記者会見

報道官会見記録(平成20年5月)


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報道官会見記録(平成20年5月21日(水曜日)16時30分~ 於:本省会見室)

中国西部で起きた地震

(報道官)私の方から一点、発表事項がございます。中国の四川省における大震災の関係です。日本政府は、今般中国四川省で発生した地震に対する人道支援として、国際赤十字、赤新月社連盟(IFRC)を通じ、総額170万ドル(約1億9,200万円相当)の緊急無償資金協力を行うことを決定しました。この支援は日本政府が13日に発表した5億円相当の緊急支援の一部となります。IFRCが発表した支援要請に応えるものです。具体的には、この日本政府が拠出する資金によって、被災者救援のための食糧、毛布、調理用品などの購入に充てられるということです。整理のために申し上げますが、日本政府からの中国政府への支援の概要は御案内済みかと思いますが緊急援助物資として、最初に6千万円相当の物資が提供されております。その緊急援助物資6千万円を含む5億円相当の無償資金協力の供与を決定しておりまして、その中でこれまで中国政府への支援としての2億円の物資の支援ということが実施されております。今回の1億9千200万円相当の支援は、その全体4億4千万円の枠の中で国際赤十字経由ということで供与されるものです。

(問)支援物資ですが、具体的にはどのような物を送るのですか。

(報道官)日本政府が既に6千万円相当の緊急援助物資の中で、テントや毛布を供与してきているわけですが、それが金額的に6千万円相当だったわけです。今回1億9千2百万円相当で調達されるその支援物資の中には食糧、毛布、調理用品等が入っているということです。何れにしても非常に膨大な緊急支援ニーズがあるということで、こういう対応をしたということです。

(問)四川省にある核施設が被災して、施設から核廃棄物が流出しているというとの報道がありますが、本件についてどう感じておられるでしょうか。

(報道官)政府としては、中国政府のこの問題についての最新の発表の中で、「問題ない」ということで手当てされていると聞いております。

(問)その最新の発表というのはいつの発表になりますか。

(報道官)申し訳ありませんが今、詳細について資料が私の手元にございませんので、後程確認したいと思います。

(問)その新華社通信の中で、被災者への抗生物質の発生の影響、その件についてはどのように把握されているのでしょうか。

(報道官)その点については、今申し上げたこと以上に私は把握していませんので、後ほど、確認させて下さい。

(問)全体としては、中国政府の最新の発表として、核施設の被災による影響とか問題は無いと理解されているのですか。

(報道官)私はそのように理解しておりますが、ミス・リードするといけませんのでその点も含めて、きちんとした事実確認をして、出来るだけ速やかに回答したいと思います。早急に行います。

(問)中国への支援物資の提供について、温家宝首相が血液透析機を送って欲しいというような指示があったようですが、送る物資はどのように決められたのでしょうか。

(報道官)決め方についてのお尋ねですが、仰ったとおり17日の時点で被災地の視察から帰って来られた温家宝総理が、最も必要とされている物資のひとつがテントや血液透析機材であったということがあって、日本政府として速やかにその要望に応えたということです。別途中国側からの直接の支援要請とは別に国際赤十字赤新月社連盟が20億円相当の緊急アピールを発出しております。そうしたアピールがあるものですから日本政府から先ほど申し上げた緊急無償資金協力の枠の中でどう使途を決めるかが適切かと考えた結果として、中国側の要望も踏まえて決定したとご理解頂ければと思います。

(注)20日付新華社の「被災地を訪れている周生賢・環境保護部長は20日、四川省南西部の民生用の核施設及び放射能源は全て安全な状態におかれていると述べた。今回の地震で32個の放射能源が灰燼の下敷きになっており、このうち30個は回収、残りの2個についても既に場所を特定し、立ち入り制限を含め安全を確保する措置を執ったとのことである。」という報道を受けて、20日、在中国日本国大使館を通じて中国側に対しても本件について問い合わせをしているが、すでに回収・安全確保措置がなされており、安全性に問題はない旨の回答を得ているところである。

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報道官会見記録(平成20年5月20日(火曜日)17時00分~ 於:本省会見室)

