(報道官)本日は本省、東京サイドで色々な外国行事が目白押しで、皆様お忙しいと思います。私の方から一点だけ、マダガスカルでサイクロンの被害が発生しましたので、本日、サイクロン被害に対する緊急援助として1500万円相当の援助物資を供与することを決定致しました。
(問)「ロス疑惑」の三浦さんが、日本で無罪が確定したにも係わらず逮捕されたことについて、外務報道官は1月まで現地におられた立場でどのように感じたかお聞かせ下さい。
(報道官)先ず私が前職でロサンゼルス総領事をしていたことと、この問題に対する外務省の立場は関係がないと思います。それを申し上げた上で、この事件が発生した場所がロサンゼルスであったということ、それから米国では、この事件について時効が適用されないということ等から、米国は現在でも、この事件について裁判権を行使することが可能であるということが先ず第一のポイントだと思います。それから、一事不再理という原則との関係で問題は生じないのかという点については、日本の刑法でも、外国において確定裁判がある場合に同一犯罪によって同被告人の刑事責任を問うことは禁止されておりませんし、また米国においても、その国内法に従って、日本において無罪判決を受けた者の刑事責任を追及することは可能と考えられています。外務省としては、邦人保護の観点から、外国で法に従った公正な手続きが取られるように、引き続きフォローしていくということだと思っております。
(問)外務省の基本的なスタンスとして、このように外国で逮捕された容疑者との接触や連絡、面会というのは、何かしら決まった頻度とか基準、どういうことがあれば面会する等という基準はあるのでしょうか。また、例えば中国で麻薬で捕まって、ずっと捕まっている容疑者もいると思うのですが、ちょっと注目度が違うという面もあると思うのですが、今後どういったような現地での対応を行っていくお考えでしょうか。
(報道官)具体的な細かい手続き、ルールということについて、私はそこまでは承知しておりませんが、基本的な考え方としては、在留邦人が日本の外で拘留されるという事態があった場合に、先程申しましたが、当然在留邦人保護という観点から、大使館であれ総領事館であれ、その事件が起こった所を所管する総領事館なり大使館が、その在留邦人の方に連絡して領事面会を求めるということです。これは当然、我々の仕事の一貫としてやっていることですが、その領事面会を今回24日に館員を拘置所に派遣して面会を実施して、健康状態等を確認してその結果をご家族に連絡しました。また引き続き、我々としては可能な範囲でその支援を行っていくということで、具体的にもし、この三浦氏が日本政府の支援を求めるということ、もう一度会いたいという要望が為されれば、当然面会に赴き要望を聴取して、可能な支援を行うということになると思います。
(問)今のところ、24日以降は面会したいという話は来ていないのでしょうか。
(報道官)未だ領事面会は一回しか行われておりません。先方から、もう一度という要望があったという風には私は承知しておりません。
(問)鈴木宗男被告が高裁でまた実刑の判決を受けましたが、以前振り返れば外務省に影響力を行使して、今も質問主意書等でまだ関係があるということなのですが、どのように受け止めているのでしょうか。
(報道官)ご指摘の判決については、今日判決が出された訳ですが、外務省は当事者ではございませんので、コメントする立場にはないということに尽きるかと思います。
(報道官)平成19年度の欧州大使会が今月25日(月曜日)~28日(木曜日)まで開催されます。また、国連関係の国際機関大使会議も28日を中心とした日程で開催されます。この2つの会議には、欧州各国駐在大使、それから国連関係の国際機関代表部大使、及び本省から関係部局の幹部が出席致します。欧州大使会議では、今後の欧州地域の秩序について展望し、我が国の対欧州外交の効果的推進の観点から議論を行うと共に、北海道洞爺湖サミットなどを控えて、本省・在外が一体となって外交主要課題の進め方について議論を行うということです。それから、国連関係国際機関大使会議では、国連をはじめとする国際機関を通じた我が国の多国間外交の政策目標や、多国間外交強化の方策について議論が行われる予定です。
