(1)本年一年の外交について
【玄葉外務大臣】本年最後の会見であるということでございますので、本年一年の外交、特に外務大臣として取り組んできたことを、改めてになるかもしれませんが、振り返りたいと思います。
3月の東日本大震災以降、日本政府は、震災からの復興を最優先課題として取り組んでまいりました。外交におきましても復興への取組が重要であるということは同様であり、また、震災を機に世界との絆の重要性が再認識された年でもありました。そうした認識の下、私(大臣)は、就任後、外交の目的である国益の最大化のため、「実のある外交」、すなわち結果重視の外交というものを展開してまいりました。国益の最大化のためには、アジア太平洋地域のリスクを最小化し、地域の成長の機会を最大化することが重要であります。この地域に、民主主義的な価値に支えられた、豊かで安定した秩序を構築すること、そのために、この地域に開放的かつ多層的なネットワークを作ることが必要です。先日の講演でも申し上げましたが、このような考えから、これまでアジア太平洋の要人と意見交換を重ねて一定の成果が表れてきていると考えております。「実のある外交」を進めるためには、内向き志向からの脱却も必要であります。この点につきましては、南スーダンPKOへの人的貢献の決定、そして先般の防衛装備品等の海外移転基準の決定、また減少傾向にあったODA予算反転の端緒を開いたことなど、着実に目に見える成果を出してきたと考えております。また、経済連携につきましても、TPP交渉参加に受けて関係国との協議に入ることとし、日本が一歩を踏み出したところであります。それによって、日中韓FTA等も前進するといった動きが出てきております。
先般の金正日委員長の死去のように、国際社会、特にこの東アジアにおきましては、様々な動きが日々生じています。そうした事態にも適切に対応しながら、2012年も、日本の国益を最大化するために「実のある外交」を全力で行っていきたいと思っております。
(2)フィリピンにおける台風被害に対する追加支援について
【玄葉大臣】今月16日から17日に発生しましたフィリピン・ミンダナオ島における台風被害に対しまして、我が国は、発生直後に2,500万円相当の緊急援助物資を供与したところでありますが、その後のフィリピン政府及び国連による被害調査の結果を踏まえた緊急要請が22日に出されたことを受けまして、200万米ドルの緊急無償資金協力を実施することにいたしました。(3)年末年始の外務省の危機管理体制について
【玄葉大臣】昨日の総理大臣からの指示も踏まえつつ、自分から関係部局に対しまして、北朝鮮の今後の動向について、情報収集の強化と不測の事態への備えを徹底するとともに、年末年始においても、緊急時に対応できるように体制をしっかり組むように指示をしたところであります。【フリーランス 上出氏】たびたび恐縮でございますが、ミャンマーのことで大きく取り上げられておりまして、スー・チーさんとお会いしたことについて、2つほどお聞きしたいのですが、まず個別のことですが、お会いになった場所がどこなのかということがもし公表されているのであれば。ちょっと情報によって違うものですから。
それと、スー・チーさんとお会いになって、直接お会いするのは初めてだと思うのですけれども、これまで米国、その他のヨーロッパの国と日本とは、やはりいろいろな立場の違いで、この前のご説明をしたように、スー・チーさんの評価も私の分析では違っていたかと思うのですけれども、今回お会いになって、何か欧米との評価は違っているなという点。それから、日本に対して、これまでとははっきり何か違うメッセージ、日本に来てほしいということを言って、行きたいということを言っておられるようですけれども、その辺をちょっと立ち入って、可能な限り、ご説明をいただければと思います。
【玄葉大臣】スー・チーさんのご自宅でお会いをしたと理解をしています。あれはご自宅だろうと理解をしていますけれども、50分くらいでしょうか、2人でいろいろな話をいたしました。私(大臣)の方から、今回の民主化、国民和解に向けたミャンマー政府の取組みについて、評価をしているということについて述べました。また、同時に日本がミャンマー政府に考えている支援策、施策についても丁寧に、それを考えるよりどころを説明したところであります。
併せて、アウン・サン・スー・チーさんの自由な政治活動が重要であると。また、いわゆる今後の選挙が公正で自由に行われることが重要であるということをミャンマー政府のテイン・セイン大統領を始め、3人の要人の方々に私(大臣)の方から要請をしたということも伝えました。そういったことなどを私(大臣)なりの言葉で説明をしたところでございます。民主主義というものをどう考えるかとか、あるいはどういうことに価値を置いていくかとか、そういったさまざまなことについて2人で話をしたところであります。
欧米とどう違うのか。そのスー・チーさんの評価は、私(大臣)自身が説明するというのはどうかと思いますけれども、少なくとも非常に良い会談を持てたと考えておりますし、非常にそれこそ実りある会談ではなかったかと私(大臣)自身は評価をしているところであります。
米国のクリントン長官との間でミャンマーについて意見交換をしているということも説明したところであります。ブリーフであったかもしれませんけれども、日本はアジアの一員であると、アジア的価値観を有していると。しかし、同時に、アジアの中で民主主義という普遍的な価値観を最初に取り入れた国であると。だから特別の貢献ができるということも含めて、私(大臣)からは申し上げたところであります。
【毎日新聞 横田記者】今朝4時過ぎくらいに、沖縄防衛局が環境影響評価書を沖縄県庁に搬入したのですが、この手法に対して沖縄の方からかなり批判の声が出ております。大臣は常々「沖縄との信頼関係の構築」ということをおっしゃってこられたと思いますけれども、この提出の仕方について結果的に信頼を揺るがせるということになるとお考えになるか、ならないかという点をお願いします。
【玄葉大臣】今の横田さんの提出の仕方という問題については、防衛省が基本的に考えていることでございます。恐らく県庁との間でも、さまざまなやり取りを行って調整をしてそのようなことになったのではないかと推測しておりますけれども、私(大臣)としては、そういう意味では防衛省の方でこの提出の仕方ということについては対応していると考えておりますので、特段コメントしない方が良いのではないかと考えております。おっしゃるように、いずれにしても沖縄の皆さんとの信頼関係というのは大事です。一つ一つ結果を出して信頼関係を深めていく、丁寧に説明をすることを今後とも更に全力を尽くしていかなければならないという思いを新たに、改めて強くしているところでございます。
【琉球新報 仲井間記者】提出自体は防衛省がということですが、地位協定に関係して一つ外務大臣の方に伺いたいのですけれども、昨日、いったん沖縄防衛局からアセスの評価書を県庁に運んで欲しいということで民間の輸送会社が評価書をトラックに載せて県庁まで持って行ったのですけれども、市民の方々の反対行動にあって県庁の中に搬入することができなくて引き上げたのですが、その途中、米軍基地のキャンプ瑞慶覧の中にトラックが入りまして、その中でトラックから評価書を降ろして沖縄防衛局の車に評価書を移し替えるという作業をしました。事実関係をどこまでご存じかというのは気になってはいるのですけれども、基地内でこのような作業が可能となる根拠は何なのかという点と米軍基地がこのような使用のされ方をすることについて、率直にどういうようにお感じになりますでしょうか。
【玄葉大臣】申しわけございませんけれど、今おっしゃった宅配の車ですか、その行動については承知しておりませんので、そのことについてコメントできるという状況にございません。
