記者会見

報道官会見記録(平成19年10月)


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報道官会見記録(平成19年10月31日(水曜日)17時11分~ 於:本省会見室)

カタール合同経済委員会第2回会合の開催

(報道官)11月2日(金曜日)に東京三田共用会議所で、日本とカタールの合同経済委員会第2回会合が開催されます。この合同経済委員会の会合には日本側からは高村外務大臣、甘利経済産業大臣他事務方が参加し、カタール側からはアティーヤ副首相兼エネルギー・工業大臣他が出席します。この第2回会合では、昨年の11月に開催された第1回会合に続き、エネルギー分野での協力、ビジネス環境の整備、投資分野の協力といったことが話し合われる予定になっています。特に今回は、これまで作業部会で何回か協議してきたことを踏まえてビジネス環境整備のためのアクション・プランの策定、投資協定交渉の扱い等が議論されると承知しています。

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米原子力空母ジョージ・ワシントンへの交替に係る安全対策等に関する三者会合

(報道官)同じく11月2日(金曜日)、午後1時から約30分間、西宮伸一外務省北米局長が、ジェームズ・ケリー在日米海軍司令官と共に横須賀を訪問し、蒲谷亮一横須賀市長と三者会合を開催する予定があります。来年夏に予定されている米原子力空母ジョージ・ワシントンへの交替に関する安全対策等について協議を行います。これまで在日米海軍、外務省、横須賀市の三者間において、実務者レベルで5回ほど、安全・安心対策について協議を行ってきており、11月8日(木)に横須賀市で実施を予定している「日米合同訓練」についての訓練シナリオの作成を中心に、これまでの取組を総括すること、及び今後の取組について意見交換する予定です。

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ヴォルフルム国際海洋法裁判所所長の訪日

(報道官)11月15日から、国際海洋裁判所のヴォルフルム所長が訪日します。外務省の招聘による訪日です。ヴォルフルム所長は日本滞在中に政府要人との会見、海洋法関係者との意見交換を行う他、京都等地方を訪問して有識者との意見交換を予定しています。今回の所長の訪日招聘の目的は、海洋法裁判所の活動に関する国内での理解を深めたいということと、国際社会における所謂「法の支配」を推進していく我が国の外交姿勢を対外的に示すということです。
 ご参考までに、御存知とは思いますが、今年、第88豊進丸と第53富丸という日本漁船のロシアによる拿捕事件があり、7月にこの日本漁船の釈放を求める裁判を起こしたのがこの国際海洋法裁判所です。日本は国際海洋法裁判所への最大の拠出国であり、柳井元駐米大使が裁判官として加わっております。

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ナルイシキン露副首相の発言について

(問)ロシアのナルイシキン副首相が読売新聞のインタビューに答えて、北方領土を含む領内のあらゆる場所への投資活動を歓迎すると発言し、北方領土での第三国企業による経済活動を受け入れる方針を示しているのですが、それに対する外務省の立場はどの様なものでしょうか。

(報道官)今朝の報道でナルイシキン副首相が、今ご指摘になられた様な発言を行ったというインタビュー記事を見せて頂きました。具体的にどのようなご発言だったのかについては、その詳細或いは真意は承知致しませんけれども、ご指摘の北方領土に対する第三国の企業の受け入れ、或いは前に労働者の受け入れという問題がありましたが、これについては日本側から累次に亘って、ロシア側に対して北方領土問題に対する我が国の立場を伝えると同時に、第三国の労働者或いは第三国の企業の受け入れというものは、日本の対露感情に決して良い影響を与えるものではなく、また、日露間の領土交渉それ自体に悪影響を及ぼすことになりかねないので、避けてもらいたいと申し入れて来ています。
 先週のラヴロフ外務大臣訪日の際にも、高村大臣から特に労働者の受け入れという問題に関連して、今申し上げたような申し入れを行っています。これに対してラヴロフ外務大臣は日露双方に受け入れ可能なやり方で、協力していきたいという趣旨の発言をしています。ロシアが北方領土問題に関する我が方の法的な立場を害さない形で、例えば日本企業の受け入れといったことを念頭に置いているということであれば、政府としてはロシアとの間で議論していく用意はあります。

(問)これを受けて直ちに遺憾の意を伝えるとか、何らかの申し入れを考えているのでしょうか。

(報道官)来週ナルイシキン副首相ご自身が日本においでになるので、今申し上げたような労働者や企業の受け入れ等についてもお話をする機会はあるだろうと思いますし、我が方としてどう対応するかは、具体的に副首相からお話を伺った上で考えることだろうと思います。少なくとも、先週のラヴロフ外務大臣との会談の際には、今申し上げた様な申し入れを行っています。

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テロ対策関連新法

(問)明日でインド洋の自衛隊の給油活動が中断されますが、それに関連して米国側に改めて総理なり大臣なりから事情を説明する電話等は、検討されているのでしょうか。

(報道官)この機会に改まった形で米側に連絡を取るという話を私は承知しておりません。先般、谷内事務次官が訪米し、テロ特措法に係わる問題については詳しく米国側に事情を説明していますし、今日は在京各国大使の説明会も行われたと聞いておりますので、日本国内における事情については米国を始めとする関係国は十分承知して頂いていると思います。
 インド洋での給油活動の継続については、政府として新しい法案を国会に提出し、その法律が出来るだけ早く成立することで、給油が中断する期間が出来るだけ短くなるよう、私どもは希望しております。一時的とはいえテロとの闘いに対する日本の国際社会への参加、協力がこうした形で不可能になるということについては、大変残念だと思っております。

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イランにおける邦人の誘拐

(問)イランでの誘拐事件についてですが、イランの報道官によれば邦人の身柄について、パキスタンとの国境にあるというようなことを言っていますが、日本政府としてはこれをどのように把握されているのでしょうか。何か対応があればお願いします。

(報道官)基本的にはイラン政府、その治安当局に、誘拐されている邦人が一刻も早く無事に解放されることを希望すると伝えており、イラン側においてはその為に大変な努力をしてくれていると受け止めております。身の安全に係わる情報についても、頻繁に情報提供を受けています。現時点で新たな情報が入っているということはありませんが、是非、イラン政府による努力が実を結んで、安全かつ早期の解放に繋がっていくことを期待しています。

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ヒル米国務次官補の訪日

(問)今日、北京で米朝協議が行われており、日本政府もその進展を見守っていると思いますが、その後ヒル米首席代表が日本に立ち寄られるのか、その日程は確認されていますか。

(報道官)ヒル米国務次官補の訪日に関しては米国務省の発表で、明日は韓国、明後日2日(金曜日)は日本に来るという日程が明らかにされていると承知しています。具体的な到着・出発時刻までは聞いていませんが、金曜日に外務省の関係者、特に佐々江アジア大洋州局長と話し合いの機会が持たれるだろうと承知しております。

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報道官会見記録(平成19年10月30日(火曜日)17時08分~ 於:本省会見室)

駐日韓国大使の高村大臣訪問

(問)韓国大使が今日これから高村外務大臣と会われて、金大中氏事件の報告書について説明をなさると思いますが、方針としては主権侵害等について、どのような説明をなされていたとお考えでしょうか。