(報道官)3月4日(火曜日)、外務省主催で「アフリカの発展に関する日本・アフリカ・ジャーナリスト会議」を開催致します。今年の5月末、ご案内の通り横浜で第4回アフリカ開発会議が開催される予定であり、また、7月には北海道洞爺湖サミットが開催されますが、いずれの会議においてもアフリカにおける貧困削減、更にはアフリカ支援が主要議題になることが見込まれています。そういう意味で、これらの重要な会議の事前の行事として、この3月の会議ではアフリカ諸国から、ザンビア、タンザニア、セネガルから3名の報道関係者をパネリストとして招待し、日本側のジャーナリストの方、更には民間人、援助機関の関係有識者を交えてディスカッションを行うことになっています。会議の冒頭、河野外務審議官が基調講演を行う予定になっています。これは一般に公開されますので、是非広く参加者を募りたいと思っています。
(問)ミャンマーの長井さん殺害事件についての、外務省とミャンマー側との協議はどのようなものでしたか。
(報道官)昨19日、ミャンマーのヤンゴンで約5時間、我が国の外務省及び警察当局の関係者と、ミャンマー警察当局関係者との間で長井健司氏死亡事件の真相究明に関する協議が行われました。日本側からは、「発砲は極めて至近距離である」との日本の警察の分析などを示しつつ、ミャンマー側のこれまでの見解の修正を求めました。
これに対し、ミャンマー側からは、「本件は極めて遺憾な出来事である」との弔意が示されたものの、「発砲は離れた場所から行われた」等の従来同様の説明がありました。日本側からは今申しましたように見解の修正を求めた訳ですが、更にソニー製のビデオカメラなど遺留品の捜索を行って、遺留品を返還するように、これは長井氏の御遺族の強い希望でもあるということも伝えております。こうした5時間に亘るやりとりを経て、ミャンマー側としては、最終的には「今回の協議での日本側の指摘については、政府部内で報告して検討する」と述べたと承知しております。今後ですが、今回の協議を踏まえてミャンマー側に求めた検討についてのミャンマー側の動きを踏まえて、真相究明の機会が改めて設けられるように、また働きかけていくことになると理解しています。
(問)ミャンマー側からは、発砲は正当な行為だと思っているのでしょうか。
(報道官)ミャンマー側の指摘の中で、発砲については「法令に基づいて、段階を踏んで執られた措置であり、合法的なものであった」、それから、「発砲は治安警察により、長井氏から一定の距離を置いた場所から行われた」という、従来と同じ説明が行われたと聞いています。
(問)日本側が主張しているのは、要するに至近距離で発砲し、警告もせずにいきなり撃ったということを認めろということでよろしいんですね。
(報道官)日本側の主張としては、「発砲は極めて至近距離からのもので、長井氏の横に立っていた国軍兵士が射撃したと推測される」とする日本の警察の画像分析、或いは司法解剖結果を動画や写真などを示して説明し、ミャンマー側のこれまでの見解の修正を求めたということです。
(問)先程、東京高裁でいわゆる沖縄密約国賠訴訟の控訴審判決が言い渡され、原告である西山太吉さんの請求がいずれも棄却されました。これについて外務省の元北米局長が密約と言われるものについての存在を認めてらっしゃいますが、今回こういう判決が出たことについての外務省の見解を教えて下さい。
(報道官)今のご質問ですが、日本国政府が勝訴した本日の東京高裁の判決は、政府の主張の妥当性を判示しており、適切、妥当なものと考えております。
(問)こういった外交文書、密約と言われるものが色々あるかとは思われますが、例えば、外交文書の公開制度で30年以上経ったら原則公開とすると言われていますが、まだまだ明らかになっていないものがあると思います。こういった現状について、報道官はどうお考えですか。
(報道官)外交文書の問題については、例えば米側の情報公開によって公開された文書について、政府としてその存在を認めないのかという議論がずっと為されてきたと思いますが、その点について、本件訴訟と離れて敢えてコメントすれば、そうした文書については、その性格について政府として承知しておりませんし、内容についてコメントする立場ではないということで、我々の姿勢は一貫していると考えています。
(問)一般的に公開されない文書が多く存在しているということについては如何ですか。
(報道官)日本政府としては、日本政府の外務省としての、これまでの外交文書公開のルールというものがある訳で、それに従って、私どもとしては公開してきているということだと思います。