【琉球新報 仲井間記者】アセスを出した後の手続きで、最終的には沖縄県知事が埋め立て許可申請をOKするかどうかというのが焦点になってくると思うのですけれども、仲井眞沖縄県知事は、昨日の報道各社との共同インタビューで「申請を承認する環境にはまずならないと思う。県外移設を求めるという自分の公約を変えるつもりはない」というように申請を承認しない姿勢を示しているのですけれども、知事のこの発言についてどのように受け止めますでしょうか。
【玄葉大臣】まず一つは知事の発言の正確な内容について、私(大臣)自身今承知をしておりませんけれども、現時点はまさにアセスを提出しているところと承知をしておりますので、埋め立て申請そのものについて現段階でコメントをすることはしないという思いでおります。報道は承知しております。
【フリーランス 小山氏】今、ホルムズ海峡でイランが大規模な軍事演習を行っておりますが、それを米国の空母が遠巻きに見ております。また、米空母は東地中海のシリアの近くに展開して、シリアの動きを見ていますが、それに対してロシアの空母がシリアの港に入って米国を牽制しているという非常に緊張した状態が続いております。イランの政府関係者は、米国かイスラエルが攻撃してきたら、ホルムズ海峡を封鎖すると言っております。その場合、イランの原油が入らなくなるだけではなくて、湾岸諸国の原油もかなり入らなくなる危険性がありまして、日本にはかなり深刻な影響が出るのではないかと思いますが、日本としてはその場合どのように対応するつもりでおるのでしょうか。
【玄葉大臣】今のホルムズ海峡というのは、ご存じのようにイランのみならずUAEあるいはオマーンなどと接している海峡であります。おっしゃるように、イランからは10%弱の石油の輸入量でありますけれども、ホルムズ海峡全体となると、85%が該当すると。単純計算をすればそういうことになります。いずれにしても、現時点でこの場で私(大臣)自身が申し上げられるのは、やはりこのイランの核問題について、私(大臣)自身深刻に懸念をしているということと、この問題の解決に当たっては、平和的に、かつ外交的に解決をされなければならないと。そのために日本が果たすべき役割というものについて考えているというように、現段階ではこのくらいにとどめたいと思います。事態はもちろん、注視をしております。
【NHK 島田記者】野田総理大臣が進める消費税の増税に反対して、民主党の議員の方々が離党するという動きが出ています。大臣の消費税増税に関するお考えと、こうした離党の動きが出ていて、新党を結成するという動きも模索されていますが、民主党がマニフェストで約束したことと違うと反発されています。こうした方々の動きについてどのように受け止めていらっしゃいますか。
【玄葉大臣】外務大臣として、党内の動きについてコメントするというのは避けなければならないだろうと思っていますが、ただ、社会保障と税の一体改革というのは待ったなしであると思います。それは国民皆年金・皆保険から50年経ったわけで、よく最近は胴上げ型から騎馬戦型になって、いずれ肩車型になるという説明がなされていますけれども、私(大臣)も政調会長時代からそういう野球型から騎馬戦型、そしていずれ肩車型という表現を使っていました。それは待ったなしだと私(大臣)自身は考えております。
それがマニフェスト違反なのかどうかということについて問われれば、実際の引き上げ実施そのこと自体が次の総選挙の後、行われるということで、それはマニフェスト違反には当たらないというのが私(大臣)自身の認識であります。当然、私(大臣)は野田総理はこの社会保障と税の一体改革、そして議員定数、国会議員の定数削減、国会議員の歳費カット、公務員の給与削減、この問題について強い決意を持って臨んでいるものと理解しています。
(1)中東訪問について
【玄葉外務大臣】1月5日(木曜日)から12日(木曜日)まで、トルコ、サウジアラビア、カタール及びアラブ首長国連邦を訪問する予定であります。
中東地域との安定的で友好的な関係を維持・発展させていくことは、我が国のエネルギー安全保障の確立・確保からも死活的に重要です。近年存在感を増す新興国、そして、GCC諸国に対する外交を推進して、いわゆる「アラブの春」を受け変化する地域情勢への対応を協議し、中東地域の安定と繁栄のため協力を行っていくことを今般の訪問の狙いとしております。
(2)防衛装備品等の海外移転に関する基準について
【玄葉大臣】本日の安全保障会議・閣議におきまして、「防衛装備品等の海外移転に関する基準」が閣議決定され、官房長官談話として発出されたところであります。昨年の新防衛大綱におきまして、平和への貢献や国際的な協力、国際共同開発・生産を取り巻く防衛装備品の大きな変化に対応するための方策について検討することとなっていたことを受け、政府内で幅広く議論を行ってきたものです。
今般の基準によりまして、平和貢献や国際協力のための防衛装備品等の移転が包括的に可能となって、国際平和協力や国際テロ・海賊問題などへの対処に、より積極的かつ効果的に取り組む途が開けたことは、大きな意義を有するものと思います。
また、防衛装備品をめぐる国際的な環境が変化する中で、今般の基準により、我が国が、安全保障面での協力関係にある諸国との間で共同開発・生産を進めることは、装備の高性能化やコスト削減等を通じて、我が国の安全保障に資するものであると考えます。
外務省としては、移転先国におきまして防衛装備品等の厳格な管理が行われることを確保するために、当該国との間でしっかりとした枠組みの整備に取り組んでいく考えです。
【NHK 島田記者】普天間基地の移設問題で、昨日、環境影響評価書が発送されて、今日にも沖縄県側に届く見通しです。政府が約束していた年内の提出ということは達成されるわけですけれども、沖縄の地元の反発というのは非常に強い中で、昨日も今日も抗議集会が開かれていまして、改めて年内提出に至ったことへの意義と、それから、今後こうした難しい沖縄の状況をどのように理解を求めて打開していかれるお考えでしょうか。
【玄葉大臣】現在の状況は、特に防衛省の方でそういった準備をしているというように承知をしています。まさに年内に提出をすべく準備をして、その準備が整いつつあるというように聞いているところでありますけれども、これまでもそうでありましたけれども、少しでも信頼関係というものを築いていく、その努力を続けていく必要があるというように思っておりまして、私(大臣)はこの間の取組みで少しずつ信頼関係というのは、少しずつではありますけれども、少なくとも知事さんとはできつつあると思います。あと、県民の皆様、あるいは民主党内、特に県連の皆さんにやはりもっと説明をさせていただく必要があるなというように思っています。
【共同通信 池田記者】この観点から、今回郵送という形での提出になったということですけれども、その点についてはどのように。
【玄葉大臣】先ほど(ミャンマー訪問から)帰ってきて、まだ聞いておりません。
【北海道新聞 相内記者】武器輸出原則の緩和について、外務省として移転先国の管理の枠組み・整備というのは、ここはどのような今検討状況なのでしょうか。
【玄葉大臣】まさに厳格な管理をしなければ、なし崩しになるだろうということだと思うのです。ですから目的外使用、そして、いわゆる第三国移転といったことについて、米国とは既に実は枠組みがあるわけでありますけれども、これから他の国々とそういった枠組みを作っていくということを今考えているという段階です。
(1)シリアへの制裁について
【玄葉外務大臣】私(大臣)から冒頭に2点申し上げたいと思います。
1つはシリアへの制裁でありますけれども、シリアにおいては本年3月中旬から各地で反政府デモが発生し、治安部隊との衝突によりまして多数の死者が生じています。我が国を含む国際社会の多くの国の再三の呼びかけにもかかわらず、シリア政府による弾圧は継続しており、多くの民間人の死傷者が発生しています。国連によれば死者数は5,000名を超えるということであります。
