記者会見

報道官会見記録(平成18年6月)


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報道官会見記録(平成18年6月23日(金曜日)16時35分~ 於:本省会見室)

インドネシア・南スラウェシ州における洪水・地滑り被害に対する緊急援助/「日・ASEANテロ対策対話」の開催/「危機管理セミナー」の開催

(報道官)冒頭、私から3点ご説明します。まず1点目は、インドネシア・南スラウェシ州における洪水・地滑り被害に対する緊急援助についてです。日本政府は、23日(金曜日)、インドネシアの南スラウェシ州で大規模な洪水・地滑りが発生したことを受け、インドネシア政府に対し、総額約1200万円相当の緊急援助物資を供与することを決定しました。23日朝までに報じられている被害状況では、死者約200名、被災者約7500名に上っています。今回の災害により、多くの被災者が不自由な避難生活を強いられている状況にあります。わが国としては、今回の被災者に対し、お見舞いを申し上げると共に、今般、人道的観点及びわが国とインドネシア両国の友好関係に鑑み、同国に対し、緊急援助を行うこととしました。
 2点目は、「日・ASEANテロ対策対話」の開催についてです。「日・ASEANテロ対策対話」が、28日(水曜日)、29日(木曜日)の両日、東京で開催されます。この対話には、山本忠通外務省国際テロ対策担当大使及びマレーシア外務省フシン・ヤナン大使を共同議長として、わが国、ASEAN各国政府及びASEAN事務局より関係者がそれぞれ出席します。この対話は、昨年12月の日・ASEAN首脳会議における合意に基づき、今年度初めて開催されるものです。この会議については、昨年12月、日本政府が提案し、そこで合意を得て、今回第1回目の会議が開催されるというものです。この会議について、若干、背景をご説明しますと、我々がここで議論することを考えているのは、テロ対策について、まず、テロ対策能力の向上、いわゆるキャパシティ・ビルディングと言われているものですが、例えば、機材の供与とか、人材の育成です。そして、昨年の日・ASEAN首脳会議で、日本政府は、日・ASEAN統合基金を提案しました。これは75億円の基金ですが、今年の3月に発足しています。また、今年度より、我々は、テロ対策無償というものを新しく導入しました。予算では70億円計上しています。このテロ対策無償というのは、別にASEANだけを念頭に置いているものではありませんが、このテロ対策無償とか、日・ASEAN統合基金という、新しいひとつのツールがありますので、こういうものを踏まえながら、どういう支援が可能かということについて、今回の会議で自由に意見交換したいと考えています。
 3点目は、「危機管理セミナー」の開催についてです。外務省は、テロ情勢及びテロ対策等に関する情報提供活動の一環として、「危機管理セミナー」を、7月7日(金曜日)、札幌において、同地経済連合会等との共催により開催します。このセミナーは、平成6年より実施しています。海外におけるテロ、誘拐等の脅威が高まっている中で、民間の方々とも協力して、テロ対策について意見交換し、できるだけそれを未然に防止したいということで、会議では、テロ情勢について色々と意見交換するとか、どういったテロへの備えが考えられるかということを議論するという趣旨です。外務省の他に、コントロール・リスクの山崎社長という専門の方、三井物産の安全対策室の方、こういう方々と一緒にこのセミナーを行います。外務省としては、テロ対策の上で重視しているひとつの活動です。

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中国に対する円借款の供与

(問)今日、円借款の署名が行われたわけですが、来年以降、またそういう風にして、情勢次第ではまた凍結したりとか、そういうことというのはあり得るのでしょうか。

(報道官)今のご質問にお答えするのは非常に難しいと思うのですが、ご承知の通り、2008年にオリンピックが開かれますし、そのオリンピックまでには新規円借款は止めますということで、円満に日本と中国の間で了解ができていますが、我々としては、この了解を踏まえて、その間はできるだけ順調にこの仕事を続けていきたいと考えています。

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報道官会見記録(平成18年6月21日(水曜日)17時05分~ 於:本省会見室)

