【玄葉外務大臣】本日、外交記録ファイルの公開を行います。主な件名は第1回のサミット、これはランブイエ、1975年です。沖縄返還交渉、日中国交正常化、日米繊維協議などであります。特にサミット関連のファイルを公開するのは、今回が初めてでありまして、歴史的な意義があるのではないかというように思います。
昨年10月に外交記録公開の作業を加速して以来、5500冊以上、また、平成22年6月に第1回の外交記録公開の推進委員会会合を開催して以来、合計7000冊以上のファイルを公開することになります。今後とも国民の知的共有財産である外交記録の公開を積極的に進めていきたいというように思います。
【日本テレビ 渡辺記者】週末の山口県知事選ですが、オスプレイ配備に反対する候補の方が当選されたということですが、それについての受け止めの方をお願いできますでしょうか。
【玄葉外務大臣】必ずしも正確ではない問いではないかと思いますけれども、まず、選挙結果についてコメントするということは如何かと思っていますが、私(大臣)としては、山本さんにお祝いを申し上げたいと思います。国交省の頃から幾分、個人的なお付き合いもございますけれども、今後、安全保障の問題等々について、よく意思疎通をしていければと思っています。
(1)ロシア訪問について
【玄葉外務大臣】本日、ロシア訪問に出発をして、28日(土曜日)、ロシアの黒海沿岸のソチにおきまして、ラヴロフ外相と会談を行い、その後、プーチン大統領を表敬する予定です。
アジア太平洋地域の戦略環境が変化をしている中で、日露関係の発展は、私(大臣)は、両国の戦略的な利益に合致するというように考えています。今回の訪問では、このような基本的考え方に立って、両国間の協力の案件、国際社会の主要な課題につきまして、幅広い議論、協議を行いたいというように考えています。
他方、あらゆる分野で日露間の協力を進めていくためには、やはり両国国民の支持、そして両国間の相互の信頼関係が大事であるということは言うまでもありません。
領土問題につきましては、外相レベルで実質的な議論を進めたいというように思います。問題解決に向けての第一歩になればというように考えています。
(2)外務省の機構改編について
【玄葉外務大臣】昨今の国内外の情勢変化に応じた機動的な外交を展開するために、外務省として、8月1日から一部の部局の再編を実施します。このため、本日の閣議におきまして、外務省組織令の一部改正が決定されました。
具体的には、戦略的な対外発信を強化するため報道対策、広報、文化交流を三位一体として推進すべく外務報道官組織と広報文化交流部を統合します。中国経済の発展や日中経済関係の拡大・深化等を踏まえた中国・モンゴル第二課の新設、さらに対アフリカ外交のより効果的・効率的実施のためのアフリカ部の新設というものを行いたいと思います。
(3)オスプレイの日本配備について
【玄葉外務大臣】昨日、外務省におきまして日米合同委員会を開催したところであります。日米合同委員会でオスプレイを取り上げるのは初めてのことです。一回目としては充実した会合であったとの報告を受けたところです。
かなり率直に、沖縄、岩国のみならず、安全性に対する懸念が全国に広がっているということ、そして、またその懸念も、例えば低空飛行訓練だとか様々あるということ、それから、このような地元の懸念に対して、日米で知恵を絞って何ができるか考えていかなくてはいけないということ、私(大臣)が常々抱いている問題意識などを踏まえて、日米で活発な意見交換が行われたというように聞いております。米側も地元の懸念には理解を示し、協力的であったという報告を受けました。
昨日、ドニロン米国家安全保障担当大統領補佐官と私(大臣)がお会いしたときにも、米国としては、日本政府が日本国民に対してオスプレイの安全性について説明する上で必要な情報の提供など、懸念の払拭のために様々な形で協力を進めていこうということで一致をいたしましたし、様々な形で協力を進めていくということで、ドニロン氏も述べておりました。
本日は、ワシントンで外務・防衛当局間の局長級協議を実施することとしておりまして、この中でも地元の懸念に対して如何なる対応をしていくかということについて、議論を行う予定でございます。
日米両政府は、引き続き日米合同委員会等の場を活用して、オスプレイの安全性、運用面における安全性について議論していくこととしており、このような取り組みを通じて、地元の皆様のご理解が得られるように最大限の努力を払いたいというように思っております。
【TBS 法亢記者】ロシア訪問についてお伺いします。
この前メドヴェージェフ首相の国後島上陸などもありましたけれども、領土問題はかなり関心事となっています、会談等でどのようなレベルの話をしたいかというところをお願いします。
【玄葉外務大臣】メドヴェージェフ首相の国後への訪問は、我が国の立場と相容れません。
そのことについては、そういった基本的な立場を踏まえて対応していくということでありますけれども、ただ、この領土の問題というのは、関係をどんどんどんどん悪化させていくだけで解決するものではないと思います。
私(大臣)は、やはり総合的に考えた時に、今の国際情勢全般、そして、日露関係の今後を自分なりに見通しを立てた時に、やはりここは対話をしていくということが必要であるというように判断をいたしました。
これは、両首脳間で合意をしたことでもあるわけでありますから、いわば今後の首脳同士の話し合いにつなげていけるような、そんな訪問になればいいなというように思っています。
【TBS 法亢記者】メドヴェージェフ首相の訪問についての遺憾の意というようなことは大臣からはおっしゃるつもりですか。
【玄葉外務大臣】先ほど申し上げたとおりでありまして、そのことについて、我が国の立場と相容れないわけですから、そういった基本的な立場を踏まえて対応するということに当然なります。その上で、やはり実質的な議論というものを始めていくということが大事なのではないかというように思います。
【北海道新聞 安藤記者】領土問題と両輪とも言える経済の問題があると思うのですが、プーチン大統領を表敬されるというようなお話ですが、プーチン大統領は経済協力を非常に期待をされているところがあると思うのですけれども、そういうお話というのは今回の表敬の中ではされる予定でございましょうか。
【玄葉外務大臣】経済の話も当然することになるだろうというように思います。
今、本当にグローバルな生き残り競争というか、そういうことが行われている状況にあると私(大臣)は考えているのです。その中で本当に戦略的な環境というのは、お互いにとって今変化をしてきていて、日本にとってロシア、ロシアにとって日本、特に今おっしゃったような経済的な分野における潜在力というのは、実はあるにもかかわらず、蓋をしてしまっている状況にあるというように思っていますので、その蓋開けをしていくのでありますけれども、その蓋開けをする上で最大の懸案になっているのが北方領土問題であります。
やはり、四島の帰属の問題を解決をして、平和条約を締結するということなくして真の信頼というのは得られないし、真の蓋開けというのはなかなか難しいと思います。ですから、以前も申し上げておりましたけれども、あらゆる分野で協力関係というものを進めつつ、この領土の問題というものを解決していく、そのことが大事ではないかというように思っております。
【北海道新聞 高橋記者】経済分野ですけれども、仮定の話になりますけれど、北方領土での共同経済活動のようなものを進めていきましょうと提案された場合に、日本の立場としてはこれまでどおりの立場でいくのか、それとも、何か新しいアプローチみたいなものを一歩進めるお考えがあるのでしょうか。
【玄葉外務大臣】これは以前も申し上げていますけれども、日本の法的立場を害するわけにはいきません。この原則は崩すわけにはいきません。それはやはり、日本の法的な立場がそのことによって害されるというわけにはいかないのではないかというように思っていますので、害さない形で何が可能なのかということで、お互いに知恵を絞っていくということに尽きるのではないかと思います。
【琉球新報 宮城記者】オスプレイの本格配備に向けて、安全性の確認をするまでは飛ばさないというお話を繰り返していらっしゃいますけれども、安全性を確認した後、地元に対して説明して、その上で地元の理解を得るということが本格配備をする上での前提の条件にあたるとお考えになりますでしょうか。
【玄葉外務大臣】今、例えば地元の理解と言った時に、何をもってこう理解というかということも率直に言うとあると思うのですけれども、今とにかく考えているのは、始めにスケジュールありきでは私(大臣)はありません。これは、何度もこの間も申し上げてきたとおりです。ですから、このオスプレイの持つ安全性をしっかり日本政府が自ら主体的に日本政府の責任で確認をし、更に再発防止も含めて説明をわかりやすくできるようにしいていくということが、まず大事なことだし、さらに地元の皆さまの理解を少しでも進めていくためには、先ほど申し上げたような運用の問題ですね、低空飛行をはじめとする運用の問題について、やはり頻繁に協議を行って、その懸念を払拭していく。あわせて南西諸島の安全保障、これは日本国としての安全保障上の要請です。そういったことも含めて説明をさせていただくということになります。
そういうことを一歩一歩、今はとにかく積み重ねていく、積み上げていく、そのことが大事だというように思います。ですから、日米の合同委員会だけではなくて、本日ワシントンで行われている協議も含めて、様々な形で協議をしたいと思っています。
この間、何か日本政府は米国にものを言ってこなかったのではないかという疑念が持たれているようでありますけれども、率直に申し上げて激しいやり取りをこの間やってきました。そういうやり取りの中で、とにかく安全性を確認するまでは飛ばさないというところで、まず決めて、私(大臣)は始めからスケジュールありきではないと。しかし、力の空白が生じてしまっては日本の安全保障上、これも大変深刻な事態になりますから、ですから、その安全保障と、何と言っても安全性の確認というか、このオスプレイを配備して今のCH46Eと替えたって大丈夫なのですよということが、わかりやすく説明できるようにしていくということを今考えています。
【共同通信 斎藤記者】オスプレイの関係で、改めて認識をお伺いしたいと思います。大臣はこれまで記者会見や委員会でオスプレイの意義ということを語る上で、南西諸島の安全保障上の要請ということに繰り返し言及されてきました。と同時に、抑止力としての重要性ということにも言及されているわけです。
これをもう少し具体的に、南西諸島の安全保障上の要請というのは果たして如何なるものなのか。もっと噛み砕いて言うならば、南西諸島の現時点での安全保障環境というのはどういうものなのか、大臣としてどう認識していて、だからオスプレイはこう必要なんだというところを平易に説明していただきたいと思います。