我が国として、シリア問題の解決を目指す国際的な努力に寄与するため、本日の閣議におきまして、本日よりシリア政府関係者等に対する資産凍結等の措置の対象を追加することにつき、了解を得たところでございます。
(2)外国出張の日程変更について
2点目でございますが、先日、25日(日曜日)から29日(木曜日)までの日程で、ミャンマー、タイ、カンボジアを訪問すると申し上げましたが、今般、この訪問の日程を短縮して、25日(日曜日)から27日(火曜日)にかけて、ミャンマーのみを訪問することにいたしました。
これは、現下の情勢にかんがみまして、万全の体制をとるということ等についての野田総理の指示を踏まえつつ、諸般の事情にかんがみ、判断したものであります。
ミャンマーでは、テイン・セイン大統領への表敬、アウン・サン・スー・チー女史との会談を行い、同国の民主化・国民和解を確固たるものにしたいと考えているところでございます。
【共同通信 池田記者】今の冒頭発言に関してが1点ありまして、シリアの制裁ですけれども、具体的にどれぐらい拡大するのかということが1点。
もう一つは別ですが、やわらかい話題で恐縮なのですけれども、来年は辰年ということで、大臣は先日、講演の際にも「辰」という字を示されておりましたが、辰年生まれということで、現下の北朝鮮情勢等、不透明であったり、普天間の問題も来年山場を迎えるかと思うのですけれども、どのように来年を迎えられるか、抱負を改めて伺えますでしょうか。
【玄葉大臣】まず、最初の質問でございますけれども、追加制裁対象につきまして、3個人・6団体ということになります。必要であれば、具体については後ほど事務方から説明させたいと思います。
2点目の来年に向けての抱負ということでございますけれども、確かにた辰年でございまして、年男になります。今年は3.11を自分も閣僚の一員として経験し、この場でも申し上げましたけれども、価値観とか人生観が変わる出来事だったと思っていますし、本当に人生には不条理というものが存在するということもあわせて考え、同時に3.11からの1か月間はまさに危機の連続であったと、私(大臣)としては改めて思い起こすとそう思います。生涯、福島県の問題は背負っていかなければいけないと。そして、最後の砦になるというように覚悟を決めた年であったと思います。
今まさに復旧・復興の途上でございますので、それについてもきちんと責任を持ちつつ、同時に外交において実のある外交というものをしっかりと来年、更に展開をしたいと。実がある外交というものは、英語で言えばサブスタンシャルで、リザルト・オリエンテッドな、つまりは結果重視の外交というものを展開したいと思っています。
1つは、いつも申し上げているように、アジア太平洋地域に民主主義的な価値に支えられた豊かで安定した秩序をつくるということを言いました。それもやはり具体的には、バランスオブパワーを超えて、ネットワーク外交を展開する、そのネットワークについて、実が上がるようにしていくと。これもいつも申し上げていますけれども、さまざまな枠組みがあります。ARF、EASあるいはASEANというのもありますし、あるいは日米韓、日米印、日米豪、それに加えて、やはり開かれた多層的なネットワークには、中国の参加というのが不可欠でありますから、日米同盟を深化させながら、先般もクリントン国務長官にも賛同いただきましたが、日米中の対話というものを立ち上げていくということが1つ大事な課題ではないかというように考えています。
もう一つは、やはり内向き志向からの脱却というのを、日本全体が図っていかなければならないと思っています。それは、1つはODAを何とか平成24年度予算から少しでも反転させられないかという思いで今、最終調整中でございます。そして、併せて、PKOもやはり国際社会、国際公益と国益を重ね合わせたときに、我々はしっかりとした貢献を行っていくということで、これまでもそのような方針でまいりましたし、そういうことを考えています。
また同時に、経済連携、これも内向き志向からの脱却だと思いますけれども、TPPに向けて一歩踏み出したわけでありますけれども、TPPを踏み出したことで日中韓のFTAというのも前進をする勢いというのが今出てきているというように思いますので、やはりそういった内向き志向からの脱却というものを、これも実を上げる、結果重視で。留学生も例えば米国への留学生というのは今10年で半分になっているわけでありますけれども、そういったことが例えば絆プロジェクトとかトモダチ・イニシアティブとの連携などで増えていくということが必要でありますし、そういう事柄をそれぞれ結果を出していくと、いつも私(大臣)、日米地域協定の問題でも言葉だけではなくて結果を出すことが大事だということを言ってまいりましたけれども、そういうことに対して責任を持って結果を出していくという年にしたいと思っています。
【フリーランス 上出氏】北朝鮮の金正日総書記の死亡に関することですが、いろいろな問題があると思うのですが、1つだけお伺いします。17日から2日間、全く知らなかったという報道がされています。これについては、いろいろな問題、言いにくい問題もあるのでしょうけれども、米国を含めて本当に知らなかったのかどうかという点と、こういうことが起きているということ、普通であれば最悪の事態をふだんからいろいろ想定していなければならないと思うのです。言葉で言うと失礼なので言いませんが、こういう結果を想定していなければならないと。その辺も含めて、大臣としては今回2日間全く察知できなかったという点について、答えられる範囲でお答えいただけますでしょうか。
【玄葉大臣】2日間ということでございますけれども、仮に2日間ということにしたとしても、いわば情報が秘匿をされていた、それが各国に漏れなかったということを考えたときに、逆に言えば、一定のこの間の北朝鮮の内部の状況というのは伺えるということでもあるのだろうというように思います。
また、あわせて申し上げれば、このインテリジェンスの問題ですから、機微な話はいたしませんけれども、そういったことに対して、世界全体に対して課題を提供したということは言えるというように思います。
いずれにしても、朝鮮半島の平和と安定に悪影響を与えないということで、日米外相会談でも確認をしましたし、また、日韓、日中の外相会談でも協力をしていこう、日韓とは緊密に連携していこう、日米韓の連携が大事である、情報の共有をし、関連情勢を注視するということを確認し合いました。核の問題、そして拉致の問題、それらについても日米韓の連携が極めて大切でありますし、拉致の問題について中国が重要な役割を果たすということにつきましては、論をまたないというように思っていますので、当然、働きかけを強めるということになります。
【毎日新聞 西田記者】北朝鮮の体制の移行で、政府与党内には停滞している日朝交渉とか、拉致問題の進展の一つのチャンスではないかというようにおっしゃる意見も結構あります。大臣としては、日朝交渉をどう動かしていくか、また拉致問題の解決にどう取り組んでいかれるか、その辺の考えをお聞かせ下さい。
【玄葉大臣】西田さんが言うようなご指摘というのはさまざまございます。こうい事態というのは、ひと言で言えば「リスクと機会がある」ということだと思います。まずはあらゆる事態に対応できるようにする。そして、機会を作るためにはどうすれば良いのかということについて当然考えを巡らし、日米韓を始め六者(協議)のパートナーと協議をし協力をし、仮にそういう機会を得たならば逃さないことが大事だと思います。ただ、しばらく、まさに関連情勢を冷静かつ慎重に分析をして注視をしていくということになるだろうと思います。
