(報道官)バングラデシュは、総選挙を巡り、しばらく政情の混乱が続いていましたが、昨12月26日の時点で、政府に強く抗議行動を行っていたアワミ連盟等14党連合が来年1月の総選挙への参加を決め、立候補届の提出を行ったということです。これにより、これは、バングラデシュにおける民主主義の定着を確かなものとする極めて重要な進展であり、日本政府としてこれを歓迎します。選挙は1月22日に予定されていますが、この選挙が、全ての政党の参加を得て、自由公正かつ平和裡に実施されることを強く希望します。
(問)台湾の地震に関して、邦人被害などの報告が入っていたらお願いします。
(報道官)現時点で、私のところに邦人についての被害の情報は入っていません。
(報道官)松島みどり外務大臣政務官が、1月10日(水曜日)にニカラグアで行われる大統領就任式典に特派大使として参列します。松島政務官には、この機会に、併せてメキシコ並びにパナマを訪問して頂く予定となっております。
(報道官)スペインのサパテロ首相が令夫人とともに1月15日(月曜日)から18日(木曜日)まで、公式の賓客として我が国を訪問されます。サパテロ首相の訪日に関しては、今年9月に当時の小泉総理がASEMの機会に首脳会談を行い、サパテロ首相の訪日を招待し、これを受けて、今回訪日することが確定したということです。サパテロ首相の日本訪問は初めてですし、スペインの首相として日本においでになるのは、1997年の当時のアスナール首相以来ということになりますので、前回以来9年を越えてスペイン首相の訪日が実現するということです。
(報道官)1月21日(日曜日)から24日(水曜日)まで、モザンビークのゲブーザ大統領夫妻が公式の賓客として訪日されます。2007年1月は日本とモザンビークの外交関係が樹立されてちょうど30周年にあたるということで、この時期に大統領をお迎えするということになります。ちなみに、ゲブーザ大統領は、2004年に、当時フレリモ党の幹事長というお立場で訪日されたことがあります。モザンビークは、1992年の和平協定への署名の後、非常に安定した政情を維持しています。順調な国家再建・経済社会開発を進めているということで、いわば「平和の定着」のモデル国として国際的にも評価されている国です。
(問)フィリピンで、大使館の関係者が自宅から飛び降りたという報道がフィリピンでなされているようなのですが、確かに日本大使館の関係者なのですが、報道官の方で確認されていますでしょうか。
(報道官)在フィリピン大使館の派遣員について、今お話があったような連絡があり、大使館の方で事実関係を確認中であるという段階です。現地の警察が取り調べているところですし、ご家族との関係もありますので、現時点では詳細についてご説明することは控えたいと思います。
(問)ファクトとしては、そういう事故はあったということでよろしいですか。
(報道官)今朝、現地でご指摘のようなことが起こったということで連絡が入っておりますが、詳細は確認中です。
(報道官)日本時間の本日午前、国連総会本会議で、「北朝鮮の人権状況」決議が採択されています。我が国とEUが共同で提出した決議案が、賛成99票、反対21票で、圧倒的多数をもって採択されたことを高く評価したいと思います。特に、拉致の問題を国際的な懸念事項であるとし、他の主権諸国家の国民の人権を侵害するものであると、決議の中で記述されています。昨年も類似の決議が採択されていますが、今回の決議において一段と内容が強化されており、これを評価するものです。また、総会本会議で採択されたことは、拉致問題の早期解決を含む北朝鮮の人権状況の改善に向け、国際社会が連携を強化し、明確なメッセージを発出するものであると思います。その意味でも今回の決議の重い意味を受け止め、北朝鮮の人権状況の改善に向けて進展があることを強く期待したいと思います。また、この決議の中では、北朝鮮の人権状況についての特別報告者が北朝鮮への調査を行うこととされておりますが、北朝鮮自身が、この特別報告者の受け入れをはじめとし、人権状況の改善に向けて誠意ある対応を取ることを強く求めるとともに、必要な働きかけを行っていきたいと考えています。
(問)先ほどの国会で麻生大臣が、六者会合について、二日目になって様相が変化してきたというような答弁をしていましたが、現在、報道官が把握していらっしゃる状況についてお願いします。
(報道官)様相が変わってきたというのは、初日の段階で、各国代表から、総論的な、全ての問題をカバーするような発言がなされたのに対し、二日目の議論からは、より論点を絞った形で議論が行われるような状況に変化してきたことを指すものと思います。議長国である中国から、昨年9 月の六者会合の共同声明を実施していくための行動計画、あるいはその実施の第一段階で取るべき措置といったことについて、議長国としての考え方を示しておりますが、その内容について私どもとしては前向きな中身であると受け止め、現在の協議に臨んでおります。従って、北朝鮮側が、議長からの提案をはじめ、他国からもいくつか考えが示されているようですが、是非前向きに対応すべきであると強く思っています。
