(報道官)2月22日から3月7日まで、キャサリン・ポラード人的資源管理担当国連事務次長補を団長としたミッションが来日します。このミッションは国連事務局リクルート・ミッションと銘打っています。ポラード国連事務次長補は、2月25日から3月1日まで日本に滞在し、伊藤信太郎外務副大臣他、髙田稔久内閣府国際平和協力本部事務局長、大島賢三国際協力機構(JICA)副理事長及び防衛省関係者と会談を予定しています。更に、広島を訪問して広島平和構築人材育成センター関係者と意見交換を行う予定です。また、26日には、国連大学本部で「より良い世界のために国連で働く」と題する講演会の基調講演を行います。更に28日には立命館大学でキャリア・ガイダンス「国連で働く」、3月6日には早稲田大学でミッションを総括する報告会「国連でのキャリアを目指す日本人へのアドバイス~2009年国連事務局リクルート・ミッションを振り返って」の開催が予定されています。ポイントは、先程リクルート・ミッションと申し上げましたが、参考までに数字を申し上げますが、最近の資料によりますと国連事務局における職員の数は日本は113名ということです。また、国連の資料として、日本人の採用者数として望ましい職員数という数字をはじき出しておりまして、それですと239名ということで、その望ましいあるべき数と現実に採用されている邦人職員の数との間に相当ギャップがあるということです。そういうこともあって、国連事務局としても志のある日本人の方が、それぞれこれまでの経験を踏まえて国連の事務局でのキャリアを目指して欲しいということを直接日本に来て訴えるということです。ですから、例えば内閣府の国際平和協力本部の事務局を訪問するということは、PKOの関係で関係者のリクルート、あるいはJICAを訪問することでJICAにおられる青年協力隊、或いは専門家の方々といった人材的な蓄積がある訳です。そのような人たちにも是非そういった経験を生かして、国連でキャリア追求してはどうかということを慫慂する機会になろうかと思っています。いずれにしても、今回のミッションを機により多くの日本人が国連の場で活躍することが期待されます。
(問)北朝鮮のミサイル問題ですが、ミサイルを発射すれば国連安保理決議違反になるということでよろしいのでしょうか。
(報道官)昨日も次官がこの場で申し上げたと思いますが、北朝鮮による弾道ミサイル発射というのは、日本の安全保障に直接関わることです。仮に発射ということになれば、それは日朝平壌宣言にも違反するし、六者会合の共同声明とも相容れないと思っていますし、昨日次官が申し上げた通り、国連安保理決議にも違反すると考えています。いずれにしても、我々としては日々色々な情報収集を行っていますし、注視していくということに変わりはありません。
(問)2006年の時は、発射を受けて経済制裁を行ったと思いますが、仮に発射までは同じ様な形になると考えてよろしいのでしょうか。
(報道官)今の段階で仮にそういったことになればどうするかということを申し上げるのは差し控えたいと思います。過去の事例は、過去の事例としてご指摘の通りだと思います。
(問)今日の日米外相会談で、24日に麻生総理が訪米して首脳会談を行うということで合意になりましたが、日程としては、いつ日本を発って、いつ日本に帰国するのかという点と、なぜ24日になったのかの2点についてお願いします。
(報道官)日程がどうこうという点については、今まだ私申し上げる材料がございません。確認のためこの場で申し上げますと、本日の日米外相会談で、2月24日に麻生総理をホワイトハウスに(米国が)お迎えする外国の首脳としては最初ということになりますが、訪米のご招待の話がなされたということです。大臣から、その後の共同記者会見で公表しましたが、麻生総理は国会の同意を得て、訪米したい意向であると回答されています。
(報道官)2月17日から19日まで、第16回アジア輸出管理セミナーが、外務省及び経済産業省の委託事業として、東京で財団法人安全保障貿易情報センターの主催で開催されます。このセミナーにはアジア18か国・地域から関係者が出席することになっています。また、協力国・地域としてオーストラリア、ドイツ、香港、シンガポール、英国、米国からも、輸出管理政策担当者等が参加する予定です。アジア地域、特にASEANは、経済発展に伴って大量破壊兵器の開発に転用可能な物資、技術の生産力を獲得してきているということがあって、第三国からの中継貿易として発展を遂げてきている地域です。そういう意味で、これらの地域が大量破壊兵器の拡散を企てる者の違法な活動に意図せず関わる危険性もあるという認識の下で、1993年から毎年日本政府が民間の財団法人に委託をして開催しています。もう一点付け加えますと、最近では安保理決議1540によって一般的な輸出管理体制の確立が、また北朝鮮、イランに対する一連の安保理決議によって国際輸出管理レジーム、原子力やミサイル関連ですが、そうしたレジームのガイドラインの厳守が国連全加盟国に求められていることからも、このようなセミナーの重要性はますます高まっていると思っております。