【玄葉外務大臣】今、斎藤さんから南西諸島の状況というものは如何なる状況なのかというお話でございました。私(大臣)は、まず日本を取り巻く安全保障環境、これは厳しいものがあるというのが、私(大臣)の基本的な認識でございます。北朝鮮の問題もございます。中国について、その発展は我が国のみならず世界全体にとってチャンスであるけれども、海洋進出等、目立ってきているというのも実態ではないかと思っております。そのうえで我が国の防衛、安全保障、今申し上げたのは北朝鮮、中国のことでありますけれども、それだけではなくて、それは様々、私(大臣)はあると思っていますけれども、そのうえでご存じのように我が国の防衛力のあり方そのものについても、動的防衛力という概念というものをつくり出して、南西諸島、あるいは南西方面等々にシフトさせていくということが起きているわけでございますので、できるだけシームレスな運用ということもあるでしょうし、オスプレイという、これは日本の防衛力のみならず、これは日米で協力をしていく、そのうえで我が国の安全保障というものを確保していくというときに、装備品の更新、性能向上というものは、やはり私(大臣)は抑止力の向上に資するというように考えています。
いつも申し上げることでありますけれども、やはりCH46Eと比べたときに、速度が2倍になって、積載量が3倍になって、行動半径が4倍になって、空中給油機を使えばさらに行動半径が広がるということの意味するところというのは、私(大臣)は小さくないというように思っていますので、そういう意味で、やはり安全保障上の要請があると思っています。ただ、安全性と両立をさせなければならないので、その一環としての日米合同委員会が明日、第一回が開かれますけれども、そういったことを含めて話し合っていくということが必要であるというように思っています。
外務・防衛担当局長が訪米をいたしますけれども、これも日米の安全保障、防衛の協力のあり方というものをしっかりと協議をしていくということで派遣をいたします。オスプレイについても取り上げる予定でいます。
【日本インターネット新聞 田中記者】昨日、参議院予算委員会で野田総理は、沖縄選出の山内徳信議員の質問に答えて、建設中の高江のヘリパッドはオスプレイの使用を前提としたものではないと答弁されておられました。考えようによっては、結果としてはオスプレイのために使うことになっちゃったみたいなことにはなりませんでしょうか。外務大臣としてのご所見をお伺いします。
【玄葉外務大臣】田中さん、すみません。高江のヘリパッドの状況について、今、詳細に、私(大臣)、ここで正確に申し上げることができません。ですから、調べてお答えをしたいと思います。あとで紙でお渡しをしたいと思います。
【フリーランス 上出氏】細かいことは省きますが、オスプレイの問題が行くところまで行った場合、安保条約に従うと、日本は従わなければならないわけです。そうすると、沖縄の人たちの問題としては安保そのものを見直さなければならないというような気運にもなると。もし事故でも起きたらどういう責任を取っていくのかという、いろいろな問題を秘めていると思います。これは国会でも出ていますが、その辺をもう一度改めて、その辺も含めた国民向けの今の段階での説明、単に米国の都合ということにしか聞こえない、もちろん日本にも利益があるという言い方をされていますけれども、米国が言ってこなければ、こういう問題は出てこないわけですから、それに日本が受け入れるか受け入れないかの問題で、積極的に日本が関与していくという問題ではないと思うのです。そういった専守防衛というような基本も踏まえて、その辺のことをもう少しわかりやすくお願いします。安保と結局はぶつかってしまった場合にどうするのか、沖縄の人から声がした場合は安保があるから仕方がないという説明、結局そういうことになってしまうのかどうかと。
【玄葉外務大臣】条約上の前提になっているということなのです。ただ、そうではありますけれども、本日も委員会の中で、例えば事前協議の対象にできないのか、岸・ハーター交換公文などに記した事前協議の対象にできないのかとか、様々な議論があったわけであります。私(大臣)は今、この時点で制度そのものをどうだこうだということよりは、やはり実質的な話し合い、協議というものが非常に大事であるというように思っています。
それと、先ほど斎藤さんからの質問にお答えをいたしましたけれども、米国がこういうからしょうがない、米国の安全保障上の要請でしょうがない、こういうことではありません。
まさに日本自体の安全保障上の要請です。それと同時に安全性というものが確認をされなければならない。その安全性について日本として主体的に、また日本国政府の責任においても、これを確認していかなければならない。更には、運用の問題等々についても話し合っていかなければならない。また、更に何ができるかということも含めて、今、私(大臣)としては検討しているということでありまして、まだ具体的に中身をこの場で申し上げるわけにはいきませんけれども、この間ずっと考えてきております。
【ロシア・ノーボスチ通信社 奈加記者】今回のロシア訪問に関しての質問が二つあります。
一つ目は国後、択捉、色丹、歯舞四島の共同開発というロシアの提案に対して、玄葉外務大臣は9月の日本のマスコミのインタビューの中で、原則としてはこの共同開発は、日本の法的立場を害さない形であれば原則的には可能だとおっしゃっていました。その日本の法的立場を害さない形というのは、具体的にはどういうものを考えればよろしいでしょうか、何を想像すればよろしいでしょうか。そして、その件に関して、何か日本側からの具体的な提案が今回の訪問の中にはあるのでしょうか。
二つ目の小さい質問ですけれども、今回の訪問の中で、日露文化協力協定は取り交わされる予定はあるのでしょうか、ないのでしょうか。文化センターの設立のことですけれども。
【玄葉外務大臣】二つご質問があったと思いますけれども、一つはいわゆる共同開発ということであります。私(大臣)の原則的立場は変わっておりません。法的立場を害さない形で、どういう共同経済活動が可能なのかということだと思っています。今、この場で具体的なことを申し上げるわけにはいきません。ただ、具体的なやり取りというものは一定程度行われているということでございます。ただ、今度の訪問で何か成果が、この分野で得られるかどうかということは、わかりません。
それと、文化センターの設置については、私(大臣)としては、まだ今詰めているところでありますけれども、基本的には触れたいなというように思っております。
【朝日新聞 土佐記者】事実上の「はじめ」がかかった後の実質的な、大臣がこれまでもおっしゃっている、実質的な議論をやりたいという一回目になると思いますが、どういう会議にし、どういう実を採ってこようというように思いますか。
【玄葉外務大臣】訪問は土曜日になりますので、本日も森元総理にもお会いしようと思っておりますし、いろいろなアドバイスを様々な方からいただきながら、また省内でもよく検討をして考え方をまとめていきたいというように思っております。
ただ、この間、(メドヴェージェフ)首相の国後島訪問というのがあったのですけれども、それに対して本日も委員会で議論がありました。
ただ、私(大臣)は、日本とロシアの、特にこの最近のお互いの国を取り巻く戦略環境を冷静に分析・評価すれば、日露の様々な分野での協力というのは、お互いにとって利益になるというのが基本的な認識です。
そういったことを進める上では、やはり、お互いの国の信頼、相互信頼というものがないといけないと思うのです。ですから、やはりそういった相互信頼というものを築いていかなければならない。その上で、日露関係のあらゆる分野での協力関係を進めていく。更に領土問題についても、確かに「はじめ」と言われればそのとおりかもしれませんけれども、やはり、実務者間の協議に止まらず、外相間の協議、そして、首脳間の協議というものを今後頻繁に行っていく環境を私(大臣)は作っていかなければならないのではないか、その第一歩になればいいなという思いでいるところでございます。
【毎日新聞 横田記者】3月のプーチンさんの記者会見を受けて、日本国内では領土問題の進展への期待というのが高まっている状況ですけれども、実際の両国の立ち位置というのはかなり違うところにあると思います。大臣としての、この領土の日露間の現状認識というのをお願いいたします。
【玄葉外務大臣】四島の帰属は日本にあるというのが、我が国の立場であります。その点、立場に大きな隔たりがあるというようには、私(大臣)としては見ております。
ただ、先ほど申し上げたように領土問題の解決なくして、平和条約の締結はないわけでありますので、そして、そのあらゆる分野での協力を進めていくときに、最大の懸案、ネックになっているということも、これまた事実だと私(大臣)は思います。これを負の遺産というように呼ぶときもあるわけです。ですから、この領土問題について、やはり一歩でも前進できるように、今回の訪問でできればなというように思っております。
【玄葉外務大臣】諸般の事情が許せば、7月28日(土曜日)にロシアのソチを訪問して、ラヴロフ外相との間で日露外相会談を行う方向で準備を進めております。
【フジテレビ 長谷川記者】昨日、岩国基地に到着、陸揚げされました。地元等の反発も強い中での陸揚げとなりましたが、そうした状況も含めて大臣の、まず受け止めをお願いします。
【玄葉外務大臣】安全性が確認されるまでは飛ばさないと。このことが、まず第一点であります。そのために、この間も繰り返し述べてまいりましたけれども、日米間で様々な調整を行ってきましたし、これからも何ができるかということを具体的に考えていきたいというように考えています。
【フジテレビ 長谷川記者】今おっしゃられた、これまでもおっしゃられてこられた、これからも何ができるかということですけれども、米国側との協議の枠組みとして日米合同委員会を利用されるという話も一部出ていますけれども、そうした方向性で米国側と調整されているということでしょうか。
【玄葉外務大臣】様々な調整を行っていますけれども、その一環として、明後日、第一回の日米合同委員会を開催したいというように思っています。ずっと私(大臣)が申し上げていることは変わらないと思うのですけれども、やはりこの問題は安全性と安全保障の両立が大事で、同時に、とにかく安全性が確認されるまでは飛ばさない。このことが私(大臣)は大事だと思っていますので、そのために、具体的に何ができるのかということをずっと考えてきました。以前から、日米合同委員会というのは一つの考え方であるというように思っていましたので、今般、もう既に申し入れをしていたのですけれども、明後日、第一回を開催するということにいたしました。
【フジテレビ 長谷川記者】その場で、明後日の会合か今後かは別として、普天間での本運用の際に、飛行ルートの変更などについても求めていく考えでしょうか。
【玄葉外務大臣】まだ、第一回なので、これから、一回で終わるような話ではありません。ただ、やはり運用ルールというのは、安全性の問題を考えるうえでは、私(大臣)は大事な点であるというように思っています。