平成18年度「海外安全キャンペーン」の実施

(報道官)平成18年度「海外安全キャンペーン」の実施についてご説明致します。記事資料も配られていると思いますが、外務省は、7月1日(土曜日)から31日(月曜日)まで、平成18年度「海外安全キャンペーン」を実施します。日本人の海外渡航者の数が年間1,700万人を越え、またその渡航先及び渡航の形態もその目的や年齢層により多岐に及んでいます。そのため、日本人が遭遇する危機も複雑化しています。外務省は、毎年、夏の旅行シーズンに合わせてこのキャンペーンを実施しており、「海外安全ホームページ」のほか、外務省が行う海外邦人安全対策を紹介しています。今年の「海外安全キャンペーン」は、特に若い世代の短期旅行者に焦点を当てています。「オリエンタルラジオ」をキャンペーンキャラクターに起用しました。そして、安全情報を「しっかり見る!」、そうすれば海外でも「しっかり安全!」をテーマに、事前の安全対策を講じる必要性を集中的に広報する予定です。7月1日が「国民安全の日」であり、またこのキャンペーンの初日でありますが、東京(渋谷マークシティ)において、キャンペーンのキック・オフ・イベントを開催します。

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北朝鮮の弾道ミサイル

(問)北朝鮮のミサイル発射の動きについて、現在最新の、把握している情報を教えてください。

(報道官)私どもとしても、注視して見守っているところです。そして、ご承知の通り、我々は北朝鮮に対して、また他の関係国とも協議しながら、ミサイル発射モラトリアムを遵守すべきである、発射を自制すべきであるという立場で臨んでいます。今後とも、慎重に推移を見守っていきたいと思います。また、米国や韓国等の関係国とも緊密に連携を取っていきたいと考えています。

(問)実際、状況は、新しい動きがあったとか、そういう動きというのはあるのでしょうか。

(報道官)この問題については、我々も様々な情報交換を行っていますし、関係国と協議を行っています。この関連の情報については、詳細は差し控えているわけですが、ただ、慎重に推移を見守っていますし、引き続き北朝鮮に対してはミサイル発射を行わないように自制を、関係国と共にそのように自制を求めていきたいと考えています。

(問)北朝鮮側から外交ルートを通じて何か反応というのはあったのでしょうか。

(報道官)それは承知していません。

(問)今の質問に関連してなのですが、米国の報道で、米国としては迎撃ミサイルを今、活発化させているという報道がありましたが、それについて何か説明は。

(報道官)その報道は承知していますが、特に米国の対応については承知していません。

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佐藤優職員の裁判

(問)今日、佐藤優被告の裁判で、東郷元欧ア局長が決裁が組織的なものだったなどと証言されていますが、それについて外務省としての受け止めを聞かせて頂けますか。

(報道官)これは係争中のものですから、我々がコメントすることが適当かどうか知りませんが、我々としては、この裁判に対して、十分関心を持って見守っていくということです。

(問)外務省幹部の方が弁護側の証人に立ったということ自体はどうですか。

(報道官)この方は今は直接の外務省の職員ではありませんので、我々としてコメントすることは差し控えたいと考えています。

(問)組織的な決裁ではなかったという認識なんですよね、外務省としては。

(報道官)この問題については、我々としては組織的なものではないという認識です。

(問)佐藤被告が独断でやったという。

(報道官)基本的には、佐藤被告の考えで実施されたものと受け止めています。

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米国産牛肉輸入再開

(問)米国産牛肉輸入再開で合意して、まもなくまたブリーフィングがあるようですが、外務省としての受け止めをお願いします。

(報道官)この問題については、ご承知の通り、従来から食の安全、安心を中心に米国側と協議してきたわけです。できるだけ早く結論が出るということを目指してきました。ただ、やはり食の安全、安心が重視だということで議論してきたわけです。まだ、この段階で結論が出ているわけではありませんので、まだ具体的なコメントは差し控えたいと思いますが、我々の目的、従来からの米国側との協議の成果ができるだけ早く出れば、それはそれとして非常に歓迎すべきことだと考えています。

(問)日米首脳会談に向けて、好材料といいますか、関係がひとつ整ったという認識はありますでしょうか。

(報道官)この問題については、まさに我々が今までご説明してきたとおり、まず何よりも食の安全、安心を踏まえて協議してきたわけです。ただ、今申し上げましたように、早い段階で結論が出るということは、望ましいことだと思っています。