公開、非公開ということについては、また、そのルールの中で原則が打ち出されている訳ですので、それに従って公開を行っていくということであろうと思います。仮にもし、それに不服があるということであれば、そのことに対する判断が求められていくということがあるのかも知れませんけれども、我々の立場はこれまでと何ら変わらないと申し上げてよろしいかと思います。
(問)今日の午前中、在日米軍海兵隊の輸送船が釧路港に入港したらしいのですが、事前に通告した期限が切れて入港した上に、事前に通告した人数を大幅に上回っていたという事実があったようですが、それについての受け止めと外務省としての今後の対処をお願いします。
(報道官)今ご指摘の件について、米側の入港が当初通告していた期日を過ぎて20日になり、日本側の関係当局に対する通告が遅れたということについては、もっと丁寧な手続きを踏んだ通告が為されるべきだったということを米側に申し入れています。他方、人数の通報の問題については、これは協定に従って乗組員の数が7名ということで通告していた訳で、それ以上のことが求められている訳ではありませんから、船から上陸した数が、乗客として30人近い人が居たということは、別にそれをもって協定上違反ということではないと理解しております。
いずれにしても、寄港の時期が遅れるのであれば、予定が変わったのであれば、それを出来るだけ速やかに通報すべきであった、そこは丁寧に行って欲しいということを私共の方から申し入れたということです。
(問)通報の時期を過ぎて入港したということですが、それは地位協定違反には当たるのでしょうか。
(報道官)地位協定違反ということではないと理解しています。エージェントを通じて通報したと聞いていますが、その点について、本来であれば海保庁を通じて通告すべきであり、そういうこともきちんと手続きを踏んで行って欲しいということも申し入れたと理解しています。
(問)先週末に大臣が再発防止策をとるという趣旨のことを言ったのですが、まだ火曜日ですが、どんな形で纏めたものがどういう風に発表されそうなのか、目途は如何ですか。
(報道官)昨日は沖縄県における検討会議設置の関連でご質問がありましたが、今ご質問にありました通り、政府として具体的な再発防止策を検討しておりますので、この再発防止策が真に実効性のある、かつ包括的なものであるようにするということで、今、鋭意政府内で検討を進めているところです。大臣が申し上げた通り、基本的な方向性についても今週中には発表出来るように、今、鋭意作業していると理解しています。
(問)外務省の方で発表することになるのでしょうか。
(報道官)政府全体として取り纏めしているということですので、恐らくこの点については外務省が取り纏めの責任を負っていると理解しています。
(問)北京でヒル米国務次官補と北朝鮮の金桂寛外務次官が会っているのですが、この米朝接触についてどのように見ていますか。
(報道官)本件については、コメントする材料を持ち合わせておりませんでご了解下さい。
(問)明日、ヒル米国務次官補が訪日しますが、日本側のどなたと協議されるのか等の予定が分かりましたら教えて頂けないでしょうか。
(報道官)私は現在把握しておりませんが、もし発表出来ることがあれば後でご案内したいと思います。
(問)沖縄の暴行事件の関係ですが、高村外務大臣が先週、再発防止策について今週内にまとめると仰いましたが、それとは別に沖縄県で検討会議を作り、別途再発防止策についてまとめて、その再発防止策については日米両政府に要望するという話があるらしいのですが、大臣が仰った防止策とは、沖縄県がまとめたものを踏まえて作るものなのか、それとも別途のものなのでしょうか。
(報道官)今ご指摘がありましたように、沖縄県において検討会議が設置されたということは私どもも承知しております。
現在、政府としても具体的な再発防止策を検討しており、再発防止策が真に実効性のある、また包括的なものとなるように確保することが重要だと考えております。従って検討を行うにあたって、沖縄県の検討会議で議論されている内容も含めて、地元の方々の意見も参考にさせて頂きたいと考えております。
(問)明日、唐家セン中国国務委員が訪日されますが、外務省としてはギョウザ問題で双方の捜査当局がお互いに捜査委員を派遣するという中で、どのような姿勢でこの問題に望まれるのか、改めてお聞かせ下さい。
(報道官)唐家セン国務委員の訪日については昨日発表させて頂いておりますが、外務省賓客として参ります。滞在中は高村外務大臣他、総理への表敬、各政党との代表との交流が予定されております。