【毎日新聞 横田記者】明後日、第一回ですけれども、一定の結論なり、ルールを定めるのであれば、それがいつ頃までにできることが望ましいのか、普天間の本格配備前には一定の結論を得たいという考えでしょうか。
【玄葉外務大臣】もちろん、それはできるだけ早いほうが望ましいということです。ただ、いずれにしても、とにかく安全性が再確認されるまでは飛ばさないということです。そのために、今、申し上げたこともその一環としてしっかりと行っていきたいというように思います。
【北海道新聞 安藤記者】先日、メドヴェージェフ首相が国後を訪れたのですが、それに対しては、どういうようなことをロシア側に対しておっしゃりたいというお考えでしょうか。
【玄葉外務大臣】これは当然、メドヴェージェフ首相の国後訪問というのは、日本の立場と相容れないわけですし、我々から強い遺憾の意を示したところでありますから、やはり、このことについて触れないわけにはいかないというように思っています。どういうように触れるかはこれからきちんと判断したいと思います。
【北海道新聞 安藤記者】その上で、首脳会談、領土交渉に向けて来月以降やっていくというような流れになってくると思いますが、それに向けてのロシア側との協議、今回の会談ではどういうようなことをお話しされたいと思いますか。
【玄葉外務大臣】まだこれからなので、今、このタイミングであまり具体的なことを申し上げるのはいかがかと思っています。
【北海道新聞 安藤記者】プーチン大統領とはお会いになれるような予定になりそうでしょうか。
【玄葉外務大臣】ラヴロフ外相との外相会談を行うと。その他要人との会談等については調整中ということでございます。
【中国新聞 山本記者】オスプレイの関連ですが、山口県知事が岩国基地でのオスプレイの駐機が長引けば艦載機の厚木からの移転を含め米軍再編そのものへの協力姿勢を変える可能性まで、昨日の段階で言及されています。その点についての受け止めをお願いします。
【玄葉外務大臣】私(大臣)はその言及について若干、報道でしか知りませんので、正確に発言を把握してから、コメントしたいと思います。
【中国新聞 山本記者】山口県知事とお会いになられて、まずはどういうお考えかというのを確かめたいという理解でよろしいですか。
【玄葉外務大臣】そういう機会もあるのではないかと思っています。あまり報道の見出しとかだけでコメントすると誤解を招きますので、私(大臣)自身がきちんと発言をしっかり踏まえないと。
【中国新聞 山本記者】市長も含めてですが、山口県岩国市の反発が長引いた場合に、これが防衛政策そのものに悪影響を与えるという懸念そのものはお持ちではないのですか。
【玄葉外務大臣】もちろん、それは当然持っています。ですから、先程来から申し上げているように、安全性と安全保障の両立が必要なわけです。安全保障上の要請というものも間違いなくあります。よく議論になるように、あるいは説明にあるように抑止力が高まります。南西諸島での安全保障上の要請というものもあります。CH46Eはかなり古いです。50年前のものです。
他方、安全性というものは更に大事なことなので、両立させなければいけないです。ですから、先程来から申し上げているように、安全性の懸念を払拭するために何が具体的にできるのかということについて、この間ずっと考えてきましたけれども、まずその一環として、日米合同委員会を開くということになったということです。
【朝日新聞 土佐記者】一部報道で、中国の丹羽大使について9月の国会閉会後に交代という方向で政府が調整しているという報道がありますが、その事実関係はいかがですか。
【玄葉外務大臣】これは、人事のことは原則ノーコメントということでございます。固めたとかそういうことはありません。
【テレビ東京 山口記者】オスプレイですが、まもなく岩国に搬入される見通しということですけれども、与党内から配備計画の見直しを求める声があがっているほか、地元からも反発の声が一層強まっていますが、政府としてそういった声に対してどのように呼びかけていくか、改めてお聞かせください。
【玄葉外務大臣】搬入、そして陸揚げのことについては、これから森本大臣が発表されると思いますので、私(大臣)からは控えたいというように思いますけれども、ただ、以前から申し上げていますけれども、陸揚げされて、その後、安全性が確認されるまではいかなる運用も行わない、準備飛行を含めてです。そういったことで日米間の調整がなされております。ですから、地元の皆様にその時点で、いわば安全に影響が出るということではございません。
その後、やはり、しっかりと安全性が確認される必要があるということだと思います。いつも申し上げておりますけれども、安全保障上の要請があって、また同時に、何より大事な安全性の確認という作業がありますから、その安全性の確認にあたって、でき得ることはほかに何があるかということを、私(大臣)は常に考えています。そういった意味では、日米間の調整というのはある意味、常に行われているところはあります。
ただ、先ほど申し上げましたように船が出てしまって、搬入して陸揚げする。それはもう日米間の調整で決まったことで、その後の問題について何が今後でき得るのか、そういったことについて安全性の懸念を払拭するために、一定の検討をしなければならないのじゃないかと。ただ、そんなに大きな見直しができるかと言えば、簡単だとは思いません。ただ、やはり安全性というのは非常に大事なことでありますので、このことについては、私(大臣)はいつも考えています。
【テレビ東京 山口記者】一部報道で、28日にも日露外相会談が行われるというような報道がありましたけれども、現在の調整状況等をお聞かせください。
【玄葉外務大臣】訪露については、諸般の事情を考えながら、現在調整中ということであります。現時点ではそれ以上のことは申し上げられません。
【毎日新聞 横田記者】オスプレイの件ですが、昨日のテレビで森本防衛大臣が、オスプレイの安全管理について、日米合同委員会で話し合うということを御発言されていたのですけれども、この点について、今、米国側とどのような調整をしているのかというのと、米国側も日米合同委員会で扱うことについて了承しているのかという点をお願いします。
【玄葉外務大臣】私(大臣)はこの間、これも一貫していると思っているのですけれども、船が出た、そしてそれは搬入をされる、ただやはり安全性が確認される、安全性に対する懸念を払拭するために、一体何ができるのだろうということについては、私(大臣)はずっとこの間考えてきています。ただ、何かが決まったとか、そういうことではありません。
【毎日新聞 横田記者】日米合同委員会で扱うことについては。
【玄葉外務大臣】そのことも含めて、何かが決まったということではありません。ただ、私(大臣)としては、かなり前の段階から、何が一体できるのかということについて考えているということです。
【北海道新聞 安藤記者】ロシア訪問について重ねて伺いたいのですが、一部報道ではソチでラヴロフさんと会うというような報道でした。行かれるとされている日程では、その時期にプーチン大統領もソチに行くということだと思うのですが、プーチンさんとも会うというような計画を模索されているということは、事実なのでしょうか。
【玄葉外務大臣】まさに先ほど申し上げたように、訪露についてはまさに調整中ということでありますので、まさに調整中ですから、ラヴロフ外相との会談というのが通常訪露すれば行われるということだと思っていますけれども、いずれにしても、訪露について調整中ということでありますから、現時点でそれ以上のことは申し上げられないということです。
【共同通信社 仲井記者】尖閣についてですけれども、東京都が近く上陸申請をするという報道もありますけれども、改めてになるかもしれませんけれども、こうした一連の東京都の購入に向けた動きというものが、政府の平穏かつ安定的な維持・管理という姿勢に対してどういう影響があるのか、肯定的な面もあるのか、もしくはやはり挑戦的なものになっているのかという、その理解を改めて伺いたいという点と、もう一つ、仮に上陸申請があった場合、どう対応すべきか、どうお考えかというのをお願いします。
【玄葉外務大臣】これは、もう改めての質問になると思いますけれども、尖閣諸島に対する立場というのは、繰り返しもう申し上げてきたので繰り返す必要もないと思います。疑いのない、我が国固有の領土であると。
平穏かつ安定的に維持・管理していく、そのことが私(大臣)は重要であるというように思っていまして、同時に尖閣諸島をめぐる事態が、やはり日中関係の大局に影響を与えるということを私(大臣)は望んでおりません。
【共同通信社 仲井記者】上陸申請があった場合は、どう対応するべきかというのは。
【玄葉外務大臣】これは、以前から申し上げておりますけれども、その時点で所有者の意向もありますけれども、もともといわゆる、この賃貸借の目的、そして、上陸の必要性、そういったことも含めて、総合的に内閣全体で判断をしていくということだと思うのです。
【共同通信 斎藤記者】大臣は先日、丹羽駐中国大使を一時帰国させたわけですが、この際、日本の考え方を正確に伝達するように指示したというように伝えられています。中国側に対して正確に伝達すべき日本の考え方というのは具体的にどういうものなのか、改めて、一般国民にもわかるような形でご説明いただければと思います。
中国側は大臣が言われる日本の考え方というものを、これまできちんと理解していなかったのかどうか。理解していないとすればどの点なのか、この点もあわせてご説明願いたいと思います。
【玄葉外務大臣】まず、日本の考え方、そして基本的な立場というのは、もう言うまでもないことですけれども、尖閣諸島、これは我が国固有の領土である。そして、それは国際法的にも歴史的にも疑いのない事実であって、そもそも領有権の問題は存在しないということ。そして、あわせて平穏かつ安定的な維持・管理のために様々な検討を総合的に行っているのであるということが、まさに現在の私(大臣)たちの考え方であります。したがって、そのことをきちんと伝えるようにということが基本でございます。
中国に伝わっていないのかという斎藤さんの問いですけれども、これについて中国は中国の独自の主張というものがございますから、改めて、そのことについて、それは国際法上、根拠のないものでございますので、そういったことも含めて、当然、中国側は中国側の独自の見解はあるということだというように思います。
ただ、日本側の考え方がこれまで全く伝わってなかったかと言えば、それは必ずしもそうではないと思いますけれども、先般申し上げましたけれども、改めてそのことについて指示をしたということでございます。
【香港フェニックステレビ リー記者】一部報道では、石原東京都知事が今週内にでも尖閣に上陸すると、国に申請するというように報道されました。外務大臣として、この石原東京都知事の上陸のご意志は前からあったようですけれども、どのように受け止めていらっしゃるのか。そして、今まで国が許可しない方針だったと思いますけれども、官房長官が記者会見で、「総合的に検討する」と。これは国としての姿勢が変わったと理解してよろしいでしょうか。大臣のお考えをお聞かせください。
