記者会見

報道官会見記録(平成19年6月)


INDEX










報道官会見記録(平成19年6月27日(水曜日)17時05分~於:本省会見室)

「平和と繁栄の回廊」構想 事務レベル4者協議

(報道官)日本の中東和平への取り組みに関連して、一つお知らせしたいと思います。これまで何度か触れてきました日本のイニシアチブによる「平和と繁栄の回廊」構想の件ですが、本日、ヨルダンに於いてイスラエル、ヨルダン、パレスチナ、日本の事務レベル4者の協議が開催されています。日本からは、中東アフリカ局の杉山審議官が参加しています。「平和と繁栄の回廊」構想とは、パレスチナに農産加工団地を建設するとともに、ヨルダン川西岸からヨルダンを通って、湾岸諸国などに向けた物流を促進することで、パレスチナの経済的自立を支援するというものです。これをイスラエル、パレスチナ、ヨルダンとの地域協力を通じて、推進していこうというものです。今回の会合では、技術的な話が中心で、農産加工団地の施設をどこに建設するかということを中心に協議が行われています。協議の内容については、現地で協議終了後、ブリーフが行われる予定です。

目次へ戻る

ロシュコフ露外務次官の訪日

(問)明日、ロシアの六者会合の首席を務めるロシュコフ外務次官が訪日し、佐々江局長と会談する見通しですが、具体的なスケジュールはお聞きになっていますか。

(報道官)明日の佐々江局長とロシュコフ外務次官の協議は、追ってその時間等をご連絡できると思いますが、私が聞いている範囲では、お昼を挟む時間帯に会合する予定ではないかと思います。

(問)昼食を一緒に?

(報道官)その点も含めて、追ってお知らせしたいと思います。

目次へ戻る


報道官会見記録(平成19年6月26日(火曜日)17時13分~ 於:本省会見室)

日・イラン次官級定期協議

(報道官)明後日6月28日、東京に於いて日・イラン次官級定期協議が開催されます。この協議には日本側から藪中外務審議官他、イラン側からはネフディ・サファリ外務次官他がそれぞれ出席します。この定期協議の場では、日・イランの二国間関係の他、イランの核問題、イラク情勢、中東和平等の地域・国際情勢について意見交換が行われる予定です。尚、この日・イラン次官級定期協議は基本的に毎年開催されてきており、明後日に開かれる協議が第16回目になります。

目次へ戻る

北朝鮮問題

(問)ヒル米国務次官補が朝鮮半島和平に関して、米朝中韓のG4で和平プロセスに関する協議を開始したいとしましたが。

(報道官)六者会合の2月の成果文書の中で、朝鮮半島に於ける恒久的な平和体制について協議するために、直接の当事者が適当な話し合いの場を持つということが書かれており、ヒル次官補が記者会見で述べられたのは、このことであろうと思います。ただ、この2月の成果文書を見ますと、同じ第6項で、六者は相互信頼を高めるために積極的な措置をとることを再確認すると共に、北東アジア地域の永続的な平和と安定のための共同の努力を行う、と記載されています。従って、朝鮮半島における恒久的な平和体制についての協議の話は、北東アジア地域の永続的な平和と安定のための六者による共同努力と関連しながら進められるものだろうと受け止めています。
 初期段階の措置の後、何をどう具体的に行っていくのかについては、これから六者が再度集まるなり、或いは閣僚レベルでの会合という形で、更に、議論が行われていくものと思いますが、繰り返し述べている通り、まずは初期段階の措置をしっかり実施していくということが一番大切なことではないかと思います。正に今日、IAEAの実務代表団が平壌に到着したと伝えられていますので、是非、初期段階の措置、とりわけ寧辺の核施設に関わる作業について、きちんとした形で合意して頂きたいと思います。その上で、IAEAが再度、北朝鮮に入り、寧辺の核施設の活動停止及び封印について、IAEAとしての監視・検証をきちんとやって頂くということが、当面、一番大事なことではないかと思います。

(問)米朝中韓の会議が、今後、実質的な話し合いの中心となっていく可能性もあるかと思います。その場合、日本が置き去りになるのではないかという懸念があるのですが、それについては如何ですか。