(報道官)今朝も大臣がご質問を受けて申し上げたと思いますが、先般の韓国側の報告書の発表を受けて、報告書の内容について韓国政府自身の立場として確認したということで、日本国内における公権力の行使が行われたことが明らかとなりました。そのことについては、日本政府として韓国側に遺憾の意を伝えています。 
 これから韓国大使が大臣のところにおいでになるので、まずはその発言を待ちたいと思います。この場で希望や憶測を申し上げるよりも、大使からの説明を受けたいと思います。

(問)当初は昨日いらっしゃる予定だったのを、日本政府が断ったという情報がありますが、如何でしょうか。

(報道官)両国間で日程の調整を行った結果であって、日本側が断ったということではないと思います。在京韓国大使館の方でも色々と本国と連絡をとっていたのではなかと思いますし、そういった双方の都合を調整した結果、今日の夕刻になったということであって、「一刻も早く日本側と会いたい」という韓国側の希望を日本側が拒んでいた、ということではないと承知しています。

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ソマリア沖における船舶の拿捕

(問)ソマリア沖で、日本船籍の貨物船が海賊に襲われた事件についてですが、外務省はどのような対応をされているのでしょうか。

(報道官)ご指摘の情報を得て現在、関係する様々な国際機関と連絡をとり、また欧米主要国から関連の情報を集めているところです。現在、ケミカル・タンカーとされる船舶と交信が取れない状態になっているので、何者かによってシー・ジャックに遭ったのではないかという想定の下に、関連情報の収集を行っているということです。現在、その船舶がどこにいるのか、具体的な所在、またどのような状況に置かれているのか等状況の確認につき、鋭意情報収集を行っているということです。
 なお、この船舶から遭難信号が発信されたのが、日本時間で28日午前11時24分とされており、既に2日以上経っている訳ですが、鋭意様々な方面と連絡を取って所在及び現段階での状況の確認に努めているという状況です。

(問)これは海賊、テロ組織によるものなのでしょうか。

(報道官)何者によってシー・ジャックに遭っているのか、今のところ確定的に申し上げる情報には接しておりません。一般的に、イエメンとソマリアに挟まれた海域は海賊が非常に横行してしている危険な海域であるということは広く言われていますが、こと今回の事案について何者がシー・ジャックしていたのかということについては、断定するだけの材料は持ち合わせておりません。

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イランにおける邦人の誘拐

(問)イランの邦人誘拐事件ですが、直近の安否情報と解放の見通しについてお願いします。

(報道官)昨日の段階で、イラン側からは無事であるという連絡を頂いています。それが最新の情報ですが、解放に向けての見通しについては、現時点ではまだ見通しを申し上げられるような状況にありません。

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報道官会見記録(平成19年10月24日(水曜日)17時07分~ 於:本省会見室)

木村副大臣のウラジオストク訪問について

(報道官)明日10月25日(木曜日)から27日(土曜日)まで、木村外務副大臣はウラジオストクを訪問し、26日(金曜日)から27日(土曜日)にかけてウラジオストクで開催される日露間の貿易経済政府間委員会地域間交流分科会の第1回会合に出席します。ウラジオストク滞在中、副大臣は、「極東・東シベリア地域における日露間挙力に関するイニシアティブ」についてのフォロー・アップを始めとする二国間関係等について、ダリキン沿海地方知事他ロシア中央政府及び地方政府の要人等と意見交換を行う予定です。
 この地域間交流分科会は今回初めて開催されるものですが、今年2月にそれまで極東分科会と呼ばれていたものを発展的に改組したものであり、日露間の地方レベルでの経済・文化・人的交流を促進していくことを目的としております。
 参加者は、政府或いは地方自治体に加えて、日露経済交流に関心の高い経済団体を含む企業関係者の参加も想定されています。

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北方領土問題

(問)ロシアのコメルサント紙で、昨日の日露外相会談において、日本側から平和条約を締結して、先ず二島返還して欲しい旨の提案があったとの報道がありますが、事実関係は如何でしょうか。

(報道官)コメルサント紙で報道されているような提案を日本側が行ったという事実はありません。
 昨日行われた日露外相会談において、両国の外務大臣は領土交渉を行う中で、日露関係をより高い次元に引き上げるための努力を引き続き行うとともに、領土問題の最終的解決に向け、これまでの諸合意及び諸文書に基づいて、双方に受け入れ可能な解決策を真剣に検討していくことを確認しました。
 日本政府としては、こうした日露両国の一致した認識を踏まえて、北方領土問題の最終的解決に向けて具体的な進展が得られるように北方四島の帰属の問題を解決して、ロシアとの間で平和条約を締結するという基本方針に従い、強い意志を持ってロシアと交渉を進めていく考えです。

(問)四島の帰属を確認した上で平和条約を締結するという日本政府の方針は、今後如何なる事態があっても動かないということでしょうか。

(報道官)然り。ただ、北方四島の我が国への帰属が確認されるのであれば、実際の返還の時期や態様については柔軟に対応する考えです。これは、従来から述べている基本的立場であり、これに変更はありません。

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金大中事件に関する韓国国家情報院の報告書について

(問)本日、午前中に韓国から発表された金大中事件の概要や新たな真相についてですが、その中で韓国側は日本が当時、事件を隠蔽することに携わって非常に遺憾だというような立場を表明しています。改めて受け止めと、それについて韓国側に更に事情を確認したり、アクションを起こすのか等を含めてお聞かせ下さい。

(報道官)本日、木村外務副大臣が柳明桓(ユ・ミョンファン)在京韓国大使を召致して報告書の中身についての説明を受けると共に、韓国の情報機関KCIAが事件に関与していたことが調査結果として明らかになったということですので、韓国政府として、そのような立場を取るということであれば、日本国内における公権力の行使になりますから、それについて副大臣から遺憾の意を表明しました。これに対し、柳在京韓国大使は副大臣から申し入れを本国政府に報告し、それについての韓国政府の立場を出来る限り速やかに日本側に伝えたいという考えが表明されました。
 ご指摘の報告書の中における日本側の責任という点については、当時の状況を振り返って申し上げる必要があると思います。金大中事件に関しては、事件当時の捜査の結果、在京韓国大使館の書記官が犯行に荷担した容疑が濃厚となり、我が国の主権が侵害された可能性が強くなったが、韓国側がこの書記官の日本における事情聴取を認めなかったということ等から、我が国における韓国側の公権力の行使を裏付ける確証が得られなかったという経緯があります。
 その後、我が国として、この被疑者に対する独自の捜査を行うことが出来ない中で、韓国政府が韓国国内で被疑者の捜査を行い、その結果として被疑者の嫌疑事実を立証し得ず不起訴処分とした旨の通報が当時、韓国側からありました。
 我が国としては、金大中事件の捜査に関しては、国際法及び国内法に従って最大限の努力を行っており、事件発生初期に真相が究明されなかった責任が日本側にもあるという主張は到底受け入れられません。
 当時の捜査の過程で、被疑者として浮かび上がった在京韓国大使館の書記官の事情聴取について韓国側からの協力が得られなかったことが事件の解明、究明を困難にしたという背景があるので、日本側にも外交的決着を図ったことに係わる責任があるとの主張については、当時の状況からして、到底受け入れられるものではありません。