【玄葉外務大臣】基本的に、国の姿勢が変わっているということでは必ずしもないのではないかというように思います。これまでも上陸の申請というものにあたっては、その所有者の意向、そして、その必要性及び先ほども申し上げた平穏かつ安定的な維持・管理のために総合的に検討して、その時点において内閣が判断するというのは、これまでも繰り返し申し上げてきたことではないかというように考えています。
【朝日新聞 東岡記者】先日、プノンペンで行われましたガラディナーの席で、北朝鮮の朴宜春外相と簡単な挨拶程度の会話を交わしたということです。このやり取りについて具体的にお伺いしたいのと、どのような流れで、どちらが話しかけたのか、雰囲気などもあわせてお聞かせください。
【玄葉外務大臣】やり取りについては申し上げることはできません。いわば挨拶程度であるということであり、まさに挨拶ということですから、ガラディナーの前に、一種、カクテルのような時間帯が若干ございますので、そのときに目と目が合いましたので、その場で少し挨拶をしたということでございます。
【朝日新聞 東岡記者】従来から大臣は拉致問題解決の重要性を指摘され、なおかつARFなどの場においても、ほかの国々に対して協力を呼びかけてきました。しかし、北朝鮮の閣僚を目の前にして簡単な挨拶しか交わさず、具体的な拉致問題の解決について訴えられたり、あるいは具体的な交渉に入ろう、あるいは再調査を求めるといったようなやり取りがなかったのはなぜでしょうか。
【玄葉外務大臣】内容については、先ほどから申し上げているとおり、申し上げることはできないということでございます。それ以上でもそれ以下でもないということです。
ただ、拉致問題の解決の重要性は常に至るところで指摘をし、私(大臣)自身、この問題を何とか解決したいというように思っているということだけは、改めて申し上げておきたいと思います。
【産経新聞 杉本記者】先日のASEAN、カンボジア、ベトナムの歴訪の件についてお伺いしたいのですが、大臣の外遊の日程が国会審議等で短縮されたと思います。まず、この点に対する受け止めと、本日の自民党の外交部会で、自民党は与党時代に、ちゃんと外務大臣を行かせてくれというように言っていたのに、野党側に拒否をされて困っていたと。そして野党になって同じことをしていて、そういったことを反省しなければならない、考え直さなければいけないという声が一部にあったのですが、これについて大臣の受け止めを伺ってもよろしいでしょうか。
【玄葉外務大臣】杉本さん、いい質問をしていただいたと思います。私(大臣)は、どちらが悪いとかどちらが良いとかということではなくて、本当にここらで、いわゆる現在の二大政党が与党の立場というものを双方とも経験したということを踏まえて、こういった国会の慣例、特に外交の場に首相や外務大臣が出て行く際に、最大限配慮していくという慣例を、より明確につくり上げていくという良い契機にしなければならないというように思います。
私(大臣)は今回、自民党に、あるいは公明党にじゃまをされたなどと思っておりませんけれども、どちらが与党になっても、どちらが野党になっても、やはり、今回、ASEAN+日中韓というのは非常に大事な会議だったわけであります。もちろん日・メコンも大事な会議でございますけれども、そういったことについて、これはどちらが与党になっても、お互いに最優先で外交の場に外相、首相に出て行ってもうらうと。むしろ出て行かなければならないのであると。そのときの答弁は、例えば副大臣でもいいとか、また別途、例えば違う機会に設けるとか、いろいろな方法があり得るのではないかというように思いますので、これは本当に二大政党の双方が与党を経験しましたので、ここらでしっかりと、そのあたりの慣例を変えていくということを考えるべきであるというように思います。
【毎日新聞 横田記者】オスプレイの関係でお伺いをいたします。昨日の前原政調会長の記者会見で、総理も官房長官も沖縄、山口の皆さんの民意を軽く考えているのではないかというように政府の対応を強く批判をされました。
政府与党が一体となって、この問題に取り組む体制ができていないのではないかと受け止められる発言ですけれども、大臣として、まずこの発言についてどのように受け止めになったでしょうか。
【玄葉外務大臣】これは繰り返し申し上げておりますけれども、私(大臣)は総理も官房長官も決して地元の民意を軽く見ているということではないと思うのです。さまざまな米側との調整というものもこの間行われてきたし、これからだってそれは行えるものもあるだろうというように思います。
したがって、まず一つの結果として、いわゆる安全性が確認されるまでは岩国も含めて準備飛行を行わないのであるということで、その安全性の確認については米国が安全性を確認し、かつ日本政府としても確認するのであると。安全性の懸念を払拭するために、でき得ることは他に何があるかということも含めて検討していかなければならないというように思っていますので、そういう意味で私(大臣)は前原政調会長も御存じのことというように思いますし、おそらく森本大臣が前原政調会長とよくこれから意思疎通をされるだろうというように思っております。
政府与党一体となって、特にさまざまな調整にあたっては行われていくのが当然より良いわけでありますので、そこらの意思疎通はよくやっていきたいというように思います。
【フリーランス 安積氏】離党表明されました中津川議員の離党の理由の一つに、尖閣に対する対応というのが入っておりました。なし崩し的に離党者が増えているような状態で、これからも、もしかしたら尖閣を理由とするというような離党者が出るかもしれないということについて大臣はどのようにお考えでしょうか。
【玄葉外務大臣】中津川さんについて、特にコメントすることはありませんが、私(大臣)は彼の一番の離党目的は尖閣だとは、以前からよく知っておりますが、ちょっと思いにくいです。
【東京新聞 五味記者】北朝鮮情勢についてお伺いしますけれども、ここ一両日、軍に関するニュースが出ております。まず、李英鎬総参謀長が全役職を解任されたと。本日、重大報道があって金正恩第一書記に元帥の称号が与えられたと。韓国では重大な関心を持っているというように伝えられますが、大臣としてはこの一連の北朝鮮の動きについて、どんな認識をお持ちでどんな点に御関心を持っていらっしゃるのか、教えていただけますか。
【玄葉外務大臣】これは、御存じのように、いつも結果としてはお答えを差し控えることにしています。今おっしゃった党幹部の人事、軍の人事、さまざまな新しい動きについては、常に当然ながら情報収集をしています。具体的内容について、また同時にその分析、あるいは評価、このことを私(大臣)がここで申し上げる、答えるということはやはり控えた方がいいというように思っているのです。当然ながら、北朝鮮のありとあらゆる動向に関心がございますので、常に新しい情報というのは私(大臣)の中にインプットされるように組織的にそのようにしています。
【TBS 西川記者】ロスカボスでの日露首脳会談の時に、玄葉大臣の訪露については同意したと思うのですが、調整状況を教えていただきたいのと、森元総理の同じく訪露の調整が進んでいるのであれば状況を教えてください。
【玄葉外務大臣】それはまだ答えは変わってなくて、諸般の事情を考慮して訪露の時期を決定したいというように思っております。それは、森元総理の訪露についても追求している、そのことは申し上げたいと思います。
【フリーランス 上出氏】オスプレイのことについて質問です。先ほど説明がございましたが、やはり私が聞いていますと、前原政調会長の言い方と野田首相が結局、安保があるから仕方がないという、そういう言葉は言いませんけれども、それととれるような言い方とちょっと落差があるように感じたのです、それで、この辺の違いというものがどうして出てくるのかというのが一点と、玄葉大臣ご自身、やはり最終的には接受国通報というか、そういうようなことで言われたらもう仕方がないということなのかどうか、最大限努力するというのはどこまで努力するということなのか、もう少し国民に分かりやすく説明いただけないでしょうか。
【玄葉外務大臣】これは、正確に申し上げれば条約上の前提ということだと思うのですね、この問題というのは。ただ、条約上の前提とはいえ、地元の理解というのはやはり私(大臣)は大事であるというように思っていますので、まず一つは、いつも申し上げているように安全性に対する懸念を持たれているわけですから、それを払拭するためにどうするか、併せて、これもいつも申し上げますけれども、こういう日本の安全保障環境、東アジア全体の安全保障環境というものを見たときに、南西方面も含めてどのように考えていくのかと、我が国の抑止力というものをどのように考えるのかということも併せて考える必要はあると思うのです。
これから海兵隊の数を減らしていきます。先般の再編計画の調整によって海兵隊を減らしていく中で、どのように抑止力を維持するのか、CH46Eと比べれば速度は2倍、積載量は3倍、そして行動半径は4倍、こういう中でいわゆる装備品が更新されるということは基本的には抑止力が向上するということである、しかし、さはさりながら冒頭から申し上げているように、安全性の懸念というのがやはりあるという以上は、その懸念を払拭するための最大限の努力というものを、やはり行っていかなければなりません。万が一ということがないようにしなければならないわけでありますので、そのために今でき得ることについて、さまざま検討しているということで、今具体的に申し上げられる段階ではございません。
【香港フェニックステレビ リー記者】尖閣について改めてお伺いしたいのですが、日本政府がいわゆる平穏かつ安定的な維持・管理と上陸ということとは、矛盾しないのでしょうか。そして、二つ目恐縮ですけれども、丹羽大使の一時帰国に関してですが、6月に丹羽大使が中国の周近平副主席に対して、日本の国民感情がおかしいと発言されたと一部報道がありました、これは日本では問題発言というようにされていたのですが、大臣としてはこの事実を把握されていますでしょうか。
【玄葉外務大臣】いずれにしても、先般の一時帰国というのは現下の日中状況、日中情勢というものを踏まえて一時帰国させたということで、報告をしてもらって協議をいたしました。非常に有意義であったというように思っています。
先ほどから申し上げているように、私(大臣)の答えはこの間ずっと調べていただければお分かりになると思いますけれども、この問題がある意味、メディアを賑わすようになって以来、一貫していまして、正に尖閣諸島というのは我が国固有の領土であってという基本的な立場と併せて、その平穏かつ安定的な維持・管理のためにさまざまな方策を検討していると、ずっとこの間、同じことを私(大臣)は言ってきているということであります。
