記者会見

岸田外務大臣会見記録

(平成27年8月21日(金曜日)9時40分 於:官邸エントランスホール)

南北非武装地帯における砲撃

【テレビ朝日 千々岩記者】昨日ですけれども,北朝鮮が韓国側に砲撃をしまして,韓国が応戦しました。48時間以内に拡声器を撤去して放送をやめなければ,軍事行動に出るという警告をしているのですが,日本政府の立場と今後の対応をお願いします。

【岸田外務大臣】まず,ご指摘の件につきましては,米国,韓国とも連携しながら,まず北朝鮮側にしっかりと自制をうながしていきたい,自制を求めていきたいと思っております。引き続き緊張感を持って適切に対応をしていきたいと思います。何よりも情報収集に努め,しっかり分析をしていきたいと考えます。
 

中国主催「抗日戦勝70周年記念式典」への朴槿恵大統領の出席

【テレビ朝日 千々岩記者】韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領が,これも昨日ですが,9月3日の北京での抗日式典への参加を表明しました。軍事パレードへの参加も含めて,日本も当然ですが,アメリカも懸念するところがありますが,まず,日本政府のこれに対する考えと,それから総理の訪中も同じ時期ですが,大臣を含めて日本政府の対応についてお願いします。

【岸田外務大臣】まず朴槿恵大統領の中国の式典への出席につきましては,第三国どうしの外交のやり取りですので,我が国政府としてなにか申し上げる立場にはないと思っています。そして,我が国の対応につきましては,今現在全く決まっていない状況にあります。
 

メドヴェージェフ首相の択捉島訪問

【テレビ朝日 千々岩記者】ロシアのメドヴェージェフ首相ですけれども,近日中に北方四島への訪問を示唆しています。あらためて,日本政府の立場と,これが大臣自身の訪露などへ与える影響,もし決行されればですね,これについてお願いします

【岸田外務大臣】我が国としては,日露関係について政治的な対話を積み重ね,領土問題を含めて,日露関係の前進をさせたいと考えています。
その中で,最近のロシア側の要人による北方領土の訪問ですとか,また北方領土に関する発言については,静かな環境の中で両国の政治対話を進めるという点で一致をしている,両国首脳間での一致に沿わないものではないかと考えます。
我が国としましては,メドヴェージェフ首相の北方四島への訪問が行われたとしたならば,我が国の立場と相容れないと考え,そうした懸念を表明し,ロシア側には申し入れを行っています。
そして,一方で,日本の外相訪露につきましては,現状まだ何も決まっておりません。しかしながら,もしロシアを訪問したならば,北方領土問題,北方四島を巡る問題,すなわち平和条約締結問題,こうした問題は重要な課題として議論をしたいと考えています。
是非,ロシア側にもこの問題を含めて,日露関係を含めて,建設的な対応を求めていきたいと考えています。

【テレビ朝日 千々岩記者】メドヴェージェフ首相の行動が実際に行われた場合の,大臣がおっしゃった訪露への影響についてうかがえますか。

【岸田外務大臣】まず,訪露自体が,今現在,具体的な日程等を含めて何も決まってはおりません。引き続き,様々な状況,ご指摘の状況があったとしたならば,そういった全ての状況を総合的に勘案して日程を,これから具体的に決めていくことになります。
 

拉致調査今後の対応

【共同通信 蒔田記者】一部報道で,北朝鮮の政府高官が訪朝した日本の民間団体に対して,拉致の再調査はもう終了していると,かつ日本政府はそれを受け取りたがらないという趣旨のことを言ったと思いますが,これについての事実関係と,そもそも,なかなか進まない状況を日本政府としてどのように進めていこうとしているかということをお願いします。

【岸田外務大臣】まずその報道見ました。しかしながら,そういった事実はありません。調査を通じて,全ての拉致被害者の帰国を実現する,こうした我が国の方針はまったく変わっていないということであります。引き続き,拉致問題を含む諸懸案の解決に向けて,行動対行動の原則,対話と圧力の原則のもと,努力を続けていきたいと考えています。
 

メドヴェージェフ首相の択捉島訪問

【NHK 栗原記者】先ほどのメドヴェージェフ首相の話に戻るのですが,今週末,明日にも訪問するというように,報道の上では言われているのですが,日本政府として特にどうしていくのかという見通しとかですね,あと,具体的にどのようなことをされることになるのかについて,どのようにお考えでしょうか。

【岸田外務大臣】まず,様々な情報収集・分析には平素から,我が国としてしっかり努めております。そしてメドヴェージェフ首相の北方四島訪問については我が国の立場とは相容れないということで,こうした懸念についてはロシア側にしっかり申し入れを行っております。引き続き,状況を注視していきたいと思っております。

【NHK 栗原記者】今現在も外交ルートでそういった働きかけを行っているということでよろしいでしょうか。

【岸田外務大臣】そういった我が国の立場や懸念については,申し入れは様々なレベルで行ってはいます。
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