記者会見

報道官会見記録(平成18年8月)


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報道官会見記録(平成18年8月30日(水曜日)17時10分~ 於:本省会見室)

金正日北朝鮮総書記の中国入国報道

(問)北朝鮮の金正日総書記が、中国に入ったのではないかという情報がありますが、日本としては何か情報は確認していますか。

(報道官)そういう報道がなされているということは、私どもも承知はしていますが、現時点で何か確認していることがあるかと問われれば、それはありません。

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北方四島周辺水域における日本漁船の銃撃・拿捕事件

(問)ロシアに拘束されていた2名の方が日本に引き渡されましたが、これについてどう評価されますか。

(報道官)ご案内の通り、私どもとしては今回の銃撃・拿捕事件を受け、船長を含めた3名の乗組員と船体を速やかに解放するようにということを強く求めていたわけですが、今日午後の時点で乗組員2名の方について引渡しがなされたということについては、私どもの要請を受けたものだということで、結構なことだと思います。問題は、船長及び船体についての引渡しが受けられなかったということであり、引き続き強くロシア側に対して速やかな解放を求めたいと思っています。ご案内の通り、今日、日本時間で夕刻6時になるでしょうか、金田副大臣がモスクワを訪問中であり、ラヴロフ外務大臣と会談をするという機会がありますので、まずはその席でロシア側に船長及び船体の速やかなる解放を求めたいと思います。併せて、金田副大臣の方からは、再発の防止に向けた話し合いをして頂きたいと思います。具体的には、操業に関する枠組み協定というものがありますので、これを堅持しながら、安全なる操業がなされるようにということ、それから、取り締まり当局同士の間の一層の協力ということが必要であると思いますので、この点についても副大臣の方からロシア側に話をして頂こうということになっています。

(問)日本側として、協定違反だとかを取り締まるというか、取り組みを強めることはありますか。

(報道官)これも別に新たなことではないのですが、北海道を含め、当局の方から話をして頂いているわけですし、引き続き一定のルールの下で操業をして頂くということについて現地に話をして頂くということになるわけですが、外務省の方からは、ロシアに対して、これまで築いてきた一定の操業の枠組みというものを堅持する、その上で安全な操業が行われるような、取り締まりも含めた話し合いをきちんとしておきたいと思っています。

(問)取り締まりを含めた話し合いというのは具体的にはどういったものですか。

(報道官)これまでも日本側ロシア側双方の取り締まり当局間の話し合いというものが随時なされています。今回の洋上会談と言われるものも、現地での当事者間の話し合いの場として、年に2回、春と秋になされてきているわけですが、そういった取り締まりのルールについて、当事者間で更にきちんとした意思疎通を図るということが必要だと考えています。

(問)安全操業の協定について、ロシア側に求めるというのは、仮に今回の漁船がいわゆる違法行為をしたのであれば、日本側の方が協定を守っていないということになるわけですが、きちんと守りますよということをロシア側に言うということですか。

(報道官)今回、どういう状況でこのような事態になったのかということについては、私どもは正確な状況を把握しているわけではありません。今回2名の方が戻られて調査をする必要があると思っていますし、それによってどういう状況の下で今回のようなことが起こったのかということをまずきちんと把握する必要がある。その上で、十分な措置を取る、そうすればロシア側との間で安定した操業ができると思います。いずれにしろ、できるだけ早く船長及び船体の解放を得て、日本側としても状況を把握する必要があると思います。

(問)既存の枠組み以外で新たな枠組みみたいなものの検討というのはされていますか。安全操業について。例えば蟹に関して。

(報道官)ご案内の通り、1998年ですか、操業に関する枠組みというものができており、私どもとして、この枠組みを変えていくとか中身に変更を加える必要はないと考えております。

(問)船長の解放の見通しなのですが、現時点ではいかがでしょうか。

(報道官)現時点では、私どもはロシア側からその点についての説明は受けていません。日本側からできるだけ早く解放すべしということでロシア側に求めておりますが、見通しは立っていません。

(問)解放された二人の船員の方からの事情を聞くという作業は、現地に派遣されている首席事務官が今日から聞くということですか。それとも後日改めて行うのですか。

(報道官)外務省が聞くというよりも漁業関係者当局、北海道庁や海保の方できちんと事情を聞いて頂く必要があると思います。今回の洋上会談において、まず操業のあり方について、北海道庁の水産関係者とロシア側とで話し合いがなされたのだろうと理解しています。また、引き渡しの経過については、外務省関係者がロシア側の説明を受けたと承知しています。こうした状況については、これからの記者会見で説明があろうと思いますが、ただ、これらの関係者は現在花咲港に戻ってきている途中ですので必ずしも詳しい事情は分かりませんが。なお、現地から受けている報告では、お二方については、疲れている様子ではあるが、特段問題があるようには見受けれらないとのことです。今夕、6時半ぐらいに花咲港に戻られる予定です。