上陸云々についても、先ほど申し上げたとおりでありまして、これも全く一貫しているというように思っています。まったく、私(大臣)はそういう意味で現時点で矛盾を一切感じていないということであります。
(1)ASEAN関連外相会議出席について
【玄葉大臣】日・ASEAN外相会議では、日・ASEAN交流40周年に当たる来年1年間を通じて記念行事を実施して、来年12月に日本で特別首脳会議を開催するということで一致しました。加えて、EAS参加国外相会議、ARF閣僚会合等に出席をしました。
一連の会合で、私(大臣)からは、北朝鮮情勢について、核実験を含む更なる挑発行為を防ぐために、国際社会が確固たる姿勢を示すことが重要であるということ、そして対話再開のためには、まず北朝鮮が具体的行動をとることが必要であることを強調いたしました。また、拉致問題解決の重要性を参加国及び北朝鮮に訴えたところであります。
また、南シナ海情勢につきましては、南シナ海を巡る問題は、地域の平和と安定に関わる国際社会の共通の関心事項であるということを指摘しながら、すべての関係国がUNCLOS(国連海洋法条約)を始めとする国際法というものを遵守する必要がある。主張の根拠を国際法に従って明確にする必要があること、一方的な行動というものをいずれの当事者も慎む必要があると。そして、関連国際法に従って平和的に解決するということが重要であることを強調しました。
この他、日米韓外相会合を行って、北朝鮮問題につきまして、日米韓、更には中露を含めた関係国で引き続き連携していくことで一致したほか、地域情勢やグローバルな問題についても意見交換を行いました。加えて、中国をはじめとする各国と二国間の会談を行いました。
(2)ベトナム訪問について
【玄葉大臣】チョン共産党書記長、ズン首相、ミン外相と会談をいたしました。一連の会談を通じて、日本とベトナムが戦略的な利益を共有する関係であるということを、改めて確認をいたしました。また、経済関係を中心に政治・安全保障分野を含め非常に有意義な議論ができたというように考えております。
【NHK 島田記者】今朝、野田総理大臣、森本防衛大臣とともに協議が行われたと思いますが、この中でどういった話がなされたのかということについてお願いします。
【玄葉大臣】オスプレイにつきましては、これまでも繰り返し述べてまいりましたけれども、やはり、安全性がまず米国政府によって、そして、また同時に日本政府によって確認をされるまでは、準備飛行を含めて控えるということにしておりますので、そういったことを含め、更に安全性の懸念を払拭するために、どういうことができるのかということについて検討しているところでございます。
【NHK 島田記者】野田総理大臣が、専門家チームに国交省も加えてといったようなことも発言されていますが、これについては何か言及はありましたでしょうか。
【玄葉大臣】これは、安全に関わる話というのは非常に重要ですから、できることはすべてやりたいというように思っています。同時に、何よりまず安全性ですが、あわせて、やはりこのオスプレイの持つ抑止力というのも、昨今の我が国を取り巻く安全保障環境に照らして、ていねいに説明しなければならないなというように思います。
やはり、今までのCH46Eと比べると、速度も2倍になりますし、行動半径も4倍になりますし、積載量も3倍になるということもあわせて、これは、特に外交、もっと言えば、安全保障を預かる立場から言うと、抑止力向上、特にこれから沖縄に残留する海兵隊は減っていく訳です。1万人は残しますけれども。減っていく中で、どういう形でこの東アジア、もちろん我が国の安全保障を確保していくかということもあわせて考えていかなければなりません。ただ、大前提は安全性というものがきちんと確認されると。このことなしには、それはいけませんから、これはないがしろにしてはいけないと思っています。
【NHK 島田記者】地元の反発などを受けて、前原政調会長が現在の配備計画について変更するように米国側に言うべきではないかということをおっしゃっていましたが、改めて、本日の協議では、来週24日頃にも到着するというように言われてますけれども、これについては、政府として受け入れるということが確認されたという理解でよろしいでしょうか。
【玄葉大臣】いずれにしても、そのことについては船がもう出ています、以前も申し上げましたけれども。その上で、先ほど申し上げましたけれど、着いても、結局、安全性が確認されるまでは、準備飛行も含めてしないわけでありますので、やはり、問題は、とにかくきちんと安全性が確認される、そして、その懸念を払拭するために、更にできることは何かということだと思っています。
【NHK 島田記者】今後、搬入の際にトラブル等ももしかすると予想されるかもしれませんが、警備等については政府として何らか対応はお考えでしょうか。
【玄葉大臣】トラブルがないように、対応しないといけないというように思っています。
【NHK 島田記者】ハイチのPKOですけれども、自衛隊を来年にも撤収するということを決めたそうですけれども、この決定について何故このタイミングで撤収するということを決めたのかという理由についてと、それから今後、政府として、ハイチに対してはどういった形で貢献していきたいというようにお考えでしょうか。
【玄葉大臣】ハイチの安定化ミッション、MINUSTAHと言いますけれども、これは当初の派遣の目的がほぼ達成されつつあるということであります。
この間、例えば道路の整備、あるいは瓦礫の除去であるとか、河川の浚渫、あるいは耐震の問題なども含めて日本の知見を活用して、さまざまなアドバイスを含めて行ってきたところでありまして、確か私(大臣)の記憶では、避難民の4分の3くらいの方々がもう帰ったということでありますから、そういう意味で初期の目的は達成されつつあるということで、国連、あるいはハイチ政府と調整に入ったということであります。
今後は、我々の中にも国別の援助方針というのがございまして、特に基礎サービス分野、保健とか衛生とか、あるいは教育とかそういったことについて、日本としてまさにこれから復旧から復興、本格的な復興、本格的な国造りというように移行するわけですけれども、そういったこと全体を後押しできるようにしたいというように思っています。
【毎日新聞 西田記者】北朝鮮の朝鮮労働党の李英鎬常務委員がすべての役職、職務を解任されたということですが、解任理由は病気のためとなっていますが、北朝鮮の中枢で何か起きているという見方もあります、この辺どのように受け止めておられますか。
【玄葉大臣】北朝鮮のそういった人事を含めた動向については、常に注視をしております。以前から、さまざまな情報を我々としては入手をしておりますけれども、我々として、日本政府として公にそのことをコメントするというのは控えた方がいいだろうというように思っています。
報道も承知してれば、さまざまな分析評価は日本政府として、しております。
【AP通信 寺嶋記者】日中関係についてですけれども、中国側とどのようなお話をされたかということと、丹羽大使とはどのようなお話をされたのでしょうか。
【玄葉大臣】発表もしているのですけれども、これからの、今年40周年でありますので、報道よりも前向きな話も実はあったのですけれども、これからどういうように二国間関係を前向きに進めるかということについて、いくつか具体的に話をしました、お互いです。
あわせて、やはり尖閣諸島は我が国の領海への侵犯がありましたから、私(大臣)から強く抗議をしたということです。それに対しては、中国側からは中国独自の主張がありましたけれども、改めて我が国の基本的な立場を述べたということであります。
南シナ海の問題も、結構な時間を割いて意見交換をしました。これは、私(大臣)は本日も言いましたけれども、やはり法の秩序というのは非常に大事であって、UNCLOSをはじめとする関連国際法で主張の根拠を明確にしないといけないということです。海洋秩序全体に影響を与える問題でありますので、この海洋秩序の安定には、逆に言えば中国の役割というのは非常に大事で不可欠なプレーヤーなのです。ですから、しっかりとこの問題について話し合っていかないといけないというように考えています。ですから、それも率直な意見交換をいたしました。
(1)「規制・制度改革に係る方針」の閣議決定について
【玄葉大臣】本日の閣議には、「規制・制度改革に係る方針」を閣議決定をいたしました。今般の閣議決定された事項には、EPA交渉開始に向け重要な局面にあるEUの関心にも応える取組が数多く含まれております。今般の閣議決定に基づいて非関税措置の改革に取り組むことは、我が国が日EU・EPAの早期交渉開始に向けた強い決意を持っているということを示すものであり、EU側でもしっかり受け止めることを期待をいたします。
(2)ASEAN関連外相会議出席について
【玄葉大臣】本日から15日(日曜日)にかけて、カンボジア、ベトナムを訪問いたします。カンボジア・プノンペンでは本日から13日(金曜日)にかけて開催されるASEAN関連外相会議、日・ASEAN外相会議、EAS参加国外相会議、ARF閣僚会合、メコン下流域開発閣僚級フレンズ会合等、バイ(会談)もあると思います、に出席をいたします。なお、本日予定されているASEAN+3外相会議、日メコン外相会議については、山口副大臣が出席をいたします。
今回の外相会議では、ASEANを中心とした地域協力のあり方、そして地域・国際問題について議論する予定であります。日本の考え方というものを積極的に発信するとともに、参加国との連携を確認いたします。
その後、ベトナムではミン外相と共に共同議長を務める日越協力委員会の開催及び外相会談を行う他、要人表敬を行う予定でございます。
【テレビ朝日 花村記者】一部報道で、8月中に参加の表明を正式決定するということが出ていますけれども、カナダ、メキシコが既に参加承認されている中で、日本としても時間的制約があると思いますけれども、現状はいかがでしょうか。
【玄葉大臣】メキシコがたしか本日か明日、議会通知ではなかったかと思いますけれども、日本の場合は、協議が煮詰まった段階で判断をするということでありますが、早期の交渉入りが、私(大臣)は望ましいと思っていますけれども、ただ、時期が決まっているわけでも何でもございません。
【テレビ朝日 花村記者】政府内の検討状況はいかがですか。
【大臣】今、党でも議論しているのではないでしょうか。政府の中でももちろんそれぞれが検討していると。ただ、関係閣僚会議などが行われているわけではありません。
【テレビ朝日 花村記者】沖縄、山口だけではなく、低空飛行訓練が全国にわたるということで、関係自治体はかなり反発をしていますけれども、これに関して、日本政府としての自治体への説明が不十分ではないかという声もあるのですが、その辺はいかがでしょうか。