(問)捜査当局の対応はそれはそれとして、今回の報告書の発表を受けて韓国側には外交上、具体的にどのような措置を求めるのでしょうか。

(報道官)韓国側は当時の状況を改めて調査し、今日、その結果を発表した訳ですが、これはあくまでも事件そのものについての調査結果の発表であり、日本との関係について韓国政府としての立場を表明したものではありません。従って、今日、木村副大臣から柳在京韓国大使に求めたように、調査結果の報告はそれとして、日本政府に対しての韓国政府の立場をきちんと伝えてもらいたいと思っております。
 これに対し、柳在京韓国大使からは速やかに本国に報告をして、その結果を早期に日本側に伝達する旨述べたと聞いております。韓国政府の立場を早期に回答頂いて、それを踏まえ日本政府としてどのような立場を取るのかということになっていくものと思います。また、我が方における金大中事件そのものの捜査は現在も継続していますので、今回の韓国側における調査結果を踏まえ、捜査当局において如何なる対応をとるのか判断することになると思います。

(問)柳在京韓国大使、或いは韓国側からの謝罪は今の時点ではないのでしょうか。

(報道官)柳在京韓国大使からは今回、調査結果についてお伝えしたいということで調査結果の中身について説明を受けた訳ですが、それを受けての日本政府に対する韓国政府の立場についてのメッセージはありませんでした。しかし、韓国として、自国の情報機関KCIAが関与していたという調査結果を出したのですから、日本側からは、日本における韓国側の公権力行使がなされたことに対して、誠に遺憾であるという立場を伝えた次第です。その上で我々としては、韓国政府の日本政府に対する立場についてきちんとした連絡・伝達を受けたいと思っており、大使自身は出来るだけ速やかに伝達致しますということですので、先ず、それを待ちたいと思います。

(問)韓国側の対応次第という部分もあると思うのですが、関係者の処分や損害回復と言うのでしょうか、このようなものを求めていく可能性はあるのでしょうか。

(報道官)日本側においては、捜査当局による対応の問題があります。韓国側での調査結果はそれとして、日本側における捜査をどうするのかという問題が先ず生じるのではないでしょうか。
 従って、韓国政府から如何なる立場が伝達されるかということと、我が国の捜査当局による対応を基本として、日本政府としての、この問題へのこれからの取り組みが決まっていくのだろうと思います。
 今回はあくまでも、韓国側が行った調査の結果の通報を受けたという段階です。

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報道官会見記録(平成19年10月23日(火曜日)17時08分~ 於:本省会見室)

北朝鮮問題

(問)今日、佐々江アジア大洋州局長が訪米しましたが、改めて日朝協議はどのようなことを議題にし、何を米側に求めるのか、その辺についてお聞かせ下さい。

(報道官)六者会合全体の枠組みで言うと、10月3日に「次の段階」に向けての合意が為され、また、元々2月の合意の時点で「初期段階の措置」が実施された後、閣僚レベルの会合を速やかに開くことで合意されているので、大きな流れとしては、その閣僚会議の開催に向けて各種作業が行われるという状況です。また、閣僚会議が開かれることになれば、当然、そこで成果のある話し合いが行われるように、事前に作業部会、首席代表レベルでの作業、意見調整が行われていくというプロセスが現在進行していると思います。その中で、日本と米国が密接に連絡、協力をしていくことは極めて大事なことですので、今回、佐々江アジア大洋州局長が米国に行き、ヒル国務次官補等と意思疎通を図って来るのだと、そういうことだと思います。
 作業部会との関係では、米国は昨日の国務省の記者会見で米朝間の実務者同士の協議がニューヨークで行われたと発表されていますが、やはり米国として、そういう実務的な作業を進めて米朝協議の進展を図っていきたいということでしょうし、エネルギー支援の関係では作業部会が来週板門店で行われ、重油の支援に加えて施設や資材の供与をいつ、どのように行うかといった中身について協議を進めていくことになっております。
 従って、いつの時点でどういう形での閣僚レベルの会合になるか現段階では見通しは立て難いのですが、全体の流れとしてはそこで意義のある結果を出せるようにということで非核化を中心とするテーマについて具体的な協議が進行していくという状況だろうと思いますし、今回の佐々江局長の訪米もそのような流れの中にあると理解頂ければと思います。

(問)関連して、ラブロフ露外相と一緒に訪日したロシュコフ外務次官が、六者会合開催後の11月下旬から12月の初めに閣僚会議が開かれる可能性があるとロシアの記者に言ったようなのですが。

(報道官)現時点で、具体的にどの時期に閣僚会議を開催するかという話は進行しておりませんので、ロシュコフ外務次官の個人的なご意見と受け止めています。繰り返しになりますが、現時点で何か具体的に特定の時期の開催に向けた話し合いが行われているとは承知しておりません。

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報道官会見記録(平成19年10月17日(水曜日)17時08分 ~ 於:本省会見室)

国連総会への我が国核軍縮決議案の提出について

(報道官)日本時間で明朝になりますが、第62回国連総会第一委員会に対し、核軍縮決議案を提出します。我が国は1994年以来、毎年、核軍縮決議案を国連総会に提出して来ており、昨年は核兵器国(英、仏、露)を含む国際社会の圧倒的支持を得て採択されています。本年の決議においては、新たな国際情勢の変化及び核軍縮分野の進展を踏まえ、3年後に迫った2010年NPT(核不拡散条約)運用検討会議に向けての協力を国際社会に呼びかけること等を盛り込んだ内容となっています。

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国際シンポジウム「アジア太平洋地域の持続的成長」の開催について

(報道官)来週25日(木曜日)に京都において、京都大学と共催で、経済関係の国際シンポジウムを開催します。「アジア太平洋地域の持続的成長:進化する相互依存とリスク・マネジメント」というテーマでアジア太平洋地域の13の国・地域の他、IMF、世銀、アジア開発銀行、OECD等の国際機関の関係者も出席する予定です。このシンポジウムでは、アジア太平洋地域における相互依存関係の深化が、域内各国の産業構造或いは経済社会にどのような影響を及ぼしているのかということ、或いは環境・エネルギー面でどのような配慮が必要になってくるのかという点を中心に議論し、アジア太平洋地域の共通リスクを特定・評価するということ、その上でリスク・マネジメントの方法を論じるということです。翌26日には専門家のラウンド・テーブルを開き、そこではリスクに対応するための情報共有メカニズムの構築について詳細に議論する予定です。経済分野における我が国の地域的なイニシアチブということで、ご紹介いたしました。

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横田基地の軍民共用化

(問)今日一部報道があった横田基地の軍民共用化の問題について、現状どのようになっているのか教えて下さい。

(報道官)横田基地の軍民共用化の問題は、昨年5月に再編実施のための日米ロードマップを採択し、それに基づいて昨年10月からスタディ・グループということで、12ヶ月以内に軍民共用使用の具体的な条件、或いはどういう態様のものにするのかについて検討を行ってきています。具体的な中身についても、間もなく取りまとめに当たるということで、かなり大詰めの議論ということですが、引き続き米国とは協議を続けているということです。スタディ・グループの結果が出て来た暁に、日米両政府で協議を行い、必要かつ適切な決定を行っていくことになります。このスタディ・グループの検討結果は、報告書という形で近々まとめられると了解しております。

(問)報告書がまとめられる前ですが、現段階では非常に厳しい状況で、見送られる公算が大きいのですか。

(報道官)現在協議が大詰めの段階ということで、米国とも鋭意話し合いを続けておりますので、その内容を申し上げるのは控えておきますが、いずれにしても報告書という形で取りまとめて、両国政府に提出し、必要な決定を行うという段取りで鋭意作業しております。

