記者会見

報道官会見記録(平成18年7月)


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報道官会見記録(平成18年7月19日(水曜日)17時02分~ 於:本省会見室)

第10回日中安保対話の開催等

(報道官)冒頭2点ご説明します。まず1点目は、第10回日中安保対話が7月21日、北京において開催されます。この対話には、外務省から西田外務審議官、また、徳地防衛審議官が防衛庁から参加します。
 2点目は、明7月20日、中国と国連の問題を議論するために、河野総合外交政策局長が北京に行きます。この国連の問題について議論するというのは、先般、カタールの日中外相会談において、国連の問題についても協議を続けていきましょうという合意があったわけですが、これを踏まえて行われるものです。私からは以上です。

(問)国連の問題というのは、具体的にどのようなことですか。

(報道官)国連改革、安保理改革を含めてです。我々としては、安保理改革が重要なテーマであると考えています。

(問)今回の北朝鮮に関連した決議について、お話にはなるのですか。

(報道官)それは国連の問題についての場で話す問題ではないと思います。ただ、北京においてどういう話が行われるかわかりませんが、基本的な目的は、国連の問題についての議論ということです。

(問)協議は一日だけですか。

(報道官)今、予定されているのは、7月20日です。日中安保対話の方は、7月21日です。

(問)カウンターパートはそれぞれ。

(報道官)まず国連の方ですが、中国側は呉海龍外交部国際司長です。安保対話の方は、中国側は武大偉外交部副部長ほかです。

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報道官会見記録(平成18年7月12日(水曜日)17時04分~ 於:本省会見室)

「キッズ外務省2006・見学デー」の開催/「拉致問題パンフレット」(中国語・フランス語・スペイン語・日本語版)の作成

(報道官)冒頭、私から2点ご案内します。一つは、「キッズ外務省2006・見学デー」です。8月23日(水曜日)及び24日(木曜日)、「キッズ外務省2006・見学デー」を開催します。これは文部科学省をはじめとした府省庁等がそれぞれの特色を生かし、子供たちを対象に様々なプログラムを設けて実施している取り組みであり、今回で4回目になります。
 2点目ですが、拉致問題のパンフレットを以前にもご紹介したことがありますが、今まで日本語についてはホームページの中だけだったのですが、今回、日本語、そして中国語とフランス語とスペイン語が新しくできましたのでご案内します。私からは以上です。

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北朝鮮によるミサイル発射

(問)北朝鮮のミサイルに関する国連の決議案ですが、決議案を日本が提出する際に、事前に根回しと言ったらおかしいですが、提出前に各国に相談をされたときに、どのような展望を持って相談されたのですか。

(報道官)これは我々のやり方の中味に関わることですが、既にご承知のように8カ国が共同提案国になっています。米国とも緊密に協議しましたし、英・仏とも緊密に協議しています。今、8カ国が共同提案国になっている。またその他にも日本提案を支持している国がありますが、今の実情で、大体のことはおわかりになると思いますが。

(問)その他に、韓国とは事前にそういう話し合いをされましたか。

(報道官)韓国とは、別途、決議案の問題、安保理の問題、あるいはこのミサイルの問題についても意見交換をしています。

(問)この決議を出すにあたって、こういう内容で出すということは事前に話されているのですか。

(報道官)それは、日韓間の話ですから差し控えたいと思います。

(問)採決の時期なのですが、10日に採決すべきだったのではないかという意見もあります。当初は、なるべく早く採決して拒否権を行使されてもそれは国際社会に対するメッセージになる、だから早く採決すべきだというお考えだったのですが、どうして10日になって見送るというか、中朝の活動を見守るという方針に変わったのですか。

(報道官)我々としては、今でもできるだけ早期に明確な決議案を出すべきだという立場は基本的に変わりませんし、この点については米国とも立場を確認しているわけです。ただ、別途、中国が北朝鮮に対する説明、北朝鮮に対して働きかけを行うという話がありましたので、そういうことであれば、この決議案については、暫時、中国側の努力を見守ろうということで、日本政府としては立場を決めたわけです。

(問)中国側の努力は、結構、時間が長引いており、結局、迅速なメッセージというのは出せないのではないかという懸念もないでしょうか。

(報道官)今まさに中国側が北朝鮮と接触しているわけですし、我々としては、できるだけ早く一つの方向が見えればと考えています。今の段階では、中国側の努力を、一所懸命努力されていると思いますので、それを見守るということです。