【NHK 増田記者】ご案内のように、本日、外交文書が公開されました。今回の、特に目玉というのは日中国交正常化交渉関連の文書が出てくるということだったのですけれども、田中角栄元首相と周恩来元首相の会談記録が出たのですが、いわゆるオリジナルではなくて、数年後の63年にタイプで打ち直した複製のものであったと。これをこちらの方で私どもが外務省の当該課に問い合わせたところ、「原本については現存しない」というお答えだったのです。ご案内のとおり田中元首相と周恩来元首相の会談記録というのは、今回の日中国交正常化交渉の最重要文書かつ近現代史の貴重な資料だと思うのですが、これが原本が現存していないというのは、にわかに信じられないことですし、かつ本当に現存していないのならば外務省の文書管理体制を厳しく問われても仕方がない案件だと思うのですけれども。もしかするとまだ事務方から報告がいってないのかもしれませんが、どのようにお考えになるかお聞かせ下さい。
【玄葉大臣】率直に言うとまだ報告を聞いていません。いずれにしても、岡田大臣が「私が約束したペースがうんと減速している」ということだったので、とにかく戻すということで、今戻している最中でありまして、今のお話につきましては事務方からもよく報告を聞いた上でコメントしたいと思います。基本的には、普通なら残っているというように想像しますけれども、事情はわかりません。そこは調べてからコメントをさせていただきたいと思います。いずれにしても今回の文書は、それぞれよくご議論いただいて、私(大臣)は一つ一つの文書にコメントする気はないのですけれども、そういう素材をしっかり提供したいと思っております。
【TBS 竹内記者】週末の日韓首脳会談ですが、昨日、韓国外通部の報道官が従軍慰安婦の賠償請求問題を話し合うというように述べました。一方で自民党側は記念像の撤去について申し入れをすべきであるというように話しています。この問題について、首脳会談においてどのように扱われるべきとお考えでしょうか。
【玄葉外務大臣】これは、まさに多角的な観点から、今検討している最中であります。
首脳会談でどう取り上げるべきかという問いでありますから、そういった多角的な検討を行って最終的には総理の判断ということになると思います。韓国側も同じだと思います。
【共同通信 池田記者】イランの制裁を巡りまして、米国の議会の方でイラン中央銀行と取引のある第三国の金融機関と米国の金融機関の取引制限について合意されまして可決される見通しですけれども、これについては日本側も特例要請をしているということですが、交渉状況はいかがでしょうか。
【玄葉大臣】イランの、たしかあれも国防授権法の中に入っていたと承知していますけれども、さまざなな規定がございます。我々としては、ご案内のとおり安保理決議1929号だったと思いますけれども、その履行について我々としての措置を拡大したところであります。一方、申し上げているとおり、我が国の経済、そして、世界の経済全体に与える影響ということもあるものですから、そういった懸念について、私(大臣)からというか、外務省から米側に伝えています。そういったことも含めてしっかり意見交換を行いながら、意思疎通を図りながら、このイランの問題については対応していく必要があると思います。
今のご質問は、確かにその法案には例外規定も含めてあるということは承知しています。
【玄葉外務大臣】9月の末に、衆議院の予算委員会で、岡田元外相から質問を受けた訳でありますけれども、私(大臣)から、外交記録の公開の作業が遅れているという指摘でありましたので、その作業を加速化させるという指示をしたと申し上げましたけれども、その場で申し上げたとおり、作業の加速化について事務方に強く指示をしたところでありますけれども、その結果、10月から先週までに1,565冊の外交記録ファイルを外交史料館に移管・公開をしたところでございます。
更に、来週22日には、国民の皆様の関心が高いと思われる「沖縄返還交渉」、「日中国交正常化交渉」等に関する外交記録ファイル126冊を外交史料館において公開する予定でございます。元々、3、4年で22,000冊ということを、当時の岡田外務大臣はおっしゃっていた訳でございまして、そうすると年間6,000冊ペースということでありますので、何とか、この年間6,000冊の公開ペースを維持できるようにしようということで考えておりまして、国民の知的共有財産である外交記録の公開を積極的に実施をし、国民の皆様の外交に対するご理解、そして信頼を得られるように努めたいと考えております。
【産経新聞 坂井記者】本日、ソウルで在韓国日本大使館の前に慰安婦の碑が建立し始めたということですが、これに対する受け止めと、日本として韓国側に抗議をしないのかどうか、この二点をお伺いします。
【玄葉大臣】慰安婦の碑が建設されたということについて、誠に残念でございます。この件に関しては、韓国政府の許可を得ないで作られたのではないかと思われます。いずれにしても、韓国政府に対して早期に撤去するように申し入れをしたいと思っておりますし、これは当然、外交ルートを通じてということになりますけれども、本日中に申し入れをしたいと考えております。
【朝日新聞 土佐記者】その問題が、今週末に予定される李明博大統領の訪日に何らかの影響を与えると思われますか。
【玄葉大臣】ご案内のとおり、シャトル外交をしようということで、李明博大統領の訪日については最終調整中ということでございますけれども、今回のことが、いわゆるシャトル外交でもございますので、そういったことに影響を与えないようにしないといけないと考えております。
【朝日新聞 土佐記者】そのためには具体的にどういうことが考えられるのでしょうか。例えば、会談でそういう話題が実際に上がるのかどうかも含めてですが。
【玄葉大臣】それは、まだ訪日自体が最終調整中ですから、その時にどういうやり取りが交わされるのかというのは、今まだ申し上げる段階ではないと思っております。
【フリーランス 西中氏】元従軍慰安婦の人たちが日本政府に謝罪と賠償を求めるという形で、本日も抗議行動が外務省に対してあったと思うのですけれども、やはりもうお年ですし、日韓基本条約があるからもう解決済みだという日本政府の立場もあると思うのですが、韓国政府からのいろいろな申し入れもあり、個人の尊厳と元従軍慰安婦の方の要求に対して、日本政府なりのきちんとした回答を示す必要があると思うのですが、その辺りはどのようにお考えでしょうか。
【玄葉大臣】この問題は、日韓間のこれまでの財産請求権の問題に関する我が国の政府の立場は一貫していると思っておりまして、日韓請求権・経済協力協定によって完全かつ最終的に解決済みであると。他方、おっしゃるとおり高齢になられた方々でございますから、だからこそ私たちはこれまでアジア女性基金などを通じて、そういった方々に対する、いわば協力と言いますか、そういうものを行ってきたという経緯があるわけであります。確か19年だったと思いますけれども、アジア女性基金というのは解散になりましたけれども、ただ引き続いて、そういったことのフォローアップというものを地道に行っていくということが大切だと考えております。
【NHK 吉岡記者】請求権協定で解決済みと政府はこれまでも繰り返していますけれども、今回デモを行った韓国の市民団体、あるいは従軍慰安婦だったとされる方々の主張では、この従軍慰安婦の問題が表面化をしたのは90年代に入ってからのことであって、日韓の請求権協定の締結当時は韓国政府にこの問題に対する認識がなかったのだと。改めて、日本政府に対して国家としての賠償を求めていらっしゃると思います。この点、政府の主張と少し食い違いがあるように感じるのですが、こうした声にどのようにお応えになられますか。
【玄葉大臣】この件に関しましては、これまで申し上げたとおり我が国の政府の立場は一貫していると繰り返し申し上げたいと思います。