【玄葉大臣】オスプレイについて、まず岩国と沖縄の皆様に説明をしなければいけないというのと、あとは、たしかに訓練が行われるということであれば、全国の皆様にも何らかの形で説明をしていくという必要はあると思います。ただ、例えば低空飛行訓練そのものについての具体的な運用全て、日本側が承知するという状況ではありません。これは、あくまで現時点は環境レビューを行ったという時点だと承知をしていますので、実際、そこを飛ぶかどうかということはわからないわけです。
地元の懸念を払拭するために何ができるかということについて、私(大臣)としては不断に検討したいと思っております。ただ、この間、クリントン長官も皆さんの前で述べていたとおり、米国としても日本政府が納得できるように安全性についてしっかり取り組んでいくということまで、先般、触れています。若干誤解も生じているところがありますから、誤解を解きながら、かつ、特にフロリダの事故の報告、これはMVではなくCVですけれども、やはりCVについてもしっかり説明をするという必要があると思いますので、先般、迅速かつ十分な報告がほしいという話をしたところであります。
【読売新聞 今井記者】米政府高官が、クリントン長官が8日の日本側との会談で尖閣問題について説明を求めたというように明らかにしているのですが、総理もしくは大臣との会談でこのような尖閣問題というのは話題になったのでしょうか。
【玄葉大臣】念のため総理との会談も確認したのですが、全くありません。私(大臣)との会談でも全くそういう話題は出ておりません。
【朝日新聞 東岡記者】昨日、総理が集団的自衛権について政府内で議論するという答弁をされました。集団的自衛権の行使については海外から反発も予想されます。こういった議論を始めることについて大臣としてどうお考えでしょうか。
【玄葉大臣】私(大臣)は以前から、集団的自衛権については強い問題意識を持っております。海外云々の問題というよりは、やはり我が国自身がどのように主体的に防衛力を整備し、その体制を作り上げていくのかということがまず何より大事ではないかというように私(大臣)自身は考えています。
【産経新聞 杉本記者】駆けつけ警護を可能にするPKO協力法の改正案ですけれども、政府でいままで検討してきたと思うのですが、現在の調整状況はいかがでしょうか。
【玄葉大臣】調整をしているところでございます。これも本来あるべき姿からすると、私(大臣)は駆けつけ警護というのは大事なテーマであるというように思っています。ただ、最終的な調整が政府全体で、法制局を含めてなされたという状況では残念ながらないということです。
【北海道新聞 安藤記者】TPPに関して追加で伺います。カナダとメキシコは年内12月にも正式に交渉のテーブルにつくということになると思います。ルール作りを一緒にやりたいというのが政府の方針だと思うのですけれども、そう考えるとタイムリミットはいつ頃までに正式表明した方がいいというようにお考えですか。
【玄葉大臣】できるだけ早いほうが良いと思います。
【玄葉大臣】アフガニスタンに関する東京会合などについて、冒頭申し上げたいと思います。
明日の東京会合に向けて、日本、アフガニスタン、そして国際社会は、長期わたって入念な準備と調整を行って参りました。私自身も、本年1月にカブールを訪問したほか、5月のNATO首脳会合に出席するなど、共同議長の一人として、主体的に取り組んできたところです。
今日は、市民社会共催のパラレル・イベントに参加して、市民社会の重要性が増していることを話しました。また、先ほどはドイツのヴェスターヴェレ外相、この内容については先ほど申し上げたとおりです。また、フランスのファビウス外相とは、更なる二国間の関係の深化に向けて、5年程度を見据えたパートナーシップ、協力、成果文書というものを作ろうということで一致をしたところです。あとはEPA、アフガン、イラクの問題などについて意見交換を行ったところです。
明日発表する予定の東京宣言でありますけれども、これは大筋でまとまりつつございますが、最後の詰めの作業を行っています。東京宣言では、アフガニスタン側の成長戦略、そしてガバナンスについての具体的なコミットメントとともに、国際社会の支援についても具体的に示す予定です。支援総額についてはまだ確定しておりませんけれども、現時点までに取りまとめたところでは、2012年から2015年の4年間の支援として、約160億ドルを超える規模の開発支援のコミットメントが確保される見込みとなりました。これはご存じのように、世銀そしてアフガニスタン政府の示した財政ギャップを満たす額となるということです。主催国として、幅広い協力を得てここまで来たことを喜んでおります。
また、東京会合におきまして、我が国は2012年から概ね5年間で開発分野及び治安維持能力の向上に対し、最大約30億ドルの規模の支援を行う旨発表したいと考えています。この内の相当額が、我が国の貢献分として、今回の先ほどの支援額の一部として、カウントされているということであり、主催国に相応しい貢献額ではないかと考えております。また、アフガニスタンの中長期的な経済成長のためには、やはりアフガンの周辺国の事業についても目配せをしなければならないと考えており、総額約10億ドルの規模の協力を行う旨発表したいと考えています。
東京会合の成功に向けて、引き続き最終的な調整に努力したいと思います。
【記者】国際社会からの支援総額について、各国が財政難を抱える中で、集めることが厳しいのではないかという指摘がありましたが,今回満足のいく数字となっているかどうかということと、国内的には消費税増税法案などもありますが、国民に対して今回の負担についてどのように理解を求めていかれるお考えでしょうか。
【玄葉大臣】国際社会のコミットメントの160億ドル超という額は、率直に言って満足しております。各国とも厳しい財政状況の中で、やはりアフガニスタンを放置するわけにはいかないと,それぞれの果たすべき役割・責任というものを感じながら、相応の支援を約束してくれたと思っています。日本として,やはり2002年から最初に東京会合を開いて、この間もずっとこのアフガンの問題については、いわば主要なプレーヤーとして貢献してきたわけです。そういう中で,主催国として、やはり相応しい貢献額というものを我々としても提示をしなければならないと考えておりますし、それは主要国である日本国としての責任でもある、更にはこういった開発、そして東京フレームワークというものを作りたいと思っているのですけれども、レビューのメカニズム、アフガニスタンにガバナンスの改善を約束してもらう一方で、我々は開発面に関する資金面でのコミットメントをするというメカニズムができあがるわけです。一連の会合の一つの大きな節目、ボン、NATO、そしてこの東京ということで、やはり2015年以降のいわゆる「変革の10年」以降を見据えた制度的な枠組みができる、そのための貢献というのはやはり日本としては行っていくべきであると考えています。
【記者】周辺国への10億ドルの支援は、国際社会としてということでしょうか。
【玄葉大臣】日本としてです。例えば中央アジア、あるいはパキスタンに対してです。これは,まだ期限をいつからいつまでに10億ということを決めている訳ではないのですけれども、やはり中央アジアの運輸面とか電力面とか、パキスタンの道路とか,アフガニスタンの中長期的な成長のためには連結性というのも大事なものですから、そういったところにもしっかりと支援をしたいということであす。
【記者】日本の貢献額について先ほど30億ドルとおっしゃったのは、2009年に50億ドルの支援というのを打ち出していましたけれども、ここから新たな上積みがあったということなのかということを確認したいのが一点と、この内,治安を除いた160億ドル以上になる国際社会の貢献の方にカウントされるのはどの程度になるのでしょうか。
【玄葉大臣】かつて約束をし、今ももちろん生きているその50億ドルは活用します。あとは,その時の諸般の状況、予算で一年一年決まっていくということがありますから、そういったことも含めて最終的に決まっていくということになるのではないか。30億ドルの内訳は、開発が22億ドル,治安が8億ドルです。
【記者】日本の支援が2015年までではなくて、あえて2016年までとしている理由は何ですか。
【玄葉大臣】あえてというか、2015年以降を見据えるということで「変革の10年」ということになっているものですから、そういう意味で,できるだけ先に先にという思いの中でそうなっていると理解していただければと思っています。
【記者】野田政権として尖閣諸島を買い取るという方針を都知事に伝えて、検討しているということですが、改めて、国が買い取るということにどういう意味があるのかと、一方で、領有権を主張する中国等からは早速反発する声が出ていますが、周辺国との関係に与える影響についてはどのようにお考えでしょうか。
【大臣】尖閣というのは、言うまでもなく我が国固有の領土であり、これは国際法的にも歴史的にも全く疑いのないもので、現にこれを有効に支配している状況です。この尖閣を平穏に、そして安定的に維持・管理をするといった観点から様々な検討を行っていることについて、私は従来から一貫して、そのことを申し上げてきたということです。まさに現時点で様々な検討を行っているということであり、当然、私としては、総理とこれまで相談してきているということです。
様々な国々からの反応という話ですが、事実関係を言えば、まさに事実関係そのものについて関心の表明が中国側から外交ルートを通じてございました。また、台湾側からも交流協会を通じてありました。それは、いわば関心の表明であって、特に事実関係についてで、それ以上のことではありません。
【記者】尖閣について様々な検討を行っているということで、今後、対中関係への影響などについて、外交の責任者としてどのようにお考えですか。
【大臣】私は、従来から一貫していると思っています。何も言葉を変えていないと思っています。従来から一貫して、安定的且つ平穏に、我が国固有の領土である尖閣諸島を維持・管理するために、様々な方策を検討しているのであるということを申し上げてきたし、今も同じことを申し上げているわけです。当然、所有者の意向もあるでしょう。そういったこともありますけれども、様々な検討を行っているということです。
(1)ASEAN関連外相会議出席について
【玄葉大臣】諸般の事情が許せば、7月10日(火曜日)の午後、あるいは夕方か深夜か、から15日(日)にかけてカンボジア、そしてベトナムを訪問します。
カンボジア・プノンペンでは7月10日(火曜日)から13日(金曜日)にかけて開催されるASEANの関連外相会議、日・ASEANとか、EASとか、ARFとか、メコン、閣僚級フレンズ会合等々に出席をいたします。なお、10日に予定されているASEAN+3の会議等については、山口副大臣が出席をする予定です。
今回の外相会議では、ASEANを中心とした地域協力のあり方、地域・国際問題について議論する予定であり、日本の考え方を積極的に発信をするとともに、参加国との連携を確認したいと思います。
その後、ベトナムではミン外相とともに共同議長を務める日越協力委員会の開催及び外相会談を行う他、要人表敬を行う予定でおります。