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PCIによる不正問題

(問)政府の中国での遺棄化学兵器の処理に関連して、コンサルタント会社が今日、東京地検の捜査を受けましたが、受け止めと外務省としての対応は如何でしょうか。

(報道官)パシフィック・コンサルタンツ・インターナショナル(PCI)が、内閣府の委託事業である遺棄化学兵器の関連事業を実施する中で不正な経理処理を行ったのではないかという疑いで、捜査を受けるという状況に至っていると承知しています。PCIについてはODA事業との関係でも過去に何回か名前が出て来たのをご記憶かと思います。特にJICAの事業に関連して、海外での事業の再委託に当たって、不正な経理処理を行ったことが問題になり、徹底した調査が行われた結果、当初問題になった事案以外にも何件か不正な処理があったということで、これまでPCIについては、何回か入札に関する指名停止措置を受けた経緯があります。本件についてはJICAによって必要な調査が行われ、国会にも報告されたという経緯があります。従って、ODA関連については調べられることについては既に調査が行われ、その結果も報告され、不適正な請求があった金額については返金されたと承知しています。そうした中にあって、今回の遺棄化学兵器の関連でどのような事実が判明して来るのか、捜査に関係する事柄ですので、これ以上コメントすることは差し控えたいと思います。今のところODAの関連が今のところ直接出て来ているということではないようですが、そういう点についても十分注意しつつ、捜査の成り行きを見守っていきたいと思います。

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給油新法

(問)テロ特措法に代わる給油新法が今日、閣議決定される見通しですが、法案の成立に向けた期待と、仮に11月1日に期限が来て、給油が中断されることになった場合、日本の国際貢献のあり方が世界から問われるのではないかと思いますが、日本外交への影響はどうお考えになりますか。

(報道官)インド洋におけるテロへの抑止活動、海上阻止活動と呼ばれるものが、テロとの闘いという大きなコンテクストの中で非常に重要な部分を占めていて、日本の給油・給水活動についても関係する国々から高い評価を受けているというのはこれまで申し上げて来た通りです。政府としては是非ともこの活動を継続していきたく、今夕新たな法案の提出ということになるのだろうと思います。早期の成立を期待したいと思います。
 他方で、11月1日に現在のテロ特措法に基づく給油活動が期限を迎えるということで、中断するのではないかという見通しが示されておりますが、これについては誠に残念なことですが、そういうことになった場合でも、出来るだけ短い期間で再度この給油活動が再開出来るようになることを強く希望致します。その先は国会でのご議論ですので、私どもの方からコメントすることは控えたいと思いますが、新しい法律が出されるということになれば、その早期の成立を期待したいと思います。

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イラン邦人誘拐事件

(問)今、小野寺副大臣がイランのテヘランに到着して、色々と先方の関係者に会っているようですが、午前中はどんな所を回られて、事件に関する新たな情報は入ったのかどうか教えて下さい。

(報道官)ご質問の最後の部分についてまずお答えすると、まだ現地からの連絡に接しておらず、具体的にどういう反応や説明がイラン側からあったのかは、現時点では承知しておりません。副大臣は、今日の午前中の段階で、イラン外務省の領事を担当する次官と会われ、また、警察のトップの方とも会われていると聞いています。午後についてはモッタキ外務大臣とお会い出来そうだと聞いております。日本時間では夜に入ってしまうかと思いますが、イラン側からどのような説明が得られるのか注目したいと思います。副大臣から先方へのメッセージは非常に明確で、今回の誘拐事案について一刻も早く無事解放されるということを強く期待し、イラン側の最大限の協力、努力をお願いしたいということに尽きます。そういうメッセージを政治レベルでイラン側に伝えるということに、今回の小野寺副大臣訪問の最大の意義があるだろうと思いますし、イラン側にもきちんと受け止めてもらいたいと思っております。

(問)事件発生から今日で10日経ち、今のところ砂漠地帯にいらっしゃるという情報がありますが如何でしょうか。

(報道官)イラン側からは特に全力を挙げて問題解決に取り組んでいるということで、現地での様々な努力、情報等について随時説明を受けている訳ですが、その中身がどういうものかについて、現時点では説明を控えさせていただきます。イラン側において、相当力を入れて取り組んでくれているということは十分私どもに伝わってきておりますし、それが良い結果をもたらすことを強く期待したいと思います。小野寺副大臣は、日程を終えた後、記者の皆様に現地での様子を説明されると承知しております。

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ラブロフ露外相の訪日

(問)来週、ロシアのラブロフ外相が訪日しますが、位置付けと今回の会合における期待についてお聞かせ下さい。

(報道官)先般シドニーで行われたAPEC首脳会議の際の日露首脳会談で、今後の日露間の協力についての方向が議論されましたが、その際にラブロフ外相が10月下旬に訪日して外相レベルでの協議を行うということで両首脳間で一致しておりました。来週の23日(火曜日)、24日(水曜日)の訪日となりますが、日露間での様々な協力事項、とりわけ極東・東シベリアでの協力事業について更に議論を深めていきたく、また、日露間における最大の事案である領土問題について、日露双方に受け入れ可能な解決策について更に議論を深めていきたいと思います。その他、国際的な諸情勢に関わる議論もあるかと思いますが、日本とロシアの二国間ということで言えば、領土問題と極東・東シベリアにおける協力事案についての議論を深めていくということが中心になると思います。

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報道官会見記録(平成19年10月16日(火曜日)17時05分~ 於:本省会見室)

北朝鮮問題

(問)非公式で日朝当局者間の接触があったようですが、次の作業部会に向けた調整状況についてお願いします。

(報道官)日朝作業部会については、9月末に行われた先の六者会合で、精力的な協議を行い、具体的な行動を実施していくということを約束し、それが成果文書の中にも書かれていますので、正にその時の了解し合ったラインに沿って精力的に協議を行っていきたいと思っています。ただ、会うだけで具体的成果がないのでは作業を前進させることになりませんので、少しでも具体的成果を生み出すような形で協議の場を設けていくべきだろうと考えています。昨日、谷内次官からもお話したかと思いますが、そういう機会を持てるのであれば、次回協議のタイミングとしては早ければ早い程良い訳で、そのための準備も必要になるということだと思います。

(問)早ければ早い程良いということですが、可能であれば月内にもということでしょうか。

(報道官)文字通り、早ければ早い程良いということに尽きる訳で、現時点で具体的に次の作業部会の日程が決まっているということはありません。

(問)となると、非公式折衝がまだまだ続いていくと考えてよろしいでしょうか。

(報道官)非公式折衝というか、開催に向けての調整作業は当然行っていくことになろうかと思います。

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イラン邦人誘拐事件

(問)イランの邦人誘拐事件ですが、14日夜の時点で無事を確認したということですが、どのような形で、どんな情報を得ているのでしょうか。

(報道官)誘拐されている邦人、中村さんとされている方の状況について、大臣からお話した通り、14日夜に、無事が確認されているという連絡がイラン当局側から我が方にあったということです。小野寺副大臣が現在イランに向かっておりますので、明日17日にイランの関係者、中でも外交当局及び治安を担当している内務省の関係者と会い、早期無事解放に向けて、イラン側の協力を求めていくことになります。その際にイラン側から最新の状況についての説明が得られるだろうと思いますし、是非、早期の解放に向けて事態が進展していくことを強く期待していきたいと思っています。

