(報道官)10月3日(水曜日)、日露極東・シベリア森林保全作業部会が東京で開催されます。この作業部会は、昨年の7月のサンクトペテルブルク・サミットの際の日露首脳会談で設置が合意されていたもので、今回がその第1回会合になります。日本側は外務省欧州局の片上参事官、ロシア側はエルモレンコ・ロシア連邦林業庁森林台帳・森林状態評価局次長が議長を務めます。
今回の作業部会では、極東地域及びシベリア地域の森林の保全、とりわけ森林火災対策、今後の活動方針について意見交換が行われる予定になっています。この森林保全の件についてですが、ロシアの極東地域及びシベリア地域の森林は、日露両国にとって木材の供給源であると同時に地球温暖化防止の観点からも、二酸化炭素の吸収源として重要であるということで、森林保全について協力していくということが合意されていたものです。
(問)大臣の訪米に関してですが、調整中でも結構ですので主な日程と会談する場合の狙いやテーマ等についてお聞かせ下さい。
(報道官)ご案内のとおり、27日(木曜日)、28日(金曜日)ワシントンにおいて、エネルギー安全保障と気候変動に関する主要経済国会合が開かれます。これは、米国が気候変動問題でイニシアティブを取るということで開催をかねてより表明していたものですが、閣僚レベルでの参加ということもございますので、今回、国会の了承が得られれば高村大臣に出席して頂こうとしているものです。
先般の国連の温暖化に関するハイレベル会合において、かなり実質的な議論が行われており、今回、米国から引き続き更に議論を深めたいという提案を受けております。今後、温暖化問題、気候変動問題は、12月のバリ島での国連の会議に向けて更に議論が深まっていくと思いますので是非、大臣ご自身がご参加頂ければということで、今回の話になっている次第です。
日程的には、木曜日、金曜日とワシントンで会議が行われる訳ですが、同時に先程大臣が仰っておられたように、仮に金曜日の夕刻遅くに国連での一般演説が可能になるというような状況が出て来れば、大臣としては何とか現在の日程の中でニューヨークでの一般演説も行いたいという意向です。
全体の大臣日程は今後、臨時国会の日程がどのように組まれて行くのかという影響を受ける訳ですが、何れにしても、最も長い場合でも大臣は30日(日曜日)には戻って来るという前提で日程を調整しております。
(問)米側の要人とのバイ会談についての調整状況は如何でしょうか。
(報道官)今回、大臣就任後早々の訪米ということで、ライス国務長官を含め個別のアポイントを調整中ですが、全体的にどのようなスケジュールになって行くのかは現時点で詳細を申し上げる段階にはありません。大臣としては、少しでも多くの方と個別の会談を行いたいという意向と承知しております。
(報道官)小野寺外務副大臣が今夜出発の日程でバーレーンに出張し、その後、ニューヨークを訪問する予定です。ニューヨークでは21日に国連とアフリカ連合(AU)の主催するダルフール問題に関するハイレベル会合に我が国政府を代表して出席する予定です。
バーレーンにおいては、インド洋における海上阻止活動についての現地指令部を訪問し、関係者と意見交換を行う予定です。
(報道官)昨日、ネパールにおいてマオイストの閣僚4名がコイララ首相に辞表を提出し、マオイストのグループが今年の11月に予定されている制憲議会選挙の規約及びスケジュールに従わないという宣言を行いました。我が国としてこうした事態を憂慮し、今後の政治状況の成り行きを注意深く見守るということになります。
11月22日に予定されている制憲議会選挙ですが、既にこれまでに日本は、選挙準備支援ということで、投票箱6万個の支援、或いは選挙の専門家を派遣しておりますし、ネパール選挙管理委員会の職員に日本で研修を行う等を致しまして、この選挙が自由かつ公正な形で実施されることを強く期待していますが、こうした状況の中で昨日、今申し上げたような政情変化が起きていることに対して憂慮を表明するということです。
(報道官)今日の午前、王毅・在京中国大使が離任の挨拶ということで、町村大臣を訪問されています。後程、別途お知らせを致しますが、この中で町村大臣の方から安倍総理の就任後、日中関係が改善しているということで、この大きな流れを変えないように、共に努力していきましょうという話をし、王毅大使の方から日中関係は大きな方向として正しい方向に向かっていると思いますという話がありました。また、資源開発に関して、町村大臣の方から日中両国がパートナーとして協力することが重要であると申し上げ、王毅大使の方もパートナー意識の確立が重要であるということと、大きな目で、大きな共通利益を確保していくことが大事であると発言するといったやりとりがありました。全体で10~15分程の離任の挨拶であったと聞いております。