(報道官)先程も申し上げた通り、朝鮮半島に於ける恒久的な平和体制をどうするかということについての協議は、2月の合意の時点で確認されていたことですし、それはそれとして重要なことだとろうと思います。ただ、直接の当事者による恒久的な平和体制に関する協議が、北東アジア地域の永続的な平和と安定のための共同の努力、六者が行うべき努力と関連しながら実施されていくということが大事だと思いますし、また、朝鮮半島の平和体制というものは、日米の安全保障体制にも関連し得ることですから、私どもとして、当然、高い関心を有しております。
 繰り返しますが、初期段階の措置が行われた後、どういうことが起こっていくのかという先の議論に過度に関心を向けるよりも、当面行わなければいけない初期段階の措置というものをしっかりと実施していくことが何よりも大切であって、そのために最大限の努力を関係者全てが傾注していくべきだろうと思います。

(問)四者の協議が進んでいくということは、北東アジアの平和と安定の作業部会にも当然、影響あると思いますが、一方で米朝の作業部会にも影響が出てくるのではないかと思うのですが、その辺りは如何でしょうか。

(報道官)作業部会自体は既に開催され、議論も行われてきています。残念ながら日朝の作業部会については期待を裏切る形で終わってしまいましたが、作業部会それ自体は初期段階から始まって、継続的にこの非核化プロセスの進行と共に開催され続けていくと思います。
 そういう中で、2月の成果文書の中に書いてある通り、各作業部会、北東アジアの平和と安全のメカニズムの問題、或いは米朝の問題も含めて全体として、かつ調整された方法で作業が進められて行く必要があります。つまり、どこかの作業部会だけが突出して進むのではなく、全体がバランスよく進行していくということが六者間の合意でもありますので、私どもとしては、それに沿って日朝の問題も含めて進展していくことを強く期待します。特に、拉致の問題に対する北朝鮮側の誠意ある対応を強く求めたいと思います。

(問)作業部会は、個々の進捗状況が他の進捗状況に影響を与えないと明記されています。言ってみれば、一つが遅れて他が進んでも、日本の方は一緒に進められるという保障は何もないですね。

(報道官)他の作業部会に於ける作業の進捗に影響を及ぼしてはならないということと、全体として、かつ調整された方法で実施されるということは、同じ項目に書いてあります。進捗に影響を及ぼさないにしても、全体の流れの中で片方が早く進み、他方が大幅に遅れるということは望ましくなく、最後にはバランスがとれていなければならないと思います。

(問)遅れることを慫慂しているとは言っておりませんが、遅れても仕方がないということは、そこに明記されています。

(報道官)作業部会の作業は、最終的に全体として調整された方法で進められていく。途中の段階では、一時的にある部会は進み、他の部会は遅れるということはあるかもしれません。影響を及ぼしてはならないという主旨はそういうことだろうと思いますが、事が進んで仕上がって行く過程では、各作業部会の作業は、上手く調整されていかなければならないという主旨だと理解しています。

(問)解釈としてはわかりました。

目次へ戻る

第9回東シナ海等に関する日中協議

(問)今日行われた東シナ海に関する日中の協議が終わった後、佐々江局長は基本的な点で、一致点はなかったという言い方をしています。秋までに一定の成果を出すということを言っていますが、どうも全然進んでいないようです。今後、日本として更に協議を続けていくのか、それとも別の対応をとろうとするのか、その辺はどうお考えですか。

(報道官)今日、行われた協議、それから今晩も夕食会の席で、話し合いは続くのだと思いますが、現時点でどういう話し合いの状況なのか、私自身はまだ報告を受けていません。ご指摘になられた、この秋に協議の結果を報告していくということは、先の温家宝総理訪日の際の共同発表で確認されていますので、当然、引き続き協議を継続していくことになると思います。
 この協議自体は、幾つか難しい問題を含んでいますので、解決に向けた成果が一気に上がるというのは難しいだろうと思いますが、粘り強く、かつ双方が誠意をもって話し合いを続けていくことで、是非一致点を見出していきたい。共同開発という方向についての、日中双方の立場は一致していますので、是非、この共同開発が具体的な形で結実するように、粘り強く今後とも話し合いを続けていきたいと思いますし、中国側も同じ思いだろうと思います。

目次へ戻る


報道官会見記録(平成19年6月20日(水曜日)17時17分 ~ 於:本省会見室)