(2)シリア制裁について
【玄葉大臣】シリアにおきましては、昨年3月から、シリア当局の大規模な弾圧によって一万人以上とも言われる死傷者が出ており、我が国としても、これまで、シリアの政府関係者等に対し資産凍結等を始めとする制裁措置を講じてきましたけれども、現在もなお、シリアでは弾圧と暴力が続いているという状況であります。
よって、我が国といたしまして、シリア問題の解決を目指す国際的な努力に寄与するために、本日より3個人をシリア政府関係者等に対する資産凍結等の措置の対象に追加します。これまでの措置と合わせて、合計23個人16団体を措置の対象とすること、及び、シリア国籍の航空機による航空チャーター便につきまして我が国への乗り入れを認めないということについて、本日の閣議で了解を得たところであります。
加えて、資産凍結等の措置の対象者につきまして、既に厳格なビザ審査をすることとしておりますけれども、本日新たに指定を行った3個人についても同様の措置を講じます。また、貿易関連では、我が国は、シリアに限らず武器の輸出及び輸入について原則禁止しており、既に武器禁輸措置を講じていることもあせて紹介したいと思います。
我が国のこうした措置が、シリアでの暴力の停止に向けた国際社会による努力に寄与することを期待しているところであります。
【TBS 西川記者】ロシアのメドヴェージェフ首相の国後島訪問について、改めてお伺いします。日露首脳会談から、わずか2週間あまりというタイミングでの訪問。そして、報じられるところによりますと挑発的ともとれるような発言をメドヴェージェフ氏がしたということがありました。改めて受け止めをお願いします。
【玄葉大臣】そういったことに対して、私(大臣)としての考えはありますけれども、ただ、私(大臣)は、やはりメディアを通じてそうしたやり取りというのは行うべきではないというのが、私(大臣)の考えであります。
【TBS 西川記者】そうしますと、日露首脳会談のときには玄葉外務大臣のロシア訪問ということで、時期は本年の夏ということで一致したかと思うのですが、その方向性については変わりはないということでしょうか。
【玄葉大臣】訪露の時期につきましては、これは、諸般の事情を鑑みながら、これから決定をしていきたいというように思っています。根本の問題は、仙台でも申し上げたのですけれども、北方領土問題が解決していないことであります。北方四島は日本に帰属するというのが我が国の立場であります。ロシア側はロシア側の立場があるから、あのようなことが起きているということもあるでしょう。いずれにしても、この北方四島の帰属の問題を交渉で解決をしなければならないというように、私(大臣)は考えていますので、やはり精力的に交渉していくということが基本であるべきではないかというように思っています。
【TBS 西川記者】玄葉大臣が次の交渉をする前に、訪問直後にぶら下がりなり、佐々江次官が(駐日ロシア)大使を外務省に呼んで抗議をしたりということがありましたが、新たにまた何らかの抗議なりをする予定というのはありますか。
【玄葉大臣】現時点で、特に、そういうことを具体的にこの場で申し上げるというものはございません。
【TBS 西川記者】交渉を進めていく中で、玄葉大臣が訪露をしたとして、その先には、やはり野田総理のロシア訪問というのも方向性としてはあろうかなと思うのですが、そこら辺はいかがお考えでしょうか。
【大臣】それは、精力的に交渉していく過程で大事なことは、やはり首脳同士、つまりは、日本は野田首相、ロシアはプーチン大統領、この首脳同士の信頼関係が一番大事だと思っています。ですから、やはり私(大臣)としては両首脳の信頼関係が築けるように、既に第一歩を築き始めていると思いますけれども、真の信頼関係が築けるように、しっかり外相として働かなければならないというように考えています。
【北海道新聞 安藤記者】昨日、自民党から大臣の訪露を見合わせることと、総理のAPECへの出席も再検討を求める要請がありました。国民からも結構そういう不快感を示す声が少なからずあると思うのですけれども、そういう声にはどういうようにお応えになるおつもりでしょうか。
【玄葉大臣】ご意見として承ったところでありますし、国民の皆さんがそのように思うのも無理のないことであると思います。その上で、何がやはり日本全体の国益にとってプラスになるのかということを総合的に判断をして、適切に対処したいというように考えています。
【NHK 吉岡記者】ロシアの問題ですが、メドヴェージェフ首相が北方領土を訪問する前に、玄葉大臣ご自身も在京のロシア大使に対して直接、訪問をしないようにと働きかけをしたということを昨日の副大臣会見でおっしゃっていたのですけれども、それにもかかわらず、やはり訪問が強行されてしまったということについてはどのようにお考えでしょうか。
【玄葉大臣】まさに最初に申し上げたとおり、極めて遺憾なことだというように思います。ですから、それは抗議と受け止めていただいて結構だということを当日、私(大臣)の方からもコメントしたということであります。
【時事通信 梅垣記者】国家戦略会議のフロンティア分科会が政府に提出する報告書の中で、集団的自衛権を容認するべきであるという記述が盛り込まれるということですけれども、大臣としては現時点で集団的自衛権についてどのようなお考えをお持ちでしょうか。
【大臣】野田内閣として、現時点では集団的自衛権について、いわばこれまでの日本国政府の解釈を現時点で変えていないということだと思います。ただ、私(大臣)自身は、この集団的自衛権の問題については強い問題意識を持っているということは申し上げたいと思います。
【テレビ朝日 花村記者】所管外のことで恐縮ですが、公務員の年金などの見直しに関して有識者会議が昨日報告書をまとめましたけれども、その中で職域加算は廃止するものの税金を投入して新たな形で制度をつくるという内容になっています。閣僚の中には消費税をお願いしながら、税を投入することには理解を得られないという考えの方もいらっしゃいますし、一概に税投入が悪いとは言えないという考えの方もいらっしゃいますが、大臣はどのようなお考えでしょうか。
【玄葉大臣】その問題について、私(大臣)はフォローしていないので、この場でコメントすることは控えたいなというように思います。職域加算の代わりに税を入れるということかと思いますけれども、全体の設計を今現時点では承知していませんので、以前の設計は承知していますけれども、今おっしゃった設計についてはよく見ていませんから、見た上でコメントしたいと思います。
【NHK 島田記者】ASEANですけれども、南シナ海の問題や北朝鮮などの問題について、大臣としてはどういったお考えを伝えたいというようにお考えでしょうか。
【玄葉大臣】これは当然、海洋のルールの確立というのが、非常に大切なテーマだというように思います。特に南シナ海などは国際社会の共通の関心事項でありますので、やはり関連の国際法というものがしっかり順守されて、しっかりルールが作られていくということが大事なことだというように思っていますので、非常に大切な会議になっていくのではないかというように考えています。当然、北朝鮮の問題等もあるというように思います。
【NHK 吉岡記者】アフガニスタンの支援国会合ですけれども、改めて日本側としてどういう考えの下に日本としての支援を打ち出すのか、それと、国際会議でどういう役割を議長国として担いたいのか、お考えをお聞かせください。
【大臣】ご存知のように、アフガニスタンにつきましては、日本は10年前から東京会合を開いて、世界の主要なプレーヤーとして役割を果たしてきたという経緯があるわけであります。治安はNATOシカゴで、そして、開発は東京でということで、特にアフガニスタンのガバナンスの改善をアフガニスタン政府側に約束をしていただく、一方で、開発に対して変革の10年を見据えながら国際社会全体がコミットするのだという強い政治的な、かつ戦略的なメッセージを発信しなければならないというように考えています。それに対する、アフガニスタン及びその周辺国の日本への信頼、そして、米国及び欧州等からの日本への強い期待というものを感じておりますので、この一連のボン会合から続いて、次シカゴ、そして東京ということで、この会合でやはり一つの大きな節目をアフガニスタンについては迎えるということになるというように思います。
大事なことは、日本らしさでもあるのですけれども、相互のコミットメントです。と同時にきちんとレビューのメカニズムというものを2年ごとに作っていくということをしっかり踏み込んで、国際社会としての力強いメッセージを日本主導で発信をしたいというように考えています。
お聞きになったかもしれませんが,63か国,及び14国際機関の参加を得ました。ここ東北の地から「21世紀型の防災」を世界に発信できたことは大きな成果だと思っています。私自身,会議に2日間参加して,知見が共有されていくのを実感しました。今回の会議の開催にあたり,地元の関係者の皆様をはじめ,多くの方々にお世話になりました。感謝申し上げます。
会議では,ハード・ソフト両面での取組,幅広い関係者の支援等の重要性を確認いたしました。「世界の英知を被災地に,被災地の教訓を世界に」というテーマに応えることができたのではないかと思います。今回の会議を通じて,震災後多くの国から受けた支援にある意味で恩返しを少しでもできたのではないかと思います。
被災地が復興しつつある姿を参加者の方に直接見ていただいたというのも良かったのではないかと思っています。また,サイドイベント等における民間企業,市民団体,地方自治体等のそれぞれの協力に感謝したいと思います。
何回も会議でも出てきましたが,世界で被災される方の9割が途上国の人々です。国際協力の様々な局面で防災をしっかりと位置付けていく,防災の主流化を進めること,これは国際社会の責務です。日本はそれを主導していきたいと思います。防災への1ドルの投資は,7ドルの被害を防ぐことができます。世界で強靱な社会を構築していくため,一層努力したいと思います。
(記者)
日本は2015年の国連防災世界会議のホスト国に名乗りを上げましたが,改めて日本政府としてどのように取り組んでいくのでしょうか。
(玄葉外務大臣)
これはもう,主導していきたい,と思っております。このため2013年からの3年間で30億ドルの支援を発表いたしました。支援の中身ですが,私自身,議論を通じて学ぶことも多くありました。日本の防災技術を世界で役立てたいことが思いとして強いことを申し上げたいと思います。地デジもそのうちの一つです。中川大臣も仰っていましたが,3.11の時に走っていた27本の新幹線全てが,M9.0の地震の中で減速し,結果として1本も脱線しなかった。これは日本の素晴らしい技術によるものです。
ソフト面では,都市計画のマスタープランの策定から支援を行っていきます。そのために人を派遣し,人をお招きすることを含め,実施していきます。ハード・ソフト両面を含め,3.11で変わったことは多くあると思います。3.11,これだけのことを経験した日本だからこそできる貢献があると思います。そのためにも,2015年の国連防災世界会議をしっかりホストしたいと思っております。