(問)いつまで見守りますか。

(報道官)先程申し上げましたように、日本政府としては、できるだけ早く明確なメッセージを安保理が出すべきだという立場には変わりありませんが、今、まだ中国側代表団も北朝鮮にいますし、今の段階では、暫時、まだ見守るという立場です。

(問)フランスが、議長声明でいいのではないかというようなことを言っていますが、それを現状どう把握して、政府としてはどう受け止めるかというのをお願いします。

(報道官)11日の会合の後に、フランスの代表がそのようなことを話したということは承知しています。ただ、日本政府の立場は従来と変わりません。日本政府としては、強いメッセージを決議の形で明確に出すべきだと考えていますし、この日本政府の立場には変わりはありません。

(問)その案について、フランスからは説明はありましたでしょうか。

(報道官)これは、安保理の関係国がずっと協議していますし、それぞれの国がそれぞれの考えを持つということは有り得ることだと思いますが、日本政府としては、従来から一貫した態度を取っていますし、これからも、今申し上げたような姿勢で臨むつもりです。

(問)日本政府には説明は一応あったということですか。

(報道官)まさにその会合の中で色々な話し合いが行われているわけですが、その中に立ち入るのは差し控えさせて頂きます。

(問)日本政府の方針は、決議の形で行くという方針を考えいることはよくわかっているのですが、今の状況として、世界の状況から、困難になってきているのではないかという見立てといいますか、そういったものはありますでしょうか。

(報道官)我々としては、数日前と今と立場が変わるわけではありません。今、数日前に申し上げましたように、日本政府としては、暫時、中国側の努力を見守るということに今はしていますが、その前提となっているのは、あくまでも、決議案を追求するということですし、その姿勢に変わりはありません。

(問)状況が今、困難になりつつあるという認識はまだないということですか。

(報道官)もちろん、色々な国がいますし、色々な国の立場から意見交換をこれからも行っていきます。ただ、今の段階では、先程申し上げましたが、日本側の決議案については8カ国が共同提案国になっていますし、それ以外にも日本を支持している国があるわけですから、日本政府としては、これからも、今まで皆様に申し上げた姿勢で、明確に決議としてメッセージを出すことが重要だと考えていますし、そのラインで行きたいと考えています。

(問)日本として決議を追求していくというのは、今出している制裁決議案を追求していくということか、もしくは制裁決議でなく非難決議案でも決議として追求していくということなのですか。

(報道官)今の日本政府の立場は、従来ご説明した立場で変わっていません。明確な強いメッセージを決議として出すということで、米国側とも確認して、中国側の努力を見守っていくことにしていますが、その前提となっている基本的な立場、強い明確なメッセージを決議として出すということについて変わりはありません。

(問)明確な強いメッセージというのは、それは制裁ということですか。それとも非難決議でもいいということですか。

(報道官)我々としては、今、制裁を含めた決議を追求しているわけです。

(問)中国側の今の努力を見守るということですが、北朝鮮側からどのような回答が返ってきた場合には、日本側としてはその決議を追求することを考える・・・。

(報道官)ご質問を正確に理解できたかわかりませんが、我々の立場はこれまでも説明してきている通りですし、今回のミサイルの発射というのは非常に遺憾なことと考えています。我々としては、従来も皆様にご説明してきましたが、やはり、ミサイルモラトリアムの遵守の確認が重要だと考えていますし、また、六者協議へ条件なしで早期に戻るということも重要だと考えていますので、そういうことが達成できるように今後ともできるだけ努力していきたいと考えています。

(問)国連憲章の第7章に従った決議を追求されるとのお考えですか。

(報道官)その通りです。

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報道官会見記録(平成18年7月5日17時12分~)

北朝鮮によるミサイル発射

(報道官)冒頭、私より、外務省のとった措置について概略を申し上げます。外務省としては、本日午前5時に緊急対策本部を立ち上げ、情報収集等に努めるとともに、関係各国と緊密に協力しています。今回のミサイル発射は、国際社会において厳しく糾弾されるべきものであり、日朝平壌宣言に違反するものです。北朝鮮側に対しては、本日午前10時前、北京ルートを通じ、厳重に抗議したところです。これに対し、北朝鮮側からは、本国に報告する旨の応答がありました。
 関係国とも緊密に協議しています。本日午前、日米外相電話会談を行いました。また、午後2時半から3時の間に、日韓外相電話会談、日中外相電話会談を行いました。内容については、先程公表した通りです。また、夜、日露外相会談及び英仏との外相会談について、今、調整中です。安保理との関係ですが、既に国連代表部を通じ、安保理会合の開催を要請したところです。現在、日本時間今夜23時に安保理の非公式会合が予定されており、そこで大島大使より、この北朝鮮のミサイル問題を提起することを考えています。また、今回の発射を受けて、外務省としても渡航情報を発出しています。これまで、北朝鮮に対しては、「十分注意してください」という渡航情報を出していましたが、本日、北朝鮮への渡航自粛を要請することとしました。私からは以上です。