(問)会談相手については、どこで誰と会うのでしょうか。モッタキ外相と会うというお話もあるようですが。

(報道官)まだ具体的に誰ということは確定していません。私どもの希望という点で言えば、外交当局の責任者ということでモッタキ外務大臣にお会い出来ればと思っておりますが、なかなか色々な外交日程が錯綜しているという事情が先方にもあるようですので、モッタキ大臣に限らず、然るべき責任のある立場の方に会いたいと思います。また、内務省の治安当局もかなり組織的に中村さんの解放に向けて取り組んでいるようですので、その関係者、責任者に会って頂きたいと思っておりますが、現地での会見先についてはなお調整を続けているという状況です。

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報道官会見記録(平成19年10月10日(水曜日)17時05分~ 於:本省会見室)

第10回東シナ海等に関する日中協議

(問)明日、東シナ海のガス田の協議が行われますが、何か期待することはあるでしょうか。また、報告の目処とされている秋を迎えますが、何らかの報告がまとめられる見通しはあるのでしょうか。

(報道官)昨日もこの会見の場で東シナ海に関する日中協議の開催について、現時点での私どもの考えをご説明した訳ですが、今、ご質問がありましたように期待していることがあるかと問われればそれは当然期待していることはある訳です。これまでの協議において、共同開発の在り方について日中双方の考え方の間に未だ大きな開きがありますので、我が方としてはこれを埋めて具体的な協力活動が出来るようにしていきたいと思っております。明日午後、局長レベルで話し合いが行われる訳ですが、是非、両国首脳に具体的成果として報告出来るような議論が行われることを強く期待したいと思います。

(問)高村大臣は、ある意味では中国側の歩み寄りに非常に強く期待を示されていますが、日本側から新たに提案するような内容は今回もあるのでしょうか。

(報道官)日中協議の場で、これまで9回議論した中で日本側の案、考え方を中国側に示して来ている訳で、それについては中国側にとっても受け入れられる内容ではないかということで提案している訳ですが、残念ながらこれまでの議論では中国側からは日本側の案について前向きな反応が得られておりません。
 また、これまで度重なる政治レベルの話し合いの場、これは今年の4月の日中首脳会談もそうでしたし、その後の外相会談等でも何度も取り上げて来ており、その都度、中国側の政治レベルでの決断を是非してもらいたいということを強く伝えると共に、この問題が日中間に戦略的互恵関係を築いていく上で非常に重要な部分であるということを指摘して来ております。そういう意味で、明日の協議で中国の政治的な判断を踏まえた対応が行われることを望みます。

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テロ特措法

(問)本日午前中の衆議院予算委員会でキティホークの給油の問題等について色々なやり取りがありましたが、米国からの資料を基に石破大臣からかなり詳しい説明があった訳ですが、これでこの問題は国民の理解を得られるまでに至ったとお考えでしょうか。

(報道官)予算委員会での議論を具にフォローしていた訳ではありませんが、キティホークの問題は、2003年3月の所謂イラク戦争が始まる前の段階で「不朽の自由」作戦(OEF)に参加するキティホークに給油をしたにも拘わらず、その折に給油を受けたキティホークがその後、ペルシャ湾等に入っていたのではないかということからイラク戦争の関与への疑問が呈されたと承知しますが、当時の様々な状況及び私どもが得ている情報からして、キティホークが日本から給油された油を使ってイラク戦に関わっていたということはないと受け止めており、そのことを石破大臣は詳しく説明されたと思います。
 今日の議論の中でも色々な論点が出されていましたが、テロ特措法に係る法文上の問題と実際に日本はどういう協力活動を展開して来たのかということをきちんと整理して議論する必要があると思いますし、また、議論を聞いている立場からしますと、その辺の整理をきちんとした上で議論の展開を聞いておきたいと、私自身は感じました。
 これは2001年10月にOEFが開始された当時の米国や英仏等の自衛権に基づく武力行使、それから11月にテロ特措法が成立した後のアフガニスタンの地上に於ける掃討作戦に対して、これらOEFに参加する諸外国の軍隊等の活動を我が国が協力・支援することは一定の基本原則の下、即ち、日本自身が武力を行使しない、非戦闘地域である等の法律に書いてある前提で、且つ、それを基本計画に盛り込むことにより法文上可能であったと理解しております。しかし、実際に日本が何をやって来たのかという議論になると、これはインド洋に於ける阻止活動に参加する艦船への油、艦載のヘリコプターへの油、それから水を供給し、海上での阻止活動に参加するものであった訳です。
 初期の段階に於ける協力・支援活動に関して、法律上のやや理屈っぽい部分と実際の日本のオペレーションを少し整理しておかないと議論が煩雑になると言いますか混乱するところがあるのかなと思いながら、今日の議論を聞いておりました。
 国民の方々にも是非、国会での議論を注意深くフォローして頂いて、今後提出される新しい法律、今日、官房長官は来週にも提出すると仰っていたかと思いますが、活動範囲を給油と給水に限定して法律を出すということですから、2001年の10月から11月当時の法律上の議論と現時点で新しい法律をもって何を実施していくのかという議論を少し整理して理解頂く必要があるのかなと思います。
 長い返事を申し上げて恐縮ですがご指摘がありましたので私個人の感じを含め申し上げました。

(問)国会での議論を聞いていて分かり難かった部分として、給油を受けてからキティホークは3日で消費してしまったと。石破大臣の話ですと、その間に艦船に乗っている飛行機が搭載機が飛んでいる作業がと、菅民主党代表代行はそこがイラク戦争に荷担したのではないかというような指摘をしてましたが、それに対しては石破大臣は明確な応えを出さなかったのですが、そこは政府としてはどういう風に把握しているのでしょうか。

(報道官)私自身はキティホークが給油を受けた後の数日間の具体的なオペレーションの詳細を承知しておりません。従って、防衛大臣が申された以上のことを私から申し上げることはないのですが、何れにしても、イラク戦に使われたかどうかについては、そのような説明や話は米側から受けておりませんので大臣が申された通りに受け止めて頂きたいと思います。

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ミャンマー情勢

(問)昨日もお話はありましたが、その後先方から何らかの反応があったのかどうかという点と、こちらから新たな働き掛け等があったのかお聞かせ下さい。

(報道官)日本とミャンマーの関係に関して申し上げますと、昨日、この会見でご報告した以上の展開はその後ございません。他方で私どもも今、ミャンマーとの関係で注目しているのは国連の安全保障理事会における議論です。是非、安保理として民主化に向けた明確なメッセージを出して頂きたいと思っておりますし、また、ガンバリ特使による継続的な周旋努力、関係者の間での話し合いを取り持つという周旋努力が継続的に実施されていくことを望んでおります。

(問)きちんとしたメッセージというのは今、色々言われている決議の内容を見ると、非難決議から遺憾決議みたいな形で調整が行われているようですが、日本政府としては、きちんとした非難をするような厳しい決議が必要だとお考えなのか、それとも所謂、安保理がきちんと協議一致して決議をまとめるということを重視した方が良いとお考えなのでしょうか。