【NHK島田記者】メドヴェージェフ首相が本日国後島に入ったという情報がありますけれども、外務省としてどういった情報を把握されているのか、また、これに対してどういったロシア側に対して対応をとられているのかということについてお願いします。
【玄葉大臣】メドヴェージェフ首相が国後を訪問したという報に接しています。これはロシア側の立場からすれば、現地の開発状況の視察ということだと思いますけれども、当然これは日本側の北方領土に対する立場と相容れないわけで、日露関係の前向きな雰囲気作りに水を差すものだと認識をしています。次官からアファナシエフ駐日大使に今の話をしたということであります。
【NHK島田記者】抗議をされたということでよろしいでしょうか。
【玄葉大臣】そういう理解をしていただいて結構です。
【NHK島田記者】北方領土に関しては、野田首相との間で、まさに領土交渉を始めようと、この問題の解決に向けて始めようという機運が高まっていたところでありますし、こうした中で国後島に訪問したということを改めてどのように受け止めていらっしゃるのかということと、それから大臣ご自身も近くロシア訪問を検討されていたと思いますが、今後の日本政府としてこの北方領土問題の交渉に対する立場、どのように取り組んで行かれるお考えでしょうか。
【玄葉大臣】なぜこういうことが起きるのかということだと思うのですね。それは、根本の話は北方領土問題が解決していないからこういうことが起きるということだと思っています。したがって、大切なことは北方領土問題を解決すること、そのためには両国の、あるいは首脳の信頼関係を確固たるものにすることに意を注ぎたいと思っているのです。その下で、やはり精力的に交渉する、そして四島の帰属をきちっと解決をしていくということが大切だと思っています。私の訪露につきましては、諸般の状況を見ながら時期を検討したいと思っています。
【NHK島田記者】また、今回訪問された先が国後島だったということについてはどのように分析されているのでしょうか。
【玄葉大臣】これは、様々な情報にも常に接していますし、勿論そういった情報も色々入っていましたし、そういったことについては、本当にありとあらゆる情報は耳にしておりました。分析については敢えて申し上げません。
【毎日・横田記者】日露首脳会談で、北方領土問題については再活性化しようといいムードでやった矢先の今回の訪問ですけれども、このタイミングでの訪問の狙い、ロシア側の狙いというものをどのように分析されていますでしょうか。
【玄葉大臣】狙いとかそういうことを、敢えてこの場で申し上げることは控えたいと思っています。その意図等について推測して述べるというのはむしろ控えようと思っています。私からもこの間、駐日大使には、せっかく日露関係の、いわば信頼関係というものが築かれてきている状況の中で、やはり協力関係に、その協力の進展が行いにくくなるので、という話はこの間も実はしてきたということは実はあったのですけれども、結果としてこういうことになりましたので、先ほど申し上げたようなことでございます。
【読売・今井記者】駐露大使を国内に呼び戻してお話を聞くというようなことは考えてはいないのでしょうか。
【玄葉大臣】特にそこまで考えておりません。むしろやはり交渉することだと思っています。そのことの方が私は大事だと思っています。
【毎日・横田記者】今日次官との間で、アファナシエフ大使の方からどのような弁明があったのかということは、報告は入っておりますでしょうか。
【玄葉大臣】一定程度入っておりまして、ロシア側はロシア側の立場があるでしょうから、ロシア側の原則的な立場を述べて、次官からの話は、日本側からの話は本国に報告すると、こういう話だったと思います。
【フジテレビ 長谷川記者】一部の報道ですけれども、ロシアのメドヴェージェフ首相が本日なのか明日なのか、我が国固有の領土である北方領土に入るというような報道がありますけれども、そのことについて日本政府としてどのような情報を把握されているのかということと、その行為自体について、大臣のお考えをお聞かせください。
【玄葉外務大臣】これは以前も申し上げましたけれども、様々な情報に接しています。中身については申し上げません。一般論としての我々の立場は、これまで繰り返し申し上げてきているとおりでありますし、また、そのことはロシア政府も承知をしているというように考えています。
【フジテレビ 長谷川記者】本日なのか明日なのかということに関しても。
【大臣】そうですね。様々な情報に接しています。
【フジテレビ 長谷川記者】こちらも報道なのですが、既に米国の本土からオスプレイを積んだ船が出航しているというような報道がありますけれども、こちらの事実関係と、あと、週末、防衛大臣が搬入先の岩国、配備先の沖縄に入って、地元の方を説得されていましたけれども、かなり非常に強い反発がありましたが、このような状況下で地元への理解を求めるために、どのような対応をされていかれるお考えでしょうか。
【大臣】船が出たかどうかというのは、できれば防衛省に確認していただければというように思います。ただ、接受国通報は外務省にございました。そして防衛省に、いわば伝達したというか、そういう形になったわけでございます。この土・日(曜日)の森本大臣の訪問について、先ほども森本大臣から、ぜひ二人でお話をしたいということがありましたので、どこかできちんとお話をしたいなというように思っています。
ご存じのように、このオスプレイ、MV22の問題というのは機種の変更のわけでありますけれども、CH46Eが非常に古い機体であるということで、まさに、このアジア太平洋、あるいは東アジア重視の観点もあり、この日米安保の抑止力というものを向上させる一環として配備をされるものであります。それはすなわち、CH46Eと比べたら速度も2倍になるし、積載量、搭載量も3倍になるし、行動半径も4倍になりますから、そういう意味では抑止力の向上に資すると思います。ただ、モロッコの事故があって、これは最終報告が出てきましたけれども、フロリダの事故があった。ただ、フロリダは、ご存じのようにCVですけれども。また、フロリダの事故のような運用はしないということが大前提だというように考えていますけれども、やはり安全性について懸念があるというのが今の状況だというように思います。今回も、沖縄、そして岩国で強い懸念の声を森本大臣が直接聞いてきたということであります。
これまで、何とかこの安全保障上の要請と地元の安全性への懸念、この懸念の払拭という問題をどういうように両立させるかということで、米側と本当に様々なやりとりを行って、まさに結果として安全性が再確認されるまで、つまりは、まず8月末にも出るであろうフロリダの事故の最終報告というものを、まず、きちんと見て、そして、やはり安全性が再確認されるまでは、これは、やはり飛行を控えるということはやっていただこうということで、今回のような形になったわけであります。米側のやり取りについても出せるもの出せないもの、今精査をしておりますけれども、この安全保障上の要請、そして、その安全性の問題、この両方とも地元の皆様には丁寧に、これからも説明していかなければいけないというように思っています。そういった懸念を払拭することのために、さらに何ができるのかということについて考えたいなというように思っています。
【フジテレビ 長谷川記者】本日の閣僚懇で、総理から何かそれについて御発言というのはありましたでしょうか。
【大臣】閣僚懇とか閣議の話はちょっと外に出すのは控えないといけないルールになっているものですから、控えさせていただきたいと思います。
【フジテレビ 長谷川記者】昨日、小沢元代表、50人の方が離党届を提出されたということですけれども、結構大変大きな人数ですが、これが今後の野田政権の政権運営に与える影響などについて大臣はどのように見ていらっしゃいますか。
【大臣】私(大臣)は、やはり今回のようなことを契機に、民主党が責任ある改革政党に脱皮をする、進化をする、発展をする、そういう契機にすべきだというように考えていまして、プラス発想で考えています。決して悲観していません。
【NHK 島田記者】オスプレイですけれども、安全性が再確認されるまで飛行を控えるということですけれども、8月末の調査結果がまとまって、それが伝えられるというだけではなくて、その内容が日本政府として安全性が確認されたという内容でない限りは、米国側に対して飛行を控えるように更に求めていくということになるのでしょうか。
【大臣】まず、内容がどういう内容のものかということだと思うのです。まず、内容があって、そして、日本は日本として防衛省の専門家の皆さんがそれを分析をし、評価をすると。そして、それをきちんと理解できるという状況がないとやはりいけないのではないかというように思います。
【NHK 吉岡記者】ロシアの件ですが、今のところロシア政府に対してはどのような働きかけを行っているのでしょうか。
【大臣】そのことは現状では差し控えたいというように思っています。
【NHK 及川記者】ということは、何も控えるように求めていないということでしょうか。
【大臣】現状では、申し上げることを差し控えたいというように思っています。
この場で申し上げることを差し控えたいというように思っております。
【日本テレビ 菊池記者】小沢さんの今回の離党届を提出したという行為自体について、どのようにお考えでしょうか。
【大臣】行為というと。
【日本テレビ 菊池記者】離党届を出したという今回の一連の、党の方針に反して今回こういう行為をとった、そのこと自体についてどのようにお考えか。
【大臣】私(大臣)は政調会長をしておりました、政調会長としてマニフェストで約束したことの中で、でき得る最大限のことを行ってきたつもりです。
参議院選挙もございました。代表選挙もございました。その度毎にマニフェストをチェックして、例えば補助金の一括交付金化で財源が大変な額出るということでマニフェストは作られていたわけでありますけれども、それはあり得ないということははっきりしているわけです。はっきりしたからこそ参議院選挙で公約を修正したり、代表選挙でも修正したりしているわけです。
はっきりできないということがわかっているにもかかわらず、それができるのだということは、私(大臣)は誠にもって不誠実だというように思っていますので、やはりできなかったことに対しては率直に詫びるところは反省をし、お詫びをし、しかし、できたところはきちんと説明をし、今、この時期に柱をもう一度立て直しながら、いわゆる責任ある改革政党として脱皮をするというチャンスだというように思っております。
【産経新聞 杉本記者】ロシア側への働きかけについて、この場では申し上げられないというようにおっしゃる理由を教えていただいてもよろしいでしょうか。
【大臣】それは想像していただければというように思っています。私(大臣)はそのことも含めて外交そのものであるというように思っています。