フジモリ元ペルー大統領の参議院選挙立候補問題

(問)昨日、谷口副報道官の外国人記者会見の中で、今チリに滞在しているペルーのフジモリ元大統領の立候補問題の中で、副報道官の方から投票日の前に35日間、日本に滞在していなければ立候補できないのではないかという発言があったのですが、この問題でペルー国内ではフジモリ元大統領は、立候補できないのか否かが問題になっています。この問題に対する御意見をお聞かせ下さい。

(報道官)ペルーでその種の報道が為されているということは聞いています。事実関係を確認したところ、昨日の谷口副報道官の記者会見において、質問の取り違いだったかと思いますが、公職選挙法上の被選挙権の問題について、誤った説明を行ってしまったということがありました。御存知の通り、公職選挙法上の被選挙権については、年齢の規定はありますが、住所、或いはその居住期間等に関する規定はありませんので、その35日間云々というのは誤った説明だったと思います。その点は訂正すべく、昨日の記者会見等に出席された方への連絡をとっていますし、更にホームページ等、広報上の訂正を行いたいと思っています。

目次へ戻る

国連平和構築委員会の次期議長国選出

(問)国連において大島大使が日本として平和構築委員会の議長国を受託する意向を示されたのですが、具体的に日本としてどのように取り組みたいと思っているのでしょうか。

(報道官)ご承知の通り、国連の平和構築委員会は2005年9月に設立が決められた非常に新しい機関ですが、現在の議長の任期が今月末をもって終了するということで、7月以降の新しい議長の選出問題があります。現在、現議長を中心に次期議長選出についての関係国等への調整、根回しが行われておりますが、その中で是非日本にやってもらいたいという声が非常に多いという連絡を受けています。次期議長として日本を推薦したいという声が多いのであれば、日本としてこれを受ける用意があります。具体的には、6月27日の平和構築委員会の組織委員会の会合で正式な決定が行われます。他に推薦される国、或いは自ら手を挙げる国等がなければ、無投票という形で日本が議長国に決まることになるだろうと思います。
 平和構築委員会の活動については、日本としてはこれまで積極的に参加してきていますし、現在のような国際情勢の中で国連としても平和構築への努力を一層強化していかなければいけないと考えます。そうした中で、日本として仮に議長に選出された場合には最大限の貢献をしていきたいと思っています。

目次へ戻る


報道官会見記録(平成19年6月19日(火曜日)17時05分~ 於:本省会見室)

中東和平国際メディアセミナー

(報道官)6月26日(火曜日)、27日(水曜日)に中東和平国際メディアセミナーが開催されます。これは外務省が国連の広報局及び国連大学と共催して、東京の国連大学の中で開催するものです。このセミナーにはイスラエル・パレスチナ双方から参加者を得て、また麻生外務大臣も開会の挨拶を行う予定です。セミナーにおいては、現在、正に状況が悪化しております中東和平を巡る諸情勢についての意見交換、とりわけイスラエルとパレスチナの関係について、及び日本の方から提唱しております「平和と繁栄の回廊構想」について地域経済開発というコンテクストにおいて議論をして頂こうと思っております。尚、このセミナーは国連総会の決議を受けて毎年一回世界各地で開催されているものですが、日本で開催するのは初めてです。

目次へ戻る

北朝鮮問題

(問)韓国の宋旻淳(ソン・ミンスン)外相が国会答弁で、北朝鮮の送金問題は完了したという話をされたそうなんですが、日本に入っている情報はありますか。

(報道官)BDA(バンコ・デルタ・アジア)資金の送金問題については、日本は直接の当事者でありませんので、特にコメントすることはないのですが、最近、北朝鮮がIAEAの実務者チームを招聘したという話があり、その中で送金の問題に触れて「最終段階に来ている。従ってIAE Aとの話を進めたい」という言い方をしていましたので、少なくともBDAから周知の通りの手段をもって、当該資金が北朝鮮にとって満足するような形で送金の手続きがとられてきているのだろうと思います。ただ、繰り返しになりますが、当該送金問題が具体的に今どういう状態になったのかについては、当事者ではない日本の方から申し上げることではないと思っています。

(問)今日、米国の(六者会合の)首席代表であるヒル氏が来て、そこで佐々江局長と会って色々意見交換をすると思います。六者会合がいつ再開されるかという話にも当然なるかと思いますが、初期段階措置を終えてから六者会合を再開すべきなのか、それとも初期段階措置に入ったら再開してもよいのか、色々意見は分かれると思いますが、日本はどういうスタンスなのでしょうか。