(問)お二人の解放はもっと先になる可能性があったわけですが、今回ロシア側が日本側の要求に応じてきた理由はどうお考えですか。

(報道官)理由についてはこれからきちんとお二方を含めて、ロシア側との話し合いの中で聞いていきたいと思います。既に麻生外務大臣とラブロフ外相と電話会談を行った時点で、ロシア側の主張としては、今回の事件については船長に責任があるという立場をとっている、お二方については領海侵犯について直接的な責任があるとは考えていないとの説明があり、状況としては、刑事事件として取り扱うのは船長のみであるというふうに理解したわけですが、これから更にきちんとした説明を受けたいと思いますし、お二方からの事情を聞きたいと思っています。

(問)お二人の処遇ですが、日本側で捜査した結果、何らかの違反行為があったと日本側が判断した場合、日本側でも刑事責任を追及する可能性があるのですか。

(報道官)その点について私の方で予断するのは控えたいと思います。

(問)昨日、ロシア側から、この海域で39隻の漁船が越境しているという抗議を受けたと聞いていますが、外務省の対応としては、水産庁等の方に確認するということですが、これについての事実関係は確認されているのでしょうか。

(報道官)その点については、私どもで事実関係を関係本面に照会したところ、37隻だと承知していますが、貝殻島の昆布協定に基づく操業をしている、通常の操業をしていると受け止めており、ロシア側が領海を侵して操業していた39隻という話が、この昆布協定に基づく昆布漁37隻の話であるとすると、ロシアにおける何らかの取り違いがあったのではなかろうかということで、事実関係をきちんともう一度確認してくださいという回答をしています。そもそも、我が方として、この海域については日本側の領海内という立場ですから、その点についてロシア側の抗議めいたお話しというのは受けるわけにはいかないわけですが、それはそれとした上で、事実関係について申し上げたような状況で、いわゆる違法な操業が大量に行われたという事実はなく、貝殻島の昆布協定に基づく通常の操業がなされていた船ではないかと回答しています。

(問)回答したのはいつになりますか。

(報道官)今日です。

(問)安全協定の枠組みをロシア国境警備の現場があまり理解していないということかと思われますが、その点についてはどうお考えですか。

(報道官)よく理解しているかいないか、ということではなく、現在の操業に関する枠組みというものをきちんともう一度確認した上で、取締当局の役割、実際の行動について確認しておかねばならないということだと思います。

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報道官会見記録(平成18年8月23日(水曜日)17時11分~ 於:本省会見室)

北朝鮮核実験報道

(問)北朝鮮が核実験の準備をしている兆候があるとの報道が一部でありますが、この事実関係については。

(報道官)北朝鮮が核実験の準備をしているのではないかという話は、ずいぶん前から伝えられていますし、報道もされているわけですが、私たちとしては、具体的にその兆候をつかんでいるという事実があるわけではありません。

(問)仮にその事実が明らかになった場合、日本としてはどのような対応に、今の段階でなりそうですか。

(報道官)仮にそういう事実が明らかになる場合には、その時点で、日本としての対処の仕方をはっきりさせるということになると思いますが、現時点でそういう兆候があるということではありませんので、コメントする段階ではないのではないかと思います。

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北方四島周辺水域における日本漁船の銃撃・拿捕事件

(問)北方領土での拿捕事件なのですが、まだ3人の乗組員は拘束されたままですが、解放される目処は立っているのでしょうか。

(報道官)現時点で、具体的にいつ、どこでという正式な通報がロシア側からきているという事実はありません。私どもは、一刻も早く3人が解放されるということ、それから船舶についても解放されるということが極めて重要であると考え、ロシア側に一刻も早く安全に解放するように伝えており、是非早くそうなって欲しいと思っています。ただ、今この時点で解放についての日時・場所が決まっているという事実はありません。