(問)協議が今週中にはいったん議長声明の形で終わって、来年また早い段階で再開するという米国の報道官の発言があったようですが、外務報道官のスケジュール的な見通しとしてはいかがでしょうか。
(報道官)今回の会合がいつまで行われるのか、再開するとすればいつになるのかという点についての連絡は、特に入っていません。米国の報道官から、今ご指摘になったような発言がなされているということは承知していますが、北京から、そういった情報は特に入っていません。
(問)カリフォルニア近郊で邦人を乗せた飛行機が墜落したという情報があるようなのですが、何かお聞きになっていますでしょうか。
(報道官)私どもの方に、第一報の形で、カリフォルニアの郊外に小型機が墜落したもようであるという連絡が入っております。現在、現地総領事館を通じ詳細を確認中です。
(問)3名が乗っていたという話があるのですが、お名前だとかそういったものは。
(報道官)詳細は現在確認中です。
(問)六者会合ですが、今日の会合ではどのようなことが話し合われたかなどという情報は何か得ていますか。
(報道官)今日の協議の中身については特段の連絡が入っているわけではありませんが、議長国中国から、六者会合の共同声明の実施、特に、第一段階で取るべき措置について話し合いを行うという説明がなされているということですので、そのような話し合いが、今日の午前中、代表者レベルの会合で始まったのかなと思っています。また、午後に至って、それぞれ二国間の話し合いの場が持たれていると聞いていますので、今申し上げたようなテーマについて意見交換が行われていると理解しています。米国と北朝鮮との間でも、金融問題について専門家レベルでの会合が持たれているようであるという連絡が現地から入っています。
(報道官)トンルン・ラオス副首相兼外相が、明14日から外務省賓客として訪日します。ラオスとの関係では、メコン地域の開発もあり、カンボジア、ベトナム等と共に、日本のこれからの協力の重点地域にしていく方針ですので、今回の訪日は時宜を得たものだと思っています。また、ラオスは、今年7月から、向こう3年間、ASEANの中での対日調整国として日本とASEANの関係窓口を務めています。その意味でも、今回のトンルン副首相兼外相の訪日は有意義だと思っています。
(問)ヒル米国務次官補が16日にも来日して佐々江アジア大洋州局長と会談した上で六者会合に臨むという一部報道がありますが、それについて現在の見解をお願いします。
(報道官)ヒル米国務次官補の日程に関しては、現在調整中の段階と理解しております。いずれにしても、今回の六者会合に臨むにあたり、米国とは緊密に連携を取っていくこととしておりますので、日本を経由して行かれるのか、あるいは北京の方で接触があるのか、全体の日程を眺めながら調整がされているものと思います。
(報道官)インドネシアのアチェ州で昨11日に行われました地方選挙について申し上げます。同日、インドネシアのアチェ州において地方首長選挙が行われ、概ね円滑かつ平穏裡に実施されたことを我が国として歓迎します。アチェの和平を支援してきた我が国として、今後、開票・集計作業等の選挙プロセスが順調に終了し、民主的な手続きにより選ばれた地方の首長による行政を通じ、アチェ和平の持続的な定着が促進されることを期待します。ご案内の通り、今回のアチェでの選挙においては、我が国から6名の選挙監視団を送り、現地で選挙の実施状況を視察しましたが、その報告を受け、民主的な形で平穏裡に選挙が実施されたということで、これを歓迎するものです。
(問)六者会合にあたって、開始前に米朝でも直接事前協議をするということですが、それに関連して、日本として米国に改めて要望したりとか、あるいは日朝の事前協議があるのかとか、その辺をお願いします。
(報道官)昨日、中国が18日から六者会合を開催するという発表をし、我が国からは佐々江アジア大洋州局長他が北京に赴くわけですが、18日の六者会合に先立ち、関係国間で予め連絡、調整、立場の確認を行うであろうと思います。現時点では、まだ、どの国とどのような形でということが確定しているわけではありませんが、18日の会談に先立ち、北京を訪れるという形になるだろうと思います。
(問)米国の首席代表が16日の北京入りを予定しているということですが、佐々江局長も一緒にということになるのですか。