(報道官)2月に合意された初期段階措置は、当初2ヶ月以内に実施するとされていましたが、既に4 ヶ月が過ぎています。私どもとしては初期段階措置の早期実施に向けた一連の段取り、措置が先ず執られるべきだろうと思います。その上で、六者会合の次の会合をどうするのかは、初期段階措置の実施状況を見極めながら議長国・中国との間で調整していく事柄であって、今の段階でどうでなければならないということを申し上げる状況にはないと思います。いずれにしても、この初期段階の措置、とりわけ核施設の活動停止・封印とIAEAによる監視、検証については速やかに取り進められる必要があると思います。

目次へ戻る

慰安婦問題

(問)米国下院の外交委員会で今月26日に、従軍慰安婦問題で採決をするという報道が流れています。ラントス委員長自身がその問題について、採決するという方向に行ったことに関して、日本政府としてはどのような見解を持たれているのでしょうか。

(報道官)米国下院で、本決議案をホンダ議員他が出されて検討されるという話が出て来た時に、私どもとしては、決議の中身について必ずしも事実を正確に反映していないということで、何度か議会関係者等に対する説明も行ってきましたし、特に4月に総理が訪米された時に米国政府、議会の関係者等に対して総理ご自身の言葉をもって慰安婦問題についての考え方を直接説明してきた訳ですので、今、その決議が採決に付されるという方向に作業が進んでいる点については残念だと思っています。

(問)総理自身も政府関係者と会ってこの話をしているという時に、その場に出席されていたラントス委員長も結局は採択するという方向になったので、日本の説明がきちんと通じなかった、もしくは相手に理解してもらえなかったという点についてはいかがでしょうか。

(報道官)私どもが米国の関係者に説明すべき事柄については、きちんと説明してきたと思いますし、決議の方も、実際に採決に向けてどういう展開をするのか更に見守る必要があると思います。ただ、今現在のような形で採決に向けて動いていくということであれば、私どもの方で重ねて説明してきたことについて十分な理解が得られなかったということになりますので、その点について残念なことと申し上げました。その上で、米国議会として最終的にどのような措置、採決をするのかしないのかということについては、米国議会の問題ですから、日本政府の立場からコメントすべきことではないと思います。

目次へ戻る

鈴木宗男議員・佐藤優氏の出版物について

(問)鈴木宗男議員と現在休職になっている佐藤優氏が、外務省を批判する本を出版されているのですが、外務省としてこの本についての見解もしくはコメントがあればお聞かせ下さい。

(報道官)出版された書物の中身を詳しく知りません。外務省として、この席で特にコメントすることはありません。

目次へ戻る


報道官会見記録(平成19年6月13日(水曜日)17時07分~ 於:本省会見室)

脱北者問題

(問)青森県に到着した脱北者の方々の韓国への移送の問題で、慎重に静かに取り進めたいという主旨は重々承知していますが、大体のメド、例えば今週内に移送のメドが立ちそうといったことはないのでしょうか。

(報道官)メド、見通しということについて、今、申し上げられることはありません。政府としては、ご本人達の意向を踏まえながら、現在、韓国政府との間で然るべく連絡、調整を行っているということです。

目次へ戻る

カザフスタンとの原子力協力協定交渉

(問)本日から、カザフスタンとの原子力協力協定第1回交渉が始まっていると思います。交渉の進捗と意義、どのようなものを達成されたいのかということを教えて頂けないでしょうか。

(報道官)我が国は現在、中央アジアの国々との間で様々な協力を進めています。その中でカザフスタンは、エネルギー分野で重要な役割を示してきている国ですし、日本としても原子力の平和利用について国際的なイニシアティブをとっていく考えですので、同国とは原子力分野での協力協定を早期に締結したいと思っています。カザフスタンは特にウランの生産国として非常に重要な存在になりつつありますので、日本から見ても同国との協力は意義が大きいと思います。

(問)中国を除けば、途上国では初めて原子力協定交渉が行われた訳ですが、今後、東南アジアや中東等、他の国との間でこういった交渉の見通しはあるのでしょうか。

(報道官)現在、ロシアとの間で原子力協力協定の交渉が始まっていることは御存知の通りです。原子力の平和利用について関心を有する国との間では、日本の技術をもって協力できることも多いと思いますので、具体的な話が出てくれば適宜検討していく方針ですが、今現在、開発途上国という範囲で具体的に原子力協定交渉を開始しているケースは承知していません。