【産経新聞 坂井記者】アジア女性基金の引き続きフォローアップを地道に行っていくことが大切だという、このフォローアップはどのようなフォローアップをしていかれるお考えでしょうか。
【玄葉大臣】詳細については、今この場では申し上げませんけれども、ご案内のとおり、中にはさまざまな事業がございますので、そういったことについてきめ細かな部分について何かできることがあるのではないかという趣旨で申し上げました。
【日経新聞 佐藤記者】米国の議会が、イラン中央銀行と取引する海外の金融機関に対して米国の金融機関との取引を制限する制裁措置というのをとることで合意しました。日本政府としての対応とイランへの追加制裁の可能性についてご見解をお願いします。
【玄葉大臣】これまでも何回か今の佐藤さんの話は質問を受けておりました。今おっしゃったので新しいのは、いわば米国の議会の動きということでそういうことがあったということだろうと思います。我々が議会のことで具体的にどうだこうだとコメントするということはいかがなものかと思いますけれども、ただ、このイランの問題、特にどういう制裁が行われるかということにつきましては、我が国の経済、そして、世界の経済にとって大きな影響を与えることは間違いないと思いますので、やはり重大な関心を持って注視をしていかなければならない課題であると考えております。一般論として言えば、イランの原油輸出、仮に1バレル100ドルが140ドルになるとか200ドルになるとか、さまざまな噂がございますけれども、そういったことも含めて、当然原油価格とか経済に対する影響というものは懸念されるということは述べなければならないのだろうと思います。
ただ、いずれにしても、いかなる措置が適切なのかということにつきましては、さまざまな影響を十分に勘案しながら、我が国としても慎重に検討していくということが必要だろうと思います。
【日本農業新聞 千本木記者】USTRのカトラー次官補が来日されていると思いますが、政府との間でどういった協議がなされているか。特に日本のTPP交渉参加に向けた日米間の協議について、可能な範囲で教えてください。お願いします。
【玄葉大臣】カトラーさんが、今、訪日をしているということは事実でございまして、現在、通商代表補という立場でございますけれども、日米の二国間の関係全般について意見交換・情報交換をしていると。その一環として、TPPなどについても議論をしようではないかということになっているというのが現在の状況でございます。まだ私(大臣)も報告は聞いていません。今、やっている最中だと思います。
いずれにしても、さまざまな機会をとらえて、米側とこのTPPの問題、あるいはそれ以前の問題については、適宜、情報交換をして、必要な情報についてはしっかり整理をした上で国民の皆様に随時提供させていただくと。当然のことだというように思っています。
【日本テレビ 野口記者】アメリカ議会の在沖縄海兵隊のグアム移転に関する経費、予算の凍結に関してお伺いします。
アメリカ議会は普天間移設に関して明白な進展が凍結解除の条件として挙げていますが、大臣、明白な進展というのはどういったことだとお考えでしょうか。環境影響評価書の提出だけで十分とお考えでしょうか。
【玄葉大臣】アメリカの議会についての状況は、上院の考え方というものが最終的に通るのではないかと言われているということだろうと思います。
上院が出しているのは、おっしゃるとおり4つの条件を出していて、例えば全体のマスタープランだとか、あるいはグアムにおける非軍事的インフラの問題だとか、いくつか出していて、そのうちの1つに普天間の具体的な進展というものがあるというように理解しております。それは具体的に何なのかというのは必ずしも明確にはなっていないと思います。
ただ、いずれにしても、先だっても申し上げましたけれども、日米両政府でこの問題については、特にグアム移転の問題については、さまざまな機会に互いに確認をし合っているという状況にございますので、議会は議会として、米国政府としては引き続きグアム移転についてコミットをしていくというように私(大臣)自身は考えているところでございますし、恐らくそうなるだろうというように考えています。
いずれにしても大事なことは、抑止力を維持しながら、沖縄の負担というものを速やかに軽減していくということについて、しっかりと具体化をすると。これは日米両政府ともに努力をしなければいけないという問題であるというように考えております。
【日経ビジネス 森記者】ヨーロッパの金融危機についてお伺いします。今、さまざまな案が検討をされていますが、日本から「日本はこういうサポートができるよ」というような提案をされている、もしくは今後される予定はありますでしょうか。
【玄葉大臣】これは、私(大臣)が申し上げるのが適切かどうかというのが一つあるだろうと思います。つまりは、財務大臣、官房長官あるいは総理大臣がおっしゃるたぐいの話なのかもしれません。
まずは、多くの方がおっしゃっていますけれども、欧州自身が自らの力でまず解決することが、この問題については大切なことではないかと思います。EFSF債だとか、その後がまの問題だとか、そういった問題はさまざまありますけれども、やはり基本的にはあくまでドイツ含めて欧州の中の中心国が、イギリスも、これは財政、通貨ともに距離を置いていますけれども、力を合わせて、まず欧州自身の問題として解決してもらうというのが、まず基本でないといけないのではないかと私(大臣)自身は考えております。
(1)米国訪問について
【玄葉外務大臣】12月18日(日曜日)から21日(水曜日)の日程で、米国・ワシントンを訪問いたします。これは、クリントン長官による招待ということになりますけれども、現地時間19日(月曜日)にクリントン国務長官との間で日米外相会談を行うほか、カーク通商代表をはじめとする米国政府関係者や有識者との意見交換等を行う予定でございます。
日米外相会談では、安全保障、経済、文化・人的交流を中心とする日米の二国間の課題に加えて、アジア太平洋地域情勢やグローバルな課題について、率直に意見交換し、個人的な信頼関係を更に深めていきたいと考えております。
(2)東南アジア訪問について
【玄葉大臣】25日(日曜日)から29日(木曜日)までの日程で、閣議了解を得た上で、ミャンマー、タイ、カンボジアを訪問する予定です。
ミャンマーでは、テイン・セイン大統領への表敬、アウン・サン・スー・チー女史等との会談を行い、同国の民主化・国民和解を確固たるものにしていきたいと考えております。
洪水に見舞われたタイでは、政府要人と会談し、両国の協力について意見交換を行います。また、洪水被害に見舞われた工業団地を視察する予定でおります。
来年のASEAN議長国であるカンボジアでは、シハモニ国王を拝謁し、フンセン首相表敬及びハオ・ナム・ホン副首相兼外相との会談を行う予定でございます。
(3)WTO第8回閣僚会議について
【玄葉大臣】12月15日(木曜日)から12月17日(土曜日)まで、スイスのジュネーブにおいてWTO(世界貿易機関)第8回閣僚会議が開催されます。この会議に出席するため、外務省からは、中野譲外務大臣政務官がジュネーブを訪問する予定です。
閣僚会議は2年に1度開かれるWTOの最高意思決定機関であり、今回は153の加盟国等から閣僚が参加し、膠着状態にあるドーハ・ラウンド交渉の今後の取り進め方、ロシアの加盟等に関して議論・決定が行われる見込みです。
中野外務大臣政務官は、このほか、本会議に出席する各国閣僚をはじめ、各方面の関係者と会談し、外交・通商等の幅広いテーマについて意見交換を行う予定になっております。
【テレビ朝日 花村記者】米国訪問ですけれども、総理の訪米について、総理もできるだけ早い時期に訪米する方向で調整をされていると思うのですけれども、どのような話になる見込みですか。報道では、当初予定していた1月から先送りされるという見方になっていますけれども。