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報道官会見記録(平成18年6月14日(水曜日)17時05分~ 於:本省会見室)

外交官・公務員日本語研修修了証書授与式/日本・マレーシア経済連経済協定第1回合同会合

(報道官)はじめに私から2点ご紹介させて頂きます。1点は、外交官・公務員日本語研修計画についてです。外務省と国際交流基金は、9ヶ月間の日本語研修プログラムを実施しており、明日午後2時半から、研修修了式を行います。また、その後に簡単な懇談会を予定しています。今回この研修プログラムに参加したのは、33カ国・地域からの若手外交官26名と公務員12名の計38名です。この件については、6月9日の記事資料でもご案内してはいるのですが、この外交官研修というのは今回で25回目でありひとつの節目でもあることなら、もし皆様お時間がございましたら、明日の懇談会に参加して頂いて、どういう方が研修されているかということで、少しでも接触があれば我々としても非常に有意義であると思いましたので、改めて本日ご紹介させて頂きます。また、ひとつの事実関係として、このプログラムは今回25回目で、これまで、外交官については、464名の方が参加しています。そして今回26名の若手外交官が参加したので、総数としては490名になりますが、これらのプログラムに参加された外交官のうち、かなりの数が実際に東京で外交官として勤務されており、現在でもこのプログラムに参加された30~40名の方が東京で外交官として勤務されています。こういう背景もありますので、このプログラムについて皆様にご案内すると共に、もしも明日お時間がありましたら、その懇親会にご参加頂ければと考えています。
 2点目は、昨日の記事資料でご案内しましたが、日本とマレーシアの経済連経済協定が7月13日に発効する予定です。そして7月13日には、東京において、第1回目の閣僚レベルでの合同委員会を開催する予定です。この合同委員会というのは、締約国政府の閣僚または上級職員を共同議長とするということになっていますが、今の段階では具体的にどなたが出席されるかというのは調整中でまだ決まっていません。しかし、この第1回会合では、合同委員会での手続き規則、原産地規則の運用上の手続き規則であるとか、様々な今後の運用に関わる問題について議論し決定する予定になっています。私からは以上です。

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インド洋津波支援

(問)インド洋津波のインドネシアへの緊急支援に関する問題なのですが、昨日の外交防衛委員会で、インドネシア政府から不透明だとの指摘については、見解の相違だとおっしゃっていたのですが、もともとJICSが入札の過程で審査の評価の基準を変えたりとか、そういう不手際があったということではないのですか。

(報道官)この点については、ご承知の通り、再入札が実施されたわけで、その再入札を実施するにあたっては、JICSの行った評価方法と結果について、JICSとインドネシア政府側の間で協議した結果、再入札するということになったわけです。インドネシア側としては、我々の評価方法について、これが不透明だという指摘があったとは我々は理解しておらず、若干不明確な面があると、少しその辺をクリアにして欲しいという指摘はあったとは承知しています。そしてそれを踏まえて、JICSとインドネシアの公共事業省との間できちんと議論をした上で改めて再入札をしたということであり、すべてきちんと相手側と協議を行っていますし、またそこは決して不透明なプロセスで行ったとは、我々は考えていません。

(問)だとすると、なぜその入札をする前の段階で、その基準評価方法についてインドネシアとしっかり協議しないでその手続きに入ってしまったのですか。手続き最中にやり直すことになり、入札が結局半年遅れたということは、手続き上の不手際ではないのですか。

(報道官)すべてがかなり緊密に、インドネシア側の政府当局とJICSの間で話し合いが行われて実施されてきたのだと思います。評価方法については、JICSとしては、自らの評価方法に従って3つのジョイントベンチャーと1つの企業がこの応札に適当ではないかという判断をしたわけですが、その段階でインドネシア側当局からもう少し議論したいということで、その結果、最初応札した企業については基本的にこれらは適当ではないかもしれないと、それで改めて、ご承知の通り再入札をしたわけです。それはひとつの物事の流れとして、おそらくJICSはJICSとして判断してインドネシア側と相談して、それでインドネシア側としては違う意見があったのでそこで意見を調整して進んだという経緯があるので、これはある意味では、ひとつの仕事の流れであったと考えています。もちろん、他の方法があったのかもしれませんが、ひとつの仕事の方法、順番としては通常のプロセスを踏んでそういう結果になったものですから、我々としてはそれはそういうものとして受け止めているわけです。