目次へ戻る


報道官会見記録(平成19年6月12日(火曜日)17時35分~ 於:本省会見室)

外交官・公務員日本語研修修了証書授与式の開催

(報道官)14日(木曜日)、外務省及び国際交流基金が合同で実施している外交官・公務員日本語研修プログラムの修了式が行われます。昨年10月から9ヶ月間に亘って日本語の研修を受けてきた外国の若手の外交官26名、及び公務員の方9名、合計35名に対する修了証書の授与式が行われます。授与するのは松島大臣政務官です。ご参考までにこの外交官、及び外国公務員に対する日本語研修プログラム、今回の修了者の中にイラクから2名の公務員の方が入っております。イラクの公務員の方の日本語研修プログラム修了というのは初めてです。男性の方、及び女性の方それぞれ1名が修了されます。これまでにイラクの外交官については過去3名程このプログラムを修了されていますが、今回はイラク計画開発協力省から2名参加を頂いており、今回修了されるということになります。

目次へ戻る

脱北者問題

(問)青森県で保護された北朝鮮からの脱北者4人に一時庇護が出た関係で、改めて韓国に保護されたいという意志をこちらの方でも確認されたということですが、現在の状況をご説明して頂けますか。

(報道官)現在、入管法上の一時庇護上陸許可の申請が出され、それについての手続きが進行していると承知しております。何れにしても、今後の取り扱いに関してはご本人達の意向を踏まえるということと、人権の尊重、及び人道上の見地から対応していくことになります。既に韓国政府とは事務レベルで連絡調整を行ってきております。

(問)移送のメドというのは?

(報道官)現時点では申し上げられる段階にありません。

(問)韓国側に受け入れの障害となっていることは、特にはないのでしょうか。

(報道官)特に聞いていません。

(問)韓国側から4人に対して、面会が近いうちに為されるということはないのですか。

(報道官)一時庇護上陸許可が出れば、その後はご本人達の意向に沿って対応していくことになりますが、仮に韓国に行くという話になれば、今仰ったような段取りが当然踏まれていくのだろうと思います。

(問)現段階では面会等に行かれたということはないのですか。

(報道官)そういう段階に来ているとは聞いておりません。

目次へ戻る


報道官会見記録(平成19年6月6日(水曜日)18時07分~ 於:本省会見室)

脱北者問題

(問)青森県に漂着した4人の脱北者が、茨城県の入管施設に移るということで、今後とられる措置と、外務省として関わっていくプロセス、見通しを教えて頂けますか。

(報道官)今日、入管法に定める仮上陸の許可が出され、4名の方が茨城県牛久の法務省の施設に移ったと聞いています。今後、法務省として当人達から事情聴取をしながら、同省としての処分の内容を決める段階に来たと受け止めています。

(問)外交当局としては、どのような手順で、どのような見通しでやられているのでしょうか。

(報道官)法務省による処分内容がどのようなものになるかを受け、かつ、外務省としての対応が必要な段階が来れば、本人達の意向を踏まえ、また人道上の配慮を払いつつ対処することになるだろうと思います。いずれにしても、法務省としての決定が為されませんと、外交上の措置という段階には至らないと思います。

目次へ戻る

外交力強化に関する提言

(問)今日、自民党の方で外交力強化の提言が出ました。ODA増額などかなり外務省としてはありがたい提言ですが、その受け止めと、公邸料理人の官費補助を増やすとかいうのも入っていて、これからどうやって国民に理解を求めていくのか注目されるのですが、その辺はどうお考えですか。

(報道官)今日、自民党の外交力強化に関する特命委員会の会合で、最終的な報告をまとめて頂きました。提言の中身については、外交力を強化するためのいくつかの鍵になるポイント、特に外交実施体制の強化、或いは、ODAの拡充の話があり、外交のツールやプレイヤーとの関係についても検討頂きまして、全部で10項目という形で強化案をお示し頂いた訳です。私共、かねてから強い問題意識を持っていた事柄について非常に積極的なご検討を頂き、今後の政府内部での予算措置に関わる事柄もありますし、独自に実施できる事柄も当然あるわけですが、いずれにしろ、政府と与党が力を合わせながら提言の実現を図る、それによって外交全体をより積極的に展開出来るような状況を作っていきたいと思います。
 提言の実現に当たっては、当然、国民の幅広い理解が必要です。私共としても、ODA拡充や在外大使館の数の問題、或いは外務省職員の総数をどうするのかといった、昨年もかなり大きな課題として出てきた項目について、引き続き着実な実現のために努力して参りたいと思います。あらゆる機会に国民の皆様へのご説明をし、是非理解をして頂きながら、具体的な予算措置、或いは外交上の措置という形でその実現に努めるべきものと受け止めています。

