持って、そうした問題を含めた北朝鮮の情勢、内政動向について情報収集、分析を行ってきておりますし、今後もそうしていくつもりです。
(問)今日から佐々江外務審議官がミャンマーを訪問され、ミャンマーの首相等との会談を行うとの報道がありましたが、事実関係と今回の訪問の目的について教えて下さい。
(報道官)佐々江外務審議官は本日、日本を発ってミャンマー入りし、5日迄ヤンゴン訪問します。滞在期間中、ミャンマー政府要人との間で二国間関係について意見交換を行う予定です。今、私から誰とと言うことは申し上げることは出来ませんが、ミャンマー政府の要人との間で会談を行うということで、調整中です。何をこの時期話すのか、ということですが一言でいうと二国間関係全般の協議を行うということです。勿論現在ミャンマー情勢で重要な事案は、今正にスーチー女史の裁判が継続しているという状況があります。この裁判の継続という現状の中で佐々江外務審議官が訪問する訳です。先般ハノイで日・ミャンマー外相会談が行われました。会談の中で中曽根大臣からはニャン・ウイン外相に対して「現状を深く懸念している」旨直接伝えましたし、国際社会の声を踏まえてミャンマー政府は適切に対応するように求めた訳です。そういう大臣レベルでのやりとりがつい先日行われ、またこの裁判については、最終弁論が5月29日、6月1日に予定されていたそうですが、今月の5日に変更されたと聞いております。そのような流れの中で佐々江外務審議官がヤンゴンを訪問して、先程申しました外相会談でしっかり日本政府の考え方は伝えている訳ですけれども、そういうことも含めて二国間会談全般について協議するということだと思います。
(問)再度適切な対応というものを、働きかけるということでしょうか。
(報道官)そういうことだと思います。
(問)明日、天安門事件から20年を迎える訳ですけれども、これについての受け止めをお伺いしたいことと、中国との関係では経済が発展しましたが、人権等、政治に対しての改革について繰り返し指摘されていますが、どのようにお考えでしょうか。
(報道官)二つの質問に対して一つの回答ということで述べたいと思います。4日は天安門事件から20年ということですが、我が国としては、中国においても国際社会に於ける普遍的価値である人権及び基本的自由が保障されることが重要であると考えています。中国の人権状況については、現中国の指導部は人権保護を憲法及び党規約に明記するなど、人権の促進にも一定の努力を払ってきています。しかし、引き続き懸念材料はあるものと認識しています。日本政府としては昨年5月の胡錦涛国家主席の訪日の際の「戦略的互恵関係」の包括的推進に関する日中共同声明が発出されましたが、その中で国際社会が共に認める基本的価値の一層の理解と追求のために日中両国が緊密に協力する。これは共同声明の中の文言ですけれども、合意していることも踏まえて、今後とも中国との対話の機会を通じて、中国の前向きな動きを促していく方針です。以上が、天安門事件20周年を前に日本政府のコメントです。
(報道官)昨日既に報道発表をお配りしましたけれども、第二回日中ハイレベル経済対話の開催についてです。この対話の意義、予想される成果ということについてですが、第一に、日中ハイレベル経済対話は、日中間の「戦略的互恵関係」を経済面で具体的に推進する重要な枠組みであると位置付けています。そして二つめですが、日中の二国間経済関係と、地域及び国際経済問題に対する日中の貢献を促進することが期待されているということです。詳細については、別途後日、主管課からブリーフィングさせて頂きますのでそこに譲りたいと思いますが、あと数点補足させて頂きますと、この対話は今回二回目ということで東京で開催されます。開催日は7日(日)で、場所は飯倉公館ですが、そこでの主な議題としては、一点目として世界経済金融情勢とそれへの対応です。二点目として貿易・投資協力、三点目として環境・エネルギー協力、四点目として地域・国際経済問題です。予定されている出席者ですが、日本側からは、日本側の議長ということで中曽根外務大臣、閣僚としては与謝野財務大臣、二階経済産業大臣、斉藤環境大臣、金子国土交通大臣が出席をされます。中国側は、中国側の議長で王岐山(おう・きざん)副総理、(よう・けつち)外交部長、張平(ちょう・へい)国家発展改革委員会主任、陳徳銘(ちん・とくめい)商務部長他です。
(問)ハイレベル経済対話には閣僚が沢山来られるようですけれども、個別の閣僚の会談は現時点でどれくらい予定されていますでしょうか。
(報道官)外務省の関係で申し上げれば日中外相会談の実現に向けて調整中です。
(問)日程は、7日中に行われるということでしょうか。
(報道官)基本的には7日ということで、正確にいつということはまだ申し上げられませんけれども、ハイレベル対話そのものは7日に集中して行う訳ですので、そこに双方の閣僚が皆集結している訳ですので、そういう機会を捉まえて二国間会談をアレンジすることになろうかと思います。
(問)北朝鮮の核実験をめぐる安保理の決議の情勢は如何でしょうか。中国側は随分動きがあったような感じなのですが。状況について具体的に教えて下さい。
(報道官)決議の協議は正に現在、ニューヨークの安保理の場で決議案の合意に向けて精力的な協議が行われております。今のご質問に対して現時点で具体的な内容に触れることは控えさせて頂きますが、日本政府としては、出来る限り強い決議を迅速に採択することを目指して、米国、韓国等の関係国と緊密に連携をしていくという方針に変わりはありません。日本政府としては、本日午後、大臣が中国外交部長との間で日中外相電話会談を行い、そこでも、明確に大臣が述べていますが、日中間でも強い安保理決議を迅速に採択することが重要との基本的考えで一致していると理解しています。追加制裁を含む強力な安保理決議の迅速な採択に向けて、ニューヨークの代表部間でしっかり連携をさせることとしたいということを大臣から伝えられたということです。中国の
部長からは、中国の立場は非常にはっきりしていると、北朝鮮が再び核実験をしたことに対し断固として反対、安保理が適度な反応をし、バランスのとれた決議を採択することに賛成。安保理決議と制裁だけでは問題は解決出来ず、圧力を加えると共に北朝鮮を交渉に引き戻す旨を述べたというようなやりとりがあった訳です。国際社会が一致団結をして追加制裁を含む決議を迅速に出すことが、今極めて大事なことであると、我々は考えております。
(問)日中電話会談ですが、追加制裁を含む強力な安保理決議の迅速な採択というのは、既に日中間で合意しているということでしょうか。
(報道官)その点は大臣の発言でございます。大臣のメッセージを伝えたということで、部長が言われたことは、中国としては現下の情勢下で安保理が適度な反応をし、バランスのとれた決議を採択することに賛成すると、そしてもう一つ、安保理決議と制裁だけでは問題は解決出来ず、圧力を加えると共に北朝鮮を交渉(六者会合)に引き戻す必要がある旨を述べたということです。今、ニューヨークに於いて中国もP5の重要な一員として、追加制裁を含む強い決議を出すということで協議が続いている、そういうことだと思います。
(問)金正日氏の後継者として、三男の正雲氏を指名したと北朝鮮が在外公館に連絡したとの報道がありますが、外務省はこの情報をどう把握されていますでしょうか。
(報道官)報道は承知しております。その上で今ご指摘のような話も含めて、ミサイルの話も同じですし、北朝鮮の内政動向、情勢については色々な情報に接しておりますし、そういった情報は、インテリジェンスに関わることですので、この場でそれに対してコメントすることは差し控えたいと思っています。情勢はしっかりと注視していくということに変わりはありません。