(報道官)現在、現地での事前の接触といいますか、意見交換の機会がどのような形で設定されるか未定ですので、それ次第でこれから出発日を決めるということになろうかと思います。従って、現時点で、何日に現地入りするということを決めているわけではありません。
(問)北朝鮮側は、六者会合は核問題を話し合う場で拉致問題を話し合う場ではない、それから、日本は参加しないでいいという2点、日本に対してきついコメントをしていますが、改めて、なぜ六者会合の場で拉致問題を取り上げるのかということについてコメントを頂けますか。
(報道官)北朝鮮との関係正常化、地域の平和と安定というものを実現していくために、日本としては、核問題、ミサイル問題と並んで大きな人道上の問題でもある拉致問題について、きちんとした話し合いを六者会合の場で行う、それを日朝だけでなく、他の関係国と共に、解決に向けて作業を行うということが、是非とも必要であると判断しています。六者会合の枠の中で、拉致問題を含め、バイで話し合う機会があればそれはそれで結構なことではないかと思いますが、その辺も含め、北京で、議長国である中国の協力も得つつ、様々なアレンジがなされていくだろうと思います。
(問)安倍総理と豪州のハワード首相が電話で会談されました。そして、日豪EPAの交渉入りについて、来年からやろうということで合意をされたと聞いています。日豪EPAに関しては、非常に国内の農業関係者の懸念が強いわけですが、それを考慮しても日本が豪州と交渉入りするというのは、どのようなメリットを日本としては期待しているのでしょうか。
(報道官)安倍総理とハワード首相との電話会談は、本日午後3時過ぎに行われたと聞いています。元々、フィリピンのセブ島でのASEAN会合の際、日豪のバイの首脳会談を行えないかという話があったわけですが、ご存知の通りの事情で、この会合自体がなくなったということで、今回、電話で話をすることになったと聞いています。両国間の主要テーマとして、EPAの交渉をどうするかということがあったわけですが、今日、電話会談で交渉を開始するということについて合意がなされたということです。日豪EPAにどのようなメリットがあるのかというご質問ですが、日豪経済関係がますます深まる中で更に経済連携を強化することで、ウィン・ウィンの関係と言いますか、双方にとってメリットのある成果が期待できるということが、予め検討されてきた共同研究の報告書でも指摘されています。他方、お互いにとって機微な品目もあるわけで、それについては、十分な配慮をしながら交渉を進めていくということになると思います。交渉事ですから、予めどうなるかを述べることは出来ませんが、守るべき所はきちんと守り、攻めるべき所は攻めるというのが交渉のあり方だと思いますし、とりわけ、国内で強い関心が示されている機微な品目の取り扱いについては、十分慎重に交渉を取り進めていくことになると思います。
(問)こういった日豪EPAの交渉入りについての両国間の合意というのは、通常、例えば首脳同士が会って決めてということが過去は普通だったと承知していますが、今回はセブ島でのことがあったとはいえ、電話でこういった合意をするということについて、どう受け止めていらっしゃるのか。また、そうであれば、政府内には電話でしなくても、それぞれ首脳の予定があるでしょうからスケジュールは大変なのでしょうが、実際に会ってからでもいいのではないかというような声もあったように聞いていますが、その辺を、少し交渉を急がれた部分というのはあるのでしょうか。
(報道官)日豪EPAについては、事務当局同士の間で共同研究を重ね、経済連携を取り進めていくことのメリット、問題点等について、十分に話を尽くしてきたということですから、この時期に政治レベルのご判断を頂いて、出来るだけ早く作業に着手するということが望ましい形だと思います。将来、首脳レベルでお会いする機会はあるかも知れませんが、共同研究の作業が終了したというタイミングを受けて、出来るだけ早く作業をしていくことがお互いにとって望ましいという判断がなされたとご理解頂きたいと思います。
(報道官)冒頭、私から1件ご報告します。レバノンにおけるパレスチナ難民に対する支援ですが、このほど、3つのプロジェクトに合計100万ドルの支援を行うこととなりました。国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)に、それ以外の拠出分と合わせ、合計372万ドルの拠出を行うという通報をしました。繰り返しますと、パレスチナ難民全体に対する支援事業ということでは、372万ドルですが、そのうちの100万ドル分を、レバノンにおけるパレスチナ難民支援向けに限定して拠出を行うということです。内訳は、レバノンにおけるパレスチナ難民の大学生に対する高等教育の奨学金35万ドル、あるいは避難している方々へのシェルター整備のための資金として45万ドル等の拠出を行うというものです。もともと、今年6月にレバノンのセニオラ首相から、当時の小泉総理に支援の要請があり、その後、レバノンに対しては、国際機関等を通じ、既に700万ドル以上の支援をしています。今回は、特にパレスチナ難民向けに限定し、レバノンへの支援を追加したということです。