(問)米国務省報道官代行が、来日されるクリントン米国務長官が拉致被害者家族との面会に前向きだということを述べているのですが、現時点で調整状況はどうなっているのでしょうか。
(報道官)私どもの方からも、拉致被害者家族からのクリントン国務長官への面会要望についてはしっかりと米側に伝達しています。国務長官の滞在日程はかなりタイトになると思われるのですが、今具体的な日程を調整中です。それ以上のことは今申し上げられる段階にありません。
(問)現時点での確認ですが、日本側からの要望で米側に伝達したのか、或いは米側からメッセージ等があったのか、どちらでしょうか。
(報道官)拉致被害者家族の方から、クリントン国務長官が日本に来られるのであれば是非お会いしたいという要望が日本政府に寄せられていますから、それを外務省として責任をもって米側に伝えているということです。
(問)ウイグル人留学生のトフティさんが11年ぶりに釈放されたと聞いているのですが、実際問題まだ誰も会えない状況になっています。そのあたりについて外務省として何か情報はありますでしょうか。
(報道官)この件については、今私のところに情報は入っておりませんので、もし何かあれば確認してお答えします。
(報道官)伊藤副大臣は5日から9日まで、ドイツのミュンヘンで開催される第45回ミュンヘン安全保障会議に出席のため、出張します。この会議は、欧米における安全保障に関する最も権威ある国際会議です。各国の閣僚や議員他、多くの要人が安全保障問題について自由に意見交換を行う場です。会議では、軍縮・不拡散問題、欧州安全保障の将来、アフガニスタン、中東問題等を主要なテーマとして議論が行われる予定です。
(問)伊藤副大臣は、どなたと会う予定で、あるいは会いたいと思っていらっしゃるのでしょうか。
(報道官)今の段階ではまだ調整中です。機会を捉えて、出席される要人との会談がアレンジされると思いますが、具体的に言える段階にはありません。
(報道官)来週9日、外務省において、TICADプロセス・モニタリング合同委員会が開催されます。この合同委員会は、2つの目的を持っています。1つは、TICAD IVで表明されたアフリカに対する支援策の進捗状況を「年次進捗報告書」の形で取りまとめるという作業があります。それと同時に、3月に予定されているTICAD閣僚級フォローアップ会合の準備を行うことを目的としています。3月21日、22日の両日、ボツワナで開催予定ですが、TICAD閣僚級フォローアップ会合では、この「年次進捗報告書」に基づき、各種支援策の進捗状況を閣僚レベルで検討・評価し、新たな提言を行う予定です。先般のダボス会議において麻生総理がスピーチの中で述べたように、4月2日にロンドンで第2回金融・世界経済サミットが予定されている訳ですが、そのサミットに向けて、日本のイニシアティブとしてアフリカの声を取りまとめることを考えています。モニタリング合同委員会では、こうした視点を踏まえ、閣僚級会合の成功に向けた意見交換も行われる予定です。
(問)日本海でロシアに拿捕された第38吉丸の事件ですが、現状、日露間の解放に向けた交渉はどうなっているでしょうか。
(報道官)現在もロシア側と鋭意交渉が続いています。何れにしても外務省としては、その交渉を通じてロシア側に対して乗組員、船体の早期解放を求めていますが、その方針で今も努力しているところです。これ以上の交渉がいつどうなるということについては今この場で予断をすることは差し控えたいと思います。
(問)解放が長引いた場合には、国際海洋法裁判所に提訴するという方針で宜しいでしょうか。
(報道官)今の段階で、解放が長引いた場合にどうするということを申し上げることは適切ではないと思います。何れにしても、とにかく交渉を妥結させて、本件の解決をもたらすということでやっていく考えです。
(問)官房長官の記者会見で、保証金の交渉に入ったということですが、保証金が支払われるとどの位で解放されるものなのでしょうか。