(問)これまで、六者の参加国には北朝鮮に対する姿勢だとか立場に若干の温度差があったと思うのですが、今回のこの事案を受けて、中国ないしは韓国が、北朝鮮に対して立場を強めていくとお考えでしょうか。

(報道官)韓国政府も今回のミサイル発射についてステートメントを出しており、かなり強いステートメントであったと思います。また、中国との外相会談について、先程、張り出しでお配りしましたように、安保理における議論を含めて協調していくということでこちらからお話ししています。米国とは、今日、大臣からもお話しがありましたように、今回のミサイルの発射は極めて遺憾であって、緊密に協議していこうということで、米国とは確認しています。

(問)そうすると、北朝鮮問題に対して、各国との連携みたいなものは、このミサイルの事案を受けて、今後更に強化されていくと認識されていますか。

(報道官)我々としては是非強化していきたいと考えています。

(問)安保理では大島大使はどのような主張をされる予定でしょうか。

(報道官)本日は、まずこの問題を正式に安保理で取り上げるということで話をすると思います。それ以降、どういうことになるかは、議論の展開にもよると思いますが、まずは安保理においてこの問題を議題として取り上げるということで、大島大使から発言されるものと考えています。

(問)日本として、北朝鮮に改めて六者協議というのを強く求めるというお考えはありますか。

(報道官)もちろん、六者協議は重要な協議ですから、今後とも六者協議は念頭に置いていく必要があると思いますが、今回こういうミサイル発射という事態がありましたので、我々としては、まずモラトリアムを確認し、そしてその上でまた六者協議ということを考えていきたいと考えています。

(問)それは、経済制裁をもし仮にするとしたら、その前にまずそのモラトリアムの確認と六者ということでしょうか。

(報道官)六者協議との関係で言えば、我々は六者協議は重要な会議だと考えていますし、それは引き続き念頭に置いていきたいと思いますが、今回こういうミサイルの発射という事態がありました。昨年の9月の六者協議の際にも、この地域の安全を害さないようにという趣旨は書かれていますし、日朝の間でもモラトリアムというのは書いてありますので、六者協議ということは念頭に置きたいと思いますが、まず、六者協議を開催するのであれば、少なくともこのミサイルモラトリアムということは、改めて確認しておきたいという趣旨で、先程お答えした次第です。

(問)それは、北朝鮮に対して直接日本側からモラトリアムの提案をするということですか。

(報道官)このモラトリアムの問題は、別に日本と北朝鮮だけの問題ではないと思います。これは、北朝鮮と関係国との関係でも重要な問題ですし、また、昨年の9月には、この地域の安全を害さないようにということで、9月の六者協議の合意ができているわけですから、やはり、六者協議を開くのであれば、そういう雰囲気というものは重要だと思います。

(問)その確認ができなければ六者は開かないと。

(報道官)あまりそこで厳密に議論するのはどうかと思いますが、六者協議については、重要な協議ですから考えていくべきだとは思いますが、まず、取りあえずはこのミサイル発射という事態がありましたから、この問題についてどう考えるかということだと思うのです。我々としては、六者協議ということはもちろんあるかもしれませんが、もしも六者協議について考えるのであれば、まずはやはりこのミサイルの問題をきちんと整理することだと思います。

(問)北朝鮮側から何か具体的な反応はありますか。

(報道官)今のところありません。我々が北京ルートで話をしたときは、単に「本国に伝える」という回答しか得ていませんし、今の段階で北朝鮮から何か明確な発信というものはまだ受けていません。

(問)今回のミサイルの件を受けて、日本政府として、政府高官ないしは閣僚レベルでもいいのですが、北朝鮮とバイの関係で、話し合いを通じて問題を提起していくというようなお考えはあるのでしょうか。

(報道官)これからどうするかということについては色々な考えがあると思いますが、今この時点で私は、何か具体的な提案というものは承知していません。

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