(報道官)日本自身は、安保理のメンバーではありませんので直接議論に関わっていないという点で、文章の細かい点についてどうだこうだと言うべき立場にないのだろうと思います。ただ、明確なきちんとしたメッセージというのは、やはりミャンマーにおける話し合い、全ての関係者を含めた対話が行えるような形で事態が展開してもらいたいと思いますし、民主化という大きな課題を抱えている国ですので、是非それが進むようにということで、国際社会全体のメッセージとして、議長声明という形であれ、他の形であれミャンマーの現在の政権に伝わっていくことが大事だと思います。
 現在、非常に大事な時期にあるミャンマーに国際社会全体としてのメッセージが伝わっていくことは重要なことだと思いますし、それに関わるガンバリ特使の周旋努力も非常に重要な意味を持って来るのではないかと思います。

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報道官会見記録(平成19年10月9日(火曜日)17時10分~ 於:本省会見室)

第10回東シナ海等に関する日中協議及び第7回日韓安保対話について

(報道官)今週行われる会議について2件ご案内致します。ひとつは、今週の11日(木曜日)に北京において、第10回東シナ海等に関する日中協議が行われます。ご案内の通り、この協議については元々は9月21日に開催するということで両国外務大臣から発表した経緯がある訳ですが、その後、外交上の諸日程が錯綜したということで、日程を再調整しておりました。この程、11日(木曜日)に北京で開催するということが確定したということです。我が方からは佐々江アジア大洋州局長、及び資源エネルギー庁から望月長官をはじめとする関係者が出席しますし、中国側からは胡正躍(こ・せいやく)外交部アジア司長をはじめとする関係者がそれぞれ出席します。東シナ海における資源開発の問題等について協議を行う予定です。
 また、12日(金曜日)に第7回日韓安保対話が開催されます。場所は韓国の釜山で行われます。この対話には、日本側からは、同じく佐々江賢一郎アジア大洋州局長、防衛省から松本隆太郎防衛省政策局次長他、韓国側からは、金在信(キム・ジェシン)外交通商部東北アジア局長、並びに韓国国防部の金炳基(キム・ビョンギ)国際協力次長の他が出席するということです。この日韓安保対話では、日韓両国を取り巻く安全保障情勢、或いは日韓それぞれの安全保障・防衛政策等について幅広く意見交換を行うということです。ちなみに、この日韓安保対話は前回第6回は今年の5月、東京で行われております。初めて同一年に、この安保対話を開催することになります。

(問)佐々江局長は、12日に北京から釜山に移動するということですか。

(報道官)11日に北京での会議に出られて、12日の午前中に移動し、同日の午後釜山で会議をします。

(問)ガス田協議は延長なしということですか。

(報道官)ガス田は11日だけの開催予定です。

(問)11日だけで終われるということですか。

(報道官)その予定でおります。

(問)問題解決に向け、今回の日中協議の持つ意味、或いは見通し、期待というものは如何でしょうか。

(報道官)背景的なものはご存知だと思いますが、現在の作業の目標が今年4月の日中首脳の合意に基づいて、この秋に事務レベルでの協議の成果を両首脳に報告するということになっており、首脳レベルの共通認識を実現するために、我が国の主権的権利を確保しながら迅速な解決を目指して共同開発について突っ込んだ議論を行いたいと思っています。現時点までの状況では日中双方の立場に隔たりがあり、非常に困難な交渉となっている訳ですが、出来るだけ速やかに解決出来るように最大限の努力をしていくということです。協議の中身については、正に交渉中ですのでコメントは差し控えたいと思います。

(問)安倍政権の下では、年内訪中ということを唱えていたのですが、それを視野に入れた今回の協議ということでよろしいでしょうか。

(報道官)基本的には、仰るとおりです。これは両首脳、当時は、安倍前総理ですが、年内の訪中ということを首脳会談で申し上げ、それを前提にこの秋に両首脳に報告を出すということですから、基本的な今後の日程の流れという点で言えば、年内の訪中の実現ということを前提に、このような事務レベルの作業を加速させようということで話をしていると、そのように申し上げてよろしいと思います。

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ミャンマー情勢

(問)ミャンマーの件ですが、長井さんが銃撃された後、その映像、画像等が報道されており、それによると所持品などを治安当局関係者から取られているようですが、外務省はその辺の映像等は確認されているでしょうか。また、今後の対応については如何でしょうか。

(報道官)長井さんの件については、今2点あり、長井さんが殺害された状況の真相究明ということと、殺害した人物の処罰にかかわる問題等がひとつ。それから、遺留品の返還に拘わる問題がもうひとつあります。それらの近況だけをお話しますと、まず長井さんの殺害の関係では、先週、長井さんのご遺体が日本に到着し、その日の内に杏林大学で司法解剖が行われ、その結果も公にされています。更に、警察当局の方で、殺害された時の映像がありますので、その映像・画像の分析が現在行われており、その結果を得ましたら、改めてその内容を私どもからミャンマー側に伝えて、真相の究明を強く求めるという流れになっていくだろうと思います。
 もうひとつ、遺留品の関係ですが、これは新たに殺害後、問題となっているビデオカメラ、長井さんのものと思われるビデオカメラを軍の関係者が所持している映像が出て参りましたので、その映像の話をミャンマー側に伝えており、先般、薮中外務審議官から遺留品、特にビデオカメラの問題について返還を強く求めておりますから、今回、軍の関係者がそのビデオカメラと思われるものを持っているという映像があるという話をミャンマー側に伝えて、その返還を督促しているというのが現在の状況です。

(問)長井さんが銃撃された時刻と死亡推定時刻はどういう風に把握されているのでしょうか。

(報道官)私の手元には殺害された正確な時刻がどうという資料はないのですが、撮影された画像から推定される状況等をミャンマー側に話して、且つ、その画像から判断するに至近距離から撃たれたとしか思えないという状況を伝えているということです。その点に関しては、警察の方で専門的な観点から画像の映像を分析するという作業をしてくれておりますので、そのような根拠も踏まえて改めて真相究明を求めるということになっていくと思います。

(問)軍関係者がビデオを所持している映像が出て来たということですが、新たに出て来たのですか。

(報道官)その映像についてはご覧になられている方も多いと思います。私もテレビで見ました。その映像によれば確かに数名の軍関係者が現場と思しき場所でビデオカメラのようなものを手に持っている場面が出てまいりましたので、そのことをミャンマー側にも伝えたということです。

(問)その映像を受けて、日本政府ないし外務省として、問題のビデオカメラが今、ミャンマーの軍関係者に押収されている可能性が以前よりも高まったという認識なのでしょうか。

(報道官)元々、そのビデオカメラについては、物理的にどういう状況になっているかまでははっきりとしていなかった訳です。ただ日本側の関係者の手元には戻ってはいないということだけははっきりしておりましたので、ミャンマー側にはそれを見つけて返却して欲しいということを言っていた訳です。しかし、今回の映像を以て、軍関係者自身がそれを持っているのではないかと推測される状況になりましたので、私どもで画像を見た感じをミャンマー側に改めて伝えました。外交ルートを通じ、今申し上げたような情報も踏まえて、ビデオカメラの所在をはっきりさせて日本側に速やかに戻してもらいたいという話をしているということです。

(問)お伝えになったのは今日ですか。

(報道官)今日だったか昨日だったか、ここ1、2日の間に、この画像を見る機会があり、その中身を先方に伝えたということです。ミャンマー側に伝えたのが、正確に昨日だったのか今日の午前中だったのかは別途確認したいと思いますが、週末の放送でそういう画像が出ていましたので、それを伝えたということです。