何よりも今回の訪日においては、胡錦濤国家主席の訪日を念頭に、日中関係の現状と展望、国際社会の諸課題に関する協力等について意見交換を行うことになる予定です。 ギョウザ問題については、今、私は日中関係の現状、展望ということを申しましたが、当然、今両国間における一つの重要な懸案であることは間違いないので、その辺りも触れることになると思います。
なおギョウザ問題については、唐家セン国務委員の訪日を別にして、本日の閣議でも、総理から中国産ギョウザの件について、日中が協力して、早く原因究明を進めるようにという指示があったと承知しております。また、日中双方の捜査当局も、これまでも連絡を取ってきている訳ですが、21日には中国の公安部関係者が来日し、警察庁との間で本件に関する情報交換が行われる予定になっております。さらには25日から安藤警察庁次長が訪中して、中国の公安部との協議において捜査協力強化の観点から、このギョウザの問題についても取り上げると承知しております。
それから、捜査共助ということについては、両国の捜査機関の間で、捜査に必要な証拠の提出等の捜査共助が行われることになれば、外務省として速やかに外交ルートを通じて必要な協力を行うということには、全く何の変わりもありません。
(問)ミャンマーの長井さんの事件の関連ですが、日本から警察庁の方が今日から現地に行かれているようですが、どなたが行かれているかということと、今のところどのような話し合いが行われているかということについて報告があったかお聞かせ下さい。
(報道官)本29日、ヤンゴンで長井氏の死亡事件に関するミャンマー警察との協議が行われる予定になっておりますが、未だ私のところにはその結果についての報告は来ておりません。
なお、この協議の目的についてですが、この事件に関するミャンマー側のこれまでの説明は、幾つかの主要点で日本政府が得ている情報と異なるものですので、日本側からは、再度事実関係究明の機会を求めるよう強く求めてきたものです。今回の協議には、団長として外務省の南東アジア第一課長が参加しています。
(問)後は警察庁からの参加ということでしょうか。
(報道官)警察庁からも参加しておりますが、その警察関係者が参加されている趣旨ですが、あくまでも外交交渉団の一員として協議に参加して、画像分析、或いは検死の実務担当者といった立場から参加するものであり、ミャンマー側と捜査に関する協議を行うというものではありません。そういう位置づけです。
(問)いつまで協議を行い、いつ帰ってくる等の予定は決まっているのでしょうか。
(報道官)この協議は本19日に行われるということ以上の情報は持ち合わせておりません。
(問)米国の大統領選ですが、共和党はマケイン氏に絞り、民主党は、かなりオバマ氏が割と良い線をいっているなという感じですが、先月まで米国に居た外務報道官としてはどのように見ていますか。
(報道官)どなたが選ばれても日米関係が揺らぐことはないと私は思っておりますし、引き続き大変強い関心を持って、我々はフォローしていくということに尽きるかと思います。
それ以上のことは外務報道官としてコメントすべき話ではないと思いますので、ご了承願います。
(報道官)我が国政府は、2月18日(月曜日)に予定されているパキスタンにおける総選挙の公正な実施を支援するために、川上隆朗元駐パキスタン大使を団長とする外務本省及び在外職員、外部のパキスタン専門家からなる10数名の選挙監視団を2月15日から21日まで派遣することを決定しました。
今回の選挙監視団の派遣は、ムシャラフ大統領があらゆる国からの選挙監視団の受け入れを表明していることを受けて、我が国としても、パキスタンにおける民主主義の定着に向けて協力すべく行うものです。
(報道官)第2回日本ブラジル環境対話が、2月15日(金曜日)、東京で開催されます。この会合には、日本側からは小町外務省地球環境問題担当大使を代表として、関係各省の関係者が参加します。また、ブラジル側からはルイス・マシャード外務省環境・特別問題局長を代表とする関係者が出席することになっています。
具体的な議題については、気候変動、とりわけ2013年以降の国際枠組みについてというのが一つの大きなテーマとなります。さらには森林保全、水と衛生といったテーマを討議する予定です。
(問)日米地位協定ですが、公明党や国民新党が被疑者引き渡しの件について見直しが必要なのではないかということを言及しているのですが、なかなか日米地位協定は日本のものは非常に進んでいるので見直しと言っても難しいのかなという気はしますが、外務省としてはどういうお考えでしょうか。