ミャンマーのサイクロン被害

(報道官)冒頭、私から一件発表事項があります。先ほど15時から約20分間程度高村大臣はフラ・ミン在京ミャンマー大使と会談しました。内容については、この後発表文を配布しますが、冒頭大臣からサイクロン被害に対するお悔やみとお見舞いのメッセージをお伝えしました。その上で、大臣から3点ほど大使に伝えました。第1点は、ミャンマーは全てのASEAN諸国から医療チームを受け入れることに同意したと承知しているが、日本としては要請があれば緊急医療チームを早急に派遣することが可能である。日本を含む国際医療チームの早期受け入れを強く求めたいというメッセージを伝えました。これに対して、大使からは只今の大臣の申し入れを改めて本国政府に伝えるという返事がありました。
 2点目ですが、復旧復興支援を行っていく上で、現地の最大の課題の1つはヤンゴン港における沈没船の問題があります。大変多くの船が港の中で沈没したために港の使用が不能となっている状態があるものですから、日本政府としてこの沈没船の引き上げに関して専門家を25日から派遣することを伝えました。
 3点目ですが、これまで日本政府に対してミャンマー側から緊急支援の資材の中でトタン板、住宅の資材ということですが、再三要請がありました。それを受けて大臣から日本政府が資金を供与しているNGOのジャパン・プラット・ホームを通じて日本企業のイオン及び日本郵船両者の協力を経て、1万枚を供与する方向で調整中であるということを伝えました。これに対して、フラ・ミン大使から深く感謝しますという話がありました。

(問)沈没船の引き上げに関する専門家の派遣はミャンマー側は受け入れるということでしょうか。

(報道官)それについては、先方から要請が来ていたということですから、沈没船の引き上げについて、専門家の派遣要請を受け入れるということです。

(問)何名派遣するのでしょうか。

(報道官)今、お答えする材料を持っていません。後ほど確認の上、お知らせします。(:3名の予定)

(問)現状がどうなっているかを評価しに行くということでしょうか。

(報道官)現状を調査した上で、どういう措置が必要かという、取るべき措置についての勧告・報告書を出すということだと承知しています。

(問)報告書は、ミャンマー政府に出すのでしょうか。

(報道官)日本から専門家を派遣して、支援については日本が責任を持ってとりまとめた上で、ミャンマー政府にも共有するということだと思います。その上で、どういう措置が必要かということで、要すれば日本政府の引き続きの協力ということに繋がると思います。

(問)引き上げも日本側が行うと言っているのですか。

(報道官)今の段階では、とにかく引き上げの専門家を派遣するということですが、その後のフォロー・アップについても日本政府として協力していくことが含まれていると考えています。

(問)取り敢えず、沈没の状態を見るための専門家を派遣するということでしょうか。

(報道官)そういうことです。

(問)この専門家は日本政府から派遣するのでしょうか。何カ国か集まって派遣されるのでしょうか。

(報道官)他の国の参加については、そこまで聞いておりませんが、基本的に日本政府のイニシアティブと理解しています。

(問)当初かねてからそういう要請があったとのことですが、かなり前からそういう要請はあったのでしょうか。

(報道官)いつからあったかは承知していませんが、この災害が発生してから色々な形で、日本を含めて国際社会の緊急支援の用意があるということは申し入れをして伝えてきたわけで、それに対してミャンマー政府の立場は、物資はありがたく受け入れますが、時々刻々と変化する中で何が一番必要かということを考えて調査をしながら、諸外国政府に対して必要な物資についてこういった物が欲しいと言って来ていたということです。そういう過程の中で話が出たということです。

(問)ミャンマーの大使は何回も来ていますが、その度にこれが必要だ、あれが必要だということを言っていたのでしょうか。

(報道官)その度にどうかということは、全ての会合に出ているわけではないので、承知していませんが、いずれにしてもある時点でそれが緊急の課題だということが、日本政府に伝えられてそれを真剣に受け止めて今回の大臣の回答になったということです。

(問)医療チームについては、ASEAN諸国だけではなく、色々な国から受け入れなさいよ、日本も派遣する用意がありますよとそういった言い方をしたということですか。

(報道官)私が承知しているのは、日本としては早期に派遣する用意がありますよということを伝えた上で、今現在ミャンマー政府は、ASEAN諸国からのみ受け入れると言っているわけですが、ASEAN以外にも日本或いはその他の派遣協力を申し入れている国からの医療チームの早期受け入れを改めて強く求めたということです。