(問)現在の交渉は、どのようにどういうパイプで行われているのでしょうか。

(報道官)ユジノサハリンスク及びモスクワで連絡をとっているという形です。

(問)例えば、早期解放申し入れというのは、発生直後からずっと申し入れてると思うのですが、それ以上に、何か日本側から働きかけるということもあるのですか。

(報道官)先日、政治レベルということで、塩崎副大臣がモスクワに行かれましたし、その前に麻生外務大臣からも色々とロシア側に強く申し入れているわけです。ロシア側からも、人道的な観点に立って対応していきたいというメッセージは伝わってきていますし、随時、外交ルートで、早期の措置を求めるという我が国の強い意向を伝えてきています。

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報道官会見記録(平成18年8月9日(水曜日)17時05分~ 於:本省会見室)

日中21世紀交流事業中国高校生の短期代表団第二陣の来日

(報道官)冒頭一つ、ご紹介します。日中21世紀交流事業ということで、中国の高校生を日本に招くという形になりますが、その第二弾が8月21日(月曜日)から29日(火曜日)まで行われます。250名が訪日されるということで、今回は特に東北地方、山形、秋田、岩手、青森等、ホームステイを含めて回るということと、更に、関東では、神奈川、埼玉、東京等でのホームステイをされるということです。本事業には特に、塩崎副大臣が強いご関心を示されており、レセプションの主催を予定されております。私の立場からは、是非こういう事業を取材して頂きたいと思っています。先日、皆様もお会いになられた、中国の劉報道官と昨日協議を行いました。その中で、日中間で様々な良い出来事、前向きな出来事についても、積極的に説明、情報の提供をしていきましょうという話をしたのですが、今回、その一つの事例が出てきたということで、紹介をさせて頂きました。ご案内の通り、この21世紀交流事業では、今年の5月にすでに200名の高校生が日本に来ていますし、今年度だけで1000名規模の中国の高校生の訪日招待ということを実施しつつあるという状況です。私からは以上です。

(問)当初は、日本側も1000人向こうへ行くという話があったのですが、今のところ日本からは行っていないのですか。

(報道官)日本からの訪問というのは、この21世紀交流事業とは別枠でそういう話がありますし、過去に1万人近い、若い人たちを中心に中国を訪問するということもあったわけですが、21世紀交流事業そのものは、中国からの高校生を対象として年間1200名を目標に、短期、中期、長期の招待をしていこう、日中友好会館および交流基金それぞれが手分けをしてやっていくというものです。

(問)1回目は私も現場を見て質問しましたが、日本から中国に送る留学生も含まれているという事業があるということでしたが。

(報道官)確認したいと思います。

(問)現時点では日本から向こう側に行ったということはないのですか。

(報道官)こういう枠組みの外では、当然あります。私の知る限りでも、一番近い国として、若い人も含めた訪中も行われたと自負していますが、今年始まった交流事業の枠は日本側の招待というものです。

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報道官会見記録(平成18年8月2日(水曜日)17時03分~ 於:本省会見室)

就任挨拶

(報道官)昨日付で鹿取前外務報道官から職を引き継ぎ、外務報道官になりました坂場と申します。大昔、報道関係の仕事を2年ちょっとしまして、それ以来、23年くらい経っています。改めて、報道関係者の皆様との信頼関係を築きながら、他方で、ミスリードはしてはいけないと言われていますので、できるだけ丁寧に、事実に即して説明をしていくということを心がけたいと思います。以上就任の挨拶です。

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大学生国際問題討論会の開催

(報道官)冒頭私から紹介があります。9月22日に、「大学生国際問題討論会フォーラム2006」を開催することを予定しています。大学生・大学院生を対象とする、外交政策あるいは国際問題についての討論会であり、今回で第2回目となります。今回は、核兵器の問題とODAの二つのテーマがあり、三人一組の学生チームの対抗戦ということで実施しようということになりました。全国から応募を募って、学生たちに国際問題についての関心や理解を深めてもらうことを目的に実施するものです。

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レバノン情勢

(問)レバノン情勢ですが、安保理で議長声明が採択されたにもかかわらず、なかなか停戦が事実上成立しない、やはり行き詰まり感があると思うのですが、日本としても、報道官談話を出したり、あるいは人道支援を出されたりしていますが、今後の働きかけ、あるいは何か具体的な動きはありますか。