(報道官)今回のような事件を受けて、日米地位協定を改訂すべきではないかという意見が一部にあることは承知しておりますが、この本件事案については、昨日もこの場で申し上げたと思いますが、先ず、日本側で容疑者の身柄を有していて、引き続き日本側で身柄を確保して、法と証拠に基づいて引き続き対処していくというのが方針でございます。そういうことで、今回の事案について、日米地位協定が理由となって捜査が影響を受けているという事実はないということは申し上げられると思います。
なお、日米間における刑事裁判手続きについては、1995年の合同委員会の合意によって凶悪犯罪を犯した米軍人の身柄を起訴前に日本側に移転する枠組みも設けられております。そうした枠組みの下で、実際に起訴前に何度も引き渡しが行われているのは、米軍の駐留国の中で日本だけだということです。
以上のようなこともございまして、政府としては、日米地位協定については、その時々の問題について日米間で緊密に協力して、引き続き目に見える運用の改善を進めるよう努力していくということだと了解しています。
(問)運用の改善についてですが、当面、制度見直しの必要性がないということでしょうか。
(報道官)繰り返しになるかもしれませんが、現時点で検討すべきことがあるとすれば、今以上に運用の改善が必要かどうかということを双方で検討するということだと、そう理解しております。
(問)本日のシーファー大使の来訪は、どちらの求めによるものなのでしょうか。
(報道官)事実関係としては、実は、大臣がシーファー大使にお会いしたいという要請をお伝えしていた経緯があり、今回大使の都合で旅行されていたということがあって、こちらに戻ってこられたので今日実現するということです。
(問)この件とは関係なくお会いしたいと仰っているのですか。
(報道官)発端としては、色々お話をしたいということでお招きしていた訳ですが、それが今回今日になったということですから、当然今回の沖縄の米軍人による暴行被疑事件についても取り上げられるということは予想されると思います。
(問)事件があった後に、大臣が会いたいと求めたという理解でよろしいでしょうか。
(報道官)私どもの方からシーファー大使を招致したとの理解で結構です。
ご案内の通り、この事件が発生して以来、月曜日は北米局長からドノバン在日米国大使館臨時代理大使に遺憾の表明、綱紀粛正の徹底、再発防止ということを累次申し入れており、昨日は薮中次官から、再度ドノバン在日米国大使館臨時代理大使に申し入れを行い、本日は小野寺外務副大臣が沖縄を訪問してリチャード・ジルマー在日海兵隊司令官に申し入れを行い、仲井真県知事、東門沖縄市長、野国北谷町長とも会談されております。そして今夜、大臣がシーファー大使を招致して申し入れを行うということです。
(報道官)外務大臣が出席する「外交フォーラムイン高松-高村外務大臣と語る-」を3月16日(日曜日)午後2時から香川県高松市の香川国際会議場で開催します。詳細については、外務省報道発表、取材のご案内をお配りしますので、ご覧頂きたいと思います。
補足ですが、この外交フォーラムは国民の方々と外務大臣との双方向のコミュニケーションを重視した企画であり、外務省が推進する地方との連携強化の一貫と位置付け、実施するものです。当日は「日本外交の目指すもの」、非常に大きなテーマですが、それをテーマに大臣が基調講演を行い、参加者との対話を行う予定です。壇上に上がりますのは大臣の他には、リソースパーソンという言い方がよろしいかと思いますが、佐々江外務審議官、コーディネーター、議事進行役は谷口外務副報道官が務めるということで、準備を更に進めるということになります。
(報道官)高村外務大臣は第44回ミュンヘン安全保障会議に出席するため、先週の9日から10日までミュンヘンを訪問して、昨日帰国しました。