(問)外務省としては、あの映像に映っていたのは長井さんのカメラであるという可能性が高いという印象なのでしょうか。

(報道官)そういう印象を持ちました。画像としては複数の軍関係者が集まり、その中の1人がビデオカメラと思われるものを所持している様子ということで、その詳細の状況が分かるまでの画像ではなかったと思います。ただ、状況からして長井さんのビデオカメラである可能性が高いのではないかという印象を持ちましたので、そのことを情報としてミャンマー側に伝えたということです。

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テロ特措法

(問)週末の一部報道で、テロ対策特別措置法の期限切れで海自が撤収するということを、今週中に外務大臣らが米英両国に説明するとあったのですが、事実関係とそういうお考えはあるのかどうかお聞かせ下さい。

(報道官)テロ特措法の延長問題については、新法を提出するということで、これから国会での議論に入る訳です。こうした状況を受け報道では、11月1日をもって海上自衛隊の補給艦を撤収させる旨を週明けにも米英に通知せざるを得ないという内容だったかと思いますが、そのような事実は私が承知する限りではありません。とにかく、今はこの補給活動を継続的に実施出来るよう、国会での議論を速やかに進めたいと思いますし、そのためにも広く国民の皆様の理解を得るようあらゆる努力をして参りたいという状況でございます。

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報道官会見記録(平成19年10月3日(水曜日)17時05分~ 於:本省会見室)

ミャンマー情勢

(問)ミャンマーに対する制裁ですが、人材育成センターの件について大臣からありましたが、今後も更に精査して削っていくものがあるのかどうかということと、この援助以外に投資の禁止、往来の禁止等は検討されているのでしょうか。

(報道官)先程、高村大臣から申し上げたとおり、本日、薮中外務審議官の帰国報告を受けて、現在の状況に鑑み、ミャンマーに対する経済協力については更に中身を精査して見合わせるものがあれば実施を取り止める方向で検討することとなり、その方針で今後、作業をしていくこととしております。
 何度も申し上げているとおり、ここ数年、ミャンマーに対する日本の経済協力は人道的なものに限りなく絞られて実施されてきている訳ですが、その中でも更にミャンマーの人々に直接裨益するものについては継続して実施していくことにしても、先程述べられた人材育成センターのケースも長い目で見て人材を育成するということで民衆が裨益するという考え方ではありますが、現在のミャンマーの情勢を考えると実施を見合わせる方向で検討出来るのではないかと思います。
 人材育成センターについては、ヤンゴン市内の大学の中にセンターを設け、日本語教育並びに経済・経営講座を通じて民主化・市場化経済を促進する人材を育成するという目的でプロジェクトが形成され、今年の7月末の閣議を経て、その早期の交換公文締結のためにミャンマー側と話し合いをしてきている段階にあり、未だ先方政府との約束は正式に交わされておりません。従って、本件は約5億5千万円ほどの施設の建設費と研修関連機材の供与という前提で検討を進めては来ましたが、現下の状況に鑑み、その実施を見合わせてはどうかということで検討に着手するということです。
 その他の案件についても、個々に精査して対応を決めていくということになると思います。
 ご質問にありました経済協力以外の分野での日本の対応ですが、これについては国連のガンバリ特使の訪問の結果について、どういう報告が為されるのか、或いは人権理事会で昨日、ミャンマーの人権状況に関する決議が採択されておりますが、人権状況の改善に向けての国連の呼びかけ、協力要請に対してミャンマー側がどう応えるのか等々、色々な要素を勘案していく必要があろうと思います。
 今日、大臣が会見で述べましたのは、差し当たり現状において検討すべき項目として経済協力案件の更なる絞り込みという指示を出したということです。

(問)大臣は以前、「強い措置」を考えていると仰ったと思うのですが、今回の人道案件の一部停止が所謂、想定されていた「強い措置」ということなのかどうかということと、もしそれが「強い措置」であるということであれば、どのような実効性を期待されているのか、もしこれが「強い措置」でないとすれば、更に「追加措置」のようなものは考えているのでしょうか。

(報道官)大臣が、「強い措置」という言葉を使われた趣旨を直接伺っておりませんが、現在のミャンマーの状況は極めて遺憾であり、特に長井さんの死亡という非常に痛ましい出来事も起こっております。
 そのような中で大臣は「強い措置」を取る可能性を検討していくと言われた訳です。先程の質問でも申し上げたのですが、今回の経済協力の中身を精査して更に絞り込むということが則ち「強い措置」なのかどうかということについては、今後、ミャンマーの情勢の展開を受けて、様々なこと、特に、国連を中心とした国際社会の動きというものが出てくると思いますし、同時にガンバリ特使が今回の訪問で、アウン・サン・スー・チー女史と会いタンシュエ議長とも話をして、そのような国連としての関与がどのような成果を生み出すのか、その辺の全体の流れを見ておく必要があると思います。
 その中で、日本として更なる措置を取るのか取らないのかということになっていくのだろうと思います。従って、今日、大臣から仰られたことが「強い措置」であるのかどうかということは、今後の流れを見ていく中でご判断を頂きたいと思います。今後のミャンマー情勢については、人道的な状況の改善、民主化に向けての関係者の対話の問題、それから今まで拘束された多くの方々の釈放の問題等、色々な問題がありますし、日本としては更に、長井さんの死亡に伴う真相究明の話、加害者の処罰の問題もありますので、そのような状況をきちんと見て、更なる対応を検討していくということになろうと思います。

(問)薮中外務審議官に対するミャンマー側の説明は、政府としては不十分だという認識なのかどうか、実行者の特定について、またビデオカメラの返却について先方から現時点で何か反応がございましたでしょうか。

(報道官)これも前回述べたと思いますが、薮中外務審議官から、長井さんがどう見ても偶発的とは思えない状況下で射殺されていることに強い憤り、遺憾の意を表明し、それに対してミャンマー側から、申し訳ないことであったという言葉があった訳ですが、誰が、どういう状況下で射殺したのか、その真相を究明するという点について先方の説明、対応は勿論、十分ではないと思っております。
 ご遺体が明朝成田に到着すると思いますが、警察の方で検視をして頂いて、そうした結果も踏まえて日本として更に真相究明を求める必要があると思っております。その他、遺留品と言いますか、長井さんのカメラ、ソニー製のカメラが戻っていないことについても、先方に強く返還を求めております。これは一旦、先方は全ての遺留品を返却したと言っていたのですが、このソニー製のカメラの件の指摘を受けて改めて調査したいと言っておりますので、現在、その調査結果を待っている状況です。何れにしても、我々は、先方から長井さんの問題に関して満足出来るような説明、対応が為されているとは思っておりません。

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南北首脳会談

(問)南北首脳会談ですが、南北の議題として拉致問題等は取り上げられたのでしょうか。

(報道官)先の日韓外相会談で、南北会談が行われた後、然るべき者を日本に派遣して説明させたいという話が高村大臣にありましたので、それを待ちたいと思います。
 現時点で、どういう会談が行われているのかということは、私の知る限りにおいては、未だ韓国側から説明は為されていないと思います。他方で、今日の午後に入ってから、中止された日程等を完全に行うために、盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領の滞在を1日延ばして欲しいという話が北朝鮮からあったということが青瓦台のスポークスマンから発表されておりますが、現時点では当初の予定通り明4日にソウルに戻ることになるであろうとの説明も為されているようです。具体的に何が起こっているのか、詳細を私どもも知りませんので、全ての行事が済んだ後、韓国側からきちんとした説明が頂けるものと思っておりますので、それを待ちたいと思います。