【玄葉大臣】どこか特定の時期を決めて、この間調整をしていたということでは全くございませんので、いずれにしても双方一番良い時期に、成果が得られるような時期に訪問をしていただこうと思っています。
【テレビ朝日 花村記者】TPPについてですが、省庁横断のチームがようやく決まったと思いますけれども、外務省は特に情報の出し方が不十分ではないかとずっと言われていましたけれども、新しい体制でどのように臨んでいくお考えでしょうか。
【玄葉大臣】情報提供は、もちろん外務省の仕事でもございますけれども、今回3チームできまして、国家戦略担当大臣の下に一つのチームが、つまりは情報提供チームというのがあるということでございますから、しっかりと整理された情報を国民の皆様にわかりやすく提供できるようにしたいと思います。隠す必要は別にないと。ただ、どうしても相手国との関係で「これは、まだ出せない」とか、そういった情報というのは当然でてくると思います。ただ、出せる情報についてしっかり整理をして、国民の皆様にわかりやすく提供するということに努めてまいりたいと思います。
【NHK 池川記者】この週末にマレーシアで情報収集を早速されていたかと思いますが、その成果とどのように感じられたのかという受け止めの2点をお願いします。
【玄葉大臣】片上大使から本日も報告を受けましたけれども、一言で言えば、まだまだ道半ばであるという感じでありまして、そういう意味では、しっかりと情報収集をして、提供すべき情報について提供し、また、同時に併せて、交渉に入る前の事前の二国間協議等についてしっかりと進めていくということが必要だと思います。
【NHK 池川記者】二国間協議・事前協議ですけれども、特に米国が官報告示されていると思うのですが、年内の事前協議開始というのは、見通しとしてはいかがでしょうか。
【玄葉大臣】何をもって事前協議と言うかということだと思います。おっしゃるように、米国がTPA法というのがかつてあった。失効しているのだけれども、これまでとの関係で、つまり、議会に通商権限そのものがあるという国でありますので、その議会との関係上、90日ルールというのがあると。その90日ルールの議会の通知に入る前に、一定程度調整をした上でないと、スムーズな形で審議がされにくいということもありますので、今おっしゃったような協議というものが必要になると感じております。
そういった協議については、何をもって協議と言うかということでありますが、これは年内にも入る可能性は十分にあると申し上げたいと思います。
【産経新聞 坂井記者】韓国の海洋警察官が中国の漁船の船長に刺殺されたのですけれども、その上で、中国側は謝罪もしていないわけですが、この事件についてどのように受け止めていらっしゃいますか。
【玄葉大臣】まだ状況を十分把握しないと、コメントしにくいと思います。あれは、EEZですか。明らかな違法行為であれば、それは当然、普通に考えれば韓国の国内で裁くことになるのだろうと思います。
まだ、状況を、どの時点とか、EEZの中だったのか、外だったのか、そういったことがあると思いますけれども、韓国と中国は、この間も何度も何度も衝突をしています。去年のたしか12月の事案などでは、かなりの事件であったわけでありますけれども、いわば釈放しているという状況がありますが、いずれにしても注視をしたいと思います。
【日経新聞 神澤記者】米国議会が在沖縄海兵隊グアム移転関連予算を2012年の会計年度国防権限法案から全額削除したという一部報道があったのですが、普天間飛行場の移設問題に絡んで、何らかの影響はあると大臣はお考えになられますか。
【玄葉大臣】報道は承知をしています。つまり、上院と下院で、考え方が違っていると。特に、上院の方は、グアム移転の予算について事実上、全額削減をした案を通したということだろうと思います。ただ、日米両政府とも、政府としては、グアム移転というものに対するコミットメントを累次の機会で確認をしているのが現状であります。恐らく、今後、米国政府としては、改めてグアム移転というものに対するコミットメントを発表されるのではないだろうかと考えております。
【玄葉大臣】イランの核計画に関する先般のIAEA理事会決議の採択など、イランの核問題をめぐる現状を踏まえまして、国際平和のための国際的な努力に我が国として寄与するため、本日の閣議において、昨年実施した安保理決議第1929号の履行に付随する措置の対象者を拡大することを了解したところであります。
イランとの間の金融取引等につきましては、金融機関等に対しまして、本人確認義務等の履行を去る5日にも改めて要請したところでございます。
我が国は、イランが国際社会の懸念を解消するため、賢明な決断を行うことを強く求めたいと考えております。我が国は、政治・経済など様々な分野におきまして、イランとの間で伝統的な関係を有しておりますので、同国に対しまして、粘り強い働きかけを継続していく考えでございます。
【TBS 竹内記者】本日で臨時国会が閉会しますけれども、公務員の給与引き下げも国会議員の定数削減も先送りになった形で、消費増税にこれから突き進んでいくと。それに対して疑問の声も上がっているわけですが、この点について、どうお考えでしょうか。
【玄葉大臣】今、国民の皆さんが求めているのは、やはり与党と野党がこのねじれの状況の中で話し合って、国民の皆さんが求める、今おっしゃったような無駄遣いの解消も含めた一致点を見いだすことにあるのではないかというように思います。民主党、あるいは与党としても相当の努力をしてきたのだろうと思います。私(大臣)自身もかつて政調会長をさせていただいていましたので、そういう意味では、是非とも対決型の国会ではなくて、話し合い型の国会に、提案型の国会にしていくということが求められていると思いますし、そうしていかなければならないと考えています。
【産経新聞 坂井記者】イランの制裁は、金融取引の対象拡大ということで金融取引だけになるのでしょうか。
【玄葉大臣】今回は具体的に申し上げますと、資産凍結措置と資産凍結等によるコルレス関係の停止措置ということで、資産凍結措置につきましてはイランの核活動等に寄与し得る106団体、そして、1個人を追加してということで、これまでとあわせると267団体、66個人ということになります。更に、イランの核活動等に寄与し得るイランの銀行、3行を追加してということで、これまでと合わせると20行ということになります。
【産経新聞 坂井記者】原油の輸入制限措置というのはちょっと厳しいですか。独自制裁として。
【玄葉大臣】いずれにしても、今回は少なくともこういう判断をしていくと。先ほど申し上げましたけれども、今後更に粘り強く働きかけをする中で、また同時に国際社会とよく連携をしあって今後の対応について真剣に検討していきたいと考えています。非常に大事な問題になると思います。
【NHK 島田記者】今後、米国などが更なる強制措置等を求めてくることもあるかも知れませんが、そういった際には更なる制裁なり何なり検討されるということでよろしいでしょうか。
【玄葉大臣】先ほども申し上げましたように、当然米国のみならず、さまざまな国とよく意思疎通を図りたいと思います。大事なことは、結局ゴール、最終目標というものをきちんと一致させることだと思うのです。一致させた上で、どういう手段をどの国がとっていくことが一番ゴールを目指して、獲得するために良いのかという話し合いをしっかりとやっていくということではないかと思います。伝統的に元々二国間関係はそれぞれ違っているわけでありますので、そういうことも勘案しながら判断していきたいと思っています。
【産経新聞 坂井記者】閣議了解か閣議決定か、どちらでしょうか。
【玄葉大臣】これは閣議了解です。
