記者会見

岸田外務大臣会見記録

(平成25年3月5日(火曜日)9時17分 於:本省会見室)

核兵器の人道的影響に関する国際会議

【朝日新聞 二階堂記者】今、オスロで開かれている核兵器の非人道性に関する国際会議について伺いたいのですが、日本も参加している会議では、核兵器の非人道性に関する議長採択がされる見通しです。一方で日本は核の傘に頼っていますけれども、核を巡る、こうしたジレンマを大臣はどう受け止めて、どのように取り組むお考えでしょうか。

【岸田外務大臣】我が国は、唯一の戦争被爆国であり、核兵器の悲惨さについてはどの国より理解している国だと思っています。そして、御指摘のオスロの会議におきましても、我が国は放射線医療の専門家、さらには被爆者の方を派遣して、議論に貢献をしています。
 私(大臣)自身、広島出身の外務大臣として核軍縮に積極的に取り組んでいく考えでおります。具体的には、「核兵器のない世界」に向けて現実的、そして具体的な取組を進めていかなければならないということで、NPDIの枠組み等を通じて、国際社会をリードしていきたいと考えております。「核兵器のない世界」という最終的な目標については同じですが、我が国は、我が国の具体的なアプローチを通じて、こうした議論をリードしていきたいと考えております。

米軍再編問題

【時事通信 松本記者】普天間飛行場の件でお伺いします。普天間飛行場の移設に関して、埋立申請の時期について、現時点で政府内でどういう検討状況になっているか。あわせて先の日米首脳会談の際に、安倍総理、または外相からオバマ大統領に申請時期について、具体的な言及をされたかどうか。また、あわせて外相会談のレベルで大臣からケリー長官に対して具体的な言及をされたかどうか、あわせて確認させてください。

【岸田大臣】まず普天間飛行場代替施設にかかる埋立申請については、具体的なタイミング、まだ何も決まってはおりません。そして、日米首脳会談においては、普天間飛行場の移設等、そして、嘉手納以南の土地の返還計画、統合計画をともに早期に進めていくという点で合意をいたしました。
 そして、外相会談においても、同じくその点について確認をしたということで、具体的なタイミング等はその中でやり取りはされておりません。

中国情勢

【朝日新聞 二階堂記者】中国の全人代が始まって、中国の国防予算が前年よりも上回ったという報道もありますけれども、それについて外務大臣の事実関係と今後こういう中国の防衛費増大について、どのように受け止めているかお考えをお聞かせください。

【岸田大臣】聞いておるところによりますと、4日、中国の報道官からは全人代前の記者会見におきまして、2013年度予算案の国防費については全人代での協議・批准後に発表する旨述べたと聞いております。
 国防費、例年と異なり事前に今明らかになっていないということのようです。引き続き、中国の国防政策、軍事力については注視をしていきたいと考えております。

オスプレイの飛行訓練

【中国新聞 藤村記者】明日から始まるオスプレイの本土訓練ですけれども、昨日、政府の方に九州ルートで訓練を行うという伝達があったみたいですけれども、これに対する大臣の受け止めと、あともう一つ、条件によっては他ルートでも実施する可能性があるということですけれども、具体的に聞いていらっしゃるかどうか。

【岸田大臣】昨日、在日米軍から、3月6日から8日にかけて、3機のMV-22が沖縄から岩国飛行場に飛来し、そして、九州地方において低空飛行訓練を実施する予定である、同時期に夜間飛行訓練も実施する予定である、こうした通報がありました。
 外務省から米側に対しましては、本件訓練にあたって昨年9月19日の日米合同委員会合意を遵守するとともに安全性を最大限確保し、地元に与える影響を最小限に止めるよう申しれております。引き続き、こうした点、万全を期すようしっかりと働きかけていきたいと考えております。
 そして、ルートにつきましては、昨年米側が作成しました環境レビューにおいては、九州地方上空の飛行ルートとして、イエロールートなるものが記載されているところですが、米側によれば、訓練計画については、当日の気象条件等により変更があり得るということでありました。こうした連絡を受けております。

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