(問)昨日のASEAN外相会合で25日にヤンゴンで開くということが決まったと承知していますが、これに対する日本政府の対応は如何でしょうか。

(報道官)25日にASEANと国連が共催でミャンマー・サイクロン被害に関するプレッジング会合を開催することになっています。基本的には日本としてもこれまで支援を行って来ているので、出席する方向で検討しているということです。他方誰が出席するかは、まだ決まってないというのが、今日現在の状況です。

(問)新たなプレッジがあるのですか。

(報道官)新たなプレッジがあるかは、これは未定です。初動は国際社会がそれぞれ持っている色々な強みを生かして、資機材や医薬品を世界中から被災地に向けて送り届ける訳です。何れにしても各国の善意で人道的な考慮から色々な形で支援が行われている状況が続く中で今後行うべきことは疫病が起こったりというリスクが高まっている訳で、これに対する医療支援という優先度が高いことがひとつ、二つ目はものすごく広い地域に渡って災害が発生して、かつ色々な意味でインフラが損なわれているということが容易に想像出来るということで、これもアチェの津波の時もそうでしたが、パキスタンの大地震の時もそうですし、今度の中国四川省の地震もそうですし、ある時点から災害復旧から復興という過程が始まります。そうするとそういった復興プロセスにおいて勿論人道的支援ということが中心になるかもしれませんが、その被災地における支援ということをより効率的により調整がとれた形で行わないと大きな無駄が発生しますので、そ のために国連とASEANがイニシアティブを取ったということだと思います。

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報道官会見記録(平成20年5月14日(水曜日)17時00分~ 於:本省会見室)

インド・ジャイプールにおける連続爆破事件

(報道官)昨日13日インド・ジャイプールで連続爆破事件が発生しました。多くの死傷者が生じたことに日本政府は強い衝撃を受けていますが、亡くなられた方々及びご遺族の方々に哀悼の意を表すると共に負傷者の方々にお見舞いを申し上げたいと思います。無辜の人々に対し行われたこのようなことは許し難い行為であり、これを断固として非難します。また、政府としてあらゆる形態、目的のテロ行為も正当化し得ないことを強調します。なお、現時点で邦人あるいは邦人旅行者の方がこの爆破事件に巻き込まれたという情報はありません。

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中国西部で起きた地震

(問)中国に対する支援ですが、昨日5億円相当の支援を表明されましたが、その内訳について教えて下さい。

(報道官)昨日大臣から発表しましたが、中国側から具体的な要望として次のような物資について要請が来ております。申し上げますとテント、スリーピング・マット、毛布、発電機、簡易水槽浄水器、ポリタンク、プラスチック・シート、以上のような物資が被災地で緊急必要としているという具体的な要望があったということです。

(問)最初の物資はいつ頃届けられるのですか。

(報道官)具体的日程については、鋭意輸送の手続きに入っていると了解していますが、とにかく可及的速やかに送るということで、関係者は準備を進めていると理解しています。

(問)今、報道官が申し上げられた物資は備蓄されている物ですか。

(報道官)そういう備蓄された物を動員するということです。色々なところに備蓄されていますが、ご存知のようにミャンマーの場合は、シンガポールからということですが、日本国内にも備蓄しているはずですし、色々なところから発送すると思います。

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報道官会見記録(平成20年5月13日(水曜日)17時20分~ 於:本省会見室)

G8北海道洞爺湖サミットの広報について

(報道官)冒頭、私から2つ発表事項がございます。第一は、お手元にも資料をお配りしておりますが、G8の北海道洞爺湖サミットについてです。政府として専用のホームページを作成し、新しく「g8summit.go.jp」のアドレスで情報発信しており、その中でG8サミットのテーマや意義について国民各位の理解を深めてもらうため、わかりやすくG8サミットを紹介する動画を作成してきております。実は第一回目は予告編ということで4月1日に掲載した「北海道洞爺湖サミットまもなく開催」というタイトルのものですが、それに続く今回、2本目の動画「サミットと日本」をホームページ上に掲載いたしました。
 今回の動画については、G8サミットのこれまでの大きな流れと、日本で開催された4回のサミットに焦点を当てたものとなっております。また、G8サミットがその時々のグローバルな課題に如何に対処してきたかについて簡潔に紹介しています。
 このG8サミットの広報動画は、全部で6本制作する予定で、残りの4編は、G8サミット開催までに3本、開催後に事後広報として1本掲載する予定です。
 それから、北海道洞爺湖サミットの事前広報パンフレットも本日、完成しました。今後、公共図書館、地方公共団体等に配布する予定です。また、ホームページにも掲載する予定です。
 以上が第一点目でございます。