【玄葉外務大臣】12月6日、インドネシアの国会におきまして、同国が包括的核実験禁止条約(CTBT)を批准することにつき承認が得られたところでございます。我が国はこれを歓迎いたします。これは、CTBT発効に向けた重要な一歩であると考えます。
我が国は、CTBTの早期発効に向けた働きかけや協力を積極的に行っていることはご存知のとおりでございますけれども、インドネシアに対しまして、この間、二国間会談の機会を捉え、ハイレベルで働きかけてきたところでございます。
私(大臣)も、本年9月のニューヨークにおける第7回CTBT発効促進会議におきまして、未署名国・未批准国に対し、CTBTの早期署名・批准を呼びかけてたところでございます。我が国は、これを機会に、未批准国がインドネシアに続いて早期に批准することを改めて呼びかけたいと思います。同時に「核兵器のない世界」の実現に向けたCTBT早期発効のため、一層の外交努力を重ねてまいりたいと考えております。
【朝日新聞 土佐記者】今月中旬を軸に調整していた野田首相の訪中が、中国側の要請で延期になりました。この経緯と今の再調整状況についてお願いします。
【玄葉大臣】おっしゃるように中国側の要請ということでございますけれども、官房長官も会見で言われたと思いますが、良い雰囲気で総理訪中を迎えたいという思いがあったのだと思います。私(大臣)も訪中いたしましたけれども、今回の野田総理の訪中を、中国としては非常に重視をしていると思います。日中の当局間で忌憚のない意見交換を行っています。つまりは、総理の訪中を成功させるために一番良い時期ということで、忌憚のない意見交換を行った結果、改めて年内の総理訪中に向けて調整を行うことになったということでございます。先ほど委員会でも申し上げましたけれども、私(大臣)は良い影響を日中関係に与えることはあっても、悪い影響を与えることはないというように思います。
【毎日新聞 坂口記者】明日、旧日本軍の真珠湾攻撃からちょうど70年になるのですが、現在、将来の日米関係も踏まえて大臣の所見をお伺いしたいと思います。
【玄葉大臣】真珠湾攻撃の70周年であるということでございますけれども、ひと言で申し上げれば非常に感慨深い、つまりは戦火を交えた日米両国が今や日米同盟関係を結んで、まさにアジア太平洋の中で公共財であるというように認識を共有していると。ご存じのように「米国から見ても、この日米同盟がキーストーンである」ということをはっきりオバマ大統領も、またクリントン国務長官も述べているということを考えれば、非常に感慨深いというのが率直なところでございます。
この日米の同盟というものをさまざまなレベルで深化をさせていくということが大切だと思いますし、我が国の発展・豊かさというものは、やはりアジア太平洋の繁栄と共にあると考えても良いのではないかと思います。その時に米国がアジアの中にしっかりと関与していくと、コミットしていくということは私(大臣)は重要なことであると思います。
あわせて、先ほど中国の話も出ましたから申し上げれば、世界第二位・第三位の経済規模である日中両国も経済関係を深化させて、日中双方ともそうでありますけれども、地域の問題、さらには世界全体の問題に対して建設的な役割を果たしていくということをしっかり行っていくということが肝要であると考えております。
【NHK 島田記者】日米関係について、先日の前の防衛局長の更迭ですとか、一川防衛大臣の問責決議案等も出される見通しですけれども、玄葉大臣が検討されている訪米ですが、予定どおり今考えていらっしゃるのかということと、その際は訪米の意義というのはどういったものにしたいと考えていらっしゃいますか。
【玄葉大臣】まだ発表していないということですので、調整中であるということでありますが、私(大臣)としては年内に訪米をしたいと、先方からも「是非年内に訪米を」という話がございますし、現時点での思いを申し上げればそういうことでございます。
それはさまざまな課題がございますので、先ほど申し上げたように、いずれにしても仮に訪米することになれば、日米同盟の深化のみならず、二国間関係だけでななくて地域全体の課題、また世界全体の課題についてフランクな話し合いの場も含めて持ちたいというのが私(大臣)の思いです。つまりは、いわゆる公式の会談だけではなくて、ざっくばらんな意見交換ができる場も持ちたいと思っております。
【NHK 池川記者】EUが条件付きで京都議定書の継続を容認する方針を会議で打ち出して、中国も2020年以降の枠組みにも参加する可能性を示唆しています。日本は、これまで京都議定書の継続には反対の立場をとっていましたけれども、仮に全体で継続ということでまとまった場合は、どのような対応をするのか改めて教えてください。
もう一点は、日本は廃案というか、新しい法的拘束力のある枠組みの実現に向けて各国との交渉を行ってきたかと思うのですけれども、京都議定書の継続が仮に前提のような話し合いになっている中で、具体的な対案としてどのようなものを仮に会議で示すことになるのでしょうか。現地では細野大臣が対応していると思うのですけれども、玄葉大臣のお考えを教えてください。
【玄葉大臣】まさに現在進行中でありまして、恐らく今ごろ細野大臣がプレゼンテーションをしているのではないかというように思いますけれども、京都議定書の第2約束期間ということになれば、それは、私たちは入れないということは首尾一貫しているわけです。その最大の理由は、40%を米中で占める温暖化排出ガスの排出量、残念ながら主要国は入っていないと。今、京都議定書でカバーしているのはたしか26~27%ではないかと記憶をしています。やはり主要排出国が入る形での法的枠組み、公平性かつ実効性が上がる法的枠組みをつくるという大原則を打ち立てておりますので、その大原則というものを大切にしなければならないと思います。その上で、ポイントは2つあると思っております。
1つは、仮定の話はあまり申し上げない方がいいのかもしれませんけれども、仮に法的な枠組み、先ほど申し上げた私たちの目標が達成できない場合、2つのポイントがあって、1つは、将来、そういった主要排出国が入る枠組みをつくる場合の道筋を提案していくということです。
それともう一つのポイントは、やはり仮に法的な空白期間が生じる場合であっても、行動の空白期間というものをつくらないようにどうするかということではないかと思っております。
それと日本側から建設的な提案を併せてしていく必要があって、私(大臣)自身もこの間も低炭素のパートナーシップ構想とかをアジアでも行っていく、また世界全体でも行っていく、そういう提案をしております。また、CDMだけではなくて二国間のオフセット・クレジットの話もバイラテラルの関係ではやっております。
そういう構想そのこと自体をしっかりと打ち立てて、そのことを各国に対して呼びかけていくということが日本外交というか、この問題については大切なのではないかと考えています。
【フリーランス 上出氏】前の前ぐらいの会見で聞いたミャンマー問題です。その後、クリントン国務長官が行かれてスー・チーさんと会って、言えない範囲のことかもしれませんが、(日米間で)やり取りされていると思います。人権問題の評価では日本とは違いがあるということをはっきり言われたのですけれども、建設的関与と言っていた前の段階の民主化のとき、日本は商社などのすごい圧力でやったなという感じを取材して感じました。
そういうことも含めて、クリントン長官のミャンマー訪問も含めた現在の評価、民主化に向けて、前は日本がやり過ぎたという、民主化の運動をしている人たちから日本に対して、前は批判があったのですが、そういうことも含めた評価をお願いします。
【玄葉大臣】実際、日米でのやり取りというのは中身は申し上げられませんが、当然、外相レベルでも実はかつてやりましたけれども、今回のミャンマー訪問を受けても行っています。ただ、中身は申し上げられません。
