記者会見

岸田外務大臣会見記録

(平成27年12月18日(金曜日)9時00分 於:官邸エントランスホール)

産経新聞前ソウル支局長に対する判決

【テレビ朝日 千々岩記者】昨日,夕刻ですけれども,産経新聞ソウル支局長について判決が出ました。無罪ということですけれども,改めて大臣の受け止め,ご感想をお願いします。

【岸田外務大臣】日韓間の大きな懸案の1つにおいて,このような前向きな動きがあったことは評価いたします。日本と韓国の間においては,なお多くの課題が残っておりますが,日韓関係を前に進める1つのきっかけになることを期待したいと思います。以上です。

【テレビ朝日 千々岩記者】大臣は,様々な懸案への前向きな期待ということをおっしゃいましたけれども,今回の判決というのは,何かそうしたものに影響を与えるものなのか,それとも判決は判決として,別個,独立したものであるのか,その辺はいかがお考えですか。

【岸田外務大臣】判決は判決であります。しかし,ほかに影響があるものかどうかは,これは注視はしていきたいと思います。

【テレビ朝日 千々岩記者】注視というのは,その韓国側の出方ということなのでしょうか。

【岸田外務大臣】全体の動きを注視したいと思います。

【朝日新聞 安倍記者】今の話で評価するというお話ですけれども,今回の判決は,表現の自由や言論の自由から当然だというような意見もありますが,その点,大臣はどのようにお考えになりますか。

【岸田外務大臣】これまで,我が国は表現の自由,報道の自由,そして日韓関係の観点から,韓国側に適切な対応を求めてきました。これは日韓関係の観点からは,前向きな動きであると評価すると申し上げております。

【産経新聞 田北記者】韓国側は,この件で一週間以内で控訴するか,しないか,検察ですけれども,決めることが出来るのですけれども,それについてどうお考えになりますか。

【岸田外務大臣】韓国側に対しては,引き続き,今申し上げた報道の自由,表現の自由,日韓関係の観点から,適切な対応を求めていきたいと考えます。

【毎日新聞 小田中記者】今の件に関連してですけれども,適切に求めていきたいということですけれども,外交ルートを通じてですね,改めてまた要請など,今後する予定というのはあるのでしょうか。

【岸田外務大臣】適切な対応を求めるということは,従来からも何度となく,様々な場を活用して韓国側に伝えてきております。引き続き適切な対応を期待いたします。

日韓国交正常化50周年

【NHK 立町記者】日韓の友好の条約締結から確か50年,本日がそうだと思うのですが,今後,50年の節目を念頭に,慰安婦問題の解決等の早期妥結ということもありますから,それも踏まえて,日韓関係のこの日を踏まえて,かつ,そういった懸案も踏まえた上で,今後どういうように日本として関係を築いていくのか・・・。

【岸田外務大臣】おっしゃるように,今日12月18日は,日韓基本関係条約発効50年目であると承知をしております。この50年を振り返りますと,日韓関係は飛躍的に発展しました。日本にとりまして,韓国との関係は最も大切な二国間関係の一つでありますし,日韓関係は,地域や国際社会の平和や安定にも,大きな影響を与えるものであります。
こうした日韓関係においては,様々な難しい課題が存在するのも事実でありますが,是非,対話を重視しなければなりません。今年は,日韓国交正常化50年という年に当たり,3年半ぶりに日韓首脳会談も開催されました。そして,私(大臣)自身も日韓の外相会談を確か5回,1年間で行いました。是非引き続き対話を積み重ねることによって,大局的な観点から,未来志向の二国間関係を築き上げるべく努力をしていかなければならないと考えています。日韓基本関係条約発効,50年の日に当たって,改めてそのように思います。
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