(問)北朝鮮から、六者協議に関して日本の存在が進展を阻害しているというような表現があったかと思うのですが、その点についての外務省としての反応というか、立場というのはいかがでしょうか。
(報道官)私どもは、従来から一貫して、北朝鮮による拉致、核、ミサイルの問題については、六者協議の枠組みで話し合いを進め、解決をはかるとの立場であり、この点については六者協議のメンバーの中でも十分に了解をし合ってこれまでの作業を取り進めてきております。六者協議については、これを出来るだけ早い機会に再開するということが確認されておりますので、先般も、北京で六者協議の関係者がそれぞれ二国間、あるいは三カ国等で集まって話し合いを行いました。従って、私どもは、六者協議の中で、十分議論に参加し、問題の解決に加わっていくという立場をはっきりさせており、ご指摘の北朝鮮のコメント云々とは係わりなく、これまで通り六者協議のメンバーとして関与していきます。この点については全く変わりはありません。
(問)今日の閣議前に、日豪EPAに関することですが、これまで続けてきた共同研究の最終報告書について、関係閣僚の会合があり、そこで最終報告書をまとめて総理に諮っている状況なのですが、これから本交渉入りに向けて総理が判断されることだと思うのですが、まだ途中ではあるのですが、本交渉に入るとしたら、これから外務省としてどのように持ち込まれたいとお考えでしょうか。
(報道官)同研究の報告書については、内容的にはまとまり、今、豪州政府との間で細かい部分の精査を行っています。近々に正式に発表すべく、最後の作業をしている段階です。他方、来週、フィリピンのセブ島でASEAN及びアジア大洋州諸国の首脳が一堂に会しますが、その機会に安倍総理が豪州のハワード首相とお会いになるだろうと思います。今回、総理にお諮りし、日豪首脳会談においてどのような形でEPAの件をお話頂くのかということが、当面、いわば時間を設定された作業になると理解しています。正式には、総理にご判断頂いてからということになりますので、この時点で、交渉の進め方や中身について特段コメントすることはないわけですが、日豪は、今回の共同研究の中にもあるように、資源エネルギー部門を含め、非常に緊密な経済関係を持っているし、当然、EPAはメリットがある。他方、農業分野等で、大変センシティブな部分があるということですから、その辺を十分配慮しながら、どのように対応していくかということについて総理のご判断を頂くことになります。
(問)農業分野のセンシティブな部分への配慮なのですが、特に北海道の場合、オーストラリアの農業と重なる部分も大きく、影響も非常に大きいという北海道庁の試算もあるのですが、配慮というのはどの辺まで、具体的にお考えになっているのか教えて頂けますか。
(報道官)一般に、共同研究においては、豪州のケースに限らず、それぞれ相互に関心がある分野、そして、センシティビティ、機微な取り扱いを要する分野は何かといったことを含め、研究を行っているわけです。今回の日豪の共同研究においても、当然、日本側の国内事情といいますか、農産品を含めた取り扱いに関して、センシティブな状況をめぐって意見を交わしてきています。実際に交渉という段階になれば、関税の取り扱い、数量枠の設定、自由化プロセスの長期化、あるいは対象品目からそもそも外すこと等々、様々な貿易上の措置が検討されるわけであり、そういうことを念頭に取り扱いを決めていくということになるかと思います。従って、センシティビティへの配慮というのがどういう形になるのかは、交渉する中で判断されていくわけであり、そのような点を含め、今回、総理がご判断を下されるのだと思います。
(問)六者協議ですが、北朝鮮側から、開催について何らかの回答なりアクションはあったのでしょうか。
(報道官)先般、北京で六者協議の首席代表の方々が集まって協議し、その結果を北朝鮮の代表が持ち帰る形となったと理解しておりますが、それ以降、北朝鮮から何か具体的な連絡が入ったということは聞いていません。
(問)日露次官級協議が年内に開かれるという話がありましたが、もう12月に入っているのですが、現時点で年内開催の見通しについてはどのような状況ですか。
(報道官)戦略対話については、日露の首脳間で話し合われ、早い時期に対話を実施するという合意があります。それを踏まえて今、日程の調整を行っておりますが、タイミング的に、年内開催が可能かどうか、現時点ではちょっとお答えし難い状況です。引き続き日程の調整が行われているとご理解頂きたいと思います。