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テーブル・フォー・ツーの立ち上げ会合

(報道官)2つ目ですが、外務省では今週の金曜日16日から外務省の中にございます食堂(「しおみ亭」及び「フォレスタ」)この2カ所で、「テーブル・フォー・ツー」というキャンペーンを開始することとしました。このキャンペーンの開始に先立って15日、明後日の午後2時から外務大臣主催で、「しおみ亭」においてテーブル・フォー・ツーの立ち上げ会合を行うこととしております。この趣旨は、飢餓、栄養不足に悩む途上国、アフリカがその中でも深刻な状況にあると思いますけれども、そしてまた生活習慣病、肥満に悩む先進国の「食の不均衡」の解消を目指すキャンペーンでございます。具体的には、食堂で提供されるヘルシーなメニュー1食についてアフリカを中心とする途上国の給食1食分に相当する約20円程度が世界食糧計画(WFP)、或いはミレニアム・プロミスを通じて寄付されることになります。この「テーブル・フォー・ツー」メニューを注文すれば、そのお金の中に、約20円分の寄付が含まれていて、その寄付で途上国における1人分の給食費用が手当てされるという仕組みでございます。

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中国西部で起きた地震

(問)中国の地震ですが、邦人の数が120人が160人に増えたようですけれども、地域別とか、何か具体的なデータのようなものはございますか。

(報道官)私も今、ここへ参ります前に確認した情報ですが、中国の四川省における在留邦人の方は全体で約300人、日系事業の進出企業数は170社、そのうち成都市における在留邦人の方は約250人、日系企業では140社というのが昨年10月現在の数字です。そこで本日午後3時現在ですが、現地北京の日本国大使館、更には在重慶日本国総領事館などを通じて被害状況を確認するとともに同時に被害について色々なルートを通じて安否確認を行ってきておりますが、これまでのところ邦人が被害にあったという情報には接しておりません。現在までのところ約300名の四川省在住と見込まれる邦人の方については、その半数を超える160人の方と連絡が取れて無事を確認したということです。

(問)日本側から中国に対しては、支援の申し出というのを昨日から行っているかと思うのですが、中国側からそれに対して回答があったのかどうか、あったとすればどのような内容かを御紹介願います。

(報道官)中国側に対しては、今、おっしゃられた通り、昨夜、総理からの胡錦濤国家主席および温家宝国務総理に対する御見舞いのメッセージ、その中で「日本として出来るだけの支援を行う用意がある」というメッセージを伝えております。現時点において、その日本政府の要望が中国側には伝わっている訳で、中国側において日本側のオファーに対してどういう支援をお願いしたいのかと検討中ということだと理解しております。

(問)中国側には昨日の書簡以外に何か別の形では御見舞いをしているのでしょうか。またその時の中国側の対応、回答というのはどのようなものだったのでしょうか。

(報道官)今日、午前中に崔天凱駐日大使が薮中次官のところに来られて、通常の外交的なやりとりということが基本ではございますが、その際にも次官から今回の地震に対する被災者、亡くなられた方々に対するお悔やみとお見舞いのメッセージ、そして日本政府の支援の意向を改めてお伝えをした、ということです。崔天凱大使からもその日本側のオファーに対して、感謝の意と共に引き続き中国側において検討しているけれども日本政府に対してどういうお願いをするかについては、改めて連絡を取り合っていきたいと、そういう回答があったと承知しております。

(問)今日の訪問は元々予定されていたものなのでしょうか。

(報道官)外交上のやりとりをする一つの場として設定されたものです。胡錦濤国家主席の訪日は成功だったと思いますけれども、それを受けて今後の日中関係をどのように進めていくかということも議論されたと理解しております。