目次へ戻る

李登輝氏の靖国訪問

(問)台湾の李登輝・前総統が明日東京に戻り、一部の報道によれば靖国神社の参拝に非常に強い関心を持っているということですが、現段階においてどのような認識を持たれているのでしょうか。

(報道官)李登輝氏について、日本に滞在しておられる間の日程の詳細を承知している訳ではありませんが、これまで日本側の受け入れ団体の方々などから説明を頂いたところでは、今回の訪問は私的なものであり、学術的、文化的な活動を行うということでありますので、政府サイドとしては、李氏として政治的な活動を行わないという前提で、現在のご滞在が行われていると理解しています。
 靖国の話がありましたが、側聞するところでは李氏の身内の方で靖国に祀られておられる方がいるということで、今回の東京滞在の機会に靖国訪問の意向を有しているやの話が伝わっています。私共としては、日本滞在中の私的な行動として、そのようなことが為されるものと受け止めています。

(問)李登輝氏がもし靖国神社に行った場合も、政治活動とは見なさないという認識でよろしいでしょうか。

(報道官)私共が説明を受けている限りでは、今申し上げたような事情で靖国に行かれるようであると聞いていますので、そういうことであれば、それはあくまでも私的な訪問なのだろうと受け止めています。

目次へ戻る


報道官会見記録(平成19年6月5日(火曜日)17時15分~ 於:本省会見室)

ミャンマー連邦西部地方におけるサイクロン被害に対する緊急援助

(報道官)先月からミャンマー西部地方で発生していたサイクロンの被害に対し、本日1,000万円相当の緊急援助物資の供与を決定しました。現地では住民10,000人以上が被災しており、学校、病院等を含む公共施設、家屋、2,000戸以上が損壊している状況です。援助物資の中身は毛布、テント、ポリタンク等です。

目次へ戻る

姉妹・友好自治体交流活動支援レセプション

(報道官)明日の夕刻、麻生外務大臣主催による「姉妹・友好自治体交流活動支援のレセプション」が開催されます。我が国は多くの地方都市等において諸外国との間で姉妹都市提携、或いは友好自治体交流を推進して頂いていますが、関係する各市、特別区の市長、区長、100名近くをお招きし、様々な関係者のご出席を得て、総勢350名程が出席するレセプションを外務省7階の会場において開催する予定です。

(問)レセプションには、国際的な姉妹都市から来賓が招かれるのでしょうか。

(報道官)お招きするのは、日本の自治体の市長、或いは特別区の区長、在京の関係する国の大使以下外交団の方々、国会議員の方等、総勢で350名です。

目次へ戻る

脱北者問題

(問)脱北者と見られる4人の方々が韓国へ移送される等の報道が出ていますが、移送のメドは立っているのでしょうか。現在、4人については様々な情報が入っていますが、外務省には新しい捜査情報は入っているのでしょうか。

(報道官)連日ご説明している通り、現在も青森県警と入管の関係者による聞き取り、事情聴取が行われています。それが終了したところで、ご本人たちの意向を含めて、状況について外務省に報告を頂けるものと思っています。その上で、外交的にどう取り扱うかを判断するという段取りになると思います。今現在、いつまでにとか、何日後にというメドが立っているわけではありません。ただ、脱北者の方々がご本人達の意向として特定の国に出たいということがあれば、人道的な配慮をし、人権を尊重するという立場に立って対処したいと思っています。現時点では、当局から事情聴取の結果について知らせを受けていませんので、まだその段階には至っていません。

(問)報道では韓国に行きたがっているのではないかということですが、土曜日に済州島の日韓外相会談の席でも、この問題について韓国側と意見を交換しているということで、日本としては本人達の意志を直接聞くのを待ちながらも、やはり韓国への移送は一つの選択肢として考えているのでしょうか。