この安全保障会議では、アジア、国際的安定の構築のセッションで、補給支援活動特措法の成立や平和協力国家としての日本の取り組みに触れつつ、日米同盟とアジア外交の共鳴、アジアコミュニティの構築、日中協力等について演説を行い、日本外交について、欧州の安全保障関係者への理解を深めることが出来たと考えています。特に今回は、日本の閣僚として初めての参加だったのですが、1月26日に福田総理がスイスのダボス会議に出席し演説を行い、この2月10日には高村外務大臣が安全保障をテーマとするミュンヘン安全保障会議に出席し演説を行ったということは、日本外交が、現在、かつて一時期言われたような、顔が見えないとか、プレゼンスが感じられないということではなく、正に、日本の最高首脳が欧州における、こうした政治・経済、安全保障に関する主要な会議に出席をされたということで大きな成果が得られたと考えています。私は外務報道官として、内外メディア対応ということで同行しましたが、一つ逸話的なことを申し上げれば、大臣は演説の後半で一呼吸置いて、「もうしばらくお耳を貸して頂きたい。私は折角、この3連休を充てて本会議に出席しております」という件があり、これは同時通訳を通して、先ず英語に訳され、その英語を聞いて独語に訳されたのですが、大きな笑いと拍手が起こりました。これをどういう風に理解するかということですが、私の解釈とすれば、やはり日本の外務大臣が通常国会冒頭、予算委員会が開会中に、この3連休という時間を見つけて本会議に出席したこと、最も遠い国からの参加ということで、欧州の関係者も、よく来て頂いたとの気持ちがその暖かい拍手であったと。それから、そういうことをスピーチの中に入れて発言するということは、欧米においては、大臣のユーモアのセンスということも笑いを呼び起こしたのではないかということでございます。
それから、外国プレスがどう報じたかということですが、AFPがミュンヘン発の報道の中で、大臣のスピーチを詳しく取り上げてくれており、見出しとしては「日本、北朝鮮の核問題、中国の軍事費の増強について透明性を求める」とした上で、北朝鮮問題については、六者会合の枠組みにおける北朝鮮の核の申告の問題、核施設の完全な無能力化等、大臣の発言内容を正確に報じており、更には北朝鮮の人権問題の進展を求めつつ、拉致問題の解決が必要であるということを強調したということも報じております。
(問)沖縄の事件を受けて、外務副大臣を一両日中に派遣するという話が出ているようですが、現時点で、いつ行かれて、沖縄の方でどのような方と会われるのか教えて頂けないでしょうか。
(報道官)本件については、先程も事務次官のもとにドノバン在日米国大使館臨時代理大使を招致し、次官から本件についての申し入れを行ったことは、皆様にご案内の通りです。
その内容については、外務省報道発表を出しておりますので詳細は述べませんが、大きく4点次官は強調され、特にポイントは、第一に、累次に亘って綱紀粛正、再発防止を求めてきたにも係わらず、今回米軍人がこうした容疑で逮捕されたことは極めて遺憾であり、米側に対し、綱紀粛正、再発防止に一層の取り組みを求めました。2つ目に、日本側としては、我が国の法と証拠に基づいて適切に対処するということ。3点目は、こうした考え方は総理、官房長官、外務大臣も国会審議や記者会見の場で明らかにしているので、本日の申し入れの内容についてシーファー大使にもしっかり伝達して欲しいと、最後に4点目として、このような考えを現地の米軍に直接伝えるため、小野寺外務副大臣を沖縄に派遣する方向で検討しているということを伝えました。副大臣の現地派遣のタイミングはいつかということですが、これについては、出来るだけ早期に沖縄は派遣するということで、現在も鋭意、日程を関係者との間で調整中です。
(問)小野寺副大臣は現地に行かれて、主にどういったことをされるのでしょうか。
(報道官)未成年者に対する暴行被疑事件に対して、日本政府の対応として、先ず沖縄県との調整を行います。米軍との関係では、米側の綱紀粛正、再発防止の徹底といったことを申し入れるという大きく2つの目的で沖縄に向かうということになると思います。
(問)今回の事件について、一部から日米地位協定は今のままで良いのかという意見も出ているようですが、現時点での日本政府、外務省の見解をお聞かせ下さい。
(報道官)今のご質問に対する対応として、今朝ほど大臣の会見でも、大臣から答弁があったと承知しておりますが、私の方からも、今のご質問に対する考え方を述べます。
先ず、米軍再編を進めるにあたっては、日本政府としても、沖縄県民の方々の理解と支援を得ることが重要であると考えています。その意味で、このような事件が発生したことは極めて遺憾であるということは、累次申し上げている通りです。そして、このような事件が基地問題に与える影響を避けなければならないのですが、沖縄県民の感情を考えれば、全く影響がないということは言えないとも考えています。政府としては、この事案について日本の法と証拠に基づいて適切に対処するとともに、沖縄の地元負担軽減のため、引き続き地元の切実な声に耳を傾けて、米軍再編を着実に進めて参りたいと考えております。なお、地位協定のご質問が今ございましたが、本件事案に限って地位協定の関係で申し上げれば、既に日本側が容疑者の身柄を拘束しているということ、引き続いて日本側において身柄を確保して、法と証拠に基づいて適切に対処していくことになります。従って今回の事案は、日米地位協定が理由となって捜査が影響を受けているという事実はありません。政府としては、日米地位協定についてはその時々の問題について日米間で緊密に協力して、引き続き目に見える運用の改善を進めるように努力していく考えです。