(問)地震の対応の為に呼ばれたということではない、ということですか。

(報道官)外交上の話をする場として今回は設定されたということです。

(問)日本としては要請があった場合に、具体的にどういう対応をされるのでしょうか。

(報道官)大きな震災でございますので、そうした震災、現地がどういう被災状況であるのかということが大前提でありますけれども、色々な形で緊急援助を日本としては行っていく用意があるということです。

(問)その緊急援助というのは、緊急援助隊の派遣ですとか、具体的にはどのようなものなのでしょうか。

(報道官)当然ながら、色々な物資の支援ということもあるでしょうし、検討すべき項目としては、緊急援助隊の派遣ということも当然、その考慮の中には入っていると申し上げることは出来ると思います。それから、この関連で増田総務大臣も閣議後の会見で、国際消防救助隊を派遣できるような体制は整えているという風に述べられたと承知しておりますが、日本側としては具体的な支援策としては、要望があることが前提ですので、中国側の要望を受けて調整をして、勿論スピード感を持って支援をしていくということになるかと思います。

(問)中国の地震についてですが、日本人観光客が2人行方不明になったという話がありましたが、如何でしょうか。

(報道官)今、お尋ねの報道がなされたということについては、そのお2人の方に関しては、無事が確認されたということです。

(問)どういう風に確認されたのですか。電話が繋がったとか、連絡が取れたとかですか。

(報道官)確認の方法は承知しておりませんが、いずれにせよ、そのお二方の無事が日本側において確認出来たということです。

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ミャンマーのサイクロン被害

(問)ミャンマーですが、木村副大臣が在京大使とお目にかかっていたということですけれども、どういうやりとりがあったのかご紹介頂けますでしょうか。

(報道官)本日の午後4時から5時まで約1時間に亘って会談が行われました。この会談は、副大臣から在京のフラミン大使にお越し頂きたいということで、お声を掛けて、本省で行われた会議です。この中で副大臣からは、サイクロンの被害については、改めてお見舞いの言葉を述べられると共に、日本政府としてこれまで非常に速やかな形でまた、緊急援助物資の提供ということを2度に分けて行ってきたということ、それから9日には、当面の措置として1千万ドルの緊急援助を決定したという話、そして、福田総理からタンシュエ国家平和開発評議会議長に宛てた親書を発出されて、その親書の中でも日本として、緊急医療チームの派遣をする用意があるということに触れられて、改めて事態の緊急性ということを鑑みれば、日毎に人びとが病気になられたり、怪我をした方を含めて、亡くなられたりする危険が高まっているということで、とにかく日本を含む援助要員の受け入れが重要であるので、決断は早くして頂ければという申し入れをしたということです。
 これに対して、大使からは、日本の援助は、緊急援助物資が最も早くミャンマーに到着したという事に触れつつ、日本政府、日本国民のミャンマーに対する支援の気持ち、或いはそういった支援といったものに本当に感謝しているという御礼の言葉がありました。その上でミャンマー政府としての、国際社会の援助の支援の申し入れに対する基本方針として、大使が述べられましたのは、ミャンマー政府として決して要員の受け入れを拒否しているということではない、実際に国連の国際機関でございますけれども、国際機関の中でも現地に事務所がある、或いは国際的なNGOであったり、現地に受け入れ先があるところ、そういったところに関しては、ビザを発給して人を受け入れてい留というお話しがありました。
 ただ、今までそれ以上にビザが発給できていないのは、受け入れの準備が整わないということ。例えば理由として要員の人に対して色々なサービスをしないといけない。宿舎をどうする、手配をどうする、あるいは通訳をどうする、手配、言葉の問題、そういうことがあって、なかなか準備は進んでいないという話がありましたが、日本からのNGOに対しては、ビザを発給してきているというような話もありました。副大臣からは、これだけの大災害に見舞われている中、国際社会、国連も含めて或いは各国からの要員派遣のオファーが来ているということについては、そういう受け入れをすることでこの災害復興、いわゆる救援活動、それから復旧復興といったことが、より速やかに大規模な形で進められるだろうということで、改めてミャンマー政府が国際機関や各国の要員の受け入れについて前向きに対応されることを求めるという趣旨のことを伝えられました。それに対して大使から本日こういう形で、副大臣から改めてお話があったということについては、しっかりと本国政府に伝えるというそういうやりとりがありました。
 主としてサイクロン被害についてのやり取りがあった訳ですけれども、それに併せて、10日に行われた国民投票の実施について副大臣から、以下のような発言がありました。日本政府としては、ミャンマー政府が国民投票というものを透明性を持って公正公平に実施されるべきであるということでこれまでに何度も申し入れをしてきた経緯があるが、今回、現地の外交団による、これには日本の大使館員も参加した訳ですが、視察が出来たということは一部の国民投票の現場の視察ではあったけれど、それ自体透明性の向上という観点から見れば良い機会であったと。今後共ミャンマー政府が、透明性を高めていく努力を行っていくことを強く期待すると伝えました。これに対して、大使からは、総選挙を含め、一層努力していきたいという回答がありました。また後ほど本会談の内容については発表文を配布します。