(報道官)済州島での宋旻淳(ソン・ミンスン)外交通商部長官と麻生大臣の会談では、宋長官の方から、今どういう状況なのかとお尋ねになり、大臣の方から青森県警、入管当局の方で詳しい事情を聞いているところであり、その結果を聞いた上で適切に対処していきたいと答えました。総理御自身も人道的な配慮あるいは人権を尊重し、あるいはご本人達の意向を踏まえてということを仰っていますが、いずれにしろご本人達の意向が伝わってくるのを受けてからの対応になるので、今ここで予測をまじえて申し上げるのは適当ではないと思います。

(問)事務レベルでも、韓国側とこの件に関するやりとりは、外務省当局としてはまだやっていないということでしょうか。

(報道官)外交ルートでどのようなやりとりをしているかを逐一お話するのは、あまり適当ではないと思いますが、当然色々な形での連絡は随時取っています。

(問)微量の覚醒剤を所持していたそうですが、これが移送の問題に与える影響はどのようにお考えになっていますか。

(報道官)覚醒剤の話は、私も報道で知っているわけですが、当局での事情聴取の結果を聞いていませんので、報道を前提としたコメントは控えたいと思います。

(問)麻生大臣は委員会で、人道的な配慮が必要だとした上で、武装難民ではないということは確認できているという表現にとどめていますが、この大臣の発言にはどういったものがあるのでしょうか。

(報道官)大臣の発言の主旨は説明しかねますが、いずれにしても人定事項を含めて、詳細を現在本人達から聞いて頂いていると思いますので、その連絡を受けてから外務省としてのコメントはしたいと思います。

目次へ戻る

米国大使館の敷地借料問題

(問)米国大使館の敷地料の滞納問題について、3月の外務委員会で大臣が鋭意交渉を行うと答弁されていますが、その後交渉は進んでいるのでしょうか。現在の状況を教えて下さい。

(報道官)米国大使館敷地の借料問題は、国会で大臣がお話しした通り、現在、鋭意交渉をしている状況です。私共としては出来るだけ早く解決に至るべく交渉を更に取り進めていきたいと思っています。平成10年以降の分ということで、大分年月も経っていますので、早期の解決を得たいと思っています。

(問)米国側としては過去に永代借地権を主張して、その代わり所有権が米国に実質移転しているという見解を示しているようですが、滞納の問題はこの見解が理由なのでしょうか。

(報道官)米国大使館の敷地の借料問題は、明治期に米国に土地を貸して以来、何回か借料の改定が行われてきており、その都度様々な要素を考慮して借料を決めてきています。今指摘されたような権利云々の点も含めて、全体として解決に至りたいということです。細かい内容については、まさに交渉の中身であるとご理解頂きたいのですが、私共としては早期の解決を図るために今全力を尽くしていますし、その方向に向かって事が進んでいると理解しています。

(問)二国間の見解が違うから、なかなか交渉が進まないという認識でよろしいでしょうか。

(報道官)見解の違いというよりも、交渉事は新しい借料をどのように設定するかということですので、その交渉の中身については申し上げにくいのですが、いずれにしても全体を含めて早期解決に至るよう現在努力をしています。

(問)時期的なメドは、今のところ立っていないのでしょうか。

(報道官)メドは申し上げられませんが、まさに現在解決に向かって進んでいるところであると私共は理解しています。

目次へ戻る

日豪2プラス2

(問)明日の夕方に開かれる日豪2プラス2の意義と期待についてお願いします。

(報道官)明日の夕刻に外務、防衛双方の大臣の間で協議を行います。今年3月に豪州のハワード首相が来日した際、首脳会談の場で安全保障協力に関する日豪共同宣言が発出され、その中で外務・防衛合同で協議すると申し合わされたことが背景にあります。明日の協議では現在の様々な地域情勢、核の不拡散に関わる問題も含めて話し合いの対象になると思いますし、更に安全保障に関わる諸問題の中で緊急災害への共同の取組、カウンター・テロリズムについての日豪協力、或いは平和維持に関わる様々な問題等について意見交換が行われると思います。今回の日豪2プラス2は第1回目の会議になるわけですが、3月に発出された日豪宣言を実質的に進めていくための最初の重要な機会になるものと受け止めています。また、日豪間で協力できる事項が多岐に亘ることから、充実した話し合いが行われるものと期待しています。

目次へ戻る

このページのトップへ戻る
前月へ戻る | 次月へ進む | 目次へ戻る