(問)例えば、外務省が何かを、工事なり何なりを、あまりないですが、建設省でもどこでもいいですが、発注するときに、入札をやると決めて、入札を始めましょうとなった後に、その入札の、例えば外務省の中で幹部と担当者と意見が分かれたのでもう1回入札をやり直しますと、何ヶ月か後にやりますなんていうことは通常よくあることなんですね。

(報道官)国内と海外では違うと思うのですが、ご承知の通りこれはインドネシア側と日本側と調整しながらやってきたし、その段階におけるいろいろな状況もあったと思います。ただ、ひとつ言えることは、インドネシア側と日本側のJICSとの間では、きちんといろいろな面で議論してきましたし、また、インドネシア側と日本側との間では、今でも意思の疎通はしっかりしていると思います。また、その旨は、先月もインドネシア側の関係者が来ましたが、日本の支援に対して謝意の表明もありました。そこは、国外と国内では状況は多少違うと思いますが、今の状況においては、適切に仕事が進められたと理解しています。

(問)他のODAの事業で、こういった、施主である相手国政府と、入札の途中にいろいろあって再入札をするというケースは、特に外務省案件の場合とか、よくあることなのでしょうか。

(報道官)ちょっとそこは、私は今、答えを持ち合わせていません。

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米軍再編問題

(問)横須賀の市長が原子力空母の受け入れを容認する発言をしたのですが、これについて外務省として受け止めは。

(報道官)政府としては、政府の立場についてご理解を得られたということについては非常に感謝の気持ちを持っています。ご承知の通り、日米安保体制の信頼性にとって、米軍の空母というのは極めて重要な役割を果たしていますし、その意味で、横須賀市が日米安保体制のために果たされている、あるいは御協力頂いているということについては、非常に感謝、評価をしています。また、この原子力空母との関連で、政府としてはこれからも地元の方々の安心、安全については緊密に横須賀市とも議論していきたいと思いますし、また、米国側もいろいろと防災に関する提案をしていますが、それについても政府としてはきちんと取り組んでいきたいと考えています。

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北朝鮮関係

(問)北朝鮮がミサイル発射の動きを見せているという話で、韓国の潘基文(パン・ギムン)外交通商部長官が、大変憂慮をされていると、非常に強い懸念を表明されているのですが、日本政府として、この発射の動きについてどう思われているのでしょうか。

(報道官)我々もこの問題については様々な情報収集、情報交換を行っています。その詳細については差し控えたいと思いますが、我々としては、今この段階でそのような動きが差し迫っているとは受け止めていません。

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遺棄化学兵器問題

(問)中国黒竜江省の河川で、遺棄化学兵器と見られるものが新たに見つかったという報道がありますが、これについて外務省としていつどのような形で知るところとなったのでしょうか。また、今後どういった対策を取られるお考えでしょうか。

(報道官)まず、今後どうするかということですが、やはりできるだけ早く調査をしなければいけないと思います。そしてその化学兵器がどのような化学兵器であるかということに応じて我々は対応を考えなくてはいけないので、まず、今考えていることは、できるだけ早く具体的な調査をするということです。また、いつそれを知ったかということですが、8日に中国外交部より旧日本軍のものと思われる化学兵器が発見されたと、日本側が直ちに調査団を派遣することを求めるという通報を受けました。

(問)これが仮に化学兵器だとしますと、現在進めている遺棄化学兵器処理の枠組み、それから今後の日中関係に与える影響というのはどのようなものだとお考えでしょうか。

(報道官)中国における遺棄化学兵器については、我々は中国側と協力して条約を踏まえてきちんと対応していこうと思っていますし、まず、今回の件については、調査してみないとどのようなものかわかりませんが、いずれにしても我々の遺棄化学兵器の問題についての基本的な考え方を踏まえて対応していきたいと思います。

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EEZ画定交渉

(問)昨日、EEZ交渉を行ったわけですが、7月に韓国が予定している海流調査について、韓国の潘基文(パン・ギムン)外交通商部長官が、当然の権利であるとして、日本側が中止を求めても拒否する姿勢を示されたのですが、それについてはどのようにお考えですか。