(報道官)おっしゃるとおり、日本としては、イスラエルに対して、自制を求めるということを繰り返し行ってきたわけですが、先般、子供たちを含め、多数の民間の犠牲者を出す空爆が行われたということで、極めて遺憾な状態だと受け止めております。安保理の方でも、議長声明が出ているわけですが、日本としては、こうした民間人の犠牲をできるだけ防ぐ必要があるということ、事態を更に悪化させないということで、即時停戦を求めるという立場を表明していますし、当事者が問題解決に向けて最大限努力して欲しいし、自制もしてもらいたいというのが、基本的な立場です。その上で、伊藤政務官が本日イスラエルを訪問し、イスラエルの外務大臣他と協議をするという予定です。その場で、今申し上げたような日本の立場を改めてイスラエル側に伝えて、事態の早急なる改善、問題の解決に向けて、努力してもらいたいというメッセージを伝えようとしています。そして、ご案内の通り、レバノンの状況の中では、人道上の問題が非常に深刻化しているということで、既に200万ドルの緊急人道支援を実施するということで表明済みですが、現在、関連する国連の機関、食料に関する機関、あるいは保健衛生に関する機関と協力して、できるだけ早く犠牲になっておられる方、負傷しておられる方と避難しておられる民間の方々に対する支援を実施しようと、その点についても日本の立場をイスラエル側にもきちんと伝えておこうということにしています。早急に事態の改善を図るというのは、確かに難しい状況にありますが、国際社会が一致して、事態の改善、解決のために、それぞれできることをやっていくということで努めていきたいと思っています。

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竹島周辺海域海洋調査

(問)韓国の、竹島周辺海域の海洋調査の関係ですが、放射能調査を日本側が実施するということを韓国側に事前に通報したということが、韓国政府の今日の記者会見で言われていますが、通報の内容と今後の日本側の対応について説明していただけますか。

(報道官)今日の午後、安倍官房長官が説明したと思いますが、日本政府から韓国側に、いわゆる海洋調査の公式の調査に関して事前通報したという事実はありません。1つだけ関連して申し上げられるのは、7月5日に韓国側が調査を実施したということに強く抗議すると外務報道官談話を発出したわけですが、その中で、日本側として、必要に応じて適切な時期に調査を実施する方針であるということ、それから、日本として、放射能調査自体は毎年実施しているという事実を韓国側に伝えたわけです。従って、日本の立場について外交ルートで韓国側に説明をするということはしていますが、日本独自の新たな海洋調査というものについて、時期を決めて韓国側に事前通報するというようなことは実施していません。

(問)今まで日本側が行うと言ってきた科学的海洋調査とこの放射能調査というのは、全く別のものだと考えてよろしいでしょうか。

(報道官)日本側において行う調査ということで、全く別の調査ということではないのですが、排他的経済水域において、双方の主張が異なっている海域もありますし、どの地域で放射能調査を実施するかということによっては、この放射能調査の話は全く無関係ではないわけです。そのことについては、韓国側に理解を求めるべく説明をしているということです。しかし、日本としていつどこの海域で調査をするという事前の通報というものは行っていないということです。

(問)繰り返しますが、日本側が適切な時期に行うとした海洋調査について、これとは全く別にやるということも有り得るということでしょうか。

(報道官)調査海域がどうなるかですが、双方の主張が異なる排他的経済水域の中で調査をするということになれば、それは全く別々の調査であるということはないのだと思います。海洋の科学的調査という中には、その種の様々な調査が含まれているわけです。いずれにしろ、現時点で、日本として、適切な時期に実施すると伝えた海洋科学調査について、その実施時期と場所を決めて事前通報したということはありません。

(問)それに関連して、韓国側は、韓国政府の同意がなければ放射能調査はできないと言っていますが、これに対して日本政府としてはどのように今後対応するつもりですか。

(報道官)双方の主張が異なっているわけですが、韓国がそういう立場を表明したということは承知はしていますが、できるだけこの種の調査の際に、双方に問題が生ずるということがないような仕組みを、できるだけ早く作るべきだという立場を日本側は主張しているわけです。暫定的な協力の枠組みという点についても、交渉を早急に行う必要があるのではないかと考えております。お互いがこの問題を巡って関係をこじらせるということは望ましくないと思いますので、枠組み作りについて、双方協力すべきではないかと思います。

(問)適切な時期というのは、例えば月内も含まれるのですか。

(報道官)今の時点では何も決まっていませんので、月内も含まれるのかという質問にはお答えできないのですが、いずれ適切な時期に実施するという立場について変わりありません。

(問)外交ルートで韓国側に説明したというのはいつ頃ですか。

(報道官)時期は、7月5日に韓国側が調査をし、我が方から外務報道官談話を出したのですが、その後にその内容を外交ルートを通じて説明したということです。いつ頃というのは、私は承知しておりません。

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