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報道官会見記録(平成20年5月7日(水曜日)17時05分~ 於:本省会見室)

ミャンマー連邦におけるサイクロン被害に対する緊急援助について

(報道官)冒頭、私からミャンマーの関係で発表事項がございます。ミャンマーでは今月の2日から3日にかけて大型のサイクロンが上陸をして、ミャンマーの南部一帯に大きな被害が発生しております。今日現在、7日の時点ですが、ミャンマーの国営放送によれば死者2万2千人以上を含む住民4万人以上の人が被災をされたということで、大変大きな損害がもたらされているという状況にあります。このような状況の中でミャンマー政府からの緊急援助の要請を受けて5日に約2,800万円相当の緊急援助物資、テントや発電機等ですが、その供与を決定して援助が届けられておりますが、本日7日、さらに追加支援としてミャンマー政府に対して約3,600万円相当の緊急援助物資、毛布やプラスチックシート、ポリタンク、簡易水槽、スリーピングパットといった資材を追加供与することを決定いたしました。尚その被災者、被害についてはまだ今後も更に拡大するおそれがあると言われております。今後の状況を踏まえ要すれば更なる支援を行うということで検討中です。それからミャンマーにおける在留邦人の安否についてですが、ミャンマーにおける在留邦人の方は全体で592人と把握しております。現在、大使館員が分担をして企業や団体単位の安否確認を行うとともに、在留届、住所地の住居やアパート、ホテルなどの宿泊施設を回って短期渡航者を含めて施設単位での確認を急いでおります。いろんな安否確認の努力を続けてきている訳ですが、現在まで邦人の被害に関する情報はございません。

(問)ミャンマーの追加支援なのですが、今回更に追加支援をすることに決めた理由というのをもう少し説明していただけますか。

(報道官)基本的には被害の規模が被災当初から比べて更に大変大規模なものであるということが明らかになっているということが最大の理由かと思います。

(問)今後も状況次第で、まだ追加支援をするということですけれども、そのミャンマーの政権自体に日本政府が支援をするということの問題点というのは。

(報道官)この緊急支援というのは申すまでもなく大きな自然災害によって人命が失われたり物損が生じたということで現実にミャンマーの国内において大変多くの方々が被災している状況にあります。従ってこの私共の支援の趣旨というのは人道的な考慮に基づく支援ということで、それ以外のミャンマーに対する援助を国際社会として、どういう風に考えるのかということとは一応別に切り離して考慮されるべき支援だと位置づけております。

(問)死者2万2千人以上を含む4万人以上が被災というのはミャンマー政府が発表したことですか。

(報道官)ミャンマーの国営放送が6日の時点で被害状況として発表した数字です。

(問)その信憑性についてですが、そのぐらいにはいっているなあ、という数字なのでしょうか。

(報道官)私共としては刻々いろんな形で被害状況についての情報収集を行っている訳ですけれども、国営放送としてその数字を出しているということで、当然私共はそれを非常に重要な数字として扱っているということです。

(問)この3,600万円分の物資なんですけれども、これはどこから、シンガポールからかどこから持っていくのかということと、いつミャンマーに物資が届く形になるのかという今後のスケジュールを説明してもらえますか。

(報道官)今後のスケジュールについては、今日決定して直ちに手配するということです。通常、いくつかの拠点に援助物資というのは貯蔵していて、一番足回りの早いところから発送の手配をするということですので、位置的には恐らくこれはシンガポールにある支援物資の貯蔵庫から手当てをするということだという風に理解をしておりますが、ただ、この点については今ここで正確にお答えすることができませんので、後でチェックをして正確にお答えしたいと思います。

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