(報道官)昨日この場で質問を頂きましたが、スーパーチューズデイの米大統領選予備選挙については、現在までに非常に興味深い結果が判明してきているという以上に、当方からはコメントすることはありません。
(問)ギョウザの問題で、中国から来ていた調査団が一連の日程を終えて発たれるということですが、この間の調査結果や成果をどの様に評価されていますか。
(報道官)今回の中国産冷凍ギョウザに関する問題で、中国の質量監督検験検疫総局の調査団が訪日されました。今日、午前中に会談を終えて、その後記者会見もされたということで、内容については皆様御存知かと思いますが、ポイントとしては、私共としても今回訪問を受けて日中間で大変有意義な協議が行われ、その成果として、双方がコンタクト・パーソンを指定して、この問題に関する情報伝達ルートを一本化することになったということがあります。日本側は内閣府の消費者企画課、中国側は検験検疫総局食品安全局が窓口になったということは、一つの成果だと思います。引き続き、当然ですがこの問題の原因究明、再発防止の為に日中双方が協力していくことを確認したということ、更に、日本側から捜査当局間の協力についても国際捜査共助など、必要な手続きに則って、出来るだけの協力を行う用意がある旨説明をしたということです。
以上のような点がポイントかと思いますが、捜査当局間の動きということで若干補足しますと、日中両国では既に本件に関する原因究明、再発防止の為に色々協力している訳ですが、捜査当局間においても当局間協力の一環として、緊密な連絡調整が行われています。今はそういう段階ですが、その結果として具体的に捜査に必要な証拠の提供を目的とした共助が必要とされる場合には、ご案内の通り、外交ルートを通じて証拠の送付等を行えることになり、その場合、外務省としても速やかに必要な協力を行う所存です。
それから、これもご案内のことかと思いますが念のため、日本側の現地における中国訪問調査団の現状について簡単になぞらせて頂きます。昨日は河北省に到着して、午後から河北出入境検験検疫局と協議を行い、その後夕方から天洋食品工場の視察を行ったと承知しています。その後、河北省政府とも協議を行い、双方が日中両国共にこの問題の解決に向け協力していくことで一致しております。中国側からは、日本側に出来る限り多くの資料提供を約束すると共に施設の案内がなされ、昨日見た限りでは、工場は清潔で管理は行き届いており、特に以上は認められなかった、引き続き今後提供されるデータに基づいた分析を行うこととする、ということです。
そして本日、日本時間の午前11時30分に、これはまだ河北省だと思いますが、石家荘の公安局副局長と意見交換を行ったと承知しています。公安局も関係機関と協力して調査を行っており、日本の警察とも協力して調査していきたいとの発言があったということです。先程も申しましたが、捜査当局間の連絡が行われていますが、中国側も日本の警察と協力していきたいという発言があったということです。本日午後北京に戻り、夕刻、質量監督検験検疫総局と総括的な協議を行う予定であるというのが、今この段階で私共が承知している最新の状況です。
(問)ガス田協議ですが、中国を訪れ、今月中にも次官級協議を行う見通しだというようなことが書かれていますけれども、非公式というか、公式の次官級協議が今月中にも行われるような状況なのでしょうか。
(報道官)昨年12月28日、ご案内の通り、福田総理が訪中した時に、この問題に関する首脳間の新たな共通認識に関する発表が行われております。その中で、双方は局長級の協議の枠組みを維持すると同時に、必要に応じて引き続き次官級協議を行い、日中関係大局の観点から出来るだけ早期に解決策について合意を目指すとされており、当然この合意に従った協議が今後進められるということです。その具体的な時期については今申し上げられる段階にありません。コメントは差し控えたいと思います。
(報道官)外務報道官談話を発出させて頂きます。