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六者会合

(問)六者会合の共同文書案ですが、日本として了承する考えをもう中国側にお伝えになったのか、それとも条件や修正を求めている段階なのでしょうか。

(報道官)共同文書案については議長国から六者会合メンバーと連絡をとって、意見を集約することになっており、現時点では尚、意見集約の作業が続いていると承知しています。我が国がどう対応したのかというご質問ですが、その点については私どもは、昨日も申し上げたかと思いますが、議長国である中国が意見集約をした結果を発表するのを待つということで、個々にどの国がどういう対応をしているのかということについては、我が方としてはコメントを控えたいと思います。
 ただ、中国は当初、2日程で意見集約を図りたいと言っており、もう3日目に入りましたので、ほどなく、議長国から最終的な取りまとめの結果について連絡が来るのではないかと思っております。大臣からも申し上げた通り、日本としては今回の合意案が全ての点で満足のいくものではないと思っておりますが、非核化に向けての一定の前進を示すものではあるということから、早期に本文書の採択・発表に至ることを期待しつつ今しばし待ちたいと思います。

(問)日本は、中国と同時に発表されるのですか。

(報道官)議長国である中国から正式に発表することになると思います。それを受けて、東京に於いてもその内容をお知らせするという段取りになるのではないでしょうか。何れにしても、日本でお知らせするタイミングと中国の発表との間にそれほど時間差があるとは思いません。

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報道官会見記録(平成19年10月2日(火曜日)17時41分 ~ 於:本省会見室)

六者会合

(問)北京で北朝鮮の金桂冠(キム・ゲグァン)外務次官が、六者合意文書の中に、米国のテロ国家指定解除の期限が明記されていると言っているようですけれども、これはどう理解したら良いですか。

(報道官)ご案内の通り、今回の六者会合の共同文書について、中国が取りまとめに当たっておられます。各国からの意見を集約するという作業です。その中身について詳らかに出来ないのは申し訳ないのですが、少なくとも私どもが見ている文書に関する限り、今ご指摘になられたようなテロ国家指定解除の期限が書かれているということは無いと承知しております。

(問)今日の夕刻までに日本として合意案について同意するかどうか回答するということですが、今の時点で方針としては如何でしょうか。

(報道官)今朝も大臣から申し上げたと思いますが、今回の共同文書案について、我が国として必ずしも完全に満足のいくものではないと思いますけれども、とにかく非核化に向けて着実に前進していく為の、一定の行動計画というものを六者の共通の認識として、事務当局レベルでまとめたという性格のものです。
 それを政治レベルにご報告をし、その結果について議長国・中国に連絡をするという段取りですけれども、個々にどの国がどういうコメントを出したかには触れないという前提で作業をしておりますので、我が方からどのような対応をするのかについてのコメントは控えたいと思います。他方で、今回の共同文書案なるものが議長国によって速やかにまとめられることが望ましいと思いますし、そのようになることを期待しています。

(問)共同文書が、本日発表になる見通し、或いは中国側から発表される時期についての目処はありますか。

(報道官)議長国から、一昨日の段階で2日程で意見集約を図りたいと対外的に説明したと思いますが、この意見集約が他の五ヵ国との関係で速やかに運ぶのかどうかによって、最終的に発表出来るタイミングが決まりますので、今この時点で私の方から発表のタイミングがどうなるということは申し上げられません。その上で申し上げれば、我が方として速やかな採択、発表に至ることが望ましいとは思っております。

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ミャンマー情勢

(問)薮中外務審議官は、当初今日まで滞在の予定だったと思いますが、本日の動きと、それから予定通り戻って来るのか、段取りを教えて下さい。

(報道官)外務審議官は今日の午後、ネーピードーからヤンゴンに移っています。ヤンゴンで今日の夕方まで滞在した後、特別の展開が無ければ今晩中にバンコク経由で東京に戻ります。東京着は今予定しているフライト・スケジュールでは、明日の朝。3日の朝に東京に戻られると理解しております。

(問)アウン・サン・スー・チーさんとの会見を要請されていたと思いますが、これについて回答はありましたか。

(報道官)昨日、マウン・ミン外務副大臣に、薮中外務審議官からアウン・サン・スー・チーさんにお会いしたいという要望を伝えて、その回答を待っている訳ですが、今の時点でミャンマー側から回答はありません。外務審議官自身はあと数時間、ヤンゴンにおり、先方からの連絡を待つという状態が続いています。

(問)ミャンマーに対する日本政府の対応ですが、強い措置も含めて対応を検討するということでしたが、現在、例えば経済制裁とか、通商凍結ということも含めた措置はあり得るのでしょうか。

(報道官)その点も数日来申し上げている通りですが、今回、日本政府としての立場を薮中外務審議官からミャンマーの政府高官に伝えて、それに対するミャンマー側の前向きで、建設的な回答が出てくることを期待している訳です。また、ガンバリ国連特使もアウン・サン・スー・チーさんにも会い、それから、タン・シュエ議長にも会っており、そこでどのような回答がミャンマー政府側からあるのか、そういった事柄を総合的に判断していく必要があると思います。それから国連の人権理事会が、今日2日に開催されますが、そこでミャンマーの人権状況について特別報告者を任命してミャンマー政府に受け入れを求めるという動きになっていくと思います。そういった事柄を総合的に見つつ、薮中外務審議官の帰国を待って、日本政府としての対応を検討していくつもりです。現時点で何か特定の措置・対応を内々に決めているということはありません。

(問)長井さんのご遺体の搬送の手続きと、その後、日本政府で独自調査をされるということでお話をされていますが、何か現段階で決まっていることがあればお聞かせ下さい。

(報道官)長井さんのご遺体の搬送については、明日3日にヤンゴンを出て4日に日本に戻られるという日程でミャンマー側と調整しており、多分そういう方向で事が進んでいくと思います。今回の事態については、我々は誠に遺憾であり、こういう、どう見ても偶発的とは思えないような状況の中で起こっているということもありますので、薮中外務審議官からもミャンマー政府に対して、国軍としてきちんとした真相究明をすべきであるということと、その調査結果を詳細に報告して欲しいということを求めていますが、その一方で日本側も検視をきちんと行っていく必要があると思います。

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南北首脳会談

(問)南北首脳会談が実質、明日から始まりますが、何か期待や懸念はありますか。

(報道官)特に懸念ということはありません。私どもとしては、今回の、7年ぶりになるのでしょうか、この首脳会談が朝鮮半島の信頼の醸成、安定、平和ということに寄与するものとなることを切に希望しますし、他方で六者による朝鮮半島の非核化という作業をしておりますので、その方面にも良い影響の出て来るものであることを望んでおります。更に日本と北朝鮮のバイの関係、二国間の作業部会での協議において、ご案内の通り、拉致の問題、或いは不幸な過去の清算に関わる問題等、これから精力的に議論していこうとしている矢先ですので、是非、北朝鮮側から誠意ある対応が出て来るように、韓国大統領からも北朝鮮の首脳に、きちんと伝えて頂ければと思っています。

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