ただ、私(大臣)の思いはこの間も申し上げてまいりましたけれども、つまり、日本というのはどういう立ち位置なのですかということだと思うのです。この間ずっと一貫して申し上げてまいりましたけれども、このアジア太平洋を民主主義的な価値に基づいて豊かで安定した秩序、そういう地域にするのだと一貫して私(大臣)は言ってまいりました。それは単に価値の押しつけではありませんということも言ってまいりました。そのときに言う民主主義というのは、つまり日本というアジアの一員である日本、これは当然アジア的な価値観というものをもともと有しているわけであります。このアジアの中で初めて、普遍的な価値観とも今言われている民主主義というものを導入したのが日本なわけで、そういう意味で私(大臣)は日本は特別な役割があると、この場でも何回か申し上げてきたわけであります。
そういう意味で、私(大臣)は米国などよりはずっと先んじてミャンマーに対して民主化を後押しする、別に経済界云々ではなくて、ミャンマーに対して民主化が後戻りしないように不可逆的な動きになるように後押しをしていくというのは、私(大臣)は日本の役割、また米国とはちょっと違う役割ではないか。当然、日米連携はいたします。意見交換も頻繁に行います。だだ、日本は日本のスタンスとして、しっかりミャンマーに対して向き合っていくということではないかと考えています。
【週刊ポスト 森田記者】先週報じました、クロアチアの田村義雄大使のセクハラの件についてお伺いしたいのですけれども、まず1つは大臣はどうお考えになっていて、どういう対処されるつもりなのかということと、もう一つは記者クラブの加盟各社の幹部に対して、この問題を報じると付き合いを考えると、つまり報道を牽制するような外務省の方の動きがあったと聞いているのですが、それは大臣はお聞き及びになっているでしょうか。この2点をお聞かせください。
【玄葉大臣】後者については聞いておりません。ただ、報道につきましては読みました。承知をしています。
一言で申し上げれば、報償費の問題だろうが、あるいは仕事ぶり、つまりは公務員としての不適切な行為が、一般論として申し上げますが、あれば、これは当然ながら厳正に対応し、必要ならば適切な処分を行うというのが私(大臣)の方針でございます。
【日本テレビ 野口記者】まずは一川防衛大臣の進退が大きな問題になっておりますけれども、この一川大臣の一連の発言が普天間の移設問題に与える影響というのはあるというようにお考えでしょうか。もしあるといえばどういったものでしょうか。
【玄葉大臣】防衛局長の極めて不適切な発言で、沖縄の状況の厳しさが増したというように認識しているというのはこれまで申してきたとおりでございます。一川大臣のこともいろいろお尋ねでありますけれども、いずれにしても、私〈大臣)としては沖縄との信頼関係をこれからまた一つひとつ積み重ねをしたいと、それだけであります
【日本テレビ 野口記者】同じ連立与党内からも、総理は罷免すべきであると、辞めるのを待つべきでなく総理の責任として罷免すべきであるという声も出ておりますけれども、どういうように受け止めていらっしゃいますでしょうか。
【玄葉大臣】それはまさに総理大臣が判断されることだろうというように思います。
【日本テレビ 野口記者】朝鮮王朝儀軌の引渡しが本日、行われます。航空便で韓国に送られることになりますが、このご感想を外務大臣としてお願いいたします。
【玄葉大臣】これは、もう昨年、菅政権のときに法律で決めた約束事でありますので、本日午後、引渡しを、期限でありますので、するということになったということであります。さまざまな日韓関係、障害もあります。そういう中で、やはり互いの国民感情の改善等に役立つということを期待をしております。そもそも、日韓関係全体が、常に申し上げておりますけれども、戦略的な利益を共有しているわけです。重層的な関係でもあります。そういったことを総合的にとらまえて、昨年来、判断をされたということだと思いますので、やはり約束ですから、きちんとお引渡しをするということだと思います。
【産経新聞 坂井記者】鳩山元総理が、昨日の講演で、普天間問題について、辺野古以外を探す努力を続ける必要があるということを言われているのですけれども、野田政権では辺野古ということで進めていて、民主党の総理経験者がこういう発言を改めて言うと。しかも、首相を務めた人間として責任がある、何らかの形で関わらないといけないということで、余り関わり過ぎると、混乱するという危惧もあると思うのですけれども、この発言、辺野古以外探すべきというのをどう受け止めますか。
【玄葉大臣】特にコメントはありません。私(大臣)としては、私(大臣)の立場で、一つひとつ積み重ねをしていくということだと思います。いずれにしても、やはり沖縄県との、あるいは県民の皆さんとの信頼関係を、ありとあらゆる努力をして、もう一度、努力をしていかなくてはならないと思っています。
【玄葉大臣】このたび、コソボ共和国より、ホジャイ外相が訪日され、12月5日(月曜日)、私(大臣)とホジャイ外相は外相会談を行い、二国間関係及び国際情勢につき意見交換を行う予定であります。
ホジャイ外相は、コソボ共和国から訪日される初めての閣僚であり、同外相の訪日により、友好的な日・コソボ関係が発展することが期待されております。
【日本テレビ 天野記者】最近のミャンマーの民主化を外務大臣としてどう考えるかと、御本人で行く予定はあるのでしょうか。
【玄葉大臣】訪問の予定について、まだ決まっているわけではありません。それと、ミャンマーにつきましては、以前から申し上げておりますが、一連の政治犯の釈放とか、あるいは政党登録法の改正等を我々としては前向きに評価をしておりまして、これが後戻りしないように、つまりは不可逆的になるように後押しをしていくということで、10月の段階だったと思いますけれども、ミャンマーの外相に私(大臣)の方から伝えてございますので、そういった考え方は変わりません。
【読売新聞 石田記者】沖縄の基地の返還等を決めたSACO合意から今日で丸15年になるのですが、これまでの歩みの評価と今後に向けての決意を改めてお伺いします。
【玄葉大臣】15年経って、残念ながら実現に至っていないという状況でございます。改めてSACO合意から更なる負担軽減、つまり地位協定の問題にしろ、共同使用、あるいは環境の問題、訓練移転の問題等が加わって、その時々の安保関係で抑止力を維持しながら、沖縄の負担全体の軽減につなげていくということの考え方は基本的に変わっていないし、とにかく沖縄県、あるいは沖縄県民の皆さんと信頼関係を構築できるように全力を尽くしていきたいと思っています。
【テレビ朝日 花村記者】一川防衛大臣が本日、沖縄を訪問して仲井真知事と会談される予定ですけれども、非常に沖縄が厳しい状況の中、また一川大臣の発言も問題になっている中、大臣としてはどのような会談を要望されますか。
【玄葉大臣】やはり、心からのお詫びを申し上げなければいけないと思います。私(大臣)自身も沖縄に関係する閣僚ですから、(沖縄)県民の皆さまにお詫びを申し上げなければいけないというように思います。
【産経新聞 坂井記者】イラン情勢ですけれども、欧州諸国によって対イラン包囲網が強まっているのですけれども、日本政府は依然として遺憾の意を表明するだけで、まだ具体的な追加制裁措置も見えてきませんけれども、現在どのような状況なのでしょうか。
【玄葉大臣】安保理決議がありますから、それに付随したその履行について、今政府の中で真剣に検討しているという状況にございます。これはイランに対する直接の働きかけということを、一方で行う必要があるのではないかというように思っています。特に平和的に解決されるようにという努力を、日本自身行っていく必要があるのではないかと。つまり双方、しっかりやっていく必要があるというように思っています。