(報道官)昨日の会見で質問を受けました東シナ海に関する日中協議の日程の件ですが、元々9月21日(金曜日)に北京で開催する予定でしたが、外交上の諸日程が錯綜している中で、双方で日程の再調整を行うということになり、とりあえず今週金曜日に予定していた日中協議は延期ということになりましたのでお知らせ致します。新たな日程については、調整が整った段階で改めてお知らせするということにしたいと思います。
(問)東シナ海のガス田の協議が当面先送りということになりましたが、新たな日程のメドについてはどの辺りにとお考えでしょうか。
(報道官)前回の第9回の会議が6月末に開催され、その後3ヵ月近く開催していないのですが、この秋には双方の首脳に報告するということが今年4月、温家宝総理訪日の際に合意されていますので、今回様々な外交日程が錯綜してしまったということで日にちを改めて検討することになったのですが、出来るだけ早い時期に開催することが適当だということについては双方認識を同じくしています。現時点で新たな日取りが決まっている訳ではないのですが、そう長い時間を空けずに開催したいという点は日中間で共有されているのかなと思います。
シドニーのAPECの際にも町村外務大臣と楊潔篪中国外交部長との会談が行われ、この東シナ海の問題について双方積極的に取り組んでいくという意向を確認していますので、その辺の閣僚、大臣同士の意志の確認を踏まえて、事務当局による本件協議を出来るだけ早く開催したいと思っております。まだ、今の時点で具体的にいつという点を申し上げる状況ではございませんが、気持ちとしては長く間を空けないで、という思いで調整をしていこうという段階でございます。
(問)中国側から延期の申し入れがあったのでしょうか。
(報道官)中国からというよりもいくつか外交日程が立て込んできた中で、日程的にきちんとした時間が取れるような形で話し合いとしていこうという双方の思いと申し上げた方が良いと思います。
(問)国連でOEFへの謝意等を盛り込んだ安保理決議が採択される見込みとなっておりますが、国内のインド洋での活動延長に対する議論にどのような影響を与えるとお考えでしょうか。
(報道官)昨日18日に安保理でISAFに関する延長決議案が安保理メンバーに配布されたと承知しております。早ければ今日19日、日本時間で20日の未明にかけて採択される可能性があるということですが、我が国は現在、安保理のメンバーではありませんし、かつ同決議が未だ、採決に至っていないということもありますので、その中身も含めて現時点で日本として評価を下すというのはちょっと早いのかなと思います。何れにしても、この決議を巡る安保理の議論、採決の成り行きというものを大いに関心を持って見守りたいと思っております。
(問)月末の国連総括のための重要会議ですが、ハイレベル会合の方に森元総理を特使として派遣して、その現場の閣僚会合は町村大臣が行かれるということが言われていますが、このことは大体固まって来たのでしょうか。
(報道官)お答えを先に申しますと現在、色々な関係方面がございますので、我が方としてどのように対応するかということについて協議、検討中ですというのが答えになります。ご指摘になりましたように、24日に気候変動問題に関するハイレベルの会議ということで、元々安倍総理も自ら出席をしたいという気持ちを示しておられた訳ですが、現在のような状況にあってどういう形で日本としての対応が出来るのかということを各方面に相談をしている段階です。先程、ダルフールの話は21日にハイレベル会議があると申し上げましたが、ご案内のとおり22日にはイラクに関する閣僚レベルでの会議、23日にはアフガニスタンに関するハイレベルの会議というふうに重要な会議がニューヨークで開催されますので、それに向けて日本としてきちんとした形で対応したいという思いを強くしている訳ですが、実際にどういう形で誰が出席出来るのかとう点については現在、各方面とご相談中ということ以上のことは申し上げにくい段階です。
(問)今週の21日に予定されている東シナ海の日中局長級協議ですが、これは予定通り行われるということでよろしいでしょうか。
(報道官)日中の東シナ海に関する協議については、シドニーAPECの際の日中外相会談において、21日に開催するということで意見の一致を見ていた訳で、そのことについて正式に変更があったということはありません。ただ、申し添えますと、この時期、色々な外交日程が錯綜する中で、当局同士で連絡は取り合っていると思いますけれども、今この時点でどうかとお尋ねであれば、本日程の変更が正式に決定されているといったことはありません。