(報道官)保証金の支払いとそれから何日以内に解放されるかということについてですが、まず国際海洋法条約の規定の中では抑留の時から10日以内に解放することを義務付けるような規定はございません。念のために申し上げますと、国連海洋法条約の第292条の条項がございまして、それを引用します。「抑留の時から10日以内に紛争当事者が合意しない場合には、釈放の問題については、(中略)国際海洋法裁判所に付託することが出来る」。つまり10日以内に乗組員及び船体を釈放することを定めているものではありません。他方で、保証金の額について10日以内に合意がない場合には、裁判手続きに訴えることは出来るということです。それ以上はお答えする材料を持ち合わせておりません。
(問)ロシアの上院筋ということで、今度のサハリンでの日露首脳会談にあたって、北方領土問題は主要議題にならないというような発言をしたということが報道されていますが、外務省の見解は如何でしょうか。
(報道官)そうした報道があることは承知しております。今のご質問に対する私共の立場ということですが、麻生総理のサハリン訪問については現在検討中ですが、先月24日の日露電話首脳会談において、メドヴェージェフ大統領は2月中旬にサハリンで行われるLNG生産施設稼働式典の際には別途、麻生総理と二国間の全ての問題について話し合いたい旨、述べておられます。それを受けて政府としては、サハリンでの首脳会談が実現する場合には当然領土問題についても議論されると考えています。その上で日本政府としては、領土問題の最終的解決に向けて強い意思を持ってロシアとの交渉を進めると共に、幅広い分野での関係を進展させる考えです。しかしながらロシア側にその意向がないのであれば、日露間において期待するような関係を構築することにはならないと我々は考えています。
(問)ビザなし訪問が中止になった問題について、まだなかなか解決の糸口が見えないのですが、日露首脳会談が行われた場合、この問題を取り上げる可能性はありますか。
(報道官)今の段階で外務省として申し上げたいことは、この事業については、ニーズがある訳ですので、継続できるように、とにかくロシア側と外交ルートを通じて解決に向けて努力していくということです。
(問)クリントン長官の来日について、16日を軸にするような感じだという報道がありましたが、これについては如何でしょうか。
(報道官)現在もクリントン長官の早期訪日に向けて調整が行われているということです。私の方から何日とか申し上げることは出来ません。
(報道官)このたびバブラム・バッタライ・ネパール連邦民主共和国財務大臣が、日本政府の招待、南西アジア民主化支援プログラムの下で2月6日から10日まで訪日されます。同大臣は滞在中、日本政府関係者等と会談し、また、この機会に大分県・広島県を訪問する予定です。なお、ネパールについて一言補足しますが、ネパールは10年間にわたる内戦を終結して、昨年の5月に王政が廃止され共和政となり、現在平和構築、民主主義の確立へと向けた歴史的な過渡期を迎えています。こうした時期に我が国の民主主義の経験や経済発展の歴史を紹介することで、ネパールの新たな国作りに役立てて貰うことを目的としたものです。
(問)韓国メディアで報道されていて、今朝の外務大臣会見でも聞きましたが、北朝鮮がテポドンの発射準備にあるという情報があるのですが、その後新しい情報はありますでしょうか。
(報道官)色々な報道がされていることは承知しています。その上で今私どもとしては、北朝鮮のミサイル関連動向については鋭意情報収集・分析に努めておりまして、様々な情報に接しているということも言える訳ですが、個々の具体的な情報については事柄の性質上コメントは差し控えたいと思います。なお、政府としても、ミサイル関連動向については引き続き注視していくということです。北朝鮮による弾道ミサイルの発射についてですが、これは我が国の安全保障や国際社会の平和と安定、更には大量破壊兵器の不拡散という観点から重大な問題であると申し上げることが出来ると思います。いずれにしても、ミサイルに関する動向についてしっかりと注視していくということです。
(問)北方四島の人道支援が中止された問題ですが、昨日、谷崎欧州局長と在京ロシア大使が会談されたと聞いています。今後のロシア側との会談の予定等ありましたらお聞かせ下さい。
(報道官)具体的に誰と誰がどうこうということは、差し控えたいと思いますが、ロシア側との交渉は鋭意続ける所存です。いずれにしても私どもとしては、北方四島の住民の方々の人道支援物資に対するニーズは依然として高いことに変わりはないと思っています。従って、日本政府として引き続きこの事業が継続出来るように、問題解決に向けてロシア側と鋭意交渉していく立場に変わりはありませんし、外交ルートを通じて交渉を続けていくということです。