記者会見

岸田外務大臣会見記録

(平成27年8月28日(金曜日)8時42分 於:官邸エントランスホール)

中国主催軍事パレードへの朴槿恵大統領の出席

【NHK 栗原記者】韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領が中国の軍事パレードに出席する意向を示しました。欧米各国が出席を見合わせる中での決断ということになりますけれども,今後日韓関係ですとか,米韓関係,韓国と欧米との関係についてはどのような影響があるとお考えでしょうか。

【岸田外務大臣】朴槿恵大統領のご出席の件ですが,そのこと自体,第三国どうしの話ですのでコメントは控えます。そして米韓関係,これも第三国どうしの関係ですので,発言は控えます。
そして日韓関係については,先日8月6日も尹炳世(ユン・ビョンセ)長官と外相会談をやらせていただきました。是非,日本と韓国,今年は国交正常化50年という節目の年を迎えています。この50周年の年を有意義な年にするべく努力をするという点で一致をしています。
日本と韓国,隣国どうしということで難しい問題は存在いたしますが,是非,様々なレベル,分野で対話を積み重ねることによって重層的,未来志向な二国間関係を築いていかなければならないと考えております。引き続きこうした努力を両国で続けていきたいと考えています。
 

自民党総裁選挙

【NHK 栗原記者】続いて自民党の話題なのですが,昨日,大臣ご自身の岸田派も安倍総理の再選を支持するなど,自民党内では無投票になる,総裁選挙は無投票になるのではないかという見方が広がっています。中には投票になった方がいいのではないかという自民党の先生方もおられる中で,現状についてどのように分析されておられますでしょうか。 また無投票になるということについての岸田大臣の受け止めについてお聞かせ下さい。

【岸田外務大臣】昨日私(大臣)が所属している宏池会という政策集団の中においては,会長である私(大臣)に対応を一任いただき,今,日本の政治にとっても,また国会,あるいは自民党にとっても,大切な時期を迎えている,こうした時期であるからして,安倍政権を支えていかなければならない,こういった方針を申し上げさせていただきました。
宏池会としての方針は示させていただきましたが,一方,自民党の総裁選挙全体につきましては具体的な日程もまだ正式には発表されていないと思います。
全体の動きについては引き続き注視をしていかなければならないと思っています。
今のところ,具体的な立候補の動きは見えてないと承知をしています。とりあえず,現状ではそこまでです。

【NHK 栗原記者】大臣ご自身は安倍総理の再選を支持されるということですけれども,自民党内では自民党の存在感を示すためにも総裁選挙はやった方がいいのではないかという見方もあります。これについて今どのようにお感じでしょうか。

【岸田外務大臣】自民党の総裁選挙,これは自民党の有り様を考える上で,大切な機会であると思います。それを大事にしようという思いは当然のことではないかと思います。ただ具体的な動きは承知しておりません。
 

中国主催軍事パレードへの朴槿恵大統領の出席

【フェニックステレビ リー記者】9月3日,中国で行われる抗日戦争の記念式典ですが,日本政府の大使も含めて外務省側はどなたか出席されますか。

【岸田外務大臣】日本として出席する予定はありません。

【フェニックステレビ リー記者】なぜでしょうか。

【岸田外務大臣】総理の訪問等,様々な形でその理由については申し上げております。それも含めて総合的に判断して,今現状,日本政府として出席する人間は考えておりません。
 

過去の戦争につき天皇陛下の謝罪を求める新華社評論

【フェニックステレビ リー記者】中国の新聞が天皇陛下に謝罪を求めたことに対して抗議をしたようです。その抗議の理由,改めてお聞かせ下さい。

【岸田外務大臣】ご指摘の点,新華社の評論ですが,中国国内の報道とはいえ,ご指摘の内容,これは,天皇陛下に対する礼を著しく失しており,これまで表明されてきた中国側の立場とも相容れないものであると考えています。そうした考えに基づいて外交ルートを通じて中国側に強く抗議をした次第です。
 

平成28年度の機構要求

【共同通信 蒔田記者】外務省の概算要求で在外公館を増設という方針が示されたようですが,この意義と在外公館を今後も増やしていこうと外務省としては考えているのかをお願いします。

【岸田外務大臣】平成28年度の在外公館の新設要求については正式な概算要求提出の前の段階にあります。今の段階において具体的なことを申し上げるべきではないと思っていますが,外務省としましては,地球儀を俯瞰する外交を積極的に展開し,着実に実施をしていくためには人的体制,あるいは在外公館等の物的基盤の整備を含めて,総合的外交力強化に努めていかなければならないと考えています。在外公館の新設についても,積極的な新設要求が認められるよう,努力していきたいと考えています。
 
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