(報道官)海流調査の件についてですが、EEZ画定交渉が東京で行われていたわけです。その枠組みの中において、科学調査の事前通報制度についても我々としては提起したという事実がありますが、この問題については、その段階では、韓国側としては、科学調査の問題についてはここでは議論する権限は与えられていないということで、深くは入りませんでした。ただ、我々としては、4月のような出来事の再発というものは好ましくないので、お互いに自制することが重要だということを韓国側に伝えたわけです。そして、この立場については、これからも韓国側に様々な機会に我々の考えとして伝えていきたいと思っています。

(問)関連して、日本が改めて調査船を派遣するという可能性はありますか。

(報道官)それは聞いていません。

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報道官会見記録(平成18年6月7日(水曜日)17時03分~ 於:本省会見室)

対中円借款

(問)昨日、対中円借款の凍結解除というのが決まりましたが、このタイミングで決定したというのはどういうことなのでしょうか。

(報道官)この点については官房長官もお答えになっていると思いますが、一言で言えば、総合的に判断して、このタイミングで方針を固めたということです。ご承知の通り、本来3月末までにひとつの結論を出すということであったわけですが、様々な状況により、4月以降も検討を続けてきたわけであり、調整を続けてきたわけですが、最近特に日中外相会談が開かれて、様々な分野で日中関係を強化していくというような方針、方向が改めて確認されたことなども踏まえて総合的に判断したということです。

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ドミニカ移民問題

(問)ドミニカ移民の裁判のことですが、今日の判決を受けて、原告側の記者会見で、外務省が今度出す50周年に合わせた政策などについて批判する声明を出しているのですが、このことについてどのように受け止めていらっしゃいますでしょうか。

(報道官)私どもとしては、ドミニカの日系人社会の方々とはできるだけ信頼関係を構築していきたいと考えていますし、また、平成16年3月10日の総理の参議院予算委員会における発言があり、私どもとしては、日系人社会全体にとってどういうことが可能か、また、日本とドミニカ共和国の発展にとってどういうことが可能かということで、現地の日系人社会の方々とも話をしてきたわけです。また、これからも、今年は50周年ですし、また、ドミニカの日系人社会は、日本とドミニカの両国関係の重要な架け橋としての役割も果たしておられるわけですから、政府としても、日系人社会との信頼関係は強化していきたいと考えていますし、これからもそういう立場からいろいろと対話、相談をしていきたいと考えています。

(問)その会見の中で、原告の代表が、50周年記念大会について、今回の判決で棄民大会になると言っているのですが、これについてはどのように受け止めていらっしゃいますか。

(報道官)私どももまだ、この判決が出てから、日系人社会の方々とそれ程お話しするという機会がまだありませんが、これからもいろいろな機会を捉えて、この50周年に対してどう臨むか、また、50周年に対して政府としてどういうことができるかということは、また機会を見て話していきたいと考えています。

(問)50周年までに何らかの支援策を出すということも検討するということでしょうか。

(報道官)今の段階で、どういう方針になっているか、私からお答えすることは控えさせて頂きます。

(問)判決では、国の不法行為責任を認める内容になっていますが、これについてはどう受け止めていらっしゃいますか。

(報道官)大臣も談話で申し上げましたように、今回、賠償請求の棄却という判断が出たことについては、国の立場が認められたと考えています。また同時に、今ご指摘のように、我々としても、厳しい指摘があると理解していますので、この判決の内容については、精査していきたいと考えています。

(問)これを機に、反省とか謝罪のメッセージを出すおつもりはありますか。

(報道官)まだこれから内容を精査する必要があると考えています。ご承知のように、ドミニカの一連の問題については、政府としては、法律の問題については裁判所において議論するという立場を取ってきました。また同時に、先程総理の発言を引用しましたが、総理の発言を踏まえまして、ドミニカの日系人社会との信頼関係を構築するためにどういうことができるか、日系人社会全体のためにどういうことができるかという観点から検討を進めてきたわけですし、そういう立場は継続していきたいと思います。ただ、この裁判の内容については、我々としても、これから中身を勉強していきたいと考えています。

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