(問)11~15日まで、北朝鮮の核施設を米国等3ヵ国の専門家が訪れて、戻って来られたようなんですけれども、日本政府としてはそれらについての説明は受けられたのでしょうか。
(報道官)米中露の専門家の北朝鮮訪問については、どういう協議の内容であったのかという点について、米国から説明を受けております。その内容について日本側から説明することは控えたいと思いますが、六者会合が開催されると、当然その場で報告されるものと思っています。
(問)昨日、六者会合が19日にも開催ということが急遽延期になった訳ですが、それから1日過ぎて、中国側から具体的な説明はありましたか。
(報道官)昨日の段階で、議長国・中国から内々に連絡を取り合っていた19日からの開催は困難となった旨の連絡がありました。引き続き日程調整を継続したいということでした。その理由については、特段、中国からは説明はなかったと承知しています。
(問)臨時国会で焦点のインド洋の対テロ活動なのですが、民主党の小沢党首は国連の決議に基づいていない、オーソライズされていないということを反対の理由に挙げていますが、その辺りの法的整理の見解について改めてお聞かせ下さい。
(報道官)インド洋における海上阻止活動については、テロ特措法に基づく活動として実施している訳ですが、そのテロ特措法の第1条で、安保理決議1368への言及が為されております。ご案内のとおり、安保理決議1368は9・11の翌日、2001年9月12日に採択された決議で、国連の加盟国にテロ行為の防止、抑止のための努力を呼びかける内容のものです。従いまして、テロ特措法に基づく活動全体が安保理決議1368を踏まえた活動として為されていると理解を致します。他方で、一般国際法上における海上阻止活動について申し上げれば、検査対象となる船舶の旗国の同意が前提ですが、そうした活動は一般国際法上認められているものであり、それ自体は安保理決議がなければ出来ない活動であるということは国際法上はありません。
整理しますと、先ず、テロ特措法に基づく我が国の協力活動全体については、安保理決議1368の呼びかけに応じた活動であるということ、これが基本にあると思います。その上で更に言えば、海上阻止活動はそもそも「武力行使」を当然に伴うような活動ではありませんので、「旗国の同意」を前提に一般国際法上認められた活動であるということです。
こうした二つの側面がしばしば混同されている面がありますので今、申し上げたような整理をして議論をしていく必要があると思います。
(問)先程、ローレス米国防長官特別顧問と町村大臣が会談されましたが、どのような内容だったのでしょうか。また、テロ特措法に関する言及があったのでしょうか。
(報道官)先程行われた町村大臣とローレス顧問の会談の結果については未だ報告を受けておりませんので、その内容については申し上げることは出来ません。
後程、然るべく形でご説明を申し上げることになると思います。
(問)海上給油活動について世論の理解を得るために、外務省として何か行うべきことや取り組み等はありますか。
(報道官)今朝の閣議後の会見でも大臣自身がご説明しておりましたが、日本の給油活動がインド洋における海上阻止活動、現在、日本を含め8ヶ国が関わっていると思いますが、この阻止活動を実施していく上で、非常に重要な役割を果たしているという点、それについて関係する諸国から高い評価、感謝が表明されているという事実を国民の方に、あらゆる機会を通じてお伝えしていくことが第一だと思います。第二に法的な根拠との関連ですが、国連決議に基づかない活動であるという見方、立場が示されていることについては、先程述べたように特措法自体が第1条で安保理決議1368を踏まえて出来上がっている法案であり、国連によるテロ行為の防止、抑止の呼びかけに応ずる形で行われているのだ、という点は国民の皆様にきちんと説明し理解を得ていきたいと思います。
今朝も世論調査のことが話題になっておりましたが、各調査結果を見ると、このテロ特措法の扱いについて、この活動を継続するという点について支持をされるというご意見の方、或いは反対であるというご意見の方の他に、どちらとも言えないという立場の方が随分多くおられるように思います。これは、この活動の意義、日本の役割等について未だ十分な説明がしきれていない、ご理解を得られていないという状況の表れなのではないかと感じます。
今朝の会見で、大臣は国会での議論そのものが国民の理解を得る重要な場であると仰っておられました。
これから臨時国会における審議が進む中で、様々な論点が議論されると思いますので、政府としては、海上給油活動の意義、役割、国際的な評価等について、更に理解が得られるよう努めていくことが重要であると思います。