現在チャドで行われている反政府勢力による権力奪取のための武力攻撃は、チャド東部情勢の安定化のための国連中央アフリカ・チャド・ミッション(MINURCAT)の展開を含め、国際社会が治安・人道状況の改善のために行ってきたこれまでの努力を無視する行為であり、我が国はこれを強く非難する。
我が国は、アフリカ連合(AU)及び周辺諸国等が対話に向けた調停を行うことを歓迎すると共に、全当事者に対し、自制と対話を通じた平和解決を呼びかける。
以上です。なぜこのような談話を出すのかは、ご案内の通り、1月31日以降、今申し上げた反政府勢力による武力攻撃がチャドの中で発生しているということで、安保理においても4日午前、安保理会合で重大な懸念を表明し、反政府武装勢力に対する非難の声明を出しております。日本政府としても、日本の立場をはっきり表明すべきという判断で、この談話を出すものであります。
それから、在留邦人の関係ですが、今、チャドの情勢悪化を受けて、4日時点で「全土に待避を勧告します。渡航は延期して下さい」という渡航情報を発出しております。在留邦人の方は4日現在、8人滞在しておられますが、チャドを兼轄している在カメルーン日本大使館を通じて安否確認の努力を継続して行っているところです。また、チャドにあるフランスの大使館に対しては、邦人保護のための支援・協力を依頼して
いるところです。
(問)米国大統領選挙ですが、今晩から投票が始まりますが、スーパー・チューズデー、外務報道官は、この大統領選をどのように眺めていますか。
(報道官)米国の大統領選挙は、日本の同盟国たる米国の最重要の政治的イベントであり、注視しているということに尽きると思います。
私個人的にも、直前までロサンゼルスの総領事をしておりましたので、とりわけカリフォルニア州における動向が、民主党、共和党、何れにしても、どういう風にカリフォルニア州民が判断するかということには、非常に興味をもって注視しております。
(問)舛添厚生労働大臣が今朝、中国の日本大使館に食の安全担当を駐在させることを検討するという話をしたのですが、それについてどのような感想をお持ちでしょうか。
(報道官)本日の参議院の予算委員会における今ご指摘の大臣答弁については、私どもも承知しておりますが、何れにしても、所管の厚生労働大臣のそういったご発言も踏まえて、今後政府部内で要すれば、所要の調整が行われることになるのではないかと思います。それ以上のことは承知しておりません。
(問)もし駐在させるとしたら、厚生労働省の方から、という形になるのでしょうか。
(報道官)未だ、大臣ご自身のお考えも本日の国会答弁以上のことは承知しておりませんので、今、私が外務報道官の立場でそれ以上のことを推測で発言することは控えたいと思います。ご理解頂きたいと思います。
(問)現段階では、外務省と調整の上での大臣の発言ということではないということですね。
(報道官)大臣のご判断で、その答弁の中で仰られたことだという風に理解しております。
(問)ギョウザの関係ですが、今日も中国で、日本政府が派遣した皆さんが中国当局と話し合ったり、工場を見学したりという予定だと思うのですが、最新の動向については何か入っているでしょうか。
(報道官)今朝ほどは大臣の方から、昨日夜に日本側調査団が北京入りして、本5日、検疫当局との会合を行って、その後、河北省に移動し、天洋食品工場の視察を行う予定であるというところまでは申し上げたと思いますが、先程私どもに入ってきた連絡は、以下の通りです。
今朝の8時半から中国側の王大寧国家品質監督検査検疫総局というところの輸出入食品安全局長と協議し、今後の取り進め方について話合いをした。先方王局長から、天洋食品工場は、日本の厳しい品質規格に対応した工場であり、中国側の調査では、メタミドホスが混入した形跡は確認されなかったという話がありました。日本側からは、同工場における生産工程等の分かる資料の提出を求め、中国側からは、快く提出する旨の話があったということです。最終的には、日中が協力して、本件の解明に努めるということで意見が一致したということです。
なお、日本側調査団は、日本時間で15時半に河北省に到着したということです。今後、河北省政府他への情報確認や工場調査等を通じて、引き続き調査を進める予定ということです。
(問)未だ工場は見ていないのですか。
(報道官)私どもが連絡を得た時点では未だしということだと思いますが、何れにしても、今日中には工場